競技を終え、次の試合までに汗を流そうとウェルシェは選手控え室へと向かっていた。彼女の両脇にはレーキとジョウジががっちりとガードしている。「ん?」ふと、ウェルシェは行く手に人の気配を感じた。目を凝らして前方を見つめれば、そこにいたのは優しげな微笑みを湛える金髪の美少年。「ウェルシェ!」「エーリック様!」その正体に気づき、ウェルシェは嬉しそうに手を振った。そして、タタタッと小走りにエーリックへと近寄った。「一回戦突破おめでとう」「ありがとうございます」嬉しそうなウェルシェの笑顔に、エーリックも自然と目尻が下がる。「ウェルシェの実力は知っていたつもりだったけど、初戦からいきなりパーフェクトを出すなんて思っていなかったよ」「くすくす、私も思っていませんでしたわ」朗らかに笑いあう二人。「あれは本当に出来すぎでしたわ」「いや、ウェルシェの実力だよ」自分は全ての競技で予選落ちしていながら、婚約者の好成績にもエーリックは卑屈な様子を微塵も見せない。「もっと間近で応援できれば良かったんだけど……」「仕方ありませんわ」心からウェルシェの勝利を祝ってくれるエーリック。やっぱり優秀な婚約者を疎ましく感じているオーウェンなんかより、ずっと器が大きいとウェルシェは思う。「競技に出場するだけで私達は護衛に負担をかけますもの」「そうだね。せめて応援だけは貴賓席で大人しくしていないとね」エーリックはチラッと背後を見た。その視線の先には学園の生徒ではないスレインとセルランがいた。剣魔祭では外部の者が出入りしている。さすがにエーリックも護衛は必要である。だから、日頃は学園に連れてこない二人を供としていた。あまり会場をウロウロするのは、二人の手を煩わせるとエーリックも理解している。続いてエーリックはウェルシェの両脇に立つレーキとジョウジをちらりと見た。「ウェルシェの方は大丈夫かい?」エーリックがストーカーについて尋ねているのだと察せられないほどウェルシェは鈍くない。「ご心配をおかけして申し訳ございません」眉を落として詫びた。「ですが、レーキ様とジョウジ様がこうして護衛してくださり、つけ回されている気配はなくなりましたの」「それは……良かった」愁眉を開いたウェルシェの様子に、エーリックは何とも複雑な表情となった。「エーリック様?」「ごめん、
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