LOGIN「真実の愛を見つけた。婚約を破棄してほしい」 王宮の夜会で、婚約者はそう言った。 しかも隣には、彼の子を宿した女。 伯爵令嬢クリスティーナは衆人環視の中で捨てられ、誰もが彼女の涙を想像したが――むしろ、心の底からほっとしていた。 本当はずっと好きな人がいたから。 その夜からすべてが変わっていく。 「もう遠慮しない。君を俺のものにする」 初恋相手の公爵は、彼女だけに甘く囁く。 一方で元婚約者は、彼女が他の男に愛され始めた途端に狂ったように追いかけてくる。 「やっぱり君を手放したくない」 遅い。 しかも彼女は伝説の魔女の血を引く存在だったのだ。 婚約破棄された令嬢の人生は甘く淫らに花開き、危険をはらみながら逆転していく。
View Moreツェットリーニ王国・オーレンブルク公爵邸――――――
月がひと際美しく光り輝き、その形は欠けることなく全てをこの世界に露わにしている夜。私は長年片想いしていた人の邸宅に来ていて、彼の力強い腕でベッドに縫い付けられながら体を暴かれている。
少し前までは、話せるだけで天にも昇るほど嬉しく、ただ見ているだけでもいいと思っていた。 それなのに……今ベッドでは彼の美しい指先が私の衣服を剥がしていき、舌が体を這っていく。 そのたびに私の体は女性としての悦びに跳ね上がり、得も言われぬ声を出しながら彼に応えてしまう。 こんな自分は知らない。そう思うのに、「もっと可愛い声を聞かせて」と言われてしまうと、体が反応するかのように下腹部からは蜜が溢れ出てしまうのだった。
私の股座に美しい彼の顔が埋められ、すっかり濡れそぼった秘所に口付けられると、室内に淫靡な水音が響き渡った。 彼は音を立てながら溢れ出る蜜を全て吸い取ろうと、その舌がすっかり愛液でいっぱいの蜜口の中にぬるっと侵入してきたので、自分のものとは思えない嬌声が止まらなくなってしまう。 「だめっ、ソコは……あぁっ…………ひっ……もうッ」 どうしよう、気持ちいい。気持ちいいしか考えられなくなっている。
「あ、おねが、ぃ……ドム……キちゃうッ……」
「あぁ……ごめんね、焦らして。ティナが可愛すぎるから、つい。いいよ、イってごらん」
「あ、いッ、あぁぁぁ…………ッ!!」 淫熱が解放された私の体は、ベッドの上で何度もビクンビクンと跳ね上がった。 彼の指、舌、息遣い、全てに反応し、頤はだらしなく開いたまま、愛しい彼の名を呼び続ける。「ドム……ドム…………ッ」
「もっと鳴いて、ティナ」彼の言葉が甘くて、全てを委ねてしまいたくなってしまう。
なけなしの理性を総動員するけれどそれも虚しく、初めてなのに体は彼をすんなり受け入れ、硬くなった彼の熱棒は私の最奥に口付けた。 あまりの気持ち良さにどうにかなりそうなのを彼に必死にしがみ付き、やがて私の中はすっかり愛しい人の形を覚えていくのだった。 「あ、コレ、だめぇ…………おく、きもちいぃ……ッ」 「君の奥に出したいんだ……もっと、もっと奥まで」そう言って、擦り付けるように自身の熱杭で中をかき混ぜてくる。
私はもう頭の中が気持ち良さと多幸感でぐちゃぐちゃで、気をやらない為に彼の首に回した腕に力を込めた。 「んん、んっ……あ、あぁぁ」 自分の体だけど、もう自分ではコントロール出来ないほど彼に支配され、私の中は愛する人の精が欲しい欲しいと悲鳴を挙げていた。それは私の中の魔女の血がそうさせているのかは分からない。
ふと目線を上げると、彼の綺麗なブルーグレーの髪が乱れ、汗で頬に張り付いている。 そんな姿もとても官能的で、狂おしいほど彼の怒張を締め付けていく。 衣擦れの音や肌と肌がぶつかり合う音、彼が私に愛を囁く声……その全てが甘い蜜のよう。愛する人によって幾度も高みへと押し上げられ、意識が飛んでいく刹那、見上げた瞳の先には窓から見える満月が煌々と光り輝いていた。
私は月に祈る――――今夜が夢ではありませんように、と。 少し前までこんな日がやってくるとは、夢にも思っていなかったから。それほどまでに私は、ドミニク様をずっと追い求めながらも諦めるしかない日々を送っていたのだ。
状況が一変したのは、王家主催の夜会で幼馴染の婚約者から言い渡された婚約破棄宣言。
婚約者からの裏切りに遭い、なぜか長年拗らせていた片想いを実らせ、己の運命を知り、愛する喜びを知る物語――――「はぁぁっ、も、イクッ……」 快感がどんどん押し上げられ、いよいよ達してしまいそうになった。 その時、彼の顔が秘所から離れてイけなくなってしまう。 「あ……どうしてっ」 「言ったでしょ、躾だって。勝手にイってはいけないよ」 「そんな……!」 嘆いている暇はないと言わんばかりに、二本の指が溢れ出る蜜を絡ませながら蜜壺に侵入してきた。 そしてその指は的確に私の弱い箇所を刺激してくる。 「君はココが弱いんだよね」 「あ、あっ、だめぇ、声、でちゃうぅ」 「可愛い私の猫……どうしても声が我慢できないの?」 「だって、ドムのぜんぶ、きもちいぃから……むりっ」 「君って子は……っ」 性急に口づけられ、中を激しくかき混ぜられていく。 息苦しさが快感に変わり、頭が真っ白になる。 「ふ、む、うんんっ……~~~!!」 体がビクビクと跳ね、彼の指をこれでもかと思い切り締め付けていく。 中から引き抜いた自身の指を舐めているドミニク様——。 その蜜を自身の熱棒に塗り、私の秘所にあてがった。 「結局煽られてしまったな」 「煽ってません!」 「君が可愛すぎるのが悪い」 「そんなことは……」 「ほら、ご褒美だよ」 あてがわれた蜜口から一気に中に挿入ってきた怒張は、最奥に達した時、さらに質量を増した。 彼が中で脈打っているのを感じる……私で気持ちよくなっているのが嬉しい。 「ドム……もっと私で気持ちよくなって」 「ティナッ」 私の名を懸命に呼びながら抽挿し、腰を打ち付ける音が響き渡る。 お互いに獣になり、快楽を貪った。 「ふ、くぅんっ……あ、はぁっ」 「淫らで可愛い私の魔女……っ」 ふと彼の額に視線を移すと、魔女の証がほんのり浮かんでいた。 私のドム……あなたは私の……私だけのもの。 思わずその証にキスをすると、彼の体がビクビクと跳ね、楔がまた大きくなる。 「あ、ああっ」 彼から漏れ出る声がとても色を帯びていて、下腹部が性急に切なくなっていった。 まるで子種を欲しがっているかのように——。 やがて互いの熱が弾け、ほぼ同時に達したのだった。 「はっ……はぁっ……あぁ」 馬車の中はお互いの荒い息遣いで、湿気が充満していた。 きっと今、窓は曇っていると思う……でもそんなことはどうでもよくなっていた。 「ド
慰霊の日、当日。 私とドミニク様は用意してある衣装を身に着け、ベネチアンマスクも顔に装着していた。 正直パッと会っただけで誰なのか判断するのは難しいわね。 王宮に集合にしていなければ、恐らく皇帝陛下であっても気付けないのではと思う。 「ティナはマスクをしていても美しさが隠しきれてないね」 「そんなことは……っ」 「私は獅子だから、可愛い猫を食べてしまいたくなるなぁ」 「もう……ふざけないでください」 「ははっ」 王宮へ向かう馬車で、ドミニク様はご機嫌だった。 そういえば慰霊の日を共に過ごすのは初めてかもしれない。 幼い頃からのお付き合いだけれど、こういう行事に一緒に参加したことはなかったもの。 もしかして、ご機嫌なのはそれで……とか? 「ドミニク様、一緒に行事に参加できて嬉しいですか?」 「それはもちろん!この日のために用意したんだから、仮装した君を見られてとても満足しているよ」 「そうなのですね。私は満足そうなドミニク様が見られて嬉しいです!」 馬車の中でも彼の膝に乗せられて少し恥ずかしいと思いつつ、車窓から外の景色を覗き込んだ。 王都の街では民も仮装し、道行く人々が露店で購入したものを頬張ったり、踊ったり……皆が各々慰霊の日を楽しんでいる。 夜の街の明かりが煌めき、とても幻想的な雰囲気を醸し出していた。 「綺麗……慰霊の日に外に出たことがなかったので、初めてがドミニク様となんて夢のようです」 今思えば両親は魔女のことがあったので、私をあまり外に出したくはなかったのだと思う。 年の近い友人もいない私が、祭りなどに出歩くこともなかったのだけど。 かと言ってドミニク様をお誘いする勇気もなかったし、何より私にはヤヌシュがいたから。 でもヤヌシュから誘われることはなかった。 お茶に誘っても嫌な顔をされるくらいだったので、自分から誘う勇気は持てなかったのもあり、自分から誘うこともしなかったのだけど——。 それが今、長年片思いしていた人と一緒に参加しているなんて……人生は何が起きるか分からないものね。 そう思いながら景色を楽しんでいたのに、突如ドミニク様が窓のカーテンを閉めてしまう。 「ドミニク様……?」 「私の姫は外の景色に夢中なようだけど、私は君に夢中なんだ」 「え……あ……っ」 突然マスクを外したド
「我にとって人間を受け入れることも容易ではない。まだ求婚されたことも受け入れられないのに、しょ……しょや…………~~~っ!」 「でも、ダンも皇帝陛下のことを好きなのではなくて?さっきだってとても優しい目をしていたわ」 「だから問題なのだ!シルベリオは皇帝になりうる男だった……結局皇帝になったしな。その伴侶が黒の魔女となれば呪われた皇帝と揶揄される。白の魔女はいい魔女として伝えられているが、黒の魔女はそうではない」 「あ…………」 私は彼女の置かれた立場を全く理解していなかった。 黒の魔女としての立場を——。 そして人間と共存すると言ってエデンを離れた白の魔女とは違い、エデンをずっと守ってきた彼女が人間と生涯を共にするというのは、とても勇気がいる選択なのだ。 でも——。 「それでも、あなたの中にはずっと陛下がいるのだから、その気持ちを大事にしてほしいの」 私はダンの隣に座り、彼女の頭を抱きしめた。 その小さな体にこの世界を背負い、自分の気持ちを閉じ込めていたなんて。 私がそばにいなくなったことで、彼女にとてつもない負担をかけてしまっていたのだ。 「独りにしてごめんなさい、ダン」 「別に、寂しかったわけではない……大変だったがな」 「ふふっ。そうよね、これからは私も力になれるから」 顔を上げた彼女は、少しスッキリした表情をしていた。 「仕方ない、折を見てあやつに会ってやるか」 「本当?!嬉しい……とても喜ばれるわ!」 「ふん。まだ解呪するための決意はつかぬが……会うだけならいいだろう」 なんとなく彼女の表情が嬉しそうに見える。 お互い好き同士なんだもの、会えるのは嬉しいわよね。 「でも、一緒に暮らしていた期間が長かったのに陛下とダンが、まだ……だったのね」 「……っ!お主もだろうが、そう簡単に初めてを捧げたりはしない!」 か、可愛い……見た目が幼女なのもあるけれど、ダンはそういうことには奥手なのね。 それに人間と関わらないように生きてきた彼女にとって、もしかしたら陛下が初恋の相手なのかもしれない。 皇帝陛下も彼女の貞操を守っていてくれたなんて、誠実なお方なのだわ。 そう思っていたのだけれど。 「シルベリオは最初は良かったのだが、求婚してきてからは貞操を守るのに必死だった……あやつは油断ならぬ!」 「そ、そうなの
執務室でも良かったけれど、ここが一番落ち着いてお話ができる。 ダンからもらった魔道具の笛を机から取り出し、思い切り吹く。 相変わらず音はしない。 でもきっとダンには聞こえているはず——。 そして家でをした時と同じくらいの間で、彼女が瞬時に目の前に現れたのだった。 「ダン!」 「あれから十日ほどしか経っておらぬが……また夫婦喧嘩か?」 若干呆れた表情のダンが、私とドミニク様を交互に見やった。 私たちは視線を合わせ、少し気まずい空気が流れる。 でも今はそんなことを気にしている時ではない。 「今回は違うの。陛下の……シルベリオ皇帝陛下の件でダンに聞きたいことがあって」 ——ガタッ!—— 突然ダンが体勢を崩し、机にもたれかかっている。 明らかに動揺しているわ……どうしたのかしら。 「皇帝陛下が物凄くダンに会いたがっているの」 ——ガタガタンッ!—— さらに体制を崩すダン……床に突っ伏してしまうのではないかというくらいに。 皇帝陛下のお話はご法度なの……? 「ダン……大丈夫?」 「だ、大丈夫だ…………少し驚いただけだ」 全然少しには見えないんだけど。 起き上がるのを手伝いながら、彼女の様子を窺う。 なんとなくだけど顔が赤い感じがするような……? 二人が知り合いなのは知っているけれど、どういう関係なのだろう。
中に入れた彼の指がグイッと曲げられ、一か所をトントンし始める。 指の動きに合わせて、体中に電流が走ったかのような感覚に襲われ、嬌声が大きくなっていった。 「あ?や、ソコ…………だめっ…………あぅ……ひっ、あぁっ……!」 「ここが気持ちいいんだね、もっと気持ちよくなっていいんだよ」 「あぅ……あ、あっ……何か、キちゃう……~~~っ!」 今まで感じた事のない快感が襲ってきて、必死にドミニク様の頭にしがみついた。 そして体が激しく痙攣したと同時に、目の前でチカチカと火花が散っていく。 「ふっ……んんっ…………」 今のは何? さっ
涙を拭ってくれた手は私の頬に添えられ、やがてほんの少し触れるだけの口づけをかわした。 初めてのキスが愛する人で本当に幸せ。 「ふふっ、顔が真っ赤だ」 「仕方ないのです!初めてなのですから……」 「ふーん。ヤヌシュ君ともしたことはないの?」 ヤヌシュとは本当に友達の関係だったし、向こうに子供だと言われていたので、そういう雰囲気にすらならなかった。 この年になってキスが初めてなんて、引かれてしまうかしら。 「ヤヌシュともした事はありませんわ。この年で初めてなんて、恥ずかしい」 「恥ずかしがることはないよ、誰にでも初めてはある。ティナにとってその相手が私で、本当に光栄だ
「ティナとヤヌシュ君の婚約は、陛下の了承の元、解消する事が無事に決定したよ」 婚約破棄騒動があってから2日後、お父様が朝の食事の席で私に報告をしてくれた。 「そうですか」 お父様からの報告にとてもホッとしている自分がいる。 あんな事があってこれ以上婚約者でいる事は不可能だし、何よりお互いに想い人がいる状態なのだから、この婚約は解消した方が良かったのよね。 ヤヌシュの方にはナタリア嬢のお腹に彼の子供が宿っている。 不誠実な事をしていたとは言え子供に罪はないから、彼らの幸せを祈る事にしよう。 「まさかもうお相手のお腹に子供がいるとは驚きだけどね……」 私はこの婚
バタバタと王宮内を走り抜ける。 たしか裏庭にガゼボがあるから、早くそこへ行きたい……ほとんど人通りのない廊下を通り抜けて裏庭のガゼボにたどり着く。 そして中にあるベンチに座り、項垂れた。 「はぁ……はぁ…………っ」 荒い息を整えて、今の状況を頭の中で整理してみる。 一緒にいたナタリアという女性と結婚したいから、私との婚約を破棄したいと言うヤヌシュの顔は、今まで見た事もないくらい真剣で蕩けるような表情だった。 私には決して向けられることのなかった顔――。 本当に真実の愛を見つけたのね。 それは幼馴染として祝福してあげなければならなかったのかもしれない。 ただ、何もあの