「カレン、心配しなくていい」 カレンの怒りも気にせず、アルフレッドは淡々と告げる。「まずは声を元に」(そんなに落ちついて言われたら、怒っている私がバカみたいじゃない!! もう!!) 正体がバレているのに、わざわざ渋くて低い声にしておく必要は確かにない。カレンは、不機嫌な顔のままで、呪文をブツブツと唱えて、声を元に戻した。「これでいいですか!」「あ……、本当にカレンだ!! カレンって、魔法が使えたの!?」 エドリックが驚きの声を上げる。しかし、カレンが答えるよりも先にアルフレッドが状況の説明を始めた。「レダどのはここを留守にしていると知られたくないのか、カレンに身代わりと留守番を頼んだ。だから、カレンは声を変え、フードで顔を隠して、ここにいる。別に深い意味はない。ただ単にレダどのはカレンが少し魔法を使えると知っていたんだろう」「ふーん、なるほどね。レダどのとカレンって、前から知り合いだったの?」「うーん、それは……。初めて会った時に留守番を頼まれたから……。元々、知り合いではなかったわ」(まぁ、嘘じゃないわよね……) 言わなくていいことをカレンが素直に答えてしまったので、アルフレッドはそれ以上言ってはダメだと視線を送る。しかし、彼女は気付いてくれない。「えっ、初めて会った時に!?」「ええ」 上手く軌道修正をしなければならないと考えたアルフレッドは、鈍感なカレンでも気が付くような分かり易い嘘をつく。「エド、レダ殿は人を選んでいられないほど急いでいた。それは、お前のところに早く向かうためだ」(えっ、そんな話は初めて……。まさか、話を作った!? 捏造?)「いや、僕のところにって……」「半年くらい前のことだ」「なっ、半年前!! カレン、そんなに前からずっとここにいたの!?」 エドリックはカレンに聞く。「ええ、そうね。半年前からここにいるわ」「僕のせいで、長い間ごめん」「大丈夫よ。気にしていないわ」(殿下が力業で、私がここへ来た理由をエドリック王子のせいにしちゃった!! 凄い!! えー、こんなに殿下って策略家だったの??) この流れなら、ここへ来た理由をこれ以上追及されることはないだろう。 カレンはホッとした。しかし、そこへ伏兵ローラが踏み込んで来る。「恐れ入りますが、二点ほどよろしいでしょうか? まず一つ目ですが、カレン
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