All Chapters of 愛人を孕ませた婚約者に捨てられましたが、初恋の寡夫公爵に溺愛され始めたら元婚約者が狂いました: Chapter 101 - Chapter 110

110 Chapters

第100話 ~ドミニクSide~ 兄の葛藤と洋裁店での試着

 私としてはまだまだ繋がっていたかったのだが、ティナのお腹が盛大に鳴ったので、私たちは身なりを整えて正餐をいただく事にした。 お腹が鳴った事を恥じて赤くなっていたティナだったけれど、私にしてみればそんなところも可愛くて仕方ない。 穏やかに食事をいただいていたところに、執事のグラースが王宮から使者が来ていると伝えてくる。 予想通りではあったが、こんなに早く来るとはな……ヴァッセル家の話を兄上に伝えるチャンスかもしれないと考えた私は、ティナを連れて王宮へ向かう事を決めたのだった。 そして王宮へ着くとすぐに兄上が待ち構えていて「ドミニク!よく来てくれた……!待っていたぞ、さぁ、私の執務室へ行こう」と言われながら腕を引かれてしまう。  「え、ちょっ、兄上……!ティナがっ」  「大丈夫だ、クリスティーナ嬢には妻や母上がついていてくれるから!」  「ええ……」 そうして私は有無を言わさない兄上によって、執務室へと連行去られてしまうのだった。 「兄上、それほどまでに仕事が溜まっているのですか?それとも何か重要な話が?」 私は執務室へ到着するなり、兄上に状況を確認してみる事にした。 確かにフェンデルバーグ公爵は捕まり、全て兄上がやらなくてはならない状況ではあるが、まだ事件から2日しか経っていないのだから、忙しくなるのはこれからだろう。 この状況を訝しんでいると、兄上からは違う話題を振られてしまう。 「ドミニク、仕事量の話ではないのだ。我が国と長く冷戦状態にあった国を知っているな?」 「はい、カラドゥス王国ですね」 「そうだ、今はもう冷戦状態ではないが、それでも何度かあの事件の事で親書が送られてきていた……行方不明の遺児を探せと。しかし事件から何十年も経ち、見つけるのは不可能だと何度も伝えていたのだが、いよいよ彼の国が
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第101話 ~ドミニクSide~ ※洋裁店での試着室には誘惑がいっぱい

 扉を開けた瞬間は何故見せる勇気が出なかったのか、大声を出すほどの事だったのかと疑問に思ったのだけれど、すぐに扉を開けられなかった理由を理解する。 一生懸命自身の着て来た服で前を隠してはいるものの、体中真っ赤になってしまってゆでだこのようなティナは、必死で着ている下着の説明をしてくれた。  「多分初夜用の下着なのだと思います…………こんな下着を着たことがなくて、ドミニク様に見せる勇気が出なくて……大きな声を出してごめんなさい。やっぱり全部は見せられないので服でほとんど隠してしまいました……」   私に説明しているティナの様子をジッと見ていたが、これはきっと気付いていないな。 でもこの下着の事を……どうやって指摘したらいいのだろうか。 後ろ姿が全て鏡に映ってしまっているのに一生懸命隠してるつもりなのが可愛すぎる……っ!  マズいな……今すぐ襲ってしまいそうだ。 ひとまずニヤケてしまいそうな口元を必死に手で隠した。 そして気を悪くしないように気を付けながら指摘する……。 「後ろは鏡に全て見えているんだけど……」  案の定気付いていなかったティナは、私の言葉にしゃがみ込みでしまい、扉を閉めてと懇願してくる。 無自覚でしゃがみ込んだのだろうけど、その体勢はマズい。 下が紐状なのか彼女の恥ずかしい部分も全て鏡に映ってしまっていて、この状況で扉の外に出ろというのは生殺しが過ぎる。 ひとまずこの部屋には誰も入ってくる事はないが、彼女の要望通り試着室の扉を閉めた。 ホッとして顔を上げた彼女は私が出て行ったと思ったのか完全に油断していて、私の存在を確認すると驚きを隠せない表情を見せる。 そしてその瞬間、前を隠していた衣服
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第102話 ※カフェデートは甘くて甘い

 「ふふっ、そう怒らないで」 最愛の人はにこやかに私をなだめるけれど、私は頑として譲らない。  「ダメです、私でも怒ることはあります」 「可愛い顔がさらに可愛くなるだけだよ」 「むぅ……」 洋裁店に行って散々恥ずかしい思いをした私は、このまま帰ってしまいたい気持ちに駆られていた。 でもドミニク様に「体力も使ったし甘いものでも食べていこうか?」とカフェデートを提案されてほいほいついて行った結果、カフェで膝に乗せられ、またしても恥ずかしい思いをする事になってしまったのだった。 いくら衝立があるとは言っても、お外でこの体勢は恥ずかし過ぎる……! 「ドミニク様……私、一人で座れますわ」 「うん、そうだろうね。でも私がこの体勢が一番落ち着くんだ」 「店員の方がいらっしゃる度にどんな目で見られているか……!」 私が顔を覆って嘆いていたところに「あーん」という声が聞こえてきて、反射的に顔を上げると、目の前にはクリームと果物をすくい上げたスプーンが私を待っていた。 膝に乗せられて「あーん」だなんて恥ずかし過ぎる……でも恋人同士の憧れのシチュエーションに心が揺らいでしまうわ。 しかもドミニク様と…………ずっと大好きだった人のあーん……。 強烈な誘惑に勝てず、導かれるかのようにパクッと口に含んでしまう。 モグモグ。 …………なんて美味しいの……!  あまりの美味しさにうっとりとしてしまう。 クリームの甘さと果物の酸味が絡み合って極上の味わいだわ! 私は友達と呼べる相手があまりいないので、こういったとこ
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第103話 謎の旅人

 日が暮れる前に帰邸する事が出来て、ラディを肩に乗せながら邸の一室でゆったりと読書をしながら過ごしていると、夜になる頃に突然バタバタと忙しい足音がしてくる。 皆で何事かと思っていると扉がノックされたので、ドミニク様が「何事だ」と語りかけた。 「申し訳ございません、ただいまディクセル王太子殿下がご訪問されまして……」 「ディクセルが?」 執事のグラースの言葉に私とドミニク様はまたしても顔を見合わせる。 このような時間に王太子殿下が気軽に邸に来るような事はまずあり得ないので、何か急用でもあるに違いないわ。 「はい、とても急ぎのようでして……あっ!」 グラースが言い終わらない内に扉が開かれ、そこにはディクセル王太子殿下その人が立っていたのだった。 王太子殿下はとても息を切らし、焦りの表情を隠しきれていなかった。 「ディクセル、そのように急いで何か起きたのか?」 「叔父上、シェリアンは、シェリアンはここにおりますか?」 「? シェリアン王女殿下は今朝早い内に邸を出られ、王宮へと帰られましたけど……」 「王宮の方へもそのように連絡したはずだが」  ディクセル王太子殿下は私達の言葉に顔を青くしてしまう。 こんなに慌てて邸に来られてそんな質問をしてくるという事は―――― 「まさか、まだ戻っていないのか?」 「………………はい」 「なんて事……帰られたのは朝なので、とっくに王宮に戻っているものとばかり……!」 ご機嫌で邸を後にしていらっしゃったし、いじけてどこかへ身を隠したというのは考えにくいわ。 どうして王宮へ戻っていないのかしら…… 「こちらでは大人しくしていましたか?」 「え、ええ、私と一晩をご一緒して、とても機嫌良くお帰りになりましたわ……ここへ来る途中に何か痕跡などもありませんでしたか?」 私の言葉に首を振るディクセル王太子殿下。 殿下はとても慌てていた様子だったので、きっと馬で来られたはず……何かあれば見かけているわよね。 「シェリアンは王族の馬車で来ていたから目立つだろうし、馬車ごと見当たらないというのもおかしな感じがするな。ひとまずこの辺りを探してみよう」 「……はいっ!」 ドミニク様の言葉にディクセル王太子殿下が藁にも縋るような表情で返事をする。 大切な妹ですものね、必死さが伝わってきて胸が痛むわ。 何よ
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第104話 第二王子カルロ・マグダレン・ド・カラドゥス

 「そのように驚いたお顔も実に美しいですね」 カルロと名乗る男性は私の様子を見ながらクスクス笑い、私はその言葉と笑い声にハッと我に返る。 立ち尽くしている場合ではないわ、明らかに他国の方……カルロと名乗ってはいるけれど、それは名前の一部で身分を隠そうとしているように感じる。 警戒する私をよそに、シェリアン様が旅人に感謝を伝えた。 「あなた、カルロって言うのね。私がいくら名前を聞いても”しがない旅人ですから”としか言わなかったのに。まぁ、いいわ。とても助かったのだから……連れてきてくれてありがとう」 「いえ、礼を言うのは私の方です。こうしてクリスティーナ様にお会いする事が出来ましたから」 旅人はシェリアン様にお礼を述べながら私の方へ向き直り、突如片膝をつく。 「東の国から馬をとばしてやってきた甲斐がありました。ずっとお会いしたかった……白の魔女よ」 私の片手を自身の両手で包み、こちらを恍惚とした表情で見上げながら”白の魔女”という言葉を呟いた。 その言葉に私もシェリアン様も驚き、顔を見合わせてしまう。 ホールで陛下を救うために確かに力を使ったわ……あの時は無我夢中で、あの場に誰がいるのかも確認せずに力を使ったのだから、他国に知れ渡っても仕方ないとは思うけれど、こんなに早く耳に入るものなの? 何者なのかしら……嫌な予感が頭をかすめていた時、エントランスホールの扉がバンッと開き、シェリアン様を探しに出ていたドミニク様とディクセル王太子殿下が戻ってきたのだった。 「ティナ!邸の前にある馬は――――」 「ド、ドミニク様」 ドミニク様は私の状況を見るや、足早に歩いてきて私を引き寄せた。 そのおかげで旅人の両手で握られていた私の手が解放されたので、ホッと胸をな
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第105話 ※お仕置きです

 困惑する私から今度は陛下の方へと向き直ったカルロ王子殿下は、陛下に頭を下げながら話を続けた。  「陛下、先ほどシェリアン様を助けたお礼について聞かれましたが、決めました。クリスティーナと2人でお茶会をさせていただく、というのはどうでしょう」 「なっ!」 「………………」 ドミニク様は驚き、陛下は頭を抱えてしまう。 私はあまりに突拍子もない言葉にただただ唖然とするしかなかった。 「ふふっ、親族なのですからそのくらいはいいですよね?」 「………………」 カルロ王子の言葉に陛下は返答にとても困ってしまっていた。 そんな二人のやり取りを王妃殿下や王太子殿下、シェリアン様が心配そうに見守っていた……ドミニク様も苦しそうな表情。 私の事で皆にそんな表情をさせてしまっている事が心苦しい。 カルロ王子殿下は私の意志を一応尊重してくれる人みたいだから、ここは私が返事をした方が良さそうね。 「陛下、私なら大丈夫ですわ。私のお祖父様の祖国の方ですし、血の繋がっているお方ですから。私としてもお話してみたいと思っております」  陛下は申し訳なさそうな表情をこちらに向けた後に少し俯き、何かを思案している表情を見せる。  「クリスティーナ……!そう言ってくれるなんて嬉しいよ!ありがとう……」  一方のカルロ王子はと言うと、とても感激した表情で私の両手を握り、思い切り感謝をしてくる。 そんなに嬉しかったのね……私としては親戚だなんてあまり実感のないお話なのだけど、お祖父様のお話は聞いてみたい気がする。 力が覚醒した時、お祖母様の記憶も受け継い
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第106話 ※続お仕置きです

 ど、どうしましょう…………”私の手に集中してください”なんて大胆な事を言ってみたものの、この先どうすれば?! それに、調子に乗ってドミニク様を誘惑してみたら、思いのほか彼の反応が良くて私の方が動揺してしまう。 私、どうしてお仕置きしてるのかしら。 ふと我に返ったところで時すでに遅し、すっかり火照ってしまったドミニク様のお体を何とかして差し上げないと……! 「……ティナ…………ッ」 熱に浮かされたように潤んだ瞳で私を見てくるドミニク様はとても扇情的で、胸が早鐘を打つようにドキドキしてしまう。 少し開いた唇からは熱い吐息が漏れ出ている。 こんなドミニク様を放っておくなんて無理。 布の上から彼の勃ちきった熱棒を触り、上下に擦りながら彼の口を塞いだ。 いつもなら私が塞がれてしまうけれど、今日は私から―――― 「ぅっ…………んっ、んむっ…………は、ぁっ」 いつも以上に艶めいた彼の声。 私の手の動きなど経験不足もいいところであまり気持ち良くないのではと思っていたのに、思っていた以上に気持ち良さそうな姿に、私の体も熱くなってくる。 手で擦るのを止め、湿り気を帯びていた先端を指先でカリカリと刺激する事にした。 「ふっ、ぁあ……っ」 「ドミニク様……ココ、気持ちいい?」 「ぅあっ、……う、ん…………いぃっ……」 彼の首筋に舌を這わせ、囁くように聞くと、体は正直に跳ね上がり、官能的な声を漏らした。 先走りでしっとりと布が濡れている先端は、弄れば弄るほど濡れて、爆発寸前のように見えた。 もう一押し刺激を与えたら達してしまいそうなドミニク様の様子に、私はいつも彼がしてくれているようにシャツの上からだけれど、彼の胸の先端に口付けてみる。 「あっ、ソコ…………ッ、だめ……っ」 だめって言われるともっとしたくなってしまうのはなぜなのかしら。 きっとドミニク様も私に対してする時に、同じ気持ちを持っているに違いないわ。気持ち良すぎてだめ、なのよね? 私は勝手にそう解釈し、彼の胸の先端をちゅうぅぅっと吸い上げる。 そしてズボンの中に手を入れ、すっかり勃ちきった昂りを中から出してあげると、すでに先端から溢れ出る液体によって熱棒はすかり濡れていたのだった。 良かった……私でも気持ち良くさせる事が出来るのね。 それならば、ともっと気持ち良くさせてあげた
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第107話 黒の魔女オブシダン再来

 翌朝、邸は緊張感に包まれ、私とドミニク様は食事をするホールの入口で驚き、立ち尽くしてしまう。 「ディエゴ、いつから我が邸のホールは勝手に他人が入り込めるようになったのだ?」 「も、申し訳ございません、旦那様!変な力を使われて体が勝手に……!」 ディエゴはドミニク様の言葉に酷く動揺しながら事の経緯を話すも、色々な事に頭が追い付いていない様子だった。  「ど、どうしてあなたが……ここに?」  私は動揺を隠せずに言葉が上手く出てこない。  でも私たちの言葉が聞こえているはずなのに、当の本人はまるで意に介していない様子でディエゴの出す食事を堪能していた。 「ふむ、この鹿肉は非常に柔らかくて美味だな。処理をきちんとしている証拠だ……ここの料理長はしっかり仕事をしている」 「へえ……!ありがてぇことです!」 「さて……」 ディエゴにお礼を述べてからこちらに向き直ったのは、ヤヌシュを連れて帰って以来の黒の魔女オブシダン様だった。 「ようやくここに来る事が出来た。息災だったか?クリスティーナよ」 「はい。その節は大変お世話になりましたわ、オブシダン様」 「お主にオブシダン様などと呼ばれるのはこそばゆいのう……昔はダンと呼んでいたではないか」 私の記憶の奥にあるお祖母様は、確かに黒の魔女の事をダンと呼んでいた。 でも私自身はほぼ初めましてなので、すぐに呼び捨てにする事は出来ない。 「えっと……ではダン様とお呼びしても?」 「ダン。魔女同士で”様”をつける必要はない。敬語もいらぬ。我らは対等な関係なのだ」 「うっ……&hell
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第108話 約束のお茶会

 ダンとゆっくりとお話をしている時に、突然ホールの扉がバンッと開いた。 皆が扉の方へ向くと、そこには正装を着ているカルロ王子殿下が立っていたのだった。 「やあ、ごきげんよう。昨日ぶりだね、クリスティーナ」 「カルロ王子殿下?!」 昨日の今日なのでもちろん殿下からの連絡はなく、いるはずのない人物の訪問に驚き過ぎて大きな声が出てしまう。  「グラースは何をしている……!殿下、連絡も受けていない状況での訪問は礼儀に反します。今日はお引き取りを」 「オーレンブルク公爵、私はなるべく早くお茶会の約束を果たしてもらいたいと考えています。あなたとしても私を早くこの国から追い出したいのでは?」 殿下の言葉にドミニク様は返す言葉に詰まってしまう。 私は2人のやり取りをハラハラしながら見守るしかなかった。 「フフッ、私としては時期を引き延ばせば引き延ばすほど、この国にいられる日が増えるので嬉しいですけど、ね」 「分かりましたわ、お茶会をいたしましょう」 「ティナ!」 「こういう事は早くしてしまった方が良いのです」 私は大丈夫ですわとドミニク様に伝えながら、自分の意思で今日お茶会をする事を決めた。 殿下を見ていて、あまり彼が我が国に長く留まっているのは良くないように思える。 彼が来ると私の大好きな人たちがとても困った顔をするので、私にはそれが心苦しくて堪らないのだった。 殿下が用があるのは私なのに、皆を巻き込み嫌な想いをさせてしまうなんて……一緒にカラドゥス王国へ行くとかそういった事は出来ないけれど、どうにかして自国に帰ってもらえないかとずっと考えていた。 そこへ私たちの様子を見ていたダンが、殿下と私の間にひょこっと入り、彼を見上げる。 「お主はクリスの何なのだ?少し魂が近いように感じるが……」 「可愛らしいお方ですね。失礼ですが、あなたは?」 「我は黒の魔女オブシダンだ。クリスとお茶会をするしないなどと、なぜお主が決める?」 ダンは事の経緯を知らないものね。 殿下は黒の魔女の存在に驚きつつ、ダンの質問に気まずそうにしながらも、私が殿下とお茶会をしなくてはならない経緯を話した。 私とカルロ王子の魂が少し近いという疑問にも答える為に、私のお祖母様、お祖父様の事も話す事になったのだった。 「…………そうか。それで、お主は白の魔女を自身の取り
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第109話 真実を知りたい

 「お祖母様はこの世に生を受けてから、長い時を西の大陸で過ごしてきましたし、こちらの方が居心地が良かったのでしょうね。あのような事があったとしてもこちらで過ごした日々を後悔はしていないと思います。それはお祖母様の記憶を受け継いでいる私が、一番よく分かりますから」 懐かしい記憶をたどりながら、お祖母様の気持ちを代弁するかのように話した。 どの記憶をたどっても愛おしい記憶ばかり……お祖母様は本当に人間を、世界を愛していらしたのをヒシヒシと感じる。 そして最期に愛する人と共に死した事、その当時の記憶はまだ思い出せてはいないけれど、きっと本望だったに違いない。 私もお祖母様のように生きたい。 どんな事があっても、何があっても、死が2人を分かつまで隣りで寄り添い生きる。 そんな事を考える私に、カルロ様がおずおずと聞いてきた。  「君もこの国で、このまま暮らしていきたいのかい?」 私は彼の言葉を聞き、ジッと見つめた。 その瞳には懇願するような色が見え隠れしていて、明らかに私にカラドゥス王国で暮らしてほしいという願いが現れている。 でも、私にはその願いを聞き入れる事は出来ない。 「もちろんですわ、私にはこの世でただ一人、ずっとお側にいたい愛するお方がいますから」  彼の願いを断ち切るように、丁寧に言葉を並べる。 私の肩にとまっているラディが、私の気持ちを聞いてやれやれというような溜息を1つ吐いたのを感じ、私はクスリと笑った。 ずっとドミニク様の事を想って生きてきた私には、彼と生きる以外の生き方は知らないし、これからもそうでありたいと願っているから。  「我が国に君と血が繋がった者たちがいるとしても?」 「はい、申し訳ございません。……カルロ様、1つお聞きしてもよろしいでしょうか?」 「何なりと」 「私を祖国へ連れて行きたい理由は国の為でしょうか?それとも
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