All Chapters of 元夫の後悔をよそに、天才妻は御曹司と溺愛婚: Chapter 441 - Chapter 442

442 Chapters

第441話

【日給1万6000円】その返信に、凛はふっと笑みをこぼした。これでこそ海斗だ。【分かった】凛は続けて現在地を送り、こう付け加える。【あとで、分かりやすい地図を描いて送るね】【手描き?】最初は携帯のアプリで描こうと思っていた凛だったが、その一言を見て少しだけ考え、【手描き】と答えた。1分も経たないうちに、海斗から航空券の情報が送られてきた。凛は顔を上げ、柑奈に言った。「院長先生、友達を呼びましたので」柑奈が安心したように尋ねる。「信頼できる人?」凛は頷いた。「はい」自分が薬を盛られて意識を失いかけたときでさえ、冷静に自分を縛って安全を確保し、そのまま千石鍼灸院まで連れて行ったくらいだ。あそこまで誠実で節度のある人は、そうはいない。「部屋は片付けてあるから、荷物を運んじゃおう」柑奈はハーブティーのカップを置いて立ち上がり、凛を部屋まで案内した。部屋は他と同じく二段ベッドがある質素な造りで、隅にはまだ片づけ途中の段ボールが積まれていたが、それ以外はきれいに掃除されている。凛が何気なく箱の上に置かれたフォトフレームを手に取ってみると、それは去年、子どもたちと一緒に撮った集合写真だった。さらに箱の中を見ていくと、幼い頃の写真や、支援団体の訪問時に撮影した古い記念写真などが出てきた。どの写真にも、自分が写っている。「私の写真、どうして全部ここにしまってあるんですか?」凛は何気なく尋ねた。柑奈が写真を見つめながら答える。「美雪さんが施設を紹介する映像を撮りたいって言ってね。そのとき、ここを巣立った子たちのこともいろいろ聞かれたの。で、その中でもやっぱり有名なのはあなたでしょ?でも前にあなたは、自分のことはあまり外で話さないでほしいって言ってたから、ここに写真を隠しておいたの。聞かれても困るし、写真に撮られてもいけないと思って」その話を聞いて、凛は一瞬だけ引っかかった。美雪は自分のことを探っているのか?いや、自分の考えすぎだろう。施設を紹介する映像なら、建物だけでなく人の話を聞くのも不自然ではない。それでも気になって、凛は尋ねた。「美雪さんは、ここに来てからずっと何をしているんですか?」柑奈は答えた。「ほとんどは施設の子たちとお喋りしているよ。宣伝用の映像というより、ドキュメンタリーを作っているみた
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第442話

28年前のこと。K市に、その冬初めての大雪が降った。身を切るような風が吹き荒れ、吐く息は白く凍りつく。当時はまだ身体的な障害のある子どもを受け入れているのではなく、身寄りのない子どもを保護している施設だった。建物は隙間風だらけの古い平屋。灯油を買う余裕などもなく、暖を取るには山で拾った薪をくべるしかなかった。柑奈は当時の院長の娘だった。母と山へ薪を拾いに行き、その帰り道、道端の草むらで激しく泣き叫ぶ子どもを見つけた。23歳だった柑奈は小走りで駆け寄るなり、吐き捨てるように言った。「まったく、どこの人でなしがまた子どもを捨てたのよ!」「待って」と、母が柑奈を止めた。「ひょっとしたら、何かの間違いで置いていかれちゃったのかも。見てごらん、その子を包んでいるおくるみ、淡いブルーでしょ?ピンクじゃないし、その飛行機の柄は今流行っているメーカーのもので、結構な値段がするはずだから」柑奈は驚いて声を上げた。「え?だとしても、こんなところに置き去りにするなんて。それに、雪も降っているし、あの子の口にまで入っちゃってる。とりあえず抱き上げて防がないと」母の同意を得て子どもを抱き上げた柑奈だったが、どう見ても男の子の顔には見えず、そっと手を伸ばして確認した。「お母さん!この子、男の子じゃない。女の子!」駆け寄ってきた母が覗き込むと、確かにそれは女の子だった。「お母さん、やっぱり捨てられたんだよ。みんな女の子なんていらないんだ。そんなことばかりしてたら、そのうちお嫁さんがいなくなっちゃうのに」「そんなこと言ってないで、もっとしっかり抱いてあげて。明日、警察へ行って事情を聞いてみよう」「分かった」その子どもを抱きしめながら、柑奈はボヤいた。「ねえ、もしかして、男の子が生まれると思い込んで、おくるみまで用意してたのに、生まれたのは女の子だったから……なんてこと、あるのかな?」「いい加減な推測はやめなさい」と母はたしなめた。「そうとも言い切れないよ。だって、お母さんだって、私が女の子だったから、おじいちゃんたちに家を追い出されたんでしょ?」母の顔色が険しくなるのを見て、柑奈は慌てて口を噤み、すぐに謝る。すると母親は怒ることなく、優しく娘の頭を撫でた。「将来このことを思い出したら、自分の名前の由来を思い出してごらんなさい」「柑
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