Semua Bab 有給休暇は異世界で: Bab 81 - Bab 90

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第81話:ヤマナリパンを救え

 親父さんの代理でパンを買いに来たら、突然の廃業宣言に巻き込まれてしまった。「辞めるんですか? パン屋」「最近パンの売り上げがそれほど好調じゃなくてな。他の場所に新しいパン屋ができたせいだろうな。そっちのパンのほうがフカフカで、黒パンにも混ぜ物をして少しでも柔らかくしようとする努力をしているらしい」 ふむ、よくある新規出店に押されて古い馴染みの店が勢いに押し切られてしまうパターンか。まさに死活問題だろう。ここのパンには毎回顎を鍛えてもらっているし、銀の卵亭の親父さんも新しい店に切り替えて……というのは手間が増えるだろうしな。 それに、新しい店が同じように区切り日払いの掛け払いができるかどうかは怪しい。商売人にとって掛け売り掛け買いができるかどうかは大きく変わるところだろうし、できれば続けて商売してもらいたいところだろうな。「昔から懇意にしてもらってる店には引き続き利用してもらってはいるんだが、一般の家庭の需要が減って来ていてね。何かうちなりの売りを押し出さないと厳しいんじゃないかって家内とも相談してるんだが、いまいち思い浮かばなくてな。兄さん何かいい方法ないか? できることならなんでもやってみるつもりだ」 ふむ。パン屋か。さすがにパンチートは……ベーキングパウダーを使ってふっくらさせた白パン、というのは持ちネタとしてあったが、すでにこの世界ではふっくら白パンが存在する。 つまり、重曹なりベーキングパウダーなり、つまりは炭酸水素ナトリウムを使った膨張効果を使ったパンが一般に手に入るかどうかはともかく、既に存在するのでチートを一つ潰された気分だ。「これだけ詰め込め! 異世界に行ったときにチートできる知識100選」が99選になってしまった。 パン屋といえば……いや、パン屋ではなく、パン工場と幅を広げて考えよう。食パンに限らずパンメーカーでやっているキャンペーンをそのままこっちでもやってみるとかはどうだろうか。例えば……「パンを複数個買ってくれた人には丈夫なお皿をプレゼント、とかはどうだろう? どこかのギルドと共同開
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第82話:ぶらボコマズ

 セルフィと二人、街に繰り出すことになった。といっても、街のどこに何があるかもわからない二人、どこをどう歩いたものかと悩んでいるうちに、サイバルフクショクテンの前に着いていた。「ここも久しぶりに通るな」「久しぶりって程前でもないですけどね。まだ出会って10日ぐらいですよ、私たち」「逆に言えば、もう10日もたったのか……10日でしっかり稼げているのかな、俺たちちゃんと生活していけてるよな? 」「そうですね……ご主人様の財布の重さを確認していけばわかるとは思いますが、マヨの販売の代金も一部これから入るのでしょう? 仕事しなくても一定のお金が入るなら、あまり心配する必要はないとは思うのですが」「それもそうだな」「うむ、二人とも久しぶりであるな」 気が付くと、店先にサイバルさんが出てきていた。「どうも、ご無沙汰してます。あれから順調に暮らしていけております」「うむ、それは何よりである。それと、売ってもらった服だが、さすがに素材までは断定することはできなかった。残念だが、まだ私の財力と実力では再現は難しいらしいの」 石油原料の服の再生産は……さすがにできないだろうな。後はゴムもあるか。さすがにこのあたりの気候でゴムの木に似たものが栽培ないし自生している可能性は低いだろう。「うむ、それで二人は今日は何用かな? 新作でも見に来たのかね? 」「いやあ、仕事が一区切りついたんで街のあちこちをぶらついて、どこにどんなものがあるのか確認しつつ、二人でお出かけですよ」「うむ、そうか。地図が欲しいなら冒険者ギルドでこの街の大まかな地図も販売していたはずだ。もし迷うのが嫌だったり、特定のお店へ行きたかったり、逆に近寄りたかったりするならば利用するとよい」「特定のお店とは? 」 セルフィが首をかしげている。サイバルさんが特定のお店というからには、あまりセルフィには聞かせたくない方面のお店だろうな。「うむ、子供にする話ではないが、娼館であったり、異性が酒を提
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第83話:潜入、マヨチュッチュ

 ラムーさんを手伝い、木箱に入りきるだけの泡立て器を持って移動しようとしていたので、アイテムボックスに入れて両手をフリーにしてあげると、めちゃくちゃ喜んでいた。「ありがとうございます。本当に、アイテムボックスまで持ってるなんてタカナシ様はすごい方ですね」「どうせお店の見物へ行くついでなので。向こうで渡せばいいんですよね? 」「はい、よろしくお願いします。あーこれで肩が楽になった」「しかし、人数分の泡立て器ですか……必要なんですか? 」「ええ、従業員全員分必要でしょう? 」 人数分? という引っ掛かりはあるが、まあとりあえず持っていくとしよう。現金なもので、急にリラックスし始めたラムーさんに少し苦笑いしてしまう。ラムーさんの後に続き商業ギルドから少し離れて太い幹線道路を進むと、すぐに列を発見することができた。これがマヨの列なのか。 並んでいる客を見ると、容器を持っている客と持っていない客両方が存在する。「容器は……自前なんですか? それともつけてくれるんですか? 」「大きさと量にもよりますが、それぞれ値段を取ることにしています。これも木工ギルドからの買い取り物ですからね。必要以上に吹っ掛けるつもりはありません。あと、容器を持ってきてくれた人にはその分容器代を取らないことにしています。我々が売りたいのはあくまでマヨ。容器はついでですので」 たしかに、素手で受け取りに来て手に乗せてそのまま帰ってもらうわけにもいかんからな。しかし、容器も大小それぞれで来ているな。ちゃんと量り売りでやってるんだろうが、同じ容器を持ってきている人は、お試しの容器をそのまま持ってきて、その容器いっぱいでいくらなのかを計算させてもらうのだろうか。 安ければ大きい容器で買って帰って、高いと感じたか、そこまで需要はなさそうと感じたらサンプルを入れておいていった容器で事足りる、というところだろう。各ご家庭にも配布というわけにはいかないだろうが、店で飯を食った人が家に帰ってマヨの美味しさを広めているなら……と、いたいた。 明らか
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第84話:分業制マヨ製作工場

「職人を集めやすくなる……というのはどういうことですか、新しい業種の職人ですから、まだそれほどの技量の違いや慣れに差はないと思いますが」 ラムーさんは職人として完全に一日働く、ということを想像して人を雇うことを考えているようだ。「例えば、朝と夜は子供の世話をしている女性が、昼の鐘から夜の鐘の間だけ働く、というような場合でも、この分業制を取り入れればその間だけでも仕事に就くことができます。つまり、暇があれば誰でも職人として働くことができるというわけです。それだけ気軽に人を集めることができるなら、それは工房として……そう、マヨ工房として非常に大きなアドバンテージを得ることができます。職人を雇うのに人を選ばなくて済む、という大きなものがね」「工程を単純化することで誰でもできる作業に変化させ、そこに誰が入り込んでもいいようにさせるということですか……これ、他の業種でも同じようにできることにもなるんですかね? 」「物づくりの工房……特にギルドでまとめているジャンルの場合は反発のほうが大きいと思いますよ。一から十まで全部できるようになってようやく職人として一人前、として考えているところからすれば、そんなことをするのはとんでもない、と言われることでしょう。ですが、そういう反発の小さい所でより効率的にやっていくことは難しくないと思いますよ」「……参考にさせてもらいます」 ラムーさんがペンを走らせて注意事項を書き記していく。マヨ工房でざっくりできる加工はこのぐらいだな。「あとはそうですね。テーブルに加工を施して、かき混ぜる容器を固定できるようにすれば、器を押さえている人の分だけ人手が空きますから、ラインをもう一つ増やすようにできると思います。これは今すぐできるようになるというわけではないですから、ラインを増やすときの参考にするといいかと思います」 ラムーさんが「なるほど、なるほど」と話しながら全力でペンを走らせていく。あとはギド親方から手回し式泡立て器がいつ届くかだな。それで更に効率が良くなることだろう。器の固定と
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第85話:改めて、街をぶらつく

 金の話を終えたところで、外に出て列が延びている様子を見る。みんながみんなマヨを珍しいと買いに来たわけではなく、中にはこれは商売になると見越してマヨを買い付けに来た目ざとい商人も居るだろうが、純粋にうまいものを提供できるとして並んでいる人もいるのだろう。 並んでいる人を見ると、女性と子供も結構いる。店主は店で仕込みをしていて、その間に雑務をやっている奥さんや女中さんや子供のお使いで買いに来ている……ということもあるんだろう。「しばらくはこの騒ぎも続きそうですね」「その間にしっかり稼いで、初期投資をしっかり回収しなければいけませんからね。飲食店のほぼ全てにマヨをばらまいた分、かなりの出費になっています。長い目で見る必要はありますが、投資分は確実に回収して新しい商売として続けていくだけの体力も自信もありますからね。必ず儲けさせてみますよ」「期待してます。俺の懐具合にもよるので大事なところですからね」「それより、マヨ以外の食べ物で何か思いつくものはありますか? マヨに合う食事だとさらにいいんですがね……」「そうですね……マヨの派生というか、マヨにさらに混ぜ物をしてそれをマヨの類似品として販売する方法はありますね。マヨが飽きられ始める前に一つ考えておくべきでしょうね。その内手を加えましょう」「それは楽しみですね。ぜひとも早めに手を打たれるように願っていますよ。それでは、私は他の店の調子も見に行かなければいけないのでこの辺で失礼します」 忙しいのかマルタさんはさっさかと店内の様子を見ると、ラムーさんと短い打ち合わせをして出ていってしまった。おそらく、さっきの分業形態で仕事をする件は今夜か明日にでも報告されるのだろう。俺からの意見だ、ということは考慮されて話を通されるはずだ。 さて、このまま列が少なくなっていくのを眺めるのもいいが、それでは街案内を……しまった、マルタさんに街の見どころでも聞いておけばよかったな。そうすれば何をするでもなくぶらぶらするよりも、もうちょっと何かしらすることがあったはずだ。「さ
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第86話:昼食はどこへ行こう?

 程よく街をぶらついていると、昼の鐘の鳴る音が響いてきた。どうやらお昼らしい。「ご飯どうするかな。少し道を戻って食べ物を売っている屋台へ行くか、それともお店に入ってしっかり味わうか。セルフィの好きなほうを選んでいいぞ」「え、私が選んでいいのですか? ご主人様が選ばれるべきなのでは? 」「俺は仕事半分で決めてしまいそうだからな。セルフィの視点なら、純粋に何が食べたいかだけで決めてくれそうだ。俺が仕事しないためにも、セルフィが決めてしまったほうがいいと思うぞ」「なるほど……それは大事な役割ですね」 セルフィはしばらく悩んだ挙句、ふんわりパンの真ん中を切り開いて、そこの中に肉や野菜を詰め込んだ、ピタパンのようなものを売っている屋台を見つけ、そこでそれぞれ一人分を買って食べることになった。 一人前銅貨6枚。そこそこの値段だが、値段の割に量はあるので、小麦の量はそれほど多くないのかもしれない。膨らませてかなり誤魔化しているパターンだな。 買った後でその辺の座り込めるところに座り込み、それぞれ食べる。やはり、調味料の類はないようで、肉を焼いた汁とサラダの中の水分だけで食べるのはそれなりに技術が必要なようだ。 かなり好意的に言うなら、素材の味をそのまま楽しめる素朴な味、といったところだろう。一言で言えば味気がない。やはりマヨや焼き肉のたれが欲しいところ。マヨに人参をすりおろしたソースを混ぜ込むだけでも美味しさが上がってもう一枚銅貨をはずんでもいいぐらいになるとは思うんだがな。 やはり、こういう店にもマヨは必要なのだろうと考えると、まだマヨの開拓の余地はあるな。マヨありとマヨなしの店で差がついてしまうのは目に見えて明らかである。「美味しい……とは言えませんね。マヨが欲しくなりました」「うむ……やはりマヨは、マヨはすべてを解決する」「ご主人様、マヨをどこで覚えたのですか。こんなに美味しくて、手軽に作れて、売れそうなものをよく思いつきましたね」 足をぶらぶらさせながら、少し固めに焼かれた肉にか
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第87話:リバーシの売れ行き

 商業ギルドのあるところまで戻り、商業ギルドの受付でラムーさんを呼び出してもらう。ここにいなかったらマヨチュッチュ……しかしすごい名前つけたな。マヨ専門店のほうに行っているのだろう。 しかし、都合よくラムーさんはいてくれて、呼び出しに応じて参上してくれた。「どうも、先ほどぶりです。今回はどのようなお話でしょう? マルタ副ギルド長からも、タカナシ様はでかいシノギの匂いがするとかで目を離さないように言われておりますのでなんでもお申し付けください」 どうやら太客扱いされているらしい。今後は何かしらの商売を広く手掛けるなら、商業ギルドを通して少し商業ギルドに儲けさせつつも、自分も儲かるように差配してもらうほうがよさそうだな。「リバーシという遊びがあるのはご存じかと思いますが。商業ギルドの他の職員との契約で、リバーシの台一台当たり銅貨三枚ほどの収益を上げさせてもらうという約束で契約を交わして……ああ、これですね。こういう話になっているんですが」「あれもタカナシ様でしたか。知っていたら私が窓口になっていたはずですが、今回ばかりは仕方ありません。で、これがどうかしましたか」「木工ギルドのほうへ、リバーシのセットの注文が更に入っているかどうかと、今購入できるリバーシのセットがあるかどうかを確認したかったんですよ。今リバーシの台が置いてある銀の卵亭だと、リバーシが一組しかないせいで深夜営業をする羽目になっていまして。それはまずいということで早急に解決したいのです」 ラムーさんは少し考えて、現状夜間営業状態になっている銀の卵亭の状態をあまり好ましくないと思ったのか、すぐに頭を切り替えてくれた様子だ。「なるほど。もう一組手に入れることができればとりあえず付け焼刃ではあるけどマシにはなるってところですか」「ええ、ついでにリバーシを作れるような工房に心当たりがあればもっと広めていきたいと思っています。一つの工房だけで作っているのでは、いつまでも遊べる場所が限られてしまいますからね」「なるほど、確かに。そういえば、商業ギルドにモクロク親方から何やら商品が届いていて商業ギルドに
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第88話:リバーシ増産計画

 モクロク親方が腕組みをしながら頭の中で軽く考え込んで、それから話し出す。「これ以上のペースとなるとちょっと厳しいな。やはり一日二台、頑張っても三台がうちの工房では限界だ。徒弟も三人しかいないからな。よその工房へ同じ大きさや同じ質で指定して、価格競争が起きないように価格も商業ギルドで統一してできるかどうか掛け合ってくれるのがうちとしては楽でいいな」 やはり量産は今のところ出来ないんだろうな。そもそも、四人で木から切り出して色の違う木材を同じ大きさに加工して……というところから始めるのだから、それだけ時間がかかっても仕方はないところ。 それに、職人仕事は最初から最後までを一人でできるようになって最低限一人前ということなのだろう。用意する盤面も手作りになるのだし、コマを置くところに溝を切ってマス目を確保して……という作業も必要になる。これ以上のスピードアップはいくら徒弟仕事とはいえ、クオリティの低下を招くだろう。 それはモクロク親方の工房の評判を下げることにもつながるだろうから、親方としてもやりたくないところだろう。たとえ納期優先で仕上げは疎かでいいと言われても、やはり後で文句を言われたり出来について苦情や文句が出るぐらいならやらないほうを選ぶだろうな。「なら、品質を落とさないペースでしばらくお願いできますか。急ぎで作ったからと言って出来損ないを出したのでは工房の名前に傷がつくでしょうし、きちんと長い間楽しめる遊びであってほしいですからね」 ラムーさんもその点は同意見らしい。やはり、モクロク親方の評判を下げてでも物の数を出す、というのは考えていないらしい。「わかった。値段はタカナシさんから銅貨64枚以内で押さえるように、という話は通ってるからな。たしかに、それ以上の金額になるなら銅貨の表裏で遊んだほうが早い。そうならないようにって意味なら、他の工房にも声をかけて数を出してしまうことだな。うち以外にも遊びのおもちゃを作る工房はいくつかある。暇そうな徒弟を抱えているならそこに声をかけるでも問題ない」 本来なら自分のところで仕事をしてしまいたいんだろうから、それでは間に合わない、とはっきり
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第89話:リバーシ棋士

 モクロク親方のところで軽く雑談と仕事のまとめをして、ラムーさんと共に出る。「では、私は商業ギルドに戻ってリバーシの話をまとめておきますので、今後この件で御用があったら私のほうへお願いします。そのほうがお互い窓口が一つでわかりやすいと思いますので。ギルドのほうにも手を回して、私が窓口になるように副ギルド長の許可も取っておくことにします」 ラムーさんがしばらく商業ギルドの担当になりそうだ。いや、元々担当だったのだが、全てのやり取りをラムーさんにまとめるほうが動きやすくはなるんだろう。お金の話も、ラムーさんにまとめて請求するほうがわかりやすいだろうしな。「マルタさんからは言われているんですが、区切り日の支払いのほうもラムーさんに話を通しておいたほうがいいんですかね」「ああ、商業ギルドからのマヨの特許料の支払い日ですか。マルタ副ギルド長にはそういうことになるように確認しておきます。お渡しする日の夜にでも、銀の卵亭を訪ねて直接お渡しできるようにしておきます。では、私はさっそく裏方仕事が増えましたので戻りますね」 ラムーさんを見送り、セルフィとまた二人になった。「さて、お仕事のお話はこれで終わりになりましたか? 」「お仕事だけじゃなく、銀の卵亭の閉店時間遅くなりすぎ問題も解決できそうだぞ」「さっき受け取ったリバーシ、両方とも銀の卵亭に置くんですか? たしかに、それなら待ってる人がどんどん減りそうですから一つ解決に向かうことにはなるような気がしますが」「まあ、親父さんたちの睡眠時間も大事だからな。その分だけ早く回って帰ってくれるなら大事だし、早く遊べると評判になってさらにお客さんが増えるかもしれないし。今後によるのかなあ」 三倍の速さで待ち行列が終わることになるからな。これでしっかり休めることになるだろう。いつも通りのペースで終われるようになるのがベストだが、今のところリバーシが遊べるのは商業ギルドと銀の卵亭だけ、ということを考えると、まだまだリバーシを広めるには時間が必要だ。 時間か……俺にはどうしようもない部分の中の一つでもある。モクロク親方のところではなく、他の工房
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第90話:今日は休みだった

 親父さんにリバーシを託した後、時空魔法で時刻を確認する。まだ夕飯には早い。「どうする? 昼寝するか、それともまだどこかぶらつくか」 セルフィにやりたいことを確認する。こっちとしては時間までぶらつくつもりであったので、ちょっと予定外の帰りの早さだったのもある。「そうですね。夕食前に食べるものを買いに行くのはなんか不思議な気分なのでそうしないのはいいとして……もう少し巡るところがあったかもしれませんね」 あと二時間ほど時間はある。もう一回りどこかをうろついてくる時間はある。さて、どうするか。しかし、休みだから……そうか、今日は休みだったな。「休みだし、のんびりするか」「そうしましょう。ようやく休みらしい休みを取ることができました。夕食までのんびりするんです」「何するかな……と言っても、寝るぐらいしかないんだけど」「リバーシしませんか? またボコボコにしてあげます」「ボコボコに……されるのもまた楽しいかもしれないな。よし、親父さんから一つ借りてきて夕食まで勝負するか。今日は一勝ぐらいはしてみせるぞ」 ◇◆◇◆◇◆◇「ふぎゅううう……」「ご主人様はどうしてそこまで弱いのですか。終盤まで考えながらコマを置かないと、序盤で勝ってても意味ないんですよね? 」 食事が始まるギリギリまで勝負を続けていたが、セルフィに一勝もできないまま今日の勝負を終えようとしていた。しかし、この奴隷もご主人様を喜ばせるために手を抜くようなことをしないあたり、容赦ないと思う。 そして、食事の時間になる。食事が始まるとリバーシの台は、わざわざ高いほうの白パンセットを購入してリバーシを楽しむ客に渡すため、楽しむのはここまでのようだ。 そして、こちらは食事の前に体を拭くタイミングを挟む。部屋に戻って今日は早めに湯をもらう。一日仕事をして汗をかいていたわけでもないので、しっかり体を拭いてから髪を洗える。いつも通り一杯分もらってセル
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