*** 騎士団の皆さんに手土産持参がてら、少し挨拶するだけのつもりだったのに――入口から中に入った瞬間、団員みんなの目がギラッと光った。「あっ! 真琴殿だ!!」 「副団長の……!」 「今日の議題の中心人物!」(えっ、議題に僕の名前が出るって、いったい!?) 嫌な予感しかしない。そのことに僕がそわそわしていると、目の前の階段から降りてきたラディス団長が優雅に手を振った。「真琴殿、ようこそ。さ、こちらへ。昨日は、うちの副団長が大変失礼した」 「い、いえ! リオンは、いつもすごく優しいので!」(――あ、言いすぎたかな) その場にいた団員たちがざわめく。「優しい? あの副団長が?」 「仕事の時は氷なのに……」 「恋ってすげぇ……」 団長は、口の端を楽しそうに上げた。「真琴殿。彼の“どんなところ”が優しいと思うんだい?」 僕は思いついたまま、正直に答える。「毎日なんですけど――」 顎に手を当てて考えていると、なぜか団員全員が身を乗り出す。「僕が仕事をしていたら、何も言わずに後ろで見守ってくるんです。気配だけ傍にある感じで……落ち着くというか」 「「「毎日!」」」(――え、そんな大袈裟になる?) 団長は頷きながら、僕の言葉をゆっくり復唱した。「つまり副団長は“真琴殿の後ろに、毎日欠かさず張り付いて見守っている”と?」 「えっと……はい。気づいたらいます」 「「「スト――!」」」 「真琴!」 僕が振り返ると、いつの間にかリオンが団員たちの後ろに立っていた。顔は真っ赤なのに、威圧感がすごい。「ま、真琴……何を……言って……」 「え? 本当のことだけど?」 団員たちが“やっぱり!”という叫びをあげる。「副団長は四六時中、真琴殿の護衛をしてんのか!」 「それ、恋人以上の過保護では!」 「距離感ゼロじゃん!」 「いいぞ、もっと聞かせろ!」 団員たちのセリフに、耳まで真っ赤になったリオン。「違う、私は……真琴が危ない目に……遭わないよう……」 「うん、知ってるよ? 僕、すごく安心だし」 率直に答えたら、リオンは顔を覆ってその場にしゃがみ込む。(――え、なんでそんなに⁉) 団長が笑いながら、さらに僕に訊ねる。「真琴殿。他にも何か“副団長の優しいところ”を?」 「え……たくさんありますけど……」 『全部言
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