第二王子の私室を辞したあと、私たちはそのままファーブリック侯爵家へ戻った。 夜の帳が降りきるにはまだ少し早い時刻。 西日の名残が長い廊下の窓を赤く染め、床に伸びた影をいっそう濃くしている。 ダグルドお父様の私室に通されると、さっそく今後の話し合いが始まった。 テーブルには王都の地図。 主だった通り、商会、騎士の駐在所、貴族用の馬車乗り場。 さらに、ネルコが持ってきたという無頼漢の縄張りが、赤いインクでいくつも書き込まれている。 パパ、エンヴィ、クリス、そして私。 四人で円を囲むように座った。 「さて、どう動く?」 最初に口を開いたのは、やはりパパだった。 第二王子から方針は示された。無頼漢を潰す。 けれど、それはあくまで大きな方向性だ。 実際にどうやって敵を捕らえ、どうやって第一王子派との繋がりまで引きずり出すのかは、私たちが考
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