「これだけは知っていて欲しい。ドーラはお前を守る為なら何でもすると言っていた。あんな美しい女が顔や声を潰して老女のフリをしてまで守りたかったのは、お前さんなんだよ。血が繋がっていなくても、ドーラにとってオル坊が宝なのは代わりねぇんだ」「親父さん……」「モリガンに辿り着いた時、俺は四人で暮らそうと言ったんだ。だけど、何かあった時に他人の方が良い、と言ってドーラはオル坊と二人で暮らす事を選んだ。結果的にドーラの言う通りになった。もし、一緒に暮らしていたら、ドーラと一緒に俺も囚われる羽目になったかも知れねぇからな」「……うん」 祖母を美しいと言う人を初めて見た。 アラベルが言う通り厳しくも暖かく、自分を育ててくれたのは他ならない魔女ドーラだ。 血が繋がっていなくても、大好きに代わりない。 会いたいな。会いたい。 もう一度、あの掠れた声で名前を呼んで欲しい。◇◇◇ 応接室での話が一通り終わった後、オルタナが地下の書庫へ行きたいと言うのでオブライアンに任せた。 呆然とまだ理解出来てない様な顔をしていたから、傍にいてやりたかった。 だが逃げる様に「大丈夫」と一線を引かれてしまった。 夕暮れ時の庭の見えるサロンは、青々とした庭木の上に橙色の夕日が差し込んで眩しい。 窓の外を不機嫌に見た公爵は、目を細めソファに深く腰を下ろした。「公爵様、ちょっといいか?」 そう言ってサロンに入って来たのはアラベルとウケイだった。「……何だ? アラベル……とウケイ殿までどうした?」「公爵様とこちらの侍従殿にも聞いて欲しい事がある」「応接室では言えなかった事か?」「いや……そう言うわけじゃねぇんだがよ。オル坊が見てて居た堪れなくてな。一旦切り上げた方が良いと思ったんだよ」「そうか。まぁ、座れ」 向かいのソファへと着席を促すと、ア
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