琴葉はそう言い切ると、まるでこれから戦にでも出るかのように、威勢よく腕を振り上げた。「ぶっ!」仁哉は目を見開き、飲んでいた水を思いきり吹き出した。「母さん……今までずっと上品に生きてきたのに、今さら全部ぶち壊す気?」「そうよ!」琴葉は力強く頷き、声を張り上げる。「最近の奈緒さんのやり方、私ちゃんと見てたの!上品でおしとやかな女でいれば、周りからは褒められる。でもね、全然スッキリしないのよ!私ももう引退したんだし、これからは奈緒ちゃんみたいに、邪魔する相手は片っ端から蹴散らしてやるわ!肩書きも世間体も全部忘れて、怒りたいときは怒る、暴れたいときは暴れる、言いたいことは全部言うの!どうして栗原家が、青木家と佐野家の食い物にされなきゃいけないの?うちからむしり取ったもの、全部きっちり返してもらうんだから!」琴葉の勢いに、奈緒まで一気に火がついた。すぐに立ち上がり、力強く同意する。「その通りです!ああいう人たちは痛い目に遭わないと分からないんですから。一緒に徹底的にやり返しましょう!」ところが琴葉は、そこで急に夢見るような笑みを浮かべた。「じゃあ、今日から私たちは同じ敵に向かって立ち向かう仲間よ!そうね……『ぶち壊し同盟』ってところかしら?だから、もう私たちは友達みたいなものね!」「はい、琴葉さん!」「うん!私たちもう友達だから、これからあなたのこと、奈緒ちゃんって呼ぶわ!」奈緒もすっかり乗せられ、その場で琴葉と固く握手を交わした。見つめ合う二人の目には、生まれたばかりの厚い絆が宿っていた。目の前で結成された『ぶち壊し同盟』に、仁哉は唖然として立ち尽くした。彼は複雑な心境で呟く。「母さん、僕と同じくらいの年齢の奈緒さんと友達っていうのは……」琴葉は気にも留めず、ひらひらと手を振った。「そんなのどうでもいいのよ。大事なのは気持ち!私が友達だって思ったら、もうそれは友達なんだから!」そう言うなり、琴葉は奈緒の腕を取って立ち上がった。二人とも完全に意気投合している。「奈緒ちゃん、行くわよ。こんなところにいる場合じゃないわ。昼から一杯やりましょ!今日は私のおごりだから!「いいですね!私も青木家と佐野家について、吐き出したいことが山ほどあるんです」「いいわね!食事しながら全部ぶちま
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