All Chapters of 有給休暇は異世界で: Chapter 101 - Chapter 110

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第101話:初日は終わりを告げ

 さらに6時間煮込み、スープがいい感じに美味そうな匂いを立ち上らせてきたころ、煮込む手を止めて中から骨を取り出した。骨を洗って火魔法で引き続き乾かし、あちこちを触っては状態を確かめる。 そして、火魔法のまたレベルが上がった。豚骨スープを作るだけで火魔法のレベルを上げている男はこの世界広しと言えども俺ぐらいのものだろうな。「うん、どうやら綺麗に取れてくれたみたいですね。これなら砕きの工程に入ってもいいと思います」 脂っぽくなく、匂いこそ残っているものの、その匂いは骨に染み付いたものだから、砕いて焼いて粉にしている間に抜けていくだろう。これでやっと第一工程終了なのだから、ボーンチャイナも作り始めたころは悪戦苦闘の連続だったんだろうな、と思わされる。「で、このスープはどうするんだ? かなりうまそうな匂いだから捨てるのはもったいないと感じるんだが」 デクレール親方が気にしている。正直、俺も豚骨ラーメンが食べたくてたまらない匂いだ。この臭さがいいんだよな。「そうですね、臭み消しを入れて、パンにでも浸して食べるとかなり美味しいと思いますよ。後はミニボア肉を甘辛く作って、そこにスープをかけていただくのも悪くないですが、お勧めは麺ですね。スープにいろんな具材を入れて、麺と一緒にして食べるのがお勧めです。俺の国でも同じようなことをやってました」 昼の残りのパンを持ってくると、デクレール親方が試しに……と、白パンを浸して食べようとしていたので、アクを掬って取り出し、清潔魔法をかけた綺麗な布で軽く濾した後のスープを味わってもらうことになった。 本当ならここに浮いている背脂なんかも一緒に味わったほうがいいのだろうが、そこまで製法を確実に守って作ったスープでもないし、残骸と言えば残骸なので、美味しさは二の次みたいなところがある。「ほう……これはなかなかうまいな。これだけの出汁が出るなら、いろんな料理店でも使いだすところが出てくるかもしれないな」「でも、ここまでの味を出すのにざっと鐘一つ分かかってるんですよ。かかった時間と燃料費を考えると、ちょっと商売にはしにくいので、もうち
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第102話:翌日、骨焼き、骨砕き

 暇つぶし二日目。昨日に引き続き、デクレール親方のところへ向かう。親方はさっそく骨を焼く準備をしていた。「おはよう、昨日一晩かけて自然風で乾かしてはみたんだが、まだ濡れてるような気がするんだ」「大丈夫じゃないですかね。もろくなるまでしっかり焼き込むので。それと、今回は試験的な面も含めてなので、骨を半分原料に混ぜ込む形で行こうと思います。最良の配分がどれだけになるのかは親方任せになりますが、こっちの国では半分ほど混ぜ込むのが基本になっていましたのでそれに従おうと思います」「おう、そこは問題ない。早速加熱してもらって、焼こうと思うんだが、お願いしていいか? 」 デクレール親方が炭を持ってきたが、炭が混ざっても困るので、今回は俺が直火で焼いてみると言って、自分のレベルアップに流用させてもらうことにする。悪いな親方、金にならない分だけ経験値として自分の身に付けさせてもらうぜ。 全力で高温で焼き始める。温度が何度まで出ているのかはわからないが、少なくともライターよりは熱いつもりで出しているので、1600度ぐらいは出ていると思われる。しばらく焼いたところでハンマーで砕きながら、細かくしつつ、全体によく火が回るようにしながら均等に焼きを入れていく。 時間にして一時間ぐらいかけて火をしっかり回して、粉々になるまで細かくしながら骨を焼くと、本当にもろくなったのか、ハンマーでコリコリと叩くだけでポロポロと崩れるようになってきた。焼き具合は問題なさそうだな。 そのまま、粉にできそうな部分は親方に渡し、冷やしながらハンマーで細かく砕いてもらっていく。残りのまだ硬い部分は焼き続け、きっちり焼く。 この間、セルフィはデクレール親方と徒弟のさらに手伝いみたいな形で、食事を買いに行ったり俺の汗を拭いたり、小間使いのように動いてくれていた。火魔法を自分で扱ってるとはいえ、さすがに熱いものは熱い。「大丈夫ですか。そろそろ出来上がりそうですが、疲れていませんか」 手伝えないセルフィが仕事がなくなってあわあわしているが、気にすることはないし、朝出かけるときも、やることないから丸一日休みで好きに遊んでていいとも伝えたのだが…&he
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第103話:午後のミニボア

 昼食がまだだ。移動やこの後の仕事の手間も考えて銀の卵亭で取ることにする。久しぶりに昼食を銀の卵亭で取ることになるな。お弁当を除けばだが、普段の昼食は買い食いかお弁当だし、ここのところは外で食べることのほうが多かった。 久しぶりに昼に食堂へ入ると、昼間からそこそこにぎわっている。これもリバーシのおかげ、ということなんだろうか。「リンカちゃん、白二つね」「はい、白パンセット二つ! 今日はまだどこにもお出かけしてないんですねえ」「今一旦用事を終えて帰ってきたところだよ。今日はこれから肉集めかな」「頑張ってくださいねー」 周りを見ると、やはり食事を終えてすぐにリバーシの台に向かう人がちらほら。リバーシの台数もちゃんとあるおかげで、スムーズに新しい対戦相手を見つけることはできているらしい。むしろ、三台に増えたことで新しい対戦相手を待つ時間すらできている模様。 常に満員で順番待ちができるのはやはり昼より夜らしい。夜なら、宿に泊まる住人達もリバーシに参加しやすい。それから一仕事終えたギルド職員も、昼休憩だと仕事を抜け出すことなく堂々とプレイできる、ということだろう。少なくとも昨日の夜はそんな感じだった。 今はさすがに昼だからか、ギルド職員の姿は見かけていない。もしかしたら商人ギルドの近くで新たに店に売り込みをかけて、リバーシを置いてもらってわざわざここまで来なくてもプレイできるようにしているのかもしれないな。ずるい。 白パンセットが運ばれてきたところで、今日もありがたく食事をいただく。この白パンも安定供給されているのはヤマナリパンのおかげ。それなりに策は講じてきたのであとはうまく回ってくれるかどうかだけ。 とりあえず今は、サンプルの一枚だけが綺麗に焼きあがればそれでいいのだ。後は実際にお皿に手が届きそうになったところで枚数や物がちゃんと存在していればいい。 本当に量産する必要もないのだから、そろそろ何人ぐらい交換されそうだ、というところでヤマナリパンからデクレール親方のところへ連絡をして、それから焼き上げるのでも問題はないことになる。むしろそのほうが無駄がなく、より高級さがあっていい。
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第104話:ワイルドボアはもう怖くない

 しばらくミニボアを狩り続けていたところ、足音が響く。この足音は間違いない、ワイルドボアだ。 周囲を急いで見渡すと、一直線にこちらへ駆けてくる一匹を見つけることができた。「ワイルドボア来たぞ、攻撃のほうよろしく、こっちは前回と同じく、受け止めつつ頭を狙う」「わかりました。十分ご注意を」 セルフィが俺のそばにきて、いつでも飛び出せるポジションに立つ。俺が正面からしっかり腰を落とし、ワイルドボアの体当たりと牙を確実に避けられる姿勢を取る。 やがてワイルドボアはそのままのスピードを殺さず、全力で俺に体当たりを敢行してきた。その体当たりをショートソードと手首、腰、そして足首と足裏で完全に受け止める。 そして、ショートソードの先はちょうど脳天を突き破り、ワイルドボアの頭を割ったところで止まった。そのままセルフィが横から飛び出し、いつもの場所に傷をつけ、効率的に血を垂れ流させる。 脳は傷つけたが心臓には一切ダメージを残していないため、心臓はかろうじて動き続けてはいる。その間に一滴でも多めに血を抜いてやらないとな。ワイルドボアを半分アイテムボックスから出し、血を抜き続ける。 頭に一撃入ったから血は完全に抜けないかもしれないなあ。脳の、心臓の駆動に関する部分を傷つけていたらアウトだろうが、そこ以外に当たっていたらまだ見込みはあるか……まあ、実際どうなるかは解体結果書次第か。うまく行ってくれてますように。 ◇◆◇◆◇◆◇ ワイルドボアはその後も二匹来た。三匹目を倒したところで俺とセルフィの剣術、剣聖レベルもレベルアップ。ワイルドボアをより楽に倒せるようになったはずだ。 次のワイルドボアが楽しみだなあと思いながらミニボアを倒していたが、そういう時に限って出てこないものなんだなあ。結局その後ワイルドボアが道沿いにまで出てくることはなかった。 その代わり、ミニボアに限っては充分な数を倒すことができて食料にできる分だけしっかりと倒すことができた。 日が暮れ始め、時刻を時空魔法で確認すると17時。今から戻って冒険者ギルドで解体結果書を受け取って、銀の卵亭に
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第105話:夜に思うこと

 食事を食べ終わり、水を飲んで休憩をしていると、リバーシ待ちで声を上げる人がいたので、セルフィとそれぞれの席に向かってリバーシを楽しむことに。「よろしくお願いします」 お互いに礼をして、リバーシを始める。ルールを完全に知っているのと、ルールを活かして勝負ができるのと、読みあいや棋譜の基本が頭に入っていてどう相手に打たせればこっちに有利になるかまでを誘導するように打たせられるかはレベルが違う。 俺にできるのはせいぜいルールを活かして読み合いが軽くできる程度だ。ちょっとだけ、ルールを覚え始めたプレイヤーよりは強いぐらいの腕しか持ち合わせていない。 俺がリバーシの考案者ということは広まっていないので、考案者の癖に弱い、ということまではばれていない様子だ。ただのリバーシをルールだけは覚えた宿泊者、という立場を崩したくないので、ここは精一杯戦って勝てるかどうか試すことにしよう。 もし相手の腕に自信があるなら、俺に勝てたら飯代はおごりでいい、と自主的に言い出して奮起させる方向に行くだろうが、この相手はそんなことは言いださなかったので、そこそこの腕前、というところなのだろう。 実際、十手ずつほど進めたところで、まだいい感じの勝負を続けている。それほど強いと感じないあたりが……いや、もしかするとそこそこの腕前に見せかけているだけかもしれないな。油断せずいこう。「参りました」「お粗末様でした」 ほぼ同時に始めたはずだが、セルフィのほうはセルフィが勝って終わったらしい。やっぱりセルフィ、頭が柔らかいのか、かなり強い気がする。俺が弱いわけじゃないんだな、という自信がさらについた。よし、ここは俺も勝って……あれ、どんどん俺の色が減っていくぞ。 とりあえず……ここで、いや、ここにおくとこっちに置かれるから……うん、これ微妙に詰んでないか? 相手の顔を見ると、ニコニコとしている。どうやら、こっちの手の内を読んで、何手か先までは見通されているかのようだ。これは……負けかな。 どこ
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第106話:冒険者の信用とは

 今日もいつもの朝を迎える。本当に、このあたりはあんまり雨が降らないんだな。時期的なものだと思いたい。きっと、梅雨ではないにしろ雨期は存在するんだろうな。でなければ草原など自然に維持されるようなものではない。「おはようございます、ご主人様。今日も頑張りましょうね」 セルフィも昨日はリバーシに勝ってからゆっくり眠れたからなのか、いつもより目覚めも快調の様子。さて、今日は何をしようかな。 清潔魔法を使って服を洗って体の身支度を済ませて、綺麗に服装を整えたところで昨日の残り物のご飯をもらいに食堂へ。「おはようリンカちゃん。今日も朝食と、お出かけ用のお昼ご飯もよろしく」「おはようございます。座って待っててください、すぐお持ちしますね。お昼は朝を食べ終えたぐらいで用意できるように頑張ります」 テーブルに座ってしばらく待ってる間に、今日やることを決めようと考える。 三日前は薬草採取と肉集め。二日前は一日豚骨スープ作り。昨日は骨焼きと午後から肉集め。そうすると、今日はできるだけ被らないようにするには……薬草採取かダンジョンかってところだな。 もしくは、新しく依頼を探してそれを受けてみる、という手もある。しかし、Eランクでも受けられる常設以外の依頼というのは、ちゃんと稼げる範囲で存在するんだろうか。それを色々と確かめてみるか。特になかったらダンジョンに行こう。「よし、今日の予定を決めた。とりあえず冒険者ギルドで依頼探しだ。何かEランクでも世の中に貢献できる、胸を張って人の役に立てたと言えるような依頼があればそれをこなすことにしよう」「そういうのもいいですね。みんなのお腹を満たすことも必要ですが、もっとより明確に他人の役に立てることがあればそれに越したことはないと思います。やる気も名誉も信用も得られて何重もお得ですね」 名誉や信用が欲しくて仕事をするわけではないが、ないよりはあったほうがいいからな。お金にはならないけど、お金を呼んでくれる条件として名声や信用は大事だ。信用があれば金も借りれるし、すぐ返せと言われなくて済む。 それに名誉や信用があれば、ちょっとした
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第107話:パーティー営業

 常設ではない依頼を見ていく。村に現れるゴブリンの定期駆除、わかっている場所のゴブリンの巣の掃除、ミニボアの大発生による畑の警備、村の倉庫の整理手伝い、いろいろある。しかし、ゴブリン退治や定期駆除のほうはDランクからの依頼となっている。まだ受けられないな。 村の倉庫の整理手伝いなんかはFランクからでも受けられるようになっているが、村までの距離と受け取れる報酬なんかを考えると、効率はあまりよろしくないな。ちょっと悪いけどパスさせてもらおう。 そして、ゴブリンはどうやらこの世界では面倒なモンスターの範囲らしい。きっと、駆除するにも集団行動をしっかりしてくる、統率の取れたモンスターなのだろう。 コボルトがその分弱いというわけではないのだろうが、コボルトは低ランク向けのダンジョンのモンスターとしても出るところを見ると、ゴブリンのほうが厄介なのだろう、と考えておいたほうがいいな。「うーん、社会的信用もそうだが、きちんとした依頼っぽいものを受けるためにはまだまだ努力が足りないらしいな。Dランクからということはかなり大変な戦いになるらしいし、まだ常設依頼以外をするにはちょっと効率が悪そうだな。どうする? 一応Eランクでも受けられる依頼はあるようだけど」「そうですね……せっかく朝から活動できるんですし、近くの村へ行って移動時間分だけ稼ぐお金が少なくなりますが、それでも名前を売りに行くのはありだと思います。私たちも名を売りに出かけましょう。一番近くの村で何か仕事がないか探してみるのがいいと思います」「一番近くの村……地図が必要だな。まずは地図を探そう」 書棚を漁って周辺地図を探しだし、近くの村の位置や隣町までの距離などを、この街に来て十数日目にしてようやく拝むことになった。そういえば、俺も南門から入った当初は近所の村から出稼ぎにきた、という表向きの理由で来てることになっているんだったな。 隣村の名前を近い順に頭に思い浮かべて、近くて楽そうな依頼を探す。すると、やはり近くの村ではミニボア……またミニボア狩りか、と思うところではあるが、うっかりワイルドボアなんかが出てきた場
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第108話:パルムでの依頼

 パルム、というのがこの村の名前らしい。それほど人口は多くないらしく、村というよりさらに小さい集落、というほうがしっくりくる程度の、数十人程度が暮らしている様子の場所だ。村の裏手……街道から見て反対側には畑が広がっている。 この畑がある都合でここに集落があるのだとすると、毎日ボコマズの街やその更に向こう側の村から通うとなると中途半端な上に、きっとここが作物を育てるのにちょうどいい場所だったのだろう。 しかし、街の城壁に囲まれない場所では周辺のモンスターの状態によって環境や危険度を左右されるのは仕方がないところ。今回も”そういう依頼”ということなんだろう。 パルムの村の中に入り、一番大きい家のほうへ向かっていく。村長や代表なんだから一番大きい家に住んでいるだろう、という偏見でしかないが、それでもおそらく間違ってないだろうところに向かう。「すいません、誰かいますか」「なんじゃい、どちら様かな」 爺さんらしき人が一人出てきた。長老って威厳はないが、気安そうな爺さんが一人出てきた。気難しそうな人でなくて良かった。「冒険者ギルドから来ました。ミニボアの繁殖で困ってると聞いたので」「おお、来てくれたか。待っとった。今年はグレートボアの大繁殖期らしくてな。そのおかげでワイルドボア、ミニボアの数も増えておってな。畑を掘り返されて困っとるところなのよ。その畑の警備をお願いしたいんじゃが……一日銀貨二枚、倒したミニボアは二匹を除いて好きにしてもらって構わない、という条件のはずだが、聞いておるか? 」「ミニボア二匹を残す件以外はおおむね。ちなみに、ミニボア二匹の理由を聞いても? 」「単純に、畑を荒らされてる分食い物がないからその腹いせに食い返してやろう……というだけじゃ。深い意味であるとか、少しでも依頼料をごまかそうとかそういう意味ではない。一匹残らず狩った自分たちのもんだと言い張るなら、それでもかまわんて。ただ残してくれるといろいろ手間が省けてうれしい、程度のもんじゃ」 なるほど。なら、二匹ぐらいなら
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第109話:畑荒らし

 村の外側まで大きく回って、まずは被害の大きそうな畑から見ていく。畑一枚当たりで考えると、二割から三割ほどの作物が荒らされてしまっている。麦は踏まれると強くなるとは言うが、収穫直前にこれでは商品や食い物にならないだろうな。 早速一匹目のミニボアを見つけたので、さっと近寄って首筋にショートソードを入れて血を抜き、畑から引っ張り出して畑のそばに横たえておく。さすがに畑を血で汚されるのは好まないだろうし、かといって畑から追い出してから倒すのでは余計な被害が出かねない。 冷静に一匹ずつ、ミニボアを倒していく。本当に大量繁殖しているかどうかは置いといて、畑一枚あたりに一匹は潜り込んでいる感じだ。畑が……30枚ぐらいあるから、少なくとも30匹は倒せるな、という感覚でまずは一枚一枚畑を確認していく。 そして、ミニボアがいたら倒して畑から引きずり出して、畑の横に並べて置いておく。畑の中を移動しながら戦う都合上、いつものアイテムボックスで血抜きをしながら戦う方法は封印だ。 セルフィが時々集めてくるミニボアを血抜きが終わったかどうかを確認しながらアイテムボックスに詰め直していく。普段よりちょっと手間だが、実質二倍速で作業をしているので、やはり総合すると五割増しぐらいのスピードで仕事が進んでいることになる。 午前中の間にすべての畑の見回りを終わり、セルフィと確認し合ったところで、畑の外側に生息しているであろうミニボアを予防措置として倒していく手はずとなった。 外側とはいえミニボアもそこそこ生息領域が広いモンスターではあるらしいのだが、村の周辺に近寄らないように予防線を張っておくのは大事だろう。 村の畑から出て、目に見える範囲ぐらいの間にいるミニボアをまた一匹ずつ狩り始める。今度は畑の外なので、血も抜き放題だし逆さにし放題だ。手順良く倒しては半分格納、血抜きが終わったら完全収納、と手順良くやっていく。 途中、セルフィが倒して血抜きをしたまま放置したのであろう跡を見つけたので、血が抜けていることを確認してアイテムボックスに収納していく。ワイルドボアは今のところ出てきていないのが救いか。 ワイルドボアの相手を一人でやる
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第110話:駆除狩猟

 午後からは、畑から完全に出て、外側を回って近寄ってくるミニボアを狩り続ける……という狩りに変わった。休んでる間にも少しばかりにじり寄ってきていたらしく、畑のすぐそばにいたミニボアを一匹狩って、お仕事開始の号砲が鳴ることになる。 と言っても午前中とほぼやることは同じで、セルフィと別れてミニボアを倒しながら、徐々に森の方向へ進んでいく。セルフィはテンポよくポンポンとミニボアの首筋にショートソードを突き立てては、一撃で瀕死にし、そのまま放置して血抜きをしていく。 俺はそのセルフィの動きを見ながら、自分の分もやりつつ、セルフィがその場に置きっぱなしにしていったミニボアの血抜きをしていく。血が抜けたら収納して……とやっていくが、セルフィがテンポよくやっていくので俺の周りには逆さに吊られた空中に浮くミニボアが複数体存在する、不思議な光景になっている。 ここが冷蔵庫の中や解体所の中だと、一般的な肉屋の光景で済むんだろうが、周りにあまり何もない草原と畑の入り混じった場所での空中浮遊肉なので、こっちを見た村人がぎょっとして逃げていくのが見えた。まあ、いいんだ。実利があるなら多少の見た目の悪さは。 セルフィがかなり早いペースでミニボアを狩っていくものだから、段々俺の周りの肉や地面が血だらけになり始めた。その血に近寄って他のモンスターが寄ってくるならまだいいんだが、ミニボアも自分の仲間の血にまみれるのはあまり好まないらしく、俺の周りには近寄ってこない。 このままセルフィに好きなだけ暴れてもらうのも悪くはないし、俺がひたすら血抜き担当でもいいんだが、それもちょっとフラストレーションがたまるというか、俺もちゃんと仕事をしてる気分になりたい。 セルフィが置いていったミニボアは充分に血抜きがされていく、という前提に基づいて、どこにどれだけミニボアを倒した跡があるかを覚えておいて、俺も戦闘に参加することにした。 ◇◆◇◆◇◆◇ 午後からも一生懸命仕事をした結果、今日一日で倒したミニボアの数は100を超えた。セルフィとバラバラで行動したことも大きい。村長に一声かけて、依頼の達成報告をもらう。「今
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