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第三十一話

Author: 百瀬 三月
last update publish date: 2026-07-06 21:07:02

さらに奥まで進んだが、周りの景色は一向に変わらない。

無機質な鉄格子と丸石の壁だけがまだまだ続いている。

「なあ、これ同じところ行ったり来たりしてないか?」

歩いていると、景佑が話し出した。

「まあ、こんなに同じ場所ばっかりだとそう思うよな」

「いや、これ見てくれよ」

景佑は壁に書かれている名前を指さした。

『3ーA 竹中夏美』

入り口で見た名前と同じで、番号もまるっきり同じだ。

「同じ名前…」

「一体どう言うことだ?」

黎慈は周りを見渡し、難しい表情をした。

だが、解決になりそうなものは何もない。

奥の道もまだまだ続いている。

「大抵、ゲームとかだとギミックがあってそれをこなすと解ける、ってのがテンプレなんだが…」

「…」

二人は考え始めた。

だが、黎慈は何も思いつかない。

ループしていると仮定して、何がきっかけでなっているのかすらも検討がつかない。

そもそもここから抜け出せるのかすらわからない。

そう考えていると、景佑が徐に壁を触り始めた。

「何してんだ?」

「もしかしたら、壁はあるようで無いのかもしれない」

訳のわからないことを言い始めた。

遂に頭がおかしくなったかと思った。

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  • 夢幻の旅路と二つの世界 〜『夢』に喰われる街で、能力“ブラム”で世界を救う〜   第二十六話

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  • 夢幻の旅路と二つの世界 〜『夢』に喰われる街で、能力“ブラム”で世界を救う〜   第六話 もう一つの世界

    時間は7時半、衣百合(いゆり)が食器を洗いながら、ロビーの椅子に座っている黎慈(れいじ)に話しかけてきた。「黎慈(れいじ)くんは、今日の学校はどうだった?」「まあ、楽しそうな雰囲気でしたよ。一年間、楽しみです」「なら良かった。私、こう見えても生徒会の人間だからさ。そう思ってもらえて嬉しいよ」 衣百合(いゆり)は笑顔で黎慈(れいじ)を見ており、また衣百合(いゆり)が話しかけてきた。「黎慈(れいじ)くんはさ、部活動とか入る予定はある?」「今は

  • 夢幻の旅路と二つの世界 〜『夢』に喰われる街で、能力“ブラム”で世界を救う〜   第五話

    学生寮に戻ったのは、午後4時を少し回った頃だった。部屋に入るなりベッドに腰を下ろし、鞄を床へと放り投げる。空き教室での会話が、まだ耳を占領している共通夢。夢の中で落ち合う。にわかには信じがたい話だ。普通だったら、興味も湧かなかっただろう。しかし、夜になるまで何を考えても空回りするだろう。一度深く息を吐き、スマホで夕食前の時間にアラームを設定した。まだ時間はある。余計な考えが脳を占領するよりも、一度寝てリセットした方が良いと考えた。部屋の電気を消し、制服のままベッドの上で目を閉じる。意識はすぐに沈んでいった。また、妙な違和感を感じた。目をゆっくりと開ける。──青白い

  • 夢幻の旅路と二つの世界 〜『夢』に喰われる街で、能力“ブラム”で世界を救う〜   第四話

    「そこまでして知りたいんだな。この町について」男子生徒の声は、静まり返った空き教室の中でやけに重く響いた。放課後の校舎は人気が少なく、窓の外から聞こえてくるのは、遠くのグラウンドで続く部活動の掛け声だけだ。古びた時計の秒針が、やけに大きな音を立てて時を刻んでいる。「当たり前だ」迷いなくそう答えた。「この街に一生住む可能性もあるんだ」「少しでも、自分の中の疑問は晴らしておきたい」できるだけ平静を装ってそう答えた。しかし、自分でも感じるほど強い興味に動かされている。無理もないのだろう。妙なことの連続で、「……そっか。分かった」彼は一度目を伏せ、小さく息を吐いた。その仕草

  • 夢幻の旅路と二つの世界 〜『夢』に喰われる街で、能力“ブラム”で世界を救う〜   第三話

    「今日、隣のクラスのさっちゃん、休みらしいよ」「噂の『夢』のせいで……」「ちょっとやめなよ、転校生くんもいるんだし」「そんな気軽に夢の話題出さないでよね」その話題が聞こえた一瞬、教室の空気が乾いた気がした。その渇きはすぐに元通りになる。窓側の席に座りながら、窓の外を見る。しかし、目前の桜並木には興味が行かない。耳にだけ、意識が持っていかれている。盗み聞きのようであまり良くない気もするが。先の反応といい、どう考えてもただの都市伝説では片付けられない何かがある。ダメ元で、隣に座ってスマホをいじっている男子生徒に声をかけてみた。「なあ、突然悪いんだけど……この町の『夢』って、

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