各国の王族を部屋へ案内したものの、この城に滞在するのは不安だという声が噴出。 結局、ほとんどの王族が国王夫妻やピサロ侯爵一家と共に転移魔法陣で王都へ去り、数名だけがこの城に残ることになった。(王宮もあんな大人数で急に押しかけられて、ひっくり返っているだろうな。ただ、安全面を考えたら、文句なんか言えないか……) 今夜、この城に泊まる王族は王太子マクシム、サルバントーレ王国の王子フォンデ、ポリナン公国のビセンテ公子とその妻エスペランサ、ネーゼ王国の王女コルネリアの五名。 また、国内外の貴族たちについては転移魔法陣のキャパの問題もあり、辺境伯城に留まってもらっている。今後、数日に分けて、王都に移動させる予定とのこと。(この状況でここへ残ろうと思った王族メンバーはマクシムを除いて、危機感がない者や変わり者しかいなさそうだ~な~。ふぅ……) 今、ビアンカはぬるいお湯をたっぷりと入れた浴槽に浸かって疲れを取っている。朝から慣れない服を着せられ、訳の分からない状況に流され続けた。――――それなのに特別任務に関する情報は何も得られていない……。「マクシムのバーカ……、本当にムカつく野郎だ!」 ユリウスがベリータ嬢を床に沈めた後、ビアンカはマクシムに『王太子妃との間に何かあったのか?』とストレートに聞いた。 しかし、彼はビアンカの質問を無視して『本日発生した襲撃事件の捜査は打ち切ってくれ』とユリウスに命じたのである。 このやり取りはビアンカを猛烈にイラつかせた。(お蔵入りにするには目撃者が多過ぎる。それに敵が私を狙う理由くらいは知りたい。――――もしかして、原因を作ったのはあいつ(マクシム)なのではないか? あいつが度々私を王宮に呼び出すから、王太子妃が私達のことを男女の仲だと疑って……。しかし、変な勘繰りをされないよう、常日頃から私とマクシムは一定の距離を取っていた。――――と、考えるとこの嫉妬説は現実的ではないな……) ビアンカは前髪をかき上げる。美しいアメジスト色の瞳が露わになった。(他の可能性としては、王太子妃を誰かが唆したとか……。んっ
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