Home / BL / 魔女ドーラの孫(仮) / Chapter 81 - Chapter 90

All Chapters of 魔女ドーラの孫(仮): Chapter 81 - Chapter 90

115 Chapters

公爵と密偵の攻防

「これだけは知っていて欲しい。ドーラはお前を守る為なら何でもすると言っていた。あんな美しい女が顔や声を潰して老女のフリをしてまで守りたかったのは、お前さんなんだよ。血が繋がっていなくても、ドーラにとってオル坊が宝なのは代わりねぇんだ」「親父さん……」「モリガンに辿り着いた時、俺は四人で暮らそうと言ったんだ。だけど、何かあった時に他人の方が良い、と言ってドーラはオル坊と二人で暮らす事を選んだ。結果的にドーラの言う通りになった。もし、一緒に暮らしていたら、ドーラと一緒に俺も囚われる羽目になったかも知れねぇからな」「……うん」 祖母を美しいと言う人を初めて見た。 アラベルが言う通り厳しくも暖かく、自分を育ててくれたのは他ならない魔女ドーラだ。 血が繋がっていなくても、大好きに代わりない。 会いたいな。会いたい。 もう一度、あの掠れた声で名前を呼んで欲しい。◇◇◇ 応接室での話が一通り終わった後、オルタナが地下の書庫へ行きたいと言うのでオブライアンに任せた。 呆然とまだ理解出来てない様な顔をしていたから、傍にいてやりたかった。  だが逃げる様に「大丈夫」と一線を引かれてしまった。 夕暮れ時の庭の見えるサロンは、青々とした庭木の上に橙色の夕日が差し込んで眩しい。 窓の外を不機嫌に見た公爵は、目を細めソファに深く腰を下ろした。「公爵様、ちょっといいか?」 そう言ってサロンに入って来たのはアラベルとウケイだった。「……何だ? アラベル……とウケイ殿までどうした?」「公爵様とこちらの侍従殿にも聞いて欲しい事がある」「応接室では言えなかった事か?」「いや……そう言うわけじゃねぇんだがよ。オル坊が見てて居た堪れなくてな。一旦切り上げた方が良いと思ったんだよ」「そうか。まぁ、座れ」 向かいのソファへと着席を促すと、ア
Read more

アラベルと言う男

 確かにアステール河近郊は大聖堂があるネロ区でも手が出しにくい地域だ。 王国の西南に位置するネロ区は、その昔はラカンとの戦闘で焼け野原になった所でもある。 アルテール河は雨期になれば必ずと言って良い程氾濫し、戦争と水害で人が多く死んだ土地だ。 鎮魂の為と言う理由で教会はその場所に大聖堂を建て、現在教会派の本拠地となっている。 ファージ侯爵家の武器が入る程の木箱なら子供一人余裕で入る事だろう。 河口から海へと出ればラカンまでそう遠くはない。「アラベル。お前達は教会の悪事の片棒を担いでいるのでは?」 黙って聞いていたウケイが、ただ静かにそう口を挟む。「何だ、バレてたのか」「モリガンから種芥子を教会に運んでいるのはお前達だろう?」「あぁ。ルアド・モリガンが教会と繋がっていると知って、近づいた。あの阿呆は俺達を使ってるつもりだっただろうが、俺達がヤツを利用したのさ」「それで関係のない人間が死んでいる事も知っていて、アレを運んでいたのか?」「侍従殿、俺達がアレを運んでいなければ今回のこの情報は得られていない。それに、俺達はアレが何なのか知らない事になっている」 ルアド・モリガンから定期的に酒樽を運ぶよう指示を受け、その中を絶対に見ない事が仕事を受ける条件だった、とアラベルは言った。「あの阿呆は見るなと言ったら見ないと思ってるおめでたい奴さ。見るなと言われたら、見るに決まってんのにな」 それは確かに、アラベルの言う通りだ。「そもそも何故、お前達は教会にアレを運んでいたのですか? エヴレカが遺体となってアウルムに運ばれたと分かった時点で、教会に出入りする必要はなかったはずですが?」「ドーラに教会との繋がりを確保して欲しいと頼まれたからだ」「復讐でもするつもりですか? ドーラ殿は」「いんや、多分ドーラ
Read more

運命

「だからってドーラを一人で教会に行かせるなんて……」「これはドーラ殿の希望だ。俺だってオーリィに会わせてやりたかったんだがな……」 ドーラは特赦が許諾されない事も含めて、教会が望む形で自分が引き渡されれば特警が疑われる事もない事まで計算して、そうなる様に話を進めて貰えないかと打診して来た。 だから両陛下に茶番を打って貰った。 種芥子の知識を持ったドーラなら殺されることは無いだろう。 そう頭では分かっていても、危険な賭けには代わりない。 オルタナのたった一人の家族を、敵地に一人で向かわせる事に抵抗を感じなかったわけではないのだ。「彼女は昔からそうだ。勇敢で豪胆、自分で何でも熟してしまう」「ドーラは侍従殿がこの国にいる事、知ってんのか?」「審議所で顔を合わせましたから、気付いたのではないですか? まぁ、髪はなくなってますが」「侍従殿、髪生えてた時代もあるんか」「髪がないのは薬の副作用ですから、若い頃は普通に生えてましたよ」「ほぉん」「お前、興味がないのに聞くの止めなさい」「興味はある。ドーラが侍従殿の事を唐変木って言ってて、会ってみたかったんだよ」「相変わらず……口が悪いですね」 そう言ったウケイが訝し気にアラベルを見た。「あっはっは、サンノ国の国宝とまで言われたウケイ殿に唐変木か。言うなぁ、ドーラ殿」「公爵様、オルタナを番になさるのなら、いつか貴方も言われる科白です」「おっと、そうだ。公爵様とオル坊は番になるんだったな。王陛下の誕生祭で公表するんだったか?」「その予定だ」「でもオル坊、発情しねぇだろ。大丈夫なのか?」「これは一部の者しか知らないでしょうが、古文書によれば健国王タラサは原初のΩアガタと出会い、運命の番として寵愛したと言われています。ナタリス殿に聞きましたが、城下には既にそれらしき話を流布してあるのでしょう?」「ほぅ。そんなロ
Read more

義父と二枚舌のハッタリ公爵

 彼自身が率先してそれを口にすると思っていなかったからだ。 オルタナを運命の番として迎えるに当たり、一番厄介なのがウケイだと思っていた。 父親だと名乗らないと腹を括っている様だが、それは建前上の話で内心ではオルタナを目に入れても痛くない程に息子として案じているのが露骨だ。 番になどしてやるものかと画策していてもおかしくない位には疑っていた。 なのに、自らそれを言い出すとは――――何を企んでいるのか。「……それはまた突拍子のない」「突拍子ない? 事実を事実として発表するだけです」 そう、事実ではある。 公爵はソファの肘掛けに肩肘をついて、額に手を当てる。 あの感覚が運命でなかったとしたら、他にどう判断すれば良いのか分からない。 そう思える程に確信はある。 あの時オルタナに「生きててよかった」と言われて、あんなに満たされた瞬間を過去一度も感じたことは無かった。 そう思いながらも発情しないオルタナに“運命”を強いて良いのか、迷う。 それと同時に、失う恐怖が影の様に付きまとっていた。 母の様に――――いつか去って行くのではないかと。「公爵様がオルタナを運命の番として公表して下さるなら、今回のオルタナ誘拐の詫びとしてもう一枚強いカードを差し上げますよ」 ウケイはそう言って、白々しくも笑って見せた。 詫びと言いながら上から目線なのが気に入らない。  だが、そうしたいのは山々でこの話に乗らない理由はない。「直々にお父上から許可が頂けるとは有り難い」「……そう言われると気色悪いですね」「それはお互い様ですよ」「何だ、お二人さんは仲悪いのかい?」「どうしたら、仲良く見えるんです? こんな二枚舌のハッタリ公爵と」「侍従殿も人のこたぁ言えねぇだろ?」「何ですって?」「俺達みたいな商売人の間じゃ
Read more

(仮)

 応接室での話し合いが終わると同時に、オルタナは公爵に地下の書庫へと行きたいと願い出た。 眉尻を下げた公爵の顔を見れば、心配されているのは分かっていた。  けれど、一人になって少し落ち着きたかった。「大丈夫」 出来得る限り笑ったつもりだった。 笑えていたかは分からないけれど。 オブライアンに導かれる様に地下の書庫まで付いて行き、鍵を受け取る。「旦那様から許可は頂いております故、お好きなだけお使い下さい」「……ありがとうございます」 薄暗い地下の石造りの廊下は少し肌寒い程で、オブライアンが手に持っている燭台の灯がないと、足元も見えない程だ。 オブライアンは「お茶をお持ちしましょうか?」と気遣ってくれたが、丁重にお断りした。 廊下を戻り、階段を上がって行くオブライアンは、気がかりでもある様に一度振り返る。 オルタナは出来る限り気丈に振舞おうと、笑って手を振った。 オブライアンが地下の入り口を出たのを見届けて、書庫の扉を開けようとした時、人の気配に気付いてオルタナは驚き振り返る。「やぁ、魔女ドーラの孫」「ナ、ナタリス様……」 地下への階段を下りて廊下を真っすぐ歩いた所にある書庫。  そこから、さらに奥へと進むと、別の部屋があるらしい。 オブライアンが出て行った真反対側から足音もなく現れたらしいナタリスは、手を伸ばせば届きそうな程近くに来て声を掛けて来たのだ。 オルタナは書庫にしか来た事がなかったから、その奥に何があるのか知らない。  その上、こんな所で人に出会うと思っておらず、すぐ傍に立っているナタリスに驚き後退った。「お話合いは終わったのかい?」「えぇ、まぁ……」「兄様がこの部屋に入室を許可するなんて、お前は大層気に入られているんだねぇ」「そ、そうでしょうか……」
Read more

メソメソオーリィ

 誰にぶつけたら良いか分からないその愚痴を、黙々と歩きながら地に吐く。 羽織って来たローブのフードを目深に被り、モリガンの森とは違う緑の眩しい森の中で、巨木を見つけてようやくオルタナは足を止めた。「凄い……竜の木だ……」 竜の鱗の様に平たく子供の掌程の欠片を集めた様な幹と、髭の様に長く下がる葉を持っているこの木は、気候の良い土地でしか育たない。 根も葉もその鱗でさえ薬になると言われている貴重な木だが、野生のものは殆ど現存しないと言われている幻の木でもある。「天を貫く竜の木……婆ちゃんが見たら喜びそ……」 そう独り言を零して、オルタナはハッと片手を口に宛がう。 まだ祖母と呼んで良いのか、分からない。 オルタナは竜の木の根元に腰を下ろして、下から空を見上げた。 細く撓る様な葉の隙間から見える空は、去り際を惜しむ夕陽に染まって、鬱蒼と茂る森の影をより深くしている。 この森には竜の木だけではなく、古代種と呼ばれる希少な植物が多く生殖していた。 魔女の宿木や青い葉のレクイム、月光蜂が蜜を好むムーンリリーは白銀の綺麗な花を満月の夜にだけ咲かせると聞く。 その銀の嘴の様な蕾は、月が満ちるのを待って未だ閉じている。 ふと向かいを見れば木陰に二輪の花が覗いていた。 一つの種から青黒い花と青白い花を咲かせる番草は、婚姻や番の象徴として恋人が贈り合ったりするらしい。 モリガンでは見かける事はなかったけれど、物語の中には良く出て来る。 婚姻や番を申し込む時に二色の花を贈り、応えるなら白い花を返し、断るなら黒い花を返すらしい。「番か……」 ふいに、家畜と罵られたナタリスの言葉が脳裏を過った。 何の役にも立っていないと図星を指されて、黙るしかなかった。  そんな自分を思い出して、悔しさにまた目頭が熱くなる。 何だい、またメソ
Read more

秘密の小屋

 オ――――リィ――――……「……ヴィー様?」 独り言の様にそう零したオルタナは、声のする方へと目を凝らした。 薄暗くなった森の中に、ずぶ濡れになった公爵が白髭鴉を一羽肩に乗せてこちらへと歩いて来る。 オルタナはただ黙ってその姿をポカンと見た。 こちらに気付いた公爵は、険しい表情でこちらへと駆け寄って来る。「ッ!! オーリィ!」「ご、ごめんなさっ、うわっ……」 ふいに抱きしめられて、オルタナは後ろへひっくり返るかと思った。 肩の上に乗っていた鴉がふわっと飛び立ち、オルタナの隣へチョンチョンと跳ねて近づいて来る。 濡れた服越しにでも分かる程公爵の鼓動が激しくて、強く抱きしめられたオルタナはもう一度「ごめんなさい」と呟く様に零した。「はぁぁあああ―――――――……お前は俺の寿命を縮める天才だな」「……ごめん、なさぃ」 やっと腕を解いてくれた公爵が、心配そうにこちらを伺って覗き込む。 号泣していたから瞼が腫れて、相当見苦しい顔になっている事だろう。「泣いていたのか?」「……っ、だいじょぶ」「ここでは濡れてしまう。この先に小屋があるから、そこまで移動しよう」「……はぃ」 公爵はそう言って白髭鴉を片腕に乗せると「行ってくれ」と鴉を飛ばした。「屋敷の者には鴉で知らせたから、大丈夫だ。ほら、行こう」 抱き上げられそうになりオルタナはそれを拒む様にして断った。 余り子ども扱いされると、また泣いてしまいそうだった。 少し奥へ進むと山小屋の様な小さな建物が見えて来て、公爵は「ここで雨が弱まるのを待つ」と言いながら、慣れた手つきで鍵を開ける。 扉の向こうには小さな書棚と文机、暖炉と仮眠出来そうな寝台が一つ。
Read more

「……」 甘い。耳朶に響くその言葉に、体の熱が上がって行くようだった。 こうやって甘やかされているだけで心苦しくなるのは、きっと自分の役目と言うものを果たせていないからなのだろう。 ナタリスが言っていた「覚悟があるなら役目を果たせ」と言う言葉が、胸の奥に重く沈んでいる。 公爵の寝所に籠って睦合っていた時はただ只管に幸せで、彼の事を好きなだけで満たされていたけれど、今は違う。 好きだからこそ、彼に相応しい自分じゃない事が苦しい。「どうした? オーリィ……」「ねぇ、ヴィー様……僕に出来る事、ある?」 今までは彼らの仕事に口を挟む事すら烏滸がましくて、何がどうなっているのか知らずに流され、言われた事だけやって来た。 でもそれじゃダメだ。 オルタナは俯き唇を噛んで、公爵の腕を掴んだ。 ウケイが言っていた様に、誰がどう動くのか知らなければならない。 自分がその中で庇護されるだけなら、ナタリスが言っていた様に柵の中で飼われている家畜と一緒だ。  酷い言い草だったし好きにはなれないけれど、ナタリスの言っていた事は間違っていない。 それが余計に腹が立つ。「何だ、急にどうした?」 相変わらず耳元に唇を寄せて囁く様に聞かれるから、こちらも釣られて小声で喋る。 誰にも聞かれる事のないこんな状況で、二人してボソボソと内緒の話でもするかのように――――。「皆に守られてるだけじゃ嫌なんだ……僕も、ヴィー様の役に立ちたい」「役になど立たなくて良い。お前はいるだけで価値がある」「違うよ……僕がそうしたいんだ」「じゃあそうだな……」 より一層声を潜めた公爵のその言葉に、オルタナは驚いて弾かれる様に顔を上げた。「え……」「出来るか?」「……わ、分かった」「それと今は、
Read more

母 Ⅱ

「うん……」 いつも毅然としていて隙のない公爵が、何やら頼りなさ気に見える。 いつも周りを圧倒する存在感を放ち、近寄り難い程のこの人が、今ここでだけは頼りない少年の様に見えた。 ポツリポツリと話し始めた公爵の表情を、オルタナは見逃さない様にしっかりと見つめる。「まだ十三だったその日、俺は体調が優れず寝台に押し込まれていてな」 体調の悪い第二王子を見舞いに来た前王妃と護衛で着いて来たオブライアンは暫く談話した後、部屋を去って行った。 だが、そのすぐ後に前王妃様が部屋に戻って来たと言う。「朦朧としていたから、母が何故戻って来たのかよく分からなかったんだ」「心配だったんじゃ……?」 そう言ったオルタナに、公爵は力なく首を左右に振って見せた。「発情したんだ、自分の息子に……」「え……?」「母上は……我を失った様に俺に襲い掛かって来て、俺は外で待機していたオブライアンを呼んだ」 オルタナはその言葉に、オブライアンが話してくれた事を思い出した。 公爵が過発情を起こしたその晩、オブライアンは部屋に来て色んな話をしてくれた。 その中で「旦那様があんなに声を荒げて私を呼ばれたのは、後にも先にもご母堂がお倒れになった時だけです」と言っていた。 それがこの時の事を言っていたのだとしたら――?  あの形相で母親を拒絶しようとした十三歳の少年の恐怖は、言葉で言い表せるものではなかっただろう。「な、何事もなかったの……?」「あぁ。だが、正気に戻った母上は、病んでしまった……」 知的で清楚を絵に描いた様な人だった、と公爵は懐かしむ様な顔で語る。 でもだからこそ、自分の息子に欲情し襲い掛かった事実が、彼女の心を蝕んだのは想像に容易かった。 前王妃が鬼籍に入られたのは十三年前――病死だと発表された
Read more

専属護衛

 しっとりしたその黒髪に、オルタナは何度も口付けた。 愛おしいと言う感情が暖炉の火で仄かに暖められて、微睡みに似た気持ち良さを連れて来る。 豪雨によって外界から断絶された様な森の奥深くの小さな小屋で、叶わない我儘を言い合う。「今だけ、僕だけのヴィー様でいてよ……」「俺はいつだってお前だけだよ」「違う。そうじゃなくって……色々忘れて欲しいって事……」 国の事も、教会の事も、全て忘れて肩の荷を下して欲しい。 発情しない自分が公爵の傍にいられるのはいつまでなのか、そんな事すら忘れてしまいたかった。 こんな我儘が許される時間は、きっとこの先ないだろうから。 ◇◇◇ 秘密の小屋で一晩を明かした翌日。  サリバン家の別荘に帰ったオルタナは意外な人物から叱責を受ける事になった。「旦那様っ! オルタナ様も……お帰りなさいませ」「心配掛けたな、オブライアン」「ご迷惑おかけしてすみません……オブライアンさん」「いいえ、お二人共ご無事で……」 出迎えてくれたオブライアンの後ろから、ツカツカと歩いて来たのはミレーだった。 オルタナは謝罪しようと口を開いたその瞬間、パシッと左の頬を叩かれた。「っおい、ミレー」 ノエルが驚いて駆け寄って来る。 隣に立っていた公爵も、流石に驚いたのか何も言わずただ茫然とその様子を見ていた。「守られる側にも覚悟がいると言ったはずよ、オルタナ」「……ごめんなさい」「私達がどれだけ心配したか、分かる?」「……」「貴方は自分の立場を甘く見過ぎている。貴方が無茶をする度、私達の主は私達すら置いて飛び出してしまうの。分かる? オルタナ」「はぃ……ごめんなさい」「一人になりたかった気持ちは分からないでもな
Read more
PREV
1
...
789101112
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status