جميع فصول : الفصل -الفصل 60

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初共闘!!結婚3日目・ユリウスとアン 1

「アン、取り掛かれ」 ユリウスはアンに命令した。 ピョンピョンと跳ね回っていたアンは二人の前に戻り、ローブの懐から短い杖を出す。(あっ、杖だ! アンの杖は黒色か~) 魔法を見るのが大好きなビアンカは彼女の動きをジ~ッと観察する。 アンは懐から出した杖を掲げ、何かを描き始めた。―――やがて、杖先の軌跡は金色の線となり、複雑な紋様が浮かび上がってくる。「あれは……」(綺麗だ。魔法牢の鍵のところにあったものと似ている)「ビアンカ、あれは召喚の魔法陣です。アンは気に入った相手をよく連れ去っているので、失敗することはないでしょう」「は? 人を連れ去る!?」 ビアンカは眉をひそめた。「はい、老若男女問わず、気に入ったら自分の家へ……」「いや、それ、犯罪……」 ユリウスはニコッと笑って、ビアンカの指摘を聞き流す。(ユリウス、笑っている場合じゃないだろ~。魔法使いって、ヤバい奴が多いのか? 人を連れ去るのは犯罪! それくらい誰でも知っている。アン……、美少女にしか見えないだけになおさら、怖いな……。男なんて、彼女が微笑むだけで簡単に騙されてしまいそうだ。―――本当に見た目で判断出来ないな……) ビアンカは手のひらで額を押さえる。「ビアンカ、大丈夫ですか?」 ユリウスはビアンカの手を取り、優しく握った。「いえ、魔法使いのモラルが想像以上に危な……」 ボソボソと懸念を呟く、ビアンカ。「気が済んだら家に帰しているようなので心配しなくても大丈夫ですよ」 ユリウスはフワッと優しく微笑む。(うわっ、極上笑顔~、破壊力ヤバい!!―――って、違う!!)「いや、そもそも、連れ去っている時点で犯……
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初共闘!!結婚3日目・ユリウスとアン 2

 ビアンカはチラリとユリウスの手元を見てみた。すると彼が結構な枚数の書類を持っていることに気付く。―――ビアンカの予想通り、ユリウスの逮捕状を読み上げる作業は終わらない。 アンは途中で飽きて、少し離れたベンチへ移動した。 ビアンカは見届け人を命じられているので、ユリウスの隣でずっと聞いている。「ビアンカ」「あ、はい」 急に名を呼ばれてビアンカは声が上ずってしまう。「次で最後です。しっかりと聞いていて下さい」(お! ようやく終わりか! 長かった~)「本日を持って、我がローマリア王国はツィアベール公国を併合する」「……」「よって、元大公ボブソン・シェ―モ・ベールはローマリア王国の法の下で裁かれることになる。しっかりと覚悟しておくように……」「……」 ユリウスは冷たい微笑みを元大公へ向ける。大公は悔し涙を目尻にためて、ユリウスを睨みつけていた。「その反抗的な態度、まだ状況が分かってないようですね? 問題児のツィアベール公国は我が国の王太子妃の故郷です。なので、公国の民が路頭に迷わないよう、仕方なく併合に踏み切ったのです。感謝して下さい。我が国は大損を承知の上でこの国を請け負ったのですから、全然、欲しくもないのに……」(うわっ、嫌味……。というか、あの二人は近々離婚するかも知れないのに……、良くも、しゃあしゃあと嘘を吐く)「!……!!」 激怒した元大公は抵抗しようと試みるが、魔法の鎖でしっかり拘束されているので身動きが取れない。勿論、声も出ない。「ユリウス、元大公の言い分も一言くらい聞いてみませんか?」(いくら真実を基に逮捕状を用意したとしても、本人に一度も返事をさせないのは良くない。あと、私を狙った理由も是非、聞きたい) この提案をしたことをビアンカはすぐに後
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初共闘!!結婚3日目・連携技 1

―――そろそろ、夜が明けようとしている。 高台の展望台から魔法で転移したユリウスとビアンカは、大公の城の中庭に姿を現した。「この雰囲気……。大公が居なくなったことに気付いたのでしょうか」 あちらこちらから、せわしない足音と指示を出す声が聞こえてくる。城内は混乱しているようだ。「ええ、気付いたのでしょう。ビアンカ、ターキッシュ帝国の者たちは宗教上の理由で頭に黒い布を巻いています。見分ける時の目印にするといいですよ。―――それで、これからのことですが……、片っ端から捕えて行きますか? それとも先に親玉を狙いますか?」 軽い口調でユリウスは彼女に問う。しかし、ビアンカはあくまでユリウスの部下として、ここにいる。「それは私が決めることではありません。―――というか、きちんと指示を出して下さいよ」(この場面で急にどうしたいなんて聞かれたら、普通に戸惑うぞ……)「分かりました」 返事をすると同時にユリウスは急に研ぎ澄まされた剣のような鋭い眼光でビアンカを見据えた。(恐ろしく、切り替えが早いな……。一瞬で空気が変わった。ピリピリするようなこの緊張感……、なかなか良い。私は好きだ)「女戦士ビアンカへ命じる。この城に居る者を一人残らず、牢へ送れ」「御意」 床に突き立てていた大斧をビアンカは肩に担ぎ上げる。ユリウスは人の流れを目視でざっと確認し、進む道を決めた。♢♢♢♢♢♢♢♢「ゔっ……」 ビアンカの大斧で足を斬りつけられた細身の男は膝から崩れ落ち、ドサッと床に倒れ込んだ。 ビアンカの目配せを受け、ユリウスは杖を軽く振る。細身の男の姿が消えた。 廊下を慎重に進みながら、二人はこの流れを繰り返している。 転送先は辺境伯城の地下牢だ。王都の牢に送らない理由はマクシムの管轄だから。ツィアベール公国を併合する計画は国王の判断
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初共闘!!結婚3日目・連携技 2

 前に向き直ったユリウスは女魔法使いに杖を掲げて、近づいて行く。女は後退りをしながら、ユリウスの様子を窺う。 三人以外、誰も居ない真っ直ぐな廊下に一触即発の緊張感が高まる。「ビアンカ、私が合図を出したら、魔法使いの横を一気に走り抜けて下さい」 ユリウスは敢えて、こちらに警戒している女魔法使いへ聞こえるように話した。ビアンカも大きな声で彼に返事をする。「分かりました。全力で走り抜けます!」 ユリウスは「スタシス……。行け、ビアンカ」と、小声で囁いた。 準備万端のビアンカは彼の合図で疾風の如く駆け抜ける。大斧を担いでいることを忘れるくらいに……。 ヒュッ、ガァツ。―――ビアンカが放った大斧の一閃で、女魔法使いの首が勢いよく宙を舞った。 ドン、ゴトッ、ゴト!! 物騒な音を立てて、頭部は床を転がり、頭を失った身体はその場に崩れ込む。「―――タナトス」 ユリウスは二つに分かれてしまった女魔法使いへ絶対死の魔法を掛ける。―――二度と復活出来ないように。 最後に杖をもう一振りし、亡骸をその場で消滅させた。(スゴい、灰が舞うように消え去った……)「ビアンカ、通じ合いましたね」「ええ、仕事柄、こういう勘は冴えているので」(二人の連携が上手くいったから、強敵を簡単に倒せた。魔法使い対魔法使いの戦いが始まらなくて本当に良かった~。―――下手したら今頃、この建物も吹っ飛んでいたかも知れないし……。想像しただけで、ゾッとする)「ユリウス、スタ……なんとかは相手の動きを止める魔法ですか? 私が大斧を振るう時、あの女魔法使いは目を見開いたまま固まっていました」「はい、相手の時間を一瞬だけ止める魔法を使いました。ただ、不意打ちしないと結構、防がれてしまうのが難点で……。―――あなたの察しが良くて助かりました」(『
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初共闘!!結婚3日目・主の居ない城

「ターキッシュ帝国のカナン伯爵、私はローマリア王国の辺境伯爵ユリウス・フルゴル・コンストラーナです。あなたを不法入国及び不法滞在の罪で逮捕します」 ユリウスは悲鳴を上げているカナン伯爵へこの場で逮捕する旨を淡々と伝える。 一方、パニック中のカナン伯爵はユリウスが伝えた内容とその意味を理解する余裕がなかった。―――何故、ローマリア王国の者が自分を逮捕するのかということも……。「あなた方は一体、何なのですか! 急に城へ乗り込んで来て! 私は両国の懸け橋となるべく、荒海を渡って来たというのに!!」(おいおいおい! あくまで、自分は親善大使だからここにいるという設定を貫くつもりか。それは流石に……)「何が親善大使だ! お前たちはこの城を占領していただろ!」 ビアンカは強い口調で、相手を恫喝する。「私はこの城に来てから、ツィアベール公国の民を一人も見ていない。これはどういうことだ? お前が大公を操り……、いや、この国を乗っ取ったのではないかと疑うのが普通だろ!」「―――わ、私が、そ、そんなバカなことをするはずがないじゃないですか!!」 狼狽えた声で必死に言い返す、カナン伯爵。(どう見てもボスの位置にいたくせに、このセリフか……。かなり小者だな) 残念ながら、彼の言葉に賛同する者はもういない。―――彼の味方はユリウスがテキパキと辺境伯の地下牢へ転送したからである。「ビアンカ、この辺にしましょう。カナン伯爵、続きは裁判で……」「さっ、裁判!?」「分かりました。長引かせてすみません」 ユリウスとやり取りをしている時も、ビアンカはカナン伯爵から決して目を離さなかった。『いつ如何なる時も、戦士たるもの油断してはならない』と、彼女の辞書に書いてあるからだ。―――気合十分なビアンカと、彼女から大斧を突き付けられているカナン伯爵を、ユリウスは涼しい顔で見ていた。(常に自然体、ユリウスは全然、緊張感がないな……。魔法使いというのはそういうものなのか? それとも器が単純にデカいだけ?) 油断はしていないもの
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初共闘!!結婚3日目・国王と宰相 1

「二人共、ご苦労だった!!」 国王は玉座から立ち上がって、ユリウスとビアンカの方へ向かってくる。 直立不動で玉座の横に立っている宰相(ピサロ侯爵)は、ビアンカを凝視していた。(―――父上(ピサロ侯爵)のことをすっかり忘れていた!! あ~、もう!! そんなに見なくても良いじゃないか! 夫と手を繋いでいるだけじゃないか!!) 謁見室には武器が持ち込めない。それ故、ビアンカは大斧を廊下にいる衛兵に大斧を預けた。(空いていた右手をユリウスが握って来たのだから、仕方ないだろう!? 無理やりほどいたりしたら、言葉にならないくらい悲しそうな顔をするぞ! あの顔を見たら、罪悪感が半端ない……。いや、あの顔は本当にもうさせたくない……) ビアンカの脳裏に浮かんだのは、今朝、ユリウスが自分の寝相がとても悪いと初めて知って、大きなショックを受け、更にビアンカをベッドから投げ落としたと聞いて、激しく落ち込んだ時のことだった。 ビアンカは身震いをしてしまう。(美しい男の悲しむ顔の破壊力!! 国軍の『嘘は悪、真実は正義』という教えを捨てようかなと思うくらいの落ち込みようだった……。ユリウス、今夜はどうするつもりだろう……) 彼女はユリウスの横顔を窺う。出来れば『別室に……』と言いたいが、あの姿を見たら可哀想でとても言えない。(最悪、私がクローゼットルームで寝ればいいか。アンナに頼んで、床に敷いて使える寝具を用意して貰おう) ビアンカが色々と考えている間、ピサロ侯爵は娘夫婦を観察していた。顔には出さないが、ビアンカが男と並んでいる姿を想像したこともなかったので、正直なところ驚いている。 女戦士の道を突き進むビアンカは男に興味を持ってなかった。だから、ずっと嫁ぐことはないと思っていたのだ。 なのに、ビアンカは柔らかな表情を浮かべて夫(ユリウス)と手まで繋いでいる。ピサロ侯爵はユリウスに俄然、興味が湧く。―――『どうやって、このじゃじゃ馬娘を短時間で手懐けたのだ?』と。「陛下、兄さんはどうします?」 二人の前に来た国王に、ユリウスは先制攻撃を
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初共闘!!結婚3日目・国王と宰相 2

「はい、承知しました」(ユリウス、マクシムには塩対応だが、マリウスには優しい表情を見せていた。そう、マリウスには……。ユリウスとマクシムの間には何か大きな溝でもあるのか?―――いや、待て、そうでもない気がする。マクシムはユリウスを茶会に誘っていたじゃないか。だけど、ユリウスは滅茶苦茶渋っていたような気も……。もしかして、ユリウスが一方的にマクシムを嫌っている? う~ん、本当にそうなのか??? ユリウスは理由なく、相手のことを毛嫌いしたりしないタイプだと思うのだが……。本当のところ、どうなのだろう?―――そして、マリウス兄上とはまだ一度しか会ってないから、彼がどんな人物なのか全然、掴めてないし。王位継承権を持つ三人は結局、仲がいいのか悪いのか、さっぱり分からないな~) ビアンカは想像を膨らませてみたが、答えは何処にもなかった。「ビアンカ、マリウスを呼びに行きましょう」 王宮に移動した時にユリウスは魔塔のローブを脱いで、いつもの軍服(リシュナ領軍)を身に着けている。要するに今はビアンカと同じ服を着ているということだ。(何度見ても、綺麗な鼻筋……、口もとも引き締まっていて、顎もシュッとしていて小顔だなぁ~。同じ軍服を着ていても、優雅な雰囲気が漂う……。ユリウス、凄いな!) 相変わらず、夫に見惚れているビアンカをピサロ侯爵は眺めていた。―――心の中で『これは妻に報告しなければ!』と考えていたのだが……。「宰相、ビアンカのことが気になるのなら、ここへ来たらどうだ」 国王はピサロ侯爵へ声を掛けた。ところが……。「陛下、お気遣いは無用です。父は私に興味などありませんので……」 クールに言い切るビアンカを見て、国王は苦笑する。――――『親の心、子知らず』か、と。「分かった。ビアンカ、ユリウス、また後で会おう」「はい」「は
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初共闘!!結婚3日目・古い情報と新しい真実 1

  地平線まで続く、黄金色の畑。――――麦の穂は風に撫でつけられて、サワサワと囁き声を立てる。(ここはどう見ても畑にしか見えない) ビアンカは戸惑っていた。(兄上(マリウス)のお仕事は外交官と聞いたような気がするのだが……)「ユリウス、本当にこの場所で間違いないのですか?」「はい、マリウス兄さんはここで収穫の打ち合わせをしていると……聞きました。間違いないです」(誰から得たのかも分からないその情報……。外交官が麦畑にいる? 発信源も内容も謎過ぎるのだが!?)「あのう、兄上が畑にいるという話は誰に聞いたのですか?」 ビアンカはユリウスに直球を投げる。(実は兄上、凄腕の魔法使いで幽霊を使って諜報活動をしているとか、魔物と契約しているとか……。そんな類の話が出てきたら……。――――いや~、無理だ。百戦錬磨の女戦士ビアンカも大斧で斬れない幽霊は怖いし、どんな攻撃をしたら良いのかが分からない魔物は遠慮したい。そもそも、そういうモノが実在しているのかどうかも……) キラキラと揺れる金の穂の幻想的な風景に包まれて、ビアンカの妄想がおかしな方向に進んでいるのは露知らず、彼はお決まりの台詞をクールに告げた。「それは……、国家機密です」(なっ! 秘密!? またか!! もう何でも教えてくれると思っていたのに~!!!)「ええっと、その国家機密は魔法関係? それとも諜報関係? それとも闇関係ですか?」 ユリウスがスッキリと教えてくれないことが悔しくて、食い下がろうとするビアンカ。「そうですね~。何とも言えないですね~」 適当な回答を口にして、彼女に不意打ちでチュッとくちびるを奪う、ユリウス。「はぁ~、教えてくれないのに口づけはするのか……。超~、自己中だな」 ビアンカはつい本音を溢す。ユリウスは彼女の言葉をしっかりと聞いていた。「ビアンカ……」「お~い! ユリウス! ビアンカさん!!」 ユリウスが何か言おうとしたところで、二人を呼ぶ声に遮ら
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初共闘!!結婚3日目・古い情報と新しい真実 2

 急ぐと宣言した通り、マリウスは畑の奥の方へ全力で駆けて行く。(マリウス兄上……、この広大な敷地の何処まで行くつもりなのだろう……) 二人は彼の後ろ姿を静かに見守っていた。 ところが……。―――突然、小麦畑の中から人が現れて、マリウスを呼び止めるのが見えた。「うわ~~~~!」 驚いたマリウスは大声を上げて、ピョンと高く跳ね上がる。「あんなところに農家の方が潜んでいるなんて……。――――兄上は大丈夫ですかね!?」 着地でよろめいたマリウスを心配してビアンカが呟く。―――と、ここで、ユリウスがブッと勢いよく笑い出した。「ブッハハハ!! ビアンカ、あの人をしっかりと見て下さい!――――彼はネーゼ王国の国王です」「はっ? 本当に!? ネーゼ王国の王家といえば、旧イリィ帝国の皇家の血筋を重んじる気高い一族として、有名……だったと記憶していますが」(そんな国のトップがどうして、こんな場所(畑)にいるんだ?)「あ~、それはかなり古い情報ですね。―――現国王は農学博士です。別名・土(土壌改良)のスペシャリスト。また、安全で効果的な肥料の開発・販売にも力を注いでいて、この大陸だけではなく、他の大陸にも肥料を輸出しています。一番人気の商品名は『ヨクソダーツ』。彼の口癖は『ネーゼ王国をイリィ大陸一の農業国にする!』です」(いや~、どうしたんだ!? やけに国王の情報を語るじゃないか、ユリウス。――――確かにこの畑の小麦の穂はとても良い色をしている。――――パンにしたら美味しそうだ) ビアンカは小麦の穂が風に靡いている風景をしみじみと眺める。 ユリウスは先ほどここでは口に出来ないことをビアンカに聞かれ、軽くはぐらかしたら、彼女から自己中という不名誉な判定を受けてしまった。 なので、今回は反省の念も込めて、ビアンカの質問に丁寧な回答をしたのであるが、彼女は全く気付いていない。
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初共闘!!結婚3日目・引導 1

 午後一時、北の会議室に国王の召集を受けた者たちが揃った。 一歩遅れて登場した国王が円卓の上座に着席すると、宰相(ピサロ侯爵)は緊急会議の開会を宣言する。(集まっているメンバーは国王の血縁者ばかり。緊急会議というよりも、これは家族会議だな。ところで、陛下は午前中に会った時とは違い、随分と硬い表情をしているようだ。―――マクシムにツィアベール公国のことを伝えるのが心苦しいのだろうか)「皆のもの、突然の呼び出しにもかかわらず、良く集まってくれた。私はこの緊急会議で重要な発表をするつもりだ。どうか最後までしっかりと付き合ってくれ」 前置きを口にすると国王はテーブルの上で両手を重ね、参加者一人一人の顔をゆっくりと見て、視線を交わしていく。(お、おう、私の時だけニコッと笑うのか……。陛下はお茶目なところがあるのだな。クフフッ) そして、最後に宰相(ピサロ侯爵)と力強く頷き合うと、国王はみんなの方を向いた。「予てより、我が国はサルバントーレ王国、ネーゼ王国、ポリナン公国と合同で、ツィアベール公国が行っていた『武器の違法取引』及び、『イリィ大陸諸国への侵略行為』に関する捜査を重ねて来た」 国王はここで一度、言葉を止めてマクシムを見る。「王太子、この案件はツィアベール公国出身の妃を持つお前には伏せていた。機密の漏洩を防ぐために……。申し訳ないが、理解してくれ」「承知いたしました……」 一先ず、返事はしたものの、マクシムは戸惑いを隠せない。「話を戻そう。今朝方、ツィアベール公国の大公及び、我が国の王太子妃リリアージュを逮捕し、身柄を拘束した。前述の件に加え、我が国の宝『英雄ビアンカの命を二度も狙った事件』についても、しっかりと罪に問う」 国王の言葉を受け、円卓で顔を突き合わせている男性陣が大きく頷く。(いや、確かに命を狙われていたのかも知れないけど、全く、問題なかったから! ケガもしてないし。 そんなに大きく頷かれるとどういう顔をしていいのか分からなくなるじゃないか……) ビアンカは必要以上に持ち上げられているような気がして、居心地が悪い。
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