由樹はまっすぐな立ち姿でそこに立っており、身長は研とさほど変わらないにもかかわらず、自然に醸し出す威圧感だけで、研を圧倒していた。「橋本社長さえよろしければ、俺に異存はありません」一同は連れ立って、由樹が事前に予約していた個室へと入った。六人掛けの長方形のテーブルで、三久は由樹の隣に座り、向かいには研が座る。車を停めてから上がってきた哲朗は、三久がそこにいるのを見て驚いた様子だったが、何も言わずに椅子を引いて、由樹の反対側に腰を下ろした。「研くん、早坂さんとはどういうきっかけで知り合ったんだ?」慶一が世間話でもするように尋ねる。研は少し言葉を選びながら答えた。「私の遠縁の親戚が百栄の秘書室にいて、紹介してもらったんです」男女の紹介だとは直接口にしないものの、その意味は誰の目にも明らかだった。「知り合いだったなら早く言ってくれれば、今回の提携にも参加させてやったのに」研はミクロ社に入ったばかりだったが、その優れた能力はすでに慶一の目に留まっていた。ただ経歴が浅すぎるため、大きな権限は与えられていなかったのだ。けれど、研が三久と知り合いで、紹介されたあとも、二人で食事ができるほどの仲だというのなら、今後関係が発展する可能性は十分にある。三久がこれだけ長く由樹のもとで働いているのだ。きっと人並み外れた能力があり、由樹に対しても、ある程度の発言力を持っているに違いない。もし二人が本当に結ばれれば、慶一にとってメリットこそあれ、損になることは何一つないはずだ。「橋本社長が今から彼を担当に入れても、遅くはないでしょう」由樹はゆったりとした姿勢のまま座り、三久を横目でちらりと見た。「早坂は仕事ができるので、ミクロ社のプロジェクトも兼任させましょうか」三久は針のむしろに座っているような心地になり、慌てて言った。「今は例のプロジェクトにかかりきりで、正直なところ、これ以上は手が回りません」「それは本当に惜しいですね」慶一が残念そうに応じる。「また機会があれば、早めに調整しましょう」由樹は指先でグラスをつまむようにして持っていた。グラスの中の飲み物はよく冷えており、その冷たさが指先から胸の奥まで広がっていくかのようだった。彼の全身から、どこか冷え冷えとした気配が漂っている。食事が半ばに差しかかったところで、
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