部屋のカーテンは、一度も開けられていなかった。梨沙には、外が昼なのか夜なのかも分からない。自分がここに閉じ込められてから、どれほど時間がたったのかさえ分からなかった。海渡が恐れていることは分かっていた。彼女がここを出れば、自分を告発し、入札事業に悪影響を及ぼすのではないかと恐れているのだ。そして、彼女がどれほど約束したところで、海渡が信じないことも分かっていた。実のところ、ここに閉じ込められていること自体はどうでもよかった。言い換えれば、彼女と海渡の望みは同じだった。どちらも、海渡にこの事業を落札してほしいと願っている。彼女がここにいても、外にいても、大した違いはない。だが今は、望が手術を終えたばかりだ。梨沙は、望が2歳の頃から自分の手で育ててきた。彼女にとって、望はとうの昔に実の子どもと変わらない存在になっている。手術を終えたばかりの子どもを、心配せずにいられる母親などいるだろうか。海渡が梨沙のほうへ歩いてきた。二歩ほどふらつき、そのままベッドの端に崩れるように腰を下ろす。手を伸ばして梨沙の足首をつかむと、幼い頃から何度もそうしてきたように、彼女のふくらはぎへ顔を埋め、甘えるように頬をすり寄せた。「梨沙、胃が気持ち悪いんだ。酔い覚ましに、何か飲み物を作ってくれ。一杯だけでいいから......」梨沙は、彼を見下ろした。酒のせいで赤く染まった顔と、首筋に残された噛み跡をじっと見つめる。「あなたの事業を邪魔するようなことは、絶対にしない」海渡の動きがわずかに止まった。梨沙は一語一語、はっきりと言い聞かせるように続けた。「ただ、望に会いに行きたいだけ。望は手術を終えたばかり......あの子には私が必要なの。母親が必要なの。海渡、お願い」海渡の手が、梨沙の足首から滑り落ちた。まるで酔いがさめたかのようだった。海渡はかすかに笑った。「梨沙、俺たちは幼い頃から一緒に育った。君は今年22歳で、俺たちが出会ってからもう22年だ」梨沙には、彼がなぜそんな話をするのか分からなかった。海渡は首を横に振った。何かを思い出しているかのように、乾いてかすれた、苦しげな笑い声を喉の奥から漏らす。「俺は君のことを知り尽くしている。自分自身よりも、君のことをよく知っているんだ
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