「お? めっずらしー、真陽が本読んでるなんて。これ明日は雪降んじゃねえの?」梅雨明け宣言がされて間もない、晴天の昼下がり。学校の教室でカバー付きの本を読んでいた水無真陽《みずなしまひる》はクラスメイトの大声に眉を寄せた。読書をしている自分の姿が大層おかしいらしく、声を掛けてきた生徒は肩を震わせて笑っている。まあ実際“読書”とは懸け離れた人間だから、言いたい気持ちは分かるが。腹が立ったので無視を決め込んでいると、今度は読んでいた本を奪われてしまった。途端、真陽の全身から嫌な汗が吹き出す。「どれどれ、真陽は一体どんな本を読んでるのかなあ~~オフッ!!」その本の内容は決して知られてはいけない。ページを開かれる前に彼の鳩尾を(一応加減して)殴った。弱らせることに成功したものの、なんと彼は近くにいた他の生徒にその本を投げ渡してしまった。「おい、誰かこの本を持ってけ! 絶対エロ本だ!」それを聞いた、男子生徒全員が振り返る。皆我こそ先にとその本を奪い合った。切り替え速すぎだ。俺が元凶とはいえクラスメイト達が心配になる。「エロ本だと! よこせ!」「俺がもらう! 教師なんかに絶対渡さねえ!」そして教室はあっという間に戦場へ変わった。最悪な乱闘が幕を開けた。本の持ち主である俺は蚊帳の外だし……絶対、あの本の正体を明かされるわけにはいかない。最初に叫んだ彼の読み通り、あれはエロ本だ。だがエロ本はエロ本でも、彼らが望んでいるものとは少し種類が違うのだ。今もずっと宙を舞ってるけど、何とかして奪い返さないと。マジで明日から学校に行けなくなる。「あっしまった!」本が床に落ちた一瞬を見計らい、心を鬼にして本を廊下の外へ蹴り飛ばした。「あぁっエロ本があ!」「水無っお前何してんだ! エロ本蹴るとか地獄に落ちるぞ!!」ぎゃーぎゃー叫んでる彼らを無視し、全速力で廊下へ出る。あれは見られたらマジでやばい。短時間でボロボロになった哀れな本。手を伸ばして奪取しようとしたとき、偶然そこを通りかかった男子生徒がひょいと持ち上げてページを開いた。運悪く、開いたのはちょうど扉絵だったらしい。見た瞬間に青い顔で叫んだ。「な、何だこの本! 男と男がベッドで…………アッ────!!」……そこから先の記憶はない。頭が真っ白になって膝から崩れ落ちた。後日、クラスメイトの証言によ
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-03-01 อ่านเพิ่มเติม