「オルティだってお婆様と離れ離れになるのに、私だけ安穏と守られるわけに行かないわ」「いや、だって……それはっ……」 ずっと離れて暮らしてきた自分とは違い、幼少の頃から育ての親として傍にいたウケイと離れるのだ。 新しい事業に携わるのは王妃にとってリスクが大きい様な気がしてならない。「聞いて、オルティ」「……はい」「昨日は恥ずかしい所を見せたわ。でも、それが理由ではないの。私も、親離れする頃だと思うのよ」「先生は納得されているんですか……?」「いづれこうなる事はウケイも私も分かっていた事。だから、心配いらないわ。ねぇ、ウケイ?」 そう振られたウケイは、また皮肉の一つでも口走るのかと思いきや、思わぬ言葉を口にした。「御幼少の頃より多くの不敬をお許し下さい。立派に王妃となられたラチア様の今後のご活躍を、遠き北の地からお祈りしております」 そう言って侍従らしく深々と頭を下げたウケイを見て、手を離す事にしたのだとオルタナは妙に納得した。 「ウケイ。人生の多くを犠牲にし、私の為に良く働いてくれました。これからは自分の人生を謳歌して、王国の礎となって。約束も忘れないでね」「御意」 長年連れ添ったウケイと王妃の間には切っても切れない縁がある。 それは物理的な距離とは関係なく、きっとこれからも繋がっているものなのだろう。「それにオルティ、一生会えないわけではないでしょ? 約束したじゃない。一緒にモリガンへ行こうって。私はオルティにもウケイにも会いに行くわ」「うん、僕も……あ、いや私も……」 王妃様に会いに、と
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