جميع فصول : الفصل -الفصل 80

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第70話 お父様の決心

 ドミニク様のお邸から帰邸して7日が過ぎ、私の両親がドミニク様を呼び、今応接間にてドミニク様と隣同士に座りながら両親と対面している。 どうしてこんな事になっているかと言うと……王太后陛下の回復を見守って王宮から帰る時、ドミニク様の邸にドレスの採寸をしに行った。 そしてそのまま彼に抱かれ、泊まる事になってしまった私は翌日に帰る事になり、お父様がいたくご立腹だからだった。 あの日に関してはお酒などの言い訳もせずに泊まり、帰邸した私とドミニク様にお父様が「7日後に2人に話がある」とだけ告げられたのだった。 今日までのお父様は特にお変わりもなく、食事の席でも普通だったし、今日の事を忘れてしまいそうなくらいだったのだけれど…………やっぱりご立腹なのよね。 私とドミニク様は両親を前に、緊張した面持ちで座っていた。 「チェザーレ、この前の外泊だけど」 「全部は言わなくていい」 「あなた……」 お父様は目を閉じて俯きながら、ドミニク様の言葉を遮ってしまう。 お母様の心配する声も届いていない雰囲気だわ。  温和なお父様がこんなに怒る姿を見て、私は信頼を失ってしまった事を痛感し、深く反省しなくてはと思い、ドミニク様とは結婚するまで距離を置くべきかと考え始めていた。 このまま会っていたら、きっとまたお邸に泊まってしまう日がきてしまうかもしれない……しっかりとケジメをつけなくては。 そう思い、お父様の方を見つめると、逆にお父様に見つめられていた。 「ティナ、王太后陛下の容体を回復してくれた時、もう力が覚醒していたんだね?」 「は、はい!」 「そうか……」 私の言葉を聞いて、お父様がなんだかとても落ち込んでいるように見えるのは気のせい、ではないわね。 お母様が背中をさすっ
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第71話 私たちの寝室

 「ティナ、ドミニクに愛想を尽かせたらいつでも戻ってきていいからね」 「そんな事にはならない」 「分からないじゃないか、君は常々冷めている男だし、その冷たさに何人の女性が泣かされたか……」 「ティナの前でそういう話をするんじゃない」 お父様とドミニク様との間で見えない火花が散っている気がするわ。 そこへすかさずお母様がお父様をなだめるように寄り添った。  「まぁまぁ、落ち着いて……あなたも大人げないですわ。閣下ならティナを大切にしてくれる事くらい分かっているはずでしょう?」 「それは分かっているけど、ドミニクに娘を取られるのがショックで……」  お父様はまだ相当引きずっていて、今も泣きそうな表情だった。 ドミニク様がモテる事は知っていたけれど、実際に女性関係のお話はあまり聞きたくないな。 でもこれからはずっと一緒にいられるのだもの、そんな事を気にしていても仕方がないわよね。 大好きな人と暮らせる事を想像し、幸せな気持ちが膨らんできたので、嫌な情報を必死に振り払う事にした。  「お父様、たびたび顔を見せに帰ってきますので。それにティナはいつまでもお父様の娘ですわ」 「ティナ~~~っ!」 私に泣き付くお父様の背中を優しく撫でる。 そしてポソッと「幸せになるんだよ」と呟くので、目にはじんわりと涙が滲んできた。  「ありがとうございます、お父様」 感謝の気持ちを述べると、顔を上げたお父様の表情は笑顔になっていて、私の顔を両手で包み込むと額にキスをしてくれた。 「元気でね、ティナ」 「体に気を付けるのよ」 両親に見守られながら、大好きな実家を後にした。 「お父様、お母様、お元気で!」 馬車の窓から手を
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第72話 ※ドミニク様のお願いとは

  「お願い、してみるものだね。まさかティナとお風呂に浸かれる日がやってくるとは」 私は今、ドミニク様と一緒にお湯の張った浴槽に入っているところだった。 私の為に改装された寝室を見て、あまりに素晴らしくて感動し、彼に何かお返しが出来ないかと考えたのだ。 そしてそれを口にした時、私にお願いを1つ叶えてほしいと言うのでそれに応じたのだけれど、彼のお願いは”私とお風呂に入る事”だった。 まさかのお願いに一瞬断りそうになったけれど、あんなに改装を頑張ってくれていたのを見て、断る事など出来るはずもなく……とにかく恥かしさを堪えながら一緒にお風呂に入っている。 邸の浴槽は比較的広く、2人なら悠々と入る事が出来る大きさなのに、彼にピッタリと密着し、背中を預けるような体勢でつかっていた。 それがまた恥ずかしくて堪らなくて…………何度も肌を重ねているのに、こういう明るい場所で裸でというのはまた違った恥かしさがあるものだと痛感するわ。 早く上がってしまいたいけれど、彼の腕はがっちりと私のお腹に回され、全く離してくれそうにない。 「あの……この体勢で入らなくてはならないのですか?」 「うん? 向い合せでもいいけど、ここに乗ってもらう事になるよ」 そう言って彼が指定したのは彼の股座だった。 そこに乗るのはさらに恥ずかし過ぎて、私はすぐさま首を振る。 「いえ、結構ですわ!このままの体勢で」 「そう? 残念だな。まぁ私はどちらでも君と一緒に入れるだけで嬉しいんだけどね」 「………………」 私は複雑です、とつい口をついてしまいそうになる。 こんな事も一緒に住む事になったからこそだけれど、全然慣れる気がしないわ。 お湯に浸か
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第73話 大切なお役目

 第二部最終章の始まりです! よろしくお願いいたします~~<(_ _)> ~・~・~・~・~・~   「ううっ……せっかく寝室で過ごす一日目があんな形で終わってしまうなんて……」 「大丈夫だよ、ティナ。あそこはこれからずっと2人で過ごす為の寝室なんだから。今夜だって一緒に過ごせるわけだし」 「それに皆がお祝いを用意してくれていたのに、眠って無駄にしてしまうなんてっ!」 昨夜、のぼせて寝室に運ばれ、そのままスヤスヤと朝まで眠ってしまった私は、料理長のディエゴや厨房の方々が腕によりをかけて作ってくれたお祝いの午餐を食べ損ねてしまったのだった。 食べ損ねた事よりも皆の気持ちを台無しにしてしまった事がひたすら申し訳なくて、朝から嘆き節が止まらない。 そんな私を慰めようとドミニク様が私を膝に座らせ、背中をさすってくださる。 私の最愛の人は海よりも深い思いやりを持つお方だとしみじみしながらも、厨房の方々に謝りたい気持ちでいっぱいだった。 そこへノエルがバッサリと言い放つ。 「クリスティーナ様が謝る必要はありませんよ。元はと言えば坊ちゃんが浴室でご無理をさせたのが原因なのですから」  「ゲホッゴホッ」 「…………それは、申し訳ないと思っている」 私はノエルの言葉に飲みかけのお茶が変なところに入ってきて、むせてしまったのだった。 あの状況から考えて、ノエルや侍女たちも何があったのか分かっているわよね……恥ずかしくて居たたまれない。 彼の方をチラリと窺うと、バツの悪そうな表情をしていて、さすがのドミニク様でもあのような状況でバタバタしたのは恥ずかしかったのかもしれない。 そして私の視線を感じたのかこちらを向いて少し苦笑いをしたかと思うと「ごめんね、今度は寝室で……
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第74話 全ての準備が整った

 「遅くなってごめんね、もう少し早く帰ってきたかったんだけど」 彼の言葉に返事をしたかったけれど、上手く言葉が出てこなくて首を振って答える。 ドミニク様がいない間、彼の身に何かあったらと気が気ではなくて、夜も遅くまで寝られずにただただ不安な日々を過ごしていた。 その想いが溢れてしまい、未だにしがみついて離れられない私を優しく落ち着かせるように、ひたすら背中をさすってくれる。 「戻って来られなかったらどうしようかと……」 「ははっ。酷いなー信じてって言ったのに」 「それとこれとは別です!緊張した面持ちで出ていきましたし、何かあったのかと……うぅ……っ」 「すまない。でも頑張ったかいがあったんだ」 私はドミニク様の言葉に顔を上げ、どういう事なのかを目で訴えた。 私の涙を拭いながら瞼にキスをしてくれて、穏やかな笑みを湛えている。 「そのお話は私が聞いてもよろしいのですか?」  私の問いに彼は頷き、今まで何をしていたのかを細かく話してくれたのだった。 まずは王宮でのお話を聞いて驚き、言葉が出てこない。 フェンデルバーグ公爵のしてきた事もそうだけれど、それをドミニク様が調べ上げていた事に驚きを隠せなかった。 あちこち旅をされていて色々な事に詳しい人だと思っていたけれど、人脈もあるのね。 仲間のお名前を挙げている時のお顔は生き生きとしていらっしゃるし、きっと私の知らない世界を沢山知っていて、多くの人達と交流してきたのだろうな……その中に美しい女性もいそうで、また胸がモヤッとしてくる。 私の世界はドミニク様に比べたら本当に狭いから、なおさらそう思ってしまうのかもしれない。  でも前に勝手に想像して嫉妬心に駆られ、彼を襲ってしまった時もあったので、これ以上はあまり考えないようにしよう。 そうだった、そうい
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第75話 勝負服(ドレス)はドミニク様の色

  「……ティナ……久しぶりのティナの匂いだ」 「そうですね、久しぶりのドミニク様の匂いがします」  ドミニク様は私の頭にちゅっちゅっとキスをしながら匂いを堪能されていて、頭頂部が少しくすぐったい。 私も負けじとドミニク様の衣服から匂いや温もりを堪能し、会えなかった時間を埋めるかのようにお互いを抱きしめ合った。 数日離れていただけなのにこんなに恋しくなってしまうなんて。 離れて暮らすなどもう出来ないわね。 今日からは一緒のベッドで眠る事が出来る。 そう思うと、また胸にじんわり幸せな気持ちが満ちていった。 頭上からは愛する人の眠そうな声が聞こえてくる。 「んー……もう少しこのまま…………」 「ドミニク様?」 「………………」 彼の顔を見上げてみると、すでに寝入ってしまったあとだった。 穏やかな寝顔から、スースーと寝息が聞こえてくる。 「ふふっ、お疲れですわよね」 愛する人が健やかに眠る姿を見て笑い、少しの間眺めながら、その美しいブルーグレーの長い髪をサラリと触る。 彼がもう少し背が低かったら女性にも見間違えられてしまうのではと思う程、彼には長い髪が似合っているし、整ったお顔をしているわ。 そんな美しい顔にも疲労の色が見え隠れしていた……目の下にはほんのりクマがある。 王宮でも休まず動き、私と住む為の準備をしてくれたり、今回も早く戻ってくる為に急いで色々な事に対応してきたに違いない。 そう思うと、胸が愛おしさでいっぱいになり、最愛の人の頬にそっとキスをする。 「おやすみなさい、ドム。ゆっくり休んでください
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第76話 ※会いたかった

 「ドミニク様?」 「はぁ――……私は君が隣りにいないと眠りが浅くなってしまうんだ」 「そうなのですね!それは失礼いたしました。では今からでも……」 あれほどお疲れで安らかな眠りに入っていったので、あのままぐっすり眠れているとばかり思っていた。 私がいないと眠りが浅くなってしまうと言われて、不謹慎にも嬉しくなってしまう……必要とされているというのはこんなにも胸が満たされるものなのね。 顔が緩んでいる私を彼が抱き上げ、そばにあるソファへと連れて行かれてしまうのだった。 ソファへストンと座り、じっと見つめられてしまう。 「今はもう眠れないかも」 「え、どうしてです?」 「こんなに可愛い婚約者が膝の上にいるのだから、眠気など吹っ飛んでしまった」 私の髪を触り、極上の笑みを向けてくれる彼から目が離せない。 もちろん離れている間、私もドミニク様が恋しくて涙を流した夜もあったけれど、疲れているのならとそんな気持ちに蓋をしてそっと寝かせてあげたかった。 もう我慢しなくてもいいの? 「私、ずっと会いたくて堪らなかったです。ドミニク様が恋しくて……」 「本当に?目覚めたらいなかったから寂しかったなー」 「ごめんなさい!でも疲れているお顔でしたので、寝かせてあげたくて」 「ふふっ、分かっているよ。ティナは優しいから……やっと一緒に住めると思った矢先に離れなくてはならなくて、ごめん」 申し訳なさそうな表情で私を見つめ、少し苦しそうに微笑んだ。 ご自分を責める必要などないのに……私なんかより、ドミニク様の方がよほど優しいお方だわ。 「謝らないでください。こうして戻ってきてくださって嬉しいのですから」 愛しい人の
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第77話 ※自分で弄って繋がって…

 ソファに寝かされた私を上から見下ろすような体勢で、ドミニク様が優しく諭してくる。 私が自分で動かないとこの先へは進めないよと言われているように感じ、彼の言葉の通りに自分の二本の指を恐る恐る入れてみた。 自分の指は彼のとは違い細いので、中に入っても圧迫感は全く違う……それなのに入った瞬間から刺激を待ちわびていたかのように、全身を気持ち良さが駆け巡っていく。  「ん゙っんんっ…………あ、あう、ん……っ」  気付けば自分で一生懸命指を動かしていた。 快楽が欲しくて、達したくて必死に気持ちいい箇所を探す。  ぐちゅぐちゅと卑猥な音を自分で出しているかと思うと、脳が焼き切れるかと思う程の興奮が襲ってくる。 そんな私の姿を見て、彼は微笑んでいた。 そして彼の下腹部がギチギチに昂り、その存在を主張しているのが目に入ってくる。 私のこんな姿を見て興奮してくれているなんて、嬉しい。  もっと気持ち良くなりたい……やっぱりドミニク様の指と比べると私の指は細くて、物足りなく感じてしまう。 確かドミニク様はこうやって中をトントンしてくれるわ…………少しだけ感触が違う部分を刺激すると、途端に私の体が跳ね上がったのだった。 「あ゙っ、あっあぁ……!」 「自分でいいところを見つけたんだね、君はとても優秀だ。もっと私に見せて……君の乱れる姿を…………」 ドミニク様はもっと見たいと言わんばかりに私の片足をひょいと持ち上げ、簡単に自身の肩に乗せてしまう。 私の股座は全開になり、彼に全て見えるようになってしまったのだった。 でも不思議と恥ずかしさはなかった。
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第78話 ドミニク様のお仲間

 その日の朝はすっきりと目覚め、隣りには愛する人が寝息を立てて眠っていた。 今日は王太后陛下の快気祝いの宴が開かれる日。 ドミニク様に新調していただいたドレスを着るのが、楽しみで仕方ない。 でも私には、王族の方々の飲み物を魔女の眼で注視しておくというお役目があった……ドミニク様が言うにはその日に決行される可能性が高く、特に王族の飲み物に入れられる可能性が非常に高い。 というのも東の帝国の皇帝陛下が”リドメキシアの秘薬”の流通を徹底的に潰したので、フェンデルバーグ公爵側がこれ以上手に入れる事が出来なくなったのだ。 きっと今頃焦っているはず……早めに事を起こす可能性が高いので、王族や貴族が一堂に会する快気祝いの宴は格好の場だった。 国王陛下もそう考えていて、この事を知っている者の間では緊張感が漂っている。 ドミニク様は王宮を出て今は公爵なので王族の中に並ぶ事はないから、警護する為の出席になりそうだった。 彼から贈っていただいたドレスが、まるで戦闘服のようにも思えてくるわ……もっとちゃんと着て、2人で夜会を楽しみたかったけれど、仕方ないわね。 この件を解決する事の方が断然大事だもの。 私は決意を胸に、その日は朝からリジーやノエルに手伝ってもらい、王宮へ行く準備に勤しんだのだった。  ~・~・~・~・~ ドレスが届けられて何度も何度も眺めてはうっとりしていたけれど、いざ袖を通してみると、軽やかでありながら華やかなデザインに煌びやかなビジューが光り輝き、お祝いの席に相応しいデザインだなと感嘆の声しか出てこない。 本当に素晴らしいわ……フレアスリーブもシースルーになっているので、裾が長くても軽やかで腕が動かしやすいし、裾が床近くまで垂れていてゴージャスだわ。 私のデコルテには、藍色に近い色のコランダムをあしらったジュエリーが光り輝いている。 コランダムは幸運の守護石…&
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第79話 波乱の祝宴が幕を開ける

国中の諸侯が集まっているホールは、いつもの夜会の何倍もの人で溢れかえっていた。 その内の何割かはサロンなどに移動していくでしょうけれど、それでもただの夜会とは違うという事が伝わってくる。 これだけ人が多いと魔女の眼を使って見極める事が難しいのではと思い、私の中で焦る気持ちが湧き上がってきた。 「大丈夫、落ち着いて」 私が混乱していると気付いたのか、ドミニク様は背中をさすって落ち着かせてくれる。 私は1つ息を吐いて落ち着きを取り戻していった。 ドミニク様が仰る通り、大丈夫よ。 王族の皆様を中心に視ればいいのだから。 とは言ってもその王族の方々は各々が挨拶に回っていて、いっぺんに視る事は難しそうだわ。 「まずは私たちも挨拶に回ろうか」 「はい!」 ドミニク様の言葉に頷き、まずは順に挨拶回りをする事にしたのだった。 私たちがホールを歩き始めると、ホール内が少し静まり、その後ザワザワし始める。 「これは……注目されているのでしょうか」 「そうみたいだね。舞踏会にも出席したけど、2人で挨拶回りをするのは初めてだから」 確かに揃って国中の諸侯に挨拶をするのは初めての事だわ。 私はヤヌシュと婚約をしていた時から淑女教育の一貫として、国中の諸侯のお名前と爵位を頭に叩き込んでいるので、挨拶をされればすぐにどういった立場の方なのか理解出来る。 そういった面で、自分のしてきた事が無駄ではなかったのだなと思えた。 そんな私たちに真っ先に笑顔で声をかけてきたのは、ディクセル王太子殿下だった。 「叔父上、ようこそいらっしゃいました。クリスティーナも!久しぶりだね、元気そうで何よりだよ」 「ディクセル、一応祝いの席なんだからきちんと挨拶をしなさい」 「叔父上は固いんだから。私とクリスティーナの仲なんだから大丈夫ですよ。ね、クリスティーナ」 「え?ええと……」 ドミニク様から物凄い負のオーラを感じるのは気のせいではなさそう……それに私たちのやり取りに周りにいたご令嬢たちの視線がとても痛いわ。 王太子殿下に合わせてはダメよね。 私が反応に困っていると、そこへ国王陛下と王妃殿下もいらっしゃって、気さくにお声をかけてくださる。 「ドミニク、クリスティーナ嬢、よく来てくれた。ディクセルの非礼をお詫びさせ
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