法律事務所で999件連続で勝訴した。それを受けて、長年結婚の事実を隠していた弁護士の夫・渡辺翼(わたなべ つばさ)が、ようやく私・高橋凛菜(たかはし りんな)との結婚式を挙げることに同意してくれた。けれど、日が暮れても翼は現れなかった。代わりに私が見たものは、彼がパラリーガルの杉本日和(すぎもと ひより)と結婚式でキスをしている、インスタの投稿だった。【さっき同僚に『売れ残り』ってバカにされたけど、弁護士の彼が助けに来てくれた。これから、昼は彼の優秀な部下、夜は彼の愛する妻になるわ】写真の日和のひとと翼の薬指にはめられた結婚指輪が、やけに目に焼きついた。きっと誰もが、私が怒りで我を忘れると思っただろう。でも私はあっさり笑って、こうコメントをつけた。【次は赤ちゃんだね!ご祝儀、たっぷり包んであげる!】すると次の瞬間、一日中電源を切っていた翼のほうから、電話がかかってきた。「日和は妊娠したのに、相手のクズ男に捨てられたんだ。彼女の両親はすごく保守的な人たちだから、このことがバレたら、きっと勘当されてしまう。お腹の子とどうやって生きていけっていうんだ。同じ弁護士なのに、君には少しも同情心がないのか?今すぐあのコメントを消して、日和に直接謝罪するんだ。彼女が何の問題もなく無事に子供を産めたら、君との結婚式はちゃんとやり直すから」でも、私は手にした離婚訴訟の書類を見つめながら、ただ冷ややかに笑った。「もう必要ないわ。あなたは、私たちの離婚裁判の準備でもしていればいい」私が言い終わると、電話の向こうで翼はしばらく黙っていた。でも、次に聞こえてきた声には、明らかに苛立ちが混じっていた。「凛菜、少しは冷静になれないのか?言ったはずだ。日和との式はただの形式的なものだって。それに、後で君との結婚式もちゃんとやり直すって約束しただろう。どうして少しも我慢できないんだ?もうちょっと待つことくらい、できないのか?まさか君は、日和が未婚で妊娠した上に男に捨てられたなんてことを、俺に世間に公表させたいわけじゃないだろう?彼女が周りから白い目で見られて、両親に勘当されて、お腹の子と二人で路頭に迷うのを、黙って見ていろとでも言うのか?」電話の向こうから聞こえる、あまりにも自分勝手な翼の言い分に、裁判所の前に立っていた私は、思わず嘲るように
Leer más