そう私が告げると九条征哉の瞳がギラっと光る。「あなたは利用されたんです。一ノ瀬家にも、そして一ノ瀬の家と婚約を結んでいた高橋家にも。そしてこれが一番、重要ですが」そこで言葉を切り、言う。「あなたの想像も出来ないような連中にも、あなたは捨て駒として使われ、捨てられた」九条征哉の組んでいる手が、力がこもってその指先が白くなっている。「やり返したいとは思いませんか?」私がそう言うと、九条征哉はパッと手を離し、言う。「続けろ」そう言われて私は短く息をつく。(上々よ、美緒)心の中で自分を励まし、続ける。「今の私には何もありません。九条征哉様も既にご存知の通り、私は公的に葬られた身です」そう言いながら私は視線を下げる。そうだ、私には何も無い。差し出せるものといえば、それはたった一つ……。「ですから私が九条征哉様に差し出せるのはこの身、一つです」そう言って九条征哉を見る。ここで笑い飛ばされたら、それはもう仕方ない。けれど私は一ノ瀬家の娘、敵対している家の内部情報を持っている。けれど手の内を全て明かすのは賢明じゃない。だからこその提案だった。この男がどう私を見ているのか、私にどんな価値があると判断するのか。「一ノ瀬美緒、あなたは自分の身をこの俺に捧げ、何を得ようと?」そう聞かれ、私は言う。「一ノ瀬家に復讐を……私は一ノ瀬家を完全に潰したい」短くそう言うと、九条征哉は少し考え、そして私を見て微笑む。「……面白い」そう言われて私はホッとする。だからなのか、体の力が抜けて行く。「だが」そういう九条征哉の声に体が強張る。「こちら側からも条件がある」そう言われて私は身を固くしたまま、聞く。「何でしょうか」そう聞くとふっと九条征哉が笑い、言う。「一ノ瀬家に復讐するのは構わない。それに関しては手を貸そう。俺も利用されたままで終わるのは本意では無いからな」そう言って九条征哉が身を乗り出す。「復讐が終わるまで、一ノ瀬美緒、あなたの身も心も俺に捧げて貰う。それでどうだ?」そう言われて私は少し驚く。(身も、心も……?)九条征哉は笑いながら言う。「ただ復讐するだけではつまらないだろう? 俺にとっては一ノ瀬美緒、あなたが居なくても復讐は完遂出来るんだ」そう言って九条征哉は懐から何かを取り出し、それをテーブルに置く。「俺としては一ノ瀬美
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