智哉さんは無言のまま、家へと運んでくれた。 玄関の重厚なドアが開くと、温かく柔らかな光が私の視界を優しく包む。 智哉さんは靴を脱ぐ間も私を降ろさず、そのままリビングへと直行し、ソファの前で足を止める。そして、壊れ物を扱うような手つきで、ゆっくりと私をソファに下ろした。 柔らかなクッションに体が沈み込み、ようやく自分の体重から解放された足首が、じりじりと熱い痺れを放ち始める。 泥で汚れたスニーカーが高級なソファを汚してしまうのが気になったけれど、それを察した智哉さんが私を制した。 「動くな。余計に酷くなる」 彼は私の返事を待たず、そのまま床に膝をついた。見上げる高さにいたはずの彼が、今は私の足元で、泥だらけのスニーカーに手を掛けている。 「あの……汚いですから、自分で……」 「動くなと言ったはずだ」 智哉さんの声は低く、そしてどこか張り詰めた糸のような緊張感があった。彼は丁寧に、私の足首に負担をかけないよう細心の注意を払いながら、泥にまみれた靴紐を一本ずつ解いていく。 私のために膝をつき、私の足を介抱するその姿を見て、私は胸の奥が焼けるように熱くなった。 言葉足らずで、不器用で、強引さの裏側にある本当の優しさに、私はこの期に及んでようやく触れた気がした。 智哉さんはスニーカーを脇に置くと、今度は私の靴下に手をかけた。 泥と土にまみれた白い生地が、彼の綺麗な指先を汚していく。私は申し訳なさで身を縮めたけれど、彼はそんなことなど気にも留めない様子で、腫れ上がった患部を露出させた。 「……っ」 露わになった足首は、元の形が分からないほどに膨らみ、どす黒い熱を放っている。 智哉さんの喉が、ひどく緊張したように動いた。 「氷を持ってくる」 智哉さんは立
Terakhir Diperbarui : 2026-05-08 Baca selengkapnya