祖母の暴言によりウケイが自分の父親だと暴露された後、ウケイは観念したように「すまない」と謝り続けた。 何に対して謝っているのか分からなかった。 だが、知らずにずっと父親と一緒に行動していたのかと思うと不思議な感じがして、オルタナはジッとその珍しく不思議な父親と言う存在を観察してしまった。 禿頭で細身で年齢不詳のその“父親”は、確かに運命の番を探しているのだと言っていたし、アウルム修道院の遺体にエヴレカと言う名を付けたのも彼だった。 母と自分の容姿が似ていると言う事は、随分前から向こうは息子だと知っていた事になる。 王陛下から「父親捜しを手伝ったらどうだ?」と言われていたが、後から聞けば周りも皆周知の事実であれは揶揄われていたらしい。「何故……?」 そう短く問うオルタナに、ウケイは「資格がない」と答えた。 自分の子供がいる事を知らずに、母国の立て直しと王妃の教育に時間を費やして、唯一無二の番を死なせてしまった事。 息子に過酷な子供時代を送らせる事になってしまった事についても、自分を許せずにいるとその父親は項垂れた。「でも、先生が居なかったらサンノ国の人達ももっと大変だったかもしれないし、ラティだって……」「一番大事な家族を守れなかった事に、自分が納得出来ずにいるのです」「母さんはどうだったか分からないけど……と、父さんが生きていて僕は嬉しい……よ?」 父さん――気恥ずかしくもそう呼んでみて、初めてこの人が父なのだと自覚した気がした。 気が済むまで謝り倒したウケイが遠慮がちに抱擁を求める。 その姿は、何だか可哀想なくらい落ち込んでいて、オルタナは子供の様にその胸に飛び込んで細い腕でウケイの背中をギュッと抱きしめた。 初めて知る父の匂い。 父の体温。 それは公爵がくれる温かさとは全く別物で、祖母に似た匂いがしたのを覚えている。「こっちで一緒に暮らそうって言ったんだけどね……」
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