「どの程度かと言われても……、説明するのは難しいな……」 アルフレッドは顎をさすりながら、どう答えるべきか考えていた。「ん~、程度という聞き方が良くなかったですね。では、どんな魔法が得意ですか?」 カレンは曇りなき眼でアルフレッドに尋ねる。 正直なところ、アルフレッドの使う魔法は戦闘や諜報に関するものばかりだ。それを、この天使に告白してもいいのだろうか……。―――恐らく、カレンはアルフレッドの綺麗な面しか知らない。「カレン、俺は普段どんな仕事をしていると思う?」 カレンがショックを受けてしまわないよう、アルフレッドは慎重に話を進めていくことにした。「皇子の仕事……ですよね。貴族たちから領地の収支報告を受けたり、陳情書を確認したり、他国の方と交流したりするというくらいは妃教育で習いましたけど……。他にも沢山ありますよね?」「ああ、勿論。まぁ、色々あるが、一番大切なのはこの国を守ることだ」「外交?」「いいや、違う。軍事、諜報だ」 アルフレッドの口から、軍事や諜報という言葉が飛び出してきて、カレンは目を見開く。 だが、その一方で脳裏にチラリと最近の出来事が過った。(そういえば! 殿下はこの前、海軍の司令塔へ用事があるといって出かけて行ったわ。あれは軍事的な仕事よね? だけど、諜報は……、いわゆる、スパイ行為のことを指すと思うのだけど。まさか、殿下が自ら他国へ乗り込んで、情報収集するなんてことは……、流石にないわよね)「カレン、顔が百面相になっているぞ。いろいろ想像しているようだが、俺たちニルス帝国の直系皇族は魔狐の血を継ぐ。だから、姿を変えることくらいお手の物だ。諜報活動にわざわざ自国の大切な民を向かわせなくても、大抵のことは俺たちが片付ける」「帝国民の知らないところで危険な種を取り除いているということ?」「まあ、そういうことだ。カレンも良く知っているだろう。この国は豊かだ。それに地形的にも恵まれている」「確かに海、山、農業地帯、全て揃っていますね」 カレンはニルス帝
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