ニコラス陛下とシュライダー侯爵を見送って、しっかりとカギを掛けてから、ダイニングに移動した。 アルフレッドはテーブルの上にバスケットを下ろし、中から食事を取り出していく。 皇宮から持って来ただけあって、色とりどりの食材が使われていて、目で見ているだけで楽しい気分になって来る。 こんな食事はいつ以来だろう。カレンは感動のあまり、その場で立ち尽くしてしまった。「カレン、栄養のありそうなものを持って来た。無理せず、食べられるものだけ食べてくれ」「殿下……、ありがとうございます!!こんなに美味しそうなお食事は久しぶりで、とっても嬉しいです!!」「ああ、喜んでもらえたのなら良かった。さあ、席について食べよう」「はい!」 カレンが腰掛けようとすると、アルフレッドが椅子を引いてくれた。(こんな扱いを受けるなんて、いつ以来!? 私、ここの生活にすっかり馴染んでしまっていたのね) 薄れかけていた記憶を頼りにカレンは優雅な所作を心掛けて腰掛ける。 いつの間にかテーブルには菜の花色のテーブルクロスが掛けてあり、その上に大きな白い皿一枚とスープカップがひとつ、グラスとマグカップ、そして、ピカピカに磨かれた銀のカトラリー類がきれいに並べてあった。(えっ、これを全部抱えて来たの!?)「殿下、リネン類や食器までご持参されたのですか?」「ああ、テーブルクロス一枚でも、気分転換になるだろう? ここは外から遮断された空間のようだから、少し季節を感じるものを持って来たかったんだ」「お気遣いありがとうございます」「残念ながら、給仕する者までは連れて来られなかった。だから、食べたいものは自分で取ってくれ。右からシーフードのグリルが乘ったサラダ、子ヤギのロースト、白アスパラのスープ、スモークサーモンとクリームチーズのカナッペ、野菜のフリット、バケットとクロワッサンにはブルーベリージャムとバターを。デザートはプディングとボンボンショコラが二種類。フルーツはぶどうとりんごを持って来た。飲み物は冷やした紅茶と温かいコーヒーだ」
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