さらに6時間煮込み、スープがいい感じに美味そうな匂いを立ち上らせてきたころ、煮込む手を止めて中から骨を取り出した。骨を洗って火魔法で引き続き乾かし、あちこちを触っては状態を確かめる。 そして、火魔法のまたレベルが上がった。豚骨スープを作るだけで火魔法のレベルを上げている男はこの世界広しと言えども俺ぐらいのものだろうな。「うん、どうやら綺麗に取れてくれたみたいですね。これなら砕きの工程に入ってもいいと思います」 脂っぽくなく、匂いこそ残っているものの、その匂いは骨に染み付いたものだから、砕いて焼いて粉にしている間に抜けていくだろう。これでやっと第一工程終了なのだから、ボーンチャイナも作り始めたころは悪戦苦闘の連続だったんだろうな、と思わされる。「で、このスープはどうするんだ? かなりうまそうな匂いだから捨てるのはもったいないと感じるんだが」 デクレール親方が気にしている。正直、俺も豚骨ラーメンが食べたくてたまらない匂いだ。この臭さがいいんだよな。「そうですね、臭み消しを入れて、パンにでも浸して食べるとかなり美味しいと思いますよ。後はミニボア肉を甘辛く作って、そこにスープをかけていただくのも悪くないですが、お勧めは麺ですね。スープにいろんな具材を入れて、麺と一緒にして食べるのがお勧めです。俺の国でも同じようなことをやってました」 昼の残りのパンを持ってくると、デクレール親方が試しに……と、白パンを浸して食べようとしていたので、アクを掬って取り出し、清潔魔法をかけた綺麗な布で軽く濾した後のスープを味わってもらうことになった。 本当ならここに浮いている背脂なんかも一緒に味わったほうがいいのだろうが、そこまで製法を確実に守って作ったスープでもないし、残骸と言えば残骸なので、美味しさは二の次みたいなところがある。「ほう……これはなかなかうまいな。これだけの出汁が出るなら、いろんな料理店でも使いだすところが出てくるかもしれないな」「でも、ここまでの味を出すのにざっと鐘一つ分かかってるんですよ。かかった時間と燃料費を考えると、ちょっと商売にはしにくいので、もうち
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