児童養護施設で撮られた写真だった。あのとき、梨沙が足を滑らせそうになり、礼都がとっさに手を伸ばして引き寄せた。その勢いで二人そろって地面へ倒れ込むと、子どもたちが駆け寄ってきて、雪玉を投げ始めた。礼都が自分のコートの中に梨沙をかばった、まさにその場面が写っていた。撮影された角度から考えれば、何をやらせても余計なことばかりする千暁が撮ったものだろう。しかし、その写真が賢一郎の手に渡っている以上――千暁の仕業でないことは、礼都にも分かっていた。礼都は写真を握ったまま、黙っていた。突然、賢一郎が冷たい声で一喝した。「跪け!」礼都は賢一郎を一度見た。髪はすでに真っ白になり、激怒した顔には、目元のしわがくっきりと浮かんでいる。それでも眼差しは、変わらず冷たく鋭かった。礼都は膝を折った。鈍い音を立て、その場に跪く。いつの間にか、賢一郎の手には一本の鞭が握られていた。土岐家に代々伝わる、懲罰用の鞭だった。牛革を何重にもより合わせたもので、全体が黒く、硬く長い。賢一郎が腕を振り上げると、鞭が鋭く空気を切り裂いた。乾いた音が響く。最初の一撃は、正確に礼都の背中を打った。焼けつくような痛みが、背中からゆっくりと全身へ広がっていく。高価なオーダーメイドのシャツは、一瞬で裂けた。鮮血が布地からにじみ出し、白いシャツの上に目を刺すような赤い花を咲かせる。礼都の身体が、わずかに震えた。こめかみには、細かな冷や汗がにじんでいる。それでも彼は背筋を伸ばし、跪いたままだった。頭を下げない。許しを乞わない。決して屈しない。賢一郎は奥歯を噛みしめ、再び鞭を振り上げた。一撃ごとに凄まじい力が込められ、シャツは次第に赤黒い血で染まっていく。やがて賢一郎が力尽き、振り上げた鞭が空中で止まった。賢一郎は荒い息をつきながら鞭を握り、よろめくように数歩後ろへ下がった。そして床に跪く礼都を、複雑な目で見つめる。土岐家の子どもたちは、誰もが従順だった。賢一郎が自らこの鞭で罰したことがあるのは、稜平と礼都だけだった。それでも稜平が打たれたのは、たった一度きりだ。その一件のあと、稜平は土岐家を出て、彼との親子関係を断ち切った。だが、目の前にいるこの強情な男は――これ
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