無事に王宮に着き、ティナを母上の寝室へと案内しながら王宮内の廊下を歩いていた。 私の顔を見知っている人々がまだ半数くらいは残っているので、私がここにいた時のまま”殿下”と呼ぶ者が後を絶たない。 私はもう殿下ではないと何度言ってもそう呼んでくる者もいる。 ばあやが坊ちゃんと呼ぶのと同じ意識なのだろうけど、さすがに殿下と呼ばれるのは気が引けてしまう。 結果として私が王宮を去ったのが良かったのか悪かったのか、今でも分からないが、そのおかげでティナと結ばれたのだとしたら去って良かったのだろうなと最近は思えるようになっていた。 私は争い事が苦手で、そうなりそうな時は一歩引いてしまうクセが身についてしまっていて、人間関係のゴタゴタは特に苦手だ。 そして王族だからか、この容姿なのか、女性関係のトラブルが起きる事が多い。 幼い頃は貴族女性に襲われそうになった事もあるし、婚約者候補の女の子同士の喧嘩だったり……テレージアとの結婚を承諾してからはパッタリとなくなったが。 彼女は家柄も容姿も貴族女性から見れば完璧らしく、敵わないと思ったのだろう。 お互いに良い虫除けのような存在になっていたので、二人で大笑いした事もあったな。 そしてそんな私がさらに王宮から遠ざかるべきだと思った要因の1つは、今日母上の寝室に来ている兄上の娘であり、私の姪でもあるシェリアンの存在だった。 ティナを値踏みするような視線をなげかけ、挨拶もせずに私の腕に絡みついてくる。 この姪の事を兄上の娘として可愛がっていた時期が私にもあったけれど、いつからか王宮に行く度に女としての顔を覗かせるようになっていった。 気付かないようにしていたのにシェリアンが14歳の時――――我が国では14歳になれば結婚出来るので、その誕生日祝いの祝宴の為に王宮に訪れて泊まった夜、私の寝所に薄い衣服で忍び込んできたのだった。 あの時は本当に驚いた。 「ドミニク叔父様、ようやく14歳になりました。シェリア
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