私やチェザーレ達の心配をよそに、幼かった少女は一生懸命に淑女教育に励み始めた。 蛹が蝶になっていくみたいに美しく成長していく……ティナが13歳くらいの時に、ある日突然私への呼び方を変えたいと提案してきたのだ。 「小さい頃のようにおじ様って呼び続けるのも失礼な気がして……ドミニク様って呼んでもいい?」 「え?あ、ああ…………ティナがそう呼びたいなら全然良いんだけど……なんだか照れるな」 「こっちの方がお外でも呼びやすくていいの!」 そういうものなのか……と思いつつ、突然名前で呼ばれるとドキッとするものだな。 おじ様って呼ばれると親戚のような感じがして、私としては距離が近くて嬉しかったんだけど。 しかし呼び方は変わっても、ヴァッセル家に顔を出すと相変わらずの微笑みで迎えてくれる。 彼女の笑顔を守りたかった……そんなある日、ヤヌシュが心無い言葉でティナを傷つけているのを見てしまう。 「君がお子ちゃまだから、つまらないんだよ。会ってもだんまりだし、見た目も子供くさくて……僕が他に楽しみを求めるのは当然だろう?それに公爵家の跡取りとして、こういう経験もしておかないとね」 公爵の思惑はともかく、もしヤヌシュとティナが将来的に上手くやっていけるようなら見守る事も考えていいのではと思っていたが……結局ヤヌシュは、ティナと婚約出来た幸運にも気付かずに彼女を蔑ろにし始めたのだ。 しかも自身は女遊びをしている事を匂わせながら。 仮面をつけて男女が入り乱れるような夜会にヤヌシュが参加している事は、もはや社交界で知らぬ者はいないほど広がっている。 その夜会への招待状を誰が出しているのかも知らずに。 全て私の計画通り。 しかし全て順調に見えた計画にも1つだけ落とし穴がある事に私は気付かず、とても戸惑う事になる。 それは私のティナへの気持ちの変化に他ならない。 それは突然訪れる。彼女が16歳の時、私の名前入りの刺繍が施されたハンカチを私の誕生日に贈ってくれたのだ。 ハンカチは愛の贈り物。 淑女教育を真面目に受けていた彼女が意味を知らないとは思えない。 私の名入りのハンカチという事にも面を食らってしまい、さすがに受け取ってはいけないと頭で警鐘が鳴っている。 しかし彼女が心を込めて
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