**** ただでさえ風変わりだった啓太郎と裕貴の関係は、さらに妙なことになりながらも、比較的穏やかに続いていた。 相変わらず啓太郎は、裕貴に昼メシ以外では食べること全般世話になっており、とうとう裕貴の部屋のテーブルの上には、貯金箱が置かれるまでになった。アクリル製のシンプルなデザインで、透明で中が見える貯金箱だ。 裕貴に頼まれて啓太郎が買ってきたものだが、この貯金箱に、食事代――だけでなく、その他で裕貴の世話になったときに相応の金を入れている。いわゆる、『時給制の恋人』に対する対価というやつだ。 透明な貯金箱に貯まっていく金を見るたびに、こんなにも裕貴に世話になっているのかと、啓太郎はやけに現実的な気分になるのだ。 せめて、中身が見えない貯金箱を買ってくるべきだったと後悔しているが、一方の裕貴のほうは、この貯金箱を気に入っているらしい。 昼メシである、ホタテの貝柱がたっぷり入った焼きうどんを食べながら、横目で貯金箱を見ていた啓太郎は、視線を裕貴へと向ける。 せっかくの日曜日であっても、裕貴の日常に変化はない。相変わらずパソコンの前に座り、片手でキーボードを叩きつつ、思い出したようにもう片方の手で箸を動かし、焼きうどんを食べている。ネットゲームで忙しそうだ。 それでもしっかり昼メシを作ってくれるのだから、偉いというべきか。 ゲームが一息つくと、いきなり立ち上がり、素晴らしい速さで洗い物を片付ける手並みも、見事だ。 二人分のコーヒーを淹れると、裕貴は自分のカップを手にパソコンの前に戻っていく。この間、啓太郎との間に会話はない。冷たいとかではなく、二人でいることにすでにどちらも慣れてしまったのだ。 啓太郎は、裕貴の部屋に入り浸ることが多くなった。メシ以外にもいろいろと裕貴の世話になっているため、こちらの部屋にいるほうが何かと便利なのだ。それに、外に出たがらない裕貴に自分の部屋に来てくれとは、なかなか言い出しにくい。 金を払っているとはいえ、啓太郎も気をつかっている。裕貴のほうが立場が強いとも言えるが――。 頬杖をついてぼーっと裕貴の後ろ姿を眺めていると、ふいに本人が振り返って目が合う。笑った裕貴にからかうように言われた。「羽岡さん、かまってほしそうな顔してる」 「……俺は犬か」 「いいね、それ。新しいコースに――」 「お
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