Semua Bab 魔女ドーラの孫(仮): Bab 61 - Bab 70

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エヴレカの夢

 その人は暗紫の天鵞絨の空に棚引く光の帯を指して、こちらに笑いかける。 何か物言いたげに見えるその人は、銀糸の髪を靡かせて白い息を吐いた。 踊り子のような青白い衣装を身に纏い、満天の星空の元立っている。 美しく幻想的なその様子をただ息を飲んで見ていたオルタナに、中性的で秀麗なその人は、碧い耳飾りを揺らしてこう言った。 起きなさい、オーリィ――――。「――――ッ!!」 ガラガラガラガラガラガラガラ…… けたたましい車輪の音にオルタナはハッと目を覚ました。 心臓が早鐘を打っている。 誰だ、今の。 何だか知っている人のような気がしたけれど、会った事無い人だ。 って言うか、今、どんな状況だ――――? アウルム修道院での植物対策が終わった後、熱を出して倒れた。 ウケイに処置室へと運ばれて看病して貰っていた所までは記憶がある。「今夜はゆっくり休みなさい。さっき飲ませた薬には解熱と眠くなる効果もありますから」「せんせ……ごめいわく……」「そんな事を気にする必要はありません」「すみませ……」 朦朧としていて、思考は停止寸前だった。 額に置かれたウケイの掌が冷たくて、ゆっくりと瞼を閉じた。「君が眠ったら、私はエヴレカの所に行って来ますね」 そう言ったウケイの言葉を最後に、記憶がない。 目が覚めたら荷馬車の荷台の上、だ。 腰だけ命綱の様に荷台の端に括りつけてあるが、これは走行中に荷台から転がり落ちないようにするための措置なのだろう。 オルタナは自分の状況を見て、手足の拘束がない事に安堵した。 荷馬車がスーランの物だと認識出来ただけで、少し冷静さを取り戻す。 まだ微熱が残っているらしく、身体は怠く無意味に視界が滲んだ。
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エヴレカの夢 Ⅱ

「ウケイ先生達は?」「大丈夫だって! ちゃんと、置手紙して来たから」 スーラン曰く、先に帰りますと枕元に書き残して、夜中に修道院から出て来たらしい。「いや、ダメでしょ……」「何で?」「先生達、心配してると思うよ」「放っておけば良いよ、あんな奴ら」「どうして?」「だって、奴らと関わってからのオーリィは危険な目に遭ってばかりだ。連れ去られて、犯罪者扱いされて、役に立つと分かったら仕事の片棒担がせて、終いにはあのクソ野郎……絶対許さない」「でも、先生は僕達を守ってくれたし、協力してくれたでしょ?」「あぁ……あの人、強いよね。歩き方から違う。でも、オーリィから目を離した。信用ならない」 スーランから見れば、そう見えるのか。 このままじゃ埒が明かない。 オルタナはまだ明瞭としない頭で、これからどうしたら引き返して貰えるのかを考える。「でも、僕は王妃様に頼まれた仕事があるんだ。モリガンには帰れない」「だからあんな奴らの為にオーリィが働く必要ないだろ?」「ラチア様は婆ちゃんを助けてくれるって約束してくれた。途中で放り出せない。公爵様とだって……」「大丈夫だよ。俺と親父が何とかするから!」「違うんだ。スーラン、聞いて……」 そう言いかけた時、スーランが「シッ」と口元に人差し指を当てて言葉を遮る。  ジッと外の音を警戒するスーランに倣って耳を澄ましていると、僅かに蹄の音が聞こえた。「一騎……いや、二騎か? すぐ出発しよう」「いやちょ、待って……スーラン!」「親父のとこに急ごう。親父がいれば、知恵を貸してくれる」「だから待ってってばっ!」 御者台にひょいっと戻ったスーランは、こちらの話を聞く気はないらしい。 走り出した荷馬車の後方西側に黒い影が二つ、凄い速さでこちらへ
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エヴレカの夢 Ⅲ

 ふわっと体が浮いて、オルタナは怖過ぎて目も開けられなかった。 何かにぶつかったと思ったら、ぐっと抱き寄せられてゴロゴロと地面を転がり、硬く重たい体の下敷きになった。「うぐっ……おもぃ……」「オーリィ……オーリィ?」 公爵の硬い掌が顔を弄る。 何かを確める様に乱れた髪を避けるその両手の硬い皮膚が、頬に当たって痛かった。「いたぃ……ヴィー様……」「あぁ、すまん。顔を良く見せてくれ」 公爵の下がった眉尻が、心配かけたのだと教えてくれる。 公爵はゴロリと体を翻し、オルタナは公爵の上に重なる様にして乗っけられてしまった。 その首元からいつもの甘い花の香りがして、ホッとする。「はぁあああ……」 片手を額に当てた公爵の長い溜息を聞いて、オルタナは「ごめんなさい」と呟いた。「動くな。それ以上動けば斬る」 ノエルのその声にオルタナが半身を起こして振り返ると、猟銃を片手に持ったスーランがこちらを見て睨んでいた。「オーリィを離せ!」 銃を構えていない所を見れば撃つ気はないらしいが、憤怒に満ちたその顔は殺気を隠す気もないらしい。「スーラン……」「オーリィ、帰ろうよ。親父とドーラと四人で暮らそう。オーリィの事はオレが守るから」「黙れ。お前達が教会に出入りしている事は調べがついている。オルタナを教会に連れて行くつもりだったのだろう?」 ノエルがそう言って自分達の前に庇う様に立ちはだかる。 オルタナは聞き間違いかとノエルの背中を呆然と見た。「煩いな。あんた達はドーラの事もオーリィの事も何にも知らない癖に、利用して危険な目に遭わせてる。これ以上、あんた達に任せておけない」「じゃあ、そのお前が知って
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エヴレカの夢 Ⅳ

「……はい」  公爵のローブを被っていたとは言え、オルタナも腰が抜けて膝が笑っている。  上級αの本気の威嚇なんて初めて見た。「すまないな、怖かったか?」 オルタナはこの言葉に、辛うじて左右に首を振って答えた。 軽々と抱き上げられてアートルムの背中に乗せられ、下から煽る様に見上げた公爵の表情が優し過ぎて泣きたい様な衝動に駆られる。 木立の隙間を差す西陽の橙色と漂う深縁の香りに包まれて、髪も乱れ泥と埃に塗れた滑稽な姿でサマにもならないのに――。 あぁ、この人に会う為に生まれて来た。 何故だか分からないけれど、そんな根拠のない明確な悟りの様なものがストンと落ちて来た。 クスニューの森に入ってから、ファージに襲われ、スーランの発砲でより危険な状態に追い込まれ、炎狼の群れに追われ、挙句またスーランによる誘拐未遂で踏んだり蹴ったりだった。 終いには荷馬車から飛び降りる羽目になり、今度こそ本当に死ぬかもしれないと思った。 それでも公爵がすぐそこにいると言うだけで、受け止めると言ってくれるだけで、死んでも良いと思う程のカタルシスを感じた。 微熱の残る瞼から多幸感が満ち満ちて、溢れて――零れる。「どうした? オーリィ、どこか痛むか?」 片手を頬に当てられて、オルタナはその手を取って頬擦りする。 剣を握る硬くて無骨なその掌の温もりをこんなに愛おしく思う日が来るなんて、あの片腕を引っ張り上げられて引きずり出された時には、思いもしなかった。「ううん、大丈夫」「なら、何故泣いている?」「……嬉しくて」「何がだ?」「生きててよかったなって……」 神様がいるのなら、どうか許して欲しい。 この人が本物の番を迎えるまで、傍で愛する事を。 オルタナは生れて初めて、
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エヴレカの正体

「君が眠ったら、エヴレカの所に行って来ますね」 オルタナに聞こえているかは定かじゃなかったが、ウケイは彼が眠るのを見届けて処置室を出る。 何よりも早く礼拝堂の地下へ行きたかったからだ。 提燈を片手に薄暗い礼拝堂の地下へと降りる。 反対の手には空の白磁の壺を携えて、逸る足が縺れない様に慎重に足を運んだ。 数ヶ月前にサリバン公爵領で葡萄の蔓の様な見た事のない植物と、少女らしき遺体が発見された。 その報告を聞いた時、サリバン公爵にこの事態を秘匿案件として扱って貰う様に依頼し、調査に来れるタイミングを待ち侘びていたのだ。 本来ならもっと早くここに立ち入り、自らの目で見て確かめたかった。  だが、王妃の侍従であるウケイは自由に動く暇がない。    王妃と共に行動するとなれば、秘密裏にしている案件を嗅ぎつけられかねない危険もある。  その上、王妃には他の公務もあって時間が取れない。 オルタナの誤認逮捕よりも更に前――。  公爵から“王妃に友人はいかがか?”と提案された。 つまりもうその時点であの男は、気付いていたのだ。 その時は領地で出た得体の知れない植物と遺体を調べる為、知識のある者を欲した公爵が、大罪人の孫で平民であるオルタナの身分を底上げしたいのだろうと思っていた。 王妃にとって無害かどうか。  事前に魔女ドーラの孫を調べた結果、これは何かしら気付いている公爵が気を利かせた結果なのかもしれないと悟る。 苦肉の策で“王妃の友人”に会いに行く事だけは出来たが、オルタナを見て例の植物と礼拝堂の遺体への疑念はより強まる事になった。 一足早く礼拝堂へ入る事が出来たオルタナと公爵が黒い耳飾りを見つけたと聞いて、疑念は確信へと変わる。 十年前――。  魔女ドーラがモリガン伯爵に捕らえられたと聞いてから、ずっと、もしかしたら、まさか、と疑ってきた事実が一つ明白になった瞬間だった。
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エヴレカの正体 Ⅱ

 銀糸の髪に雪のように白い肌、薄氷の様な美しい空色の眸も、まるでエヴレカの生き写しだ。 サリバン公爵の別荘で初めて彼を見た時、驚き過ぎて声を掛ける事すら出来ず、努めて冷静に侍従としての役目を果たす事に専念する程度には動揺していた。 今更、どの面下げて父親だなどと名乗れようか。 昔から運命の番を探している事や、夜葡萄の研究をしている事を知っている公爵は、皆まで言わずとも何か察していたのだろう。 だからこの邂逅は公爵が意図的に仕組んだものだろうと理解したが、突然現れた息子に父親面出来る程、厚顔無恥ではない。 それでも知ってしまったら、オルタナを無視する事は出来なかった。 最愛によく似た我が子が公爵の番になると言い出した時、公爵から私情で奪う程度には、みっともなく悋気を覚えた。「オルタナはお前と違って素直に育っていますよ」 見た目はよく似ているがハッキリとモノを言うエヴレカに対して、オルタナは口数も少なくどちらかと言えば慎重が過ぎる性格だ。 エヴレカは臆病な癖に勝気で、人の上げ足を取っては皮肉る様な所もあった。  そう言う所が本当に悪戯好きな妖精の様で愛おしく、儚い容姿のせいで口の悪さが際立つ。 それは侍女であったドーラン一族の末裔オピス・ドーランの影響が大きい。 彼女はこの世に最初に生まれた蛇の末裔と言われる一族で、夜葡萄の守護をしており、一族の言い伝えでは最終的にドラゴンに昇格してしまう。 その一族の誇りがある故か、喋り方が勇猛で豪傑だ。 一族は独自の医術を持っており、オピスはΩであるエヴレカの体調管理から身の回りの世話、護衛まで何でもこなす優秀な侍女で、モリガンにも一緒に行ったはずだった。 十年前。  現王レイモンドがサンノ国へ遊学に来た折、護衛として同行していたサリバン公爵から魔女ドーラの話を聞いて、彼女がオピスではないかと疑いを持った。  だが、公爵からその容姿を聞いて確信には至れなかった。
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切り札

 ファージの件に加えてこの事態を知れば、あの公爵は怒り狂って何をするか分からない。  責任者として責めを受ける覚悟はあるが、そもそもファージを寄こしたのもスーランを寄こしたのもサリバン家の子息達だ。 ウケイは一方的に責を負わされるのも不愉快で、単純に教えるのが癪だ。  そんな下らない理由ではあるが、公爵に黙っている情報がある事を思い出した。 いつもの事だが、あちらもそうであるようにこちらの情報も全て開示しているわけではない。 この情報は今回の損失の補填には悪くない切り札だろう。「とは言え、私の監督不行き届き。オルタナ捜索が最優先だが……」 ファージを置いて単独で森に入るわけにも行かない。 ファージがどうなろうと知った事ではない。  だが、この令息を逃がせば、更に公爵の怒りを買う事は明白だ。 ナタリスを待つしかないウケイは、この間に打てる手を打っておこうととある所に白髭鴉を飛ばす。 そうして気を揉んで待っている所に現れたのは、ノエルと拘束されたスーランだけだった。「オルタナは? 無事なのですか?」「あー……団長と一緒です。サリバン家の別荘に向かわれました」「チッ……あの男は」「ま、まぁまぁ……ウケイ殿。オルタナは怪我もありませんし、ナタリス殿を待って我々も向かう手筈になっています」「レンスター少尉、この度は私の監督不行き届きでご迷惑をお掛けしました」「いえ、その様な……頭をお上げください。何事もなくて良かったです」「ダリス・ファージはどうします?」「一先ず、ダリスもスーランも連れて行きます。オブライアン殿が諸々の準備して待っている事でしょう。スーランの父親はミレーが確保に向かってますから、駒が揃い次第、団長には考えがあるのではないかと……」「オブライアン……あぁ、あの有能な執事と噂の方ですね」「まぁ、オブライアン殿よりも我が主の箍が外れない事を祈りますが……」
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花散る夜のふたりごと

 重なり合うようにして湯船につかる。  温かく漂う湯気に、酩酊する様な花の香りが含まれていた。  公爵の肌と自分の肌が触れ合っていて、恍惚と身を任せる。  湯殿の中で溶け合うその熱が、より心地よく睡魔を連れて来る。「オーリィ、寝るな。もう少し頑張れ」「うぅ……ん……」「……オーリィ、この顔の痣、どうした?」「……あ、ざ?」 公爵にそう聞かれて、オルタナは回らない頭で考える。 顔に痣が出来る様な事など、一つしか思い当たらなかった。 ファージに首筋を舐められ、その後平手で殴られた時、異様に痛かった。 多分ファージが指輪か何か付けていたのだろう。「あぁ……ファージ様が……」「……殴られたのか?」「ん……ひらて……だけど」「他には何されたんだ? オーリィ、寝るな」「んんっ……なめ、られた……くび……」 眠い。  もう、限界だ。 そう思った時、首筋にチリッとした痛みを感じて、目が覚めた。「……何? 今の」「お前が俺のものだと言う証を付けておいた」「噛んだの?」「ははっ、噛んでない。痛かったか?」「ん、ちょっと……」「強く吸い過ぎたか」「吸ったの?」「ふはっ、愛いなぁ。オーリィもしてみるか? 軽く食んで吸ってみろ」 そう言って公爵は己の首を逸らし「ほら」と催促する。 黒髪から滴り落ちる水滴が、その首筋を滑り落ちるだけで艶めかしい。  男らしく張り出した喉骨の滑らかな曲線にも見惚れてしまう。 オルタナはよく分からないままその首筋に吸い付いた。「……? 出来た?」「赤くなってるか?」「分からない。って言うか、どうなったら正解?」「皮膚を強く吸うと
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花散る夜のふたりごと Ⅱ

  肌障りの良いシーツと人肌の暖かさにふっと目を覚ます。 オルタナは自分の体が嘘のように軽い事に、少し驚いた。 ベッドに入る前に公爵に薬を貰って飲んでいたのだが、大抵の薬はあまり効かない。  だから、気休め程度に思っていた。「すご……スッキリしてる」 隣で寝ている公爵がその独り言に「うぅん」と唸った。 昨日の湯殿での事は、呆然としていてあまり覚えていないけれど、離れがたくて自分からしがみ付いた事は覚えている。 あんな風に誰かを恋しく思った事がなかったから、今、我に返って恥ずかしくなっていた。 ごろんと公爵の方へと寝返りを打って、その美しい寝顔を拝む。 彫りが深く瞼が閉じていても美麗だ。 オルタナは昨日公爵の首筋に自分でつけた首筋の花弁を指先でちょん、と突いた。「……オーリィ?」「お、はようございます……」「まだ早いだろ……もう少し、ねよぅ……」 確かにまだ明けきれぬ群青の空が、朝陽を恋うように待っている。 公爵はまだ寝ぼけている様な、そんな声だ。 いつもシャンとして、格好の良い姿ばかり見ていたから、何だかその気の抜けた声がより愛おしく感じる。 オルタナは「うん」と短く呟く様に返して、公爵の胸にすり寄った。「……具合は?」「良くなった」「そうか……」 すり寄った背中に腕を回され、グッと引き寄せられてオルタナは仰ぐ様に公爵を見た。 額と額を合わせると公爵は「下がったな」と呟く。 暖かくて微睡む様な至福がそこにあって、オルタナは満足げに公爵の肌の香りを堪能する。 いつも思う。  この香りは何の花だろう――――? さっきまで瞼を閉じていた公爵が、ジッとこちらを見ている事に気付いた。「……うん?」「お
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花散る夜のふたりごと Ⅲ

 執拗に右の蕾を舐られ、左の蕾を小刻みに爪で掻かれる。 その快感にオルタナは腰を浮かせて背を撓らせ喘いだ。「あっ、あっ、あんっ……んっ……」「気持ち良いか?」「う、ん……」 今度は左の蕾を口に含まれて舌先で転がされる様に愛撫されると、爪で掻かれていた時の快感とは違う波が押し寄せて来る。 唾液で濡れた右の蕾は指の腹で撫で繰り回されて、堪らず身を捩った。「腰を押し付けるな、ゆっくり愛でてやるから」「やっ……だっ……て」「もう胎の奥が疼いているのか?」 脇腹を撫で、鳩尾や浮き出る肋骨や骨盤を確める様に唇や舌で愛撫されるだけで、下腹に熱が溜まる。 オルタナはその自分の未知の感覚に翻弄されながらも、公爵の愛撫をじれったく感じる程には昂っていた。「ヴィーさまっ……」「時間はゆっくりある。じっくり溶かしてやる」 そう言った公爵が足の間に割って入り、膝裏を持ち上げる様にして秘所を開く。「わっ……やだっ……」「やだじゃない。良く見せろ」「はずっ……はずかしっ……」「俺しか見てない。自分で膝裏を抱えて。足を閉じるなよ」 オルタナは恐る恐る自分の膝裏を抱えて見せた。 自分の体をこんな風に人前で露にした事なんて無いのに、公爵の言う事には抗えない。「蜜が溢れているな」 公爵はそう言って屹立した肉棒には一切触れずに、指で秘所を広げて眺める。  見られているだけで羞恥に悶え、オルタナはぎゅっと瞼を閉じた。「狭い入り口だ。ゆっくり解してやろう」「んっ……」 公爵の指先が触れるだけで、オルタナはビクリと肩を震わせる。 入り口
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