宏明は興味深げに言った。「ほう?自分の息子まで柚葉さんに騙されるのを警戒しているのか?」だが、よく考えると何かがおかしい。柚葉程度の女性について、茂が自ら動いて調べるだろうか?どうにも腑に落ちない。「彼らの動向を見張らせろ。わざわざB市から来た理由が、それだけとは思えないんだ」真依はうなずいた。……凛は午前中を研究室で過ごし、昼休みには海斗と運転の練習をした。午後は再び研究室へ入り、出てきたのは6時半だった。携帯を取り出したタイミングでアラームが鳴る。凛はすぐには止めず、音が自然に切れるまで待ってから、竹内グループのビルを出た。日和はすでに車の中で待っていた。「そこのお姉さん、乗っていかない?ドライブに連れていってあげるよ?」凛は助手席のドアを開け、シートベルトを締めた。「真冬にドライブ?」日和は楽しそうに笑う。「もちろん、ネイルに行くんですよ」明るく広々としたネイルサロンへ着き、凛が席へ座ると、日和がスタッフへ伝えた。「凛さんはあの透け感のあるくすみピンクがいいって言うので、ワンカラーでやってあげてください。二人とも自爪なので、形は本人に聞いてくださいね」スタッフが爪の形の見本を差し出す。凛はその中の一つを指さした。「これでお願いします」日和がのぞき込む。「やっぱりアーモンド型を選んだんですね。くすみピンクと合わせるとすごく優しい雰囲気になっていいですよね」「日和さんは何にするの?」日和は自分の指を眺めて言った。「私もシンプルなのにしようかなって思ってます。それなら、1時間くらいで終わるはずですし、その後エデンの園で一緒に夜ご飯を食べましょう!」凛はうなずいた。施術中、ネイリストは凛の指が細く綺麗だ、手も柔らかいと何度も褒めていた。そこで凛は初めて気づいた。いつの間にか、自分の手はもう荒れていない、柔らかく、滑らかな手になっている。ネイリストは、凛の爪のピンク色の部分も長く、形がとても綺麗だと言い、完成後には手のモデルになれるほどだとまで褒めた。あまりの熱量に、凛は丁寧に礼を述べた。施術が終わると、日和は凛の手を何枚も撮影し、すぐさまインスタに投稿した。それを見た海斗は、何を思ったのか、【きれいだ】とコメントした。日和はすぐに返信する。【でしょ?私のセンスだから!】
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