さあ、マヨ作りだ。といっても何か特殊なつくり方をするわけでもない。いたって普通の、できるだけ美味しいマヨを作る。そのためにマスタドの実もはちみつも仕入れてきた。あとは手順通りに混ぜるだけ。この混ぜる工程が一番大変なんだが、そこはまあ大人の余裕で何とかしていこう。 泡立て器があれば一番楽なんだが、そんな工業製品は当然この世界にはない、あってもお貴族様の専属調理人が自分のためだけに作らせた、というようなものだろう。一応厨房を見渡させてもらったが、そんな道具はなかった。これは量産するときに作ってもらうということで納得しておくしかないな。「では、マヨ作りをしていこう」「はい! 手はきちんと井戸で洗いました! 」 助手のセルフィもいい感じに仕上がっている。一人寂しくやるよりは少しだけ気分が楽に仕事ができるな。「じゃあまず、油以外の材料を……このぐらいかな。混ぜます」 卵一つの卵黄が大きいのでそれに合わせて材料を頭の中で計算して増やしていく。塩と酢の分量は特に考えておかないといけない。 ボウルにそれぞれを入れると、ひたすらかき混ぜる。いい感じにもったりしてきたところで、主成分である植物油の投入だ。少しずつ、すこーしずつ、セルフィに指示して流しこませていく。その間に俺の腕は全力で動き、とろみが徐々に柔らかくなっていくマヨをひたすらかき混ぜる。 楽しくはない。だが、仕事とは常に楽しくできるものではない。楽しいだけが仕事なら世の中の人々はどれほどの幸せを享受して生きているのだろうな。 一旦油を止めさせて、きちんと混ざっているかどうかを確認する。全体に卵黄と酢の混じったものが絡まり、油が分離しているところがないことを確認すると、再び油の投入を再開。油もどれだけ入れていけばわからないからな。ゆっくり少しずつ入れていって、油が余り始めたらそこで手を止めないといけない。 手元の重さがだんだん軽くなっていき、混ざり具合が良くなってきたところでもう一回止めさせて、油の乳化具合を確認。ふむ……いい感じ、かな? まだ油も混ざり切っていないので、一旦ボウルの中身をすべてかき混ぜて、
Last Updated : 2026-05-13 Read more