リジェネさんは、ぐい、と顔を上げた。 決意に満ちた目で。「確かに、ポリーティアーは古い町、神殿からの依頼を受けて冒険者の支援をしていた町です。でも」 その目に悔しそうな光が宿る。「今は荒野に踏み入る冒険者も神殿の支援もありません。町の存在理由すら危うく、このままでは町どころか、町を形作る町民の命が危ない。いえ……町長でさえ町と町民を残して去ってしまった。荒野に向かって行ったのであれば、私たちは町長を誇りとし、帰りを待ち続けたでしょう……が、町の子供が見たのです……町長……最後の長が……残った馬に乗って、東に駆け去って行った所を……!」 うわ。日没荒野を守る責任者みたいな人が真っ先に逃げてたよ。「それを聞いて、それでも私は信じたかった。町を守るため、東の神殿に救いを求めようとしたのだと……。だけど、それだったら伝令鳥を飛ばせば済むこと。オルドナンツを神殿に飛ばせば、如何に見捨てられた町と言えど反応を返してくれるはず。なのに、伝令鳥は残り、代わりに町の印がなかったのです……! 町の存続を示す印が失われた、それはこの町が町と成り立たなくなったことを意味します……」 ……悔しそうな、失望したような、残念そうな、とてもとても複雑な顔をしたリジェネさん。「ですから、私も覚悟を決めました。もうこの町はダメだと。町長代理として残された私の仕事は町民だけでも生き延びさせて、せめてこの町に住んでいた者の血を後世に残すことだと。しかし、どの町もこんな辺境の印を失った町を手に入れようとはしないでしょう……ですから」「噂に聞いたグランディールを頼った、と」 リジェネさんは大きく頷く。「私はオルトに頼んであちこちの町に、我々を引き受けてくれないかと依頼の手紙を出しておりました。しかし、どの町も、私たちを招いてくれませんでした。ですが、その中の一通に、あったのです。グランディールと言う、ペテスタイにも似た空飛ぶ新しい町があると。新しいゆえに町民の少ないあそこならもしかしたら、と……」 新しい町が一番必要とするのは、町を構成する最小単位。つまり、町民。 町民を選り好みして受け入れが少ないと、伝説になり損ねた町のように町スキルを継承する人間が減り、町は消えていく。だからって大勢を入れようとして町民の出身地が偏ると、内部崩壊が始まり兼ねないという、一人一人は小さいけど五十
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