席に着き、食事を待ってる間に、他の客の様子を見る。食事を早々と切り上げて、さっそくリバーシに興じているテーブルを見つける。そして、今日からリバーシが三台に増えたことに驚きを隠せないまま、さっそくやろうとする人でごった返していた。「誰か、一勝負やらないか、俺に勝てたら飯代はおごりでいいぜ! 」「乗った、俺はなかなか強いぞ? 」 早速、飯代をかけてギャンブルに興じる人がいる。ここまでは予想済み。これ以上の金額でギャンブルに走ったりしないかを監視しないといけないところだな。飯代ぐらいなら現世でも賭博罪には該当しないはずだ。その範囲で済んでるうちはまだ大丈夫だろう。 そもそも、賭博罪があるかどうかも分かんないな。あまり高額な賭博が行われている、ということでしょっ引かれたりしたら問題だが、その前に店である程度ブレーキをかけてやる必要があるだろうな。「よし、勝った! 」 ゆっくり食事をしながら周りの音を聞いていると、さっきの二人組の勝敗が決まったらしい。どうやら賭けを提示したほうが勝ったらしい。宣言通り腕前はなかなかの様子だ。「どこで負けたんだ? 途中までは勝ってたのに」「ここでこう置いただろ? それがトラップだったんだよ。そっちにおいてくれたら一杯取れそうと思って、そこに置いてくれたおかげで俺はここの手でこう取り返して……そうなると、外側にコマを置けるようになったから、ほら、こうなった」 勝ったほうが負けたほうに指南している。テレビの解説で将棋の解説をしてる場面を思い出す。「なるほど……そこまで前の手を見越して指してたのか。お前すげえな」「伊達にそれで飯食ってないからな。さ、今日の飯代もおごりだったぜ」「その強さならしばらく夕食代はタダで食えそうだな。より強いやつに倒されることを願ってるよ」「おう、期待しておいてくれ」 勝負師同士の熱い対戦が終わり、両者満足してそのまま部屋へ帰るか、自宅へ戻っていった。きっと、明日も夕食を賭けての熱いバトルが展開されるのだろう。彼の連勝記録はどこで止まるのか。
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