千暁によれば、手術には3時間ほどかかる予定だった。しかし、3時間が過ぎても、手術室の前は静まり返ったままだった。千鶴は不安でいっぱいの表情を浮かべ、両手を合わせて何度も祈り続けていた。「神様、どうか望をお守りください。どうか無事に手術が終わりますように......」時間だけが刻一刻と過ぎていく。千鶴は緊張のあまり梨沙の手を強く握り、震える声で言った。「怖くなってきたよ。あのときも、これくらいの時間だった......手術室から出てきた先生に、琉生は植物状態になったと言われたんだ......」梨沙は祖母の手を握り返した。「心配しないで。笠木先生が執刀してくださっているんだから、きっと何も問題ないよ。丁寧に手術を進めてくださっているから、少し時間がかかっているだけかもしれない......」そう話していると、手術室のドアが開いた。千暁が手術着のまま出てきた。手袋もまだ外しておらず、両手を高く上げている。手袋の甲には、血が数滴ついていた。梨沙はすぐさま駆け寄った。千暁はマスクを外した。顔にはマスクの跡がくっきり残っていたが、満面の笑みを浮かべている。「手術は大成功だよ。ご安心を。これからお子さんを集中治療室へ移すので」千鶴は足から力が抜け、その口からむせび泣く声が漏れた。千暁は慌てて説明した。「おばあさま、ご心配なさらないでください。これは通常の流れです。お子さんに問題はありません」梨沙も千鶴の肩を抱き、背中を優しく叩きながら小声で言った。「おばあちゃんだって、手術を受けたあと集中治療室に入ったでしょう?もう大丈夫だよ」千鶴はようやく安堵し、何度もうなずいた。「......それならよかった。もう心配しなくていいんだね」二人の後ろに立っていた礼都も、かすかに安堵の息を吐いた。望が手術室から運び出されてきた。ストレッチャーに横たわる望の顔は青白く、まだ意識が戻っていなかった。梨沙と千鶴は胸を痛めながら、移動式ベッドが集中治療室へ入っていくまで見送った。二人はその扉の前で立ち入りを止められた。すでに時刻も遅くなっていたため、梨沙は千鶴に帰って休むよう勧めた。千鶴は何度も振り返りながら言った。「梨沙、何か分かったら、すぐに私に知らせるんだよ」梨沙が何度も約束すると、千鶴
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