All Chapters of 孤高の元皇太子妃は、女性嫌いの魔術師団長に執愛される〜甘く濃厚に溶かされる夜〜: Chapter 21 - Chapter 30

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甘い時間の始まり(5)

 何だか、アイザック様の気持ちが痛いほど分かってしまう。 周囲に理解されない悲しみは私が一番よく分かっている。 私も昔からこの容姿と冷静な性格のせいで、よく誤解を受けていたから。 もし過去に彼と出会っていたのが私だったら、きっと抱きしめていたのに。 『大丈夫よ、貴方は悪くないわって。』 「彼は少女のため、国境近くに出没する魔獣退治を率先してやりました。 そばにいる事ができないなら、せめて少女の身の安全を守りたいと。 やがて少年は大人となり、偉大な魔術師へと変貌を遂げました。 ある日———記憶を失くした少女———彼女が、結婚したという知らせを受けました。 ショックでしたが、彼は彼女が幸せならそれでいいと思ったのです。 しかし彼はつい最近、彼女が幸せではなかった事を知ったのです。 ———お終い。」 「え?今ので終わりですか?」 もっと知りたかった。アイザック様とその、アイザック様の想い人のエピソードを。 思わず私はアイザック様を食い入るように見つめた。彼の手は相変わらず私のお腹の上を優しく撫でたまま。 「その女性は、どうなったのですか?」 せがむように答えを求めると、アイザック様は観念したように微笑を浮かべた。 「彼女はさんざん傷つけられた後でしたが、何とか保護する事ができました。 もっと早く気づいていたらと後悔もありますが、今はとりあえず安全な場所にいます。」 上半身を起こしたアイザック様が少し嬉しそうに口角を上げる。 ただしその眼差しは、青い瞳とは対照的に熱を含んでいるように見えた。  「良かった。その方は何とかご無事なんですね。」 「そうです。これからは彼女の傷が癒えるよう……いえ、傷など思い出す暇もないほど幸せな記憶で埋め尽くつしてあげるつもりです。」 そう言いながらなぜかアイザック様は私の左
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甘い時間の始まり(6)

 私の体は治療をされるたびに勝手に飛び跳ねた。 口を押さえる私を見てアイザック様は、少し甘めの溜息を吐いた。 「はあ……リーリエ様。 貴方の吐息が可愛すぎて、私の理性がいつまで持つかは分かりませんが。 とにかく今はお互い集中しましょう。 約束通り、貴方を健康な体に戻して差し上げますから。」 「そ、そうは言っても———っん!」 閉ざされた空間で男女がベッドに二人きり。 いつ男女の関係になってもおかしくない状況であり、アイザック様にはその権利がある。 だが私達はあくまで呪いを解除中だ。 アイザック様のこの真剣な顔を見れば分かる。 彼は簡単に情欲に溺れるタイプではないらしい。 つまり私が不用意に感じすぎて、不謹慎なのよね。何とか我慢しないと。 ぐっと体に力を入れ、私はなんとか無心になるよう耐える。 けれどそれはすぐに崩れ去り、数分後には私自身が甘い息を吐き出していた。 私、本当にどうしたの? ただお腹を撫でられてるだけなのに、男女の情欲を交わすよりも感じてしまうのは、一体どういう事なの? 「ん……っ、はあ……あ、っ、駄目です、アイザック様、それ以上は……!」 「……はあ、リーリエ様……貴方は……。 確かに……もうそろそろ私の方が限界のようです。」 「す、すみません、アイザック様………私は……はしたないですか………?」 涙目になってアイザック様を見上げると、彼は私の額に軽くキスをし、その場を離れた。  「アイザック………様……&hell
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先輩達の軽快なアドバイス(1)

 結局、またアイザック様に抱かれなかった。 ずうん、と落ち込んでいると先輩娼婦達が両サイドから挟み撃ちされる。 デリラは赤髪が特徴、ユディトはウェーブがかった黒髪。 二人とも男を手玉に取るのが得意と自負するだけあって、かなり魅力的な顔と体をしている。 どちらともまだ若いが、ここの中堅的存在で、他の者達からの信頼も厚い。 テーブル席の椅子に座って落ち込んでいる私を、冷やかすように見ながら言った。 「どうしたのよ、リリー。」 「まさかまた、アイザック様に抱かれなかったの?」 「はい……」 話題が丁度今すぎて驚く。 もしかして心を読まれているのかしら?先輩達の勘は決して侮れないと知る。 「あははは!本当にどうしてかしら?」 「ねえもしかして、リリーが下手そうだからじゃない?」 「どういう事よ?デリラ。」 「だから〜リリーが垢抜けてないから、商売女として使えないと思われてるんじゃない? 興味本位で買ってはみたものの、思ったのと違ったとか?」  何だかどれを取っても、いいように言われてないのは分かる。 ただしここの先輩達は悩みに対して親身だ。 夜に客を取る事以外あまりする事がないせいかもしれないが、とにかく積極的に人に関わってこようとする。 宮廷の女官達とはまた違う。 もちろん私が元皇太子妃だと知らないせいもあるだろうけど。 特にこのデリラとユディトは絡み方が顕著だ。 「うーん。そう? 私、リリーは結構男を魅了する体をしてると思うんだけど。胸も大きいし。」 「だったらあれよ!誘い方がまずいのよ! リリー、あんた、アイザック様をどんな風に誘惑してるの?」 デリラが整った顔で私に詰め寄った。 「誘惑ですか?誘惑……などした覚えがないですが。」 今は治療中だし、いつもする事と言えばアイザック様の指示に
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先輩達の軽快なアドバイス(2)

 その事に対しデリラは面白そうだったが、ユディトは少し複雑そうな顔をした。 「リリー。現実を突きつけるようで悪いんだけど、客に惚れたらいけないよ? いくらアイザック様がまだ手を出さないとはいえ、それが紳士だとは限らない。 金で買った以上、いつかは彼もあんたを抱くんだ。抱いて、飽きたら捨てるだろう。 私はね、客に惚れた女達が無惨に捨てられたのを何度も見てきたよ。 例外はなかった。 覚えておくのね。客は始めは甘い言葉を吐くけれど、しょせんはただのお遊びなのよ。 娼婦を本気で愛する男なんてこの世にいない。 アイザック様もきっと同じだ。 だから決して期待してはいけないよ。」 確かにそうだ。それは私も同じ考えだ。 きっとアイザック様は元皇太子妃である私を不憫に思って衝動買いしただけで、いつか飽きたら捨ててしまうのだろう。 「忠告ありがとうございます。」 「もう〜堅苦しいな、ユディトは! 脅してどうするのよ? 捨てられるかどうかは、娼婦の手管を試してみてからでもいいじゃない! リリー、アイザック様をその気にさせたいのでしょう? じゃあ今回は私が、殿方の誘い方を教えるわ。 これできっとアイザック様もあんたを可愛がりたくなるはずよ? 私特製、スペシャルナイトにする方法を教えてあげる!」 「スペシャルナイト……?」 「そう!特別な夜にしてあげるって事!」 デリラが明るくそう言えば、ユディトも半分呆れた顔をしながら、「脅しといてなんだけど、私も協力するわ。」と言ってくれた。 *** だからと言って、私は一体何をやろうとしているのだろう? 見て。アイザック様が驚愕したように私を見ていらっしゃるじゃない。 「リーリエ様……?その、一体何を?」 「あ、あの。これには深い訳が……」 今日もアイ
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先輩達の軽快なアドバイス(3)

 変ね。 本当なら私がアイザック様を翻弄しているはずが、なぜか私の方が恥ずかしくてドキドキしている。 デリラにユディト。台詞には失敗しましたが、これで合っているのですよね? 「リーリエ様、なんて危険な…… いえ、今日はこの体勢で治療なさるのですね? 分かりました。 少し拷問の気もしますが、耐えましょう。」 「あ、あの………」 ついにアイザック様は真上から私をじっと見つめ、顔を引き締めた後、シルクの手袋越しに私のお腹を撫で始めた。 「………っ!」 やはり、手袋越しの生々しい感覚が私の体を悪戯にくすぐる。 まだ触れられたばかりだというのに私の体は敏感に跳ね上がった。 本当にいつも以上に熱い。 「あ、あの!アイザック様、その!」 「リーリエ様。このような誘い方を、一体誰に教わったのですか? 私としては嬉しくもありますが、非常に苦しくもあります。」  苦しい? あ、あれ?何か怒っていらっしゃるのですか?アイザック様? 「約束して下さい。 このような姿は、今後は私にだけに見せると。 そうでなければ私は、狂ってしまうかもしれません。」 またアイザック様の手がお腹をさすり、次に滑らかに円形を描く。 硬い指の感触がお腹の中心まで届き、中から撫でられているかのようにくすぐったい。 内側から熱が溢れ、じわっと何かが溢れ出てくるようだった。 熱い……!これは何? いつもの治療と違う!  「あ……っ!?アイザック、様?」  「怖がらないで下さい。リーリエ様。 今日は治療の速度を上げます。 どうか落ち着いて。深呼吸をして下さい。 悪い風にはしません。 貴方の中の悪い魔術を壊
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先輩達の軽快なアドバイス(4)

 潔白や、かけられた呪いを解くためにアイザック様に頼るしかない事や、いけない感情を抱く事が情けなかった。 すっとアイザック様の手がお腹の上を離れ、やがて私の涙を拭いた。 「ああ、泣かないで下さい。リーリエ様。 きつかったのですね。 少々荒治療が過ぎたようです。ごめんなさい。」 なぜアイザック様が謝るの? こんなにも優しい方を誘惑し、抱かれたいだなんて思うのは間違ってる。 想い人がいる人に私はなんて事を。彼女の気持ちや立場を考えたら、やはりアイザック様に抱かれようなんて考えは持ってはいけないわ。 正直に伝えてしまおう。 「ご、ごめんなさい。アイザック様。 貴方に想い人がいると知りながら、私は貴方を私のものにしようと—— 最低ですね、私は。 自分がされて嫌だった事を、危うくアイザック様の想い人にもしてしまうところでした。」 素直にそう伝えると、アイザック様は私の上半身をゆっくりと起こされて目を見開いた。 「私の想い人?」 「ええ、そうです。 あの時お話して下さった…… アイザック様が結婚の約束をなさった女性です。 今安全な場所にいるのですよね?」 「あ!ああ、なるほど。……そうでしたか。 私があの話をしたからですね。 申し訳ありません。明らかに私の説明不足でした。 だとすると、ずっと勘違いされていたのですね? やはり、なんて可愛らしい人なんですか。リーリエ様は。 しかも想い人を思って罪悪感を抱くだなんて。 貴方はどこまでもお優しい方だ。」 「優しい?いえ、私は卑怯なーー」 ふっと少年のように微笑されるアイザック様を、私は不思議な気持ちで見上げた。  「混乱させてはいけないと思い、避けていた私が悪いですね。 リーリエ様。安心して下さい。 私の『想い人』は貴
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先輩達の軽快なアドバイス(5)

 涙が落ち着いた後でアイザック様は静かに告げた。 「しかし、今はまだ私の本当の素性を話せないのが、残念です……」  「今のフィアレス魔術師団の師団長という立場が、本当のアイザック様ではないのですか?」 「いや、それも確かに私です。しかし私には、他にも貴方の知らない素性があるのです。」 と、やはりアイザック様はどこか寂しげに頷かれた。 記憶のない私には、アイザック様の素性なんて、ますます分からない。  「それが、私の失った記憶や過去に関係しているのですか? 失った記憶を取り戻さなければ、私はアイザック様の本当の正体が分からないのですか?」 なるべく冷静に振る舞って、私はアイザック様の顔を見上げた。彼はただ寂しげに微笑する。 「ええ……。 リーリエ様に記憶が戻らなければ、貴方にとって私は限りなく他人です。」  「そんな……私がそんな大切な記憶を失くしていたなんて。」 「仕方ありません。 私が悪かったのです。リーリエ様を好きだったばかりに過剰に魔力を吸収してしまい、貴方の記憶を失わせてしまった。本当に申し訳ありません。」 潤んだ瞳でアイザック様は私に頭を下げられた。それを見て私は慌てて顔を上げるようにと頼んだ。 「いいえ……!顔を上げて下さい、アイザック様! その。確かに私にはその記憶がありませんが、アイザック様も悪気があったわけではないのですよね? それなら私は大丈夫です。 今その話を聞いても、恨む気持ちなど全くありませんから。」 記憶はなくとも、なぜかそんな気がする。 だってもしその時私に記憶があったとしても、こんなにも親切な人を私が恨んだだろうか? ……いいえ。 エドウィン様やロベリアのした事と比べたら、全然マシよ。 むしろずっと罪悪感に苦しんでいらっしゃったのね。
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先輩達の軽快なアドバイス(6)

 出来る事なら貴方を思い出したい。 幼い頃にアイザック様に出会ったという大切な記憶。 それに、エドウィン様との記憶とも何か繋がりが? 真相を確かめるのに、皇室関係者か両親に接触できたら一番いいのだけれど。 実際、今の私には監視がついている。 気づかないふりをしてはいるが、罪人である私が娼館から逃げ出したり、万が一首都に帰ろうとすれば即座に捕まるだろう。これみよがしに、今度こそ処刑されるかもしれない。 外にいるのは、帝国兵だ。 もし、それがなければ、私はとっくにこの娼館を逃げ出していた。  しかし今となっては、アイザック様に出会えた事に感謝している。 私の事を大切に扱ってくれる彼のために、何としても記憶を思い出したい——。 さらっと、彼が私の髪をいつものように優しく撫でた。  「リーリエ様、今夜は疲れたでしょう。 先にお休み下さい。 今夜はリーリエ様の誘惑に負けてつい手荒くしてしまいましたが、治療は思いのほか進みました。今夜はこれでお終いです。 では、お休みなさい。愛しのリーリエ様。」 「え?今夜はもう終わりですか?」 「ええ。今夜は少し意地悪してしまいましたし、これ以上いると私が……コホン。」 「わ、私はまだ続けても平気です!」 「ふふ。やはり可愛い。 でも今夜はもう駄目です。」 ふいっとアイザック様はまたガウンから師団服に着替え直されて、部屋を出て行こうとする。 まるで焦っているかのような態度だ。 せっかく湯浴みまでしたというのに。  「アイザック様?今からどこへ行かれるのですか?」  思わず引き止めると、アイザック様は微笑されて、私の手をそっと外された。 「リーリエ様。私の事はお気になさらず、今夜はとにかく早くお休み下さい。では。」 「アイザック様!あのっ!」 結局彼は気まずそ
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アイザックの禁断症状(1)

 駄目だ。 リーリエを前にすると私は変態になる。 「あれ?団長? もしかして……また部屋を抜け出したんですか?」 師団服を着て外に飛び出した私を見て、見張りをしていたローワンが呼び止める。 暗闇に浮かぶ丸い月を背景に、二人とも魔術で浮遊している。 この男はフィアレスの副師団長。 赤茶けた髪と幼い顔。頼りない見た目だが、魔術師としては相当優秀である。 「ああ、ローワンか。 そう言えば、お前に仕事を任せたんだったな。」 「いえ、それはいいんですが。 団長〜、またリーリエ様の元を飛び出してきたんですね?へえ。よっぽど……」 こいつは、私の女嫌い主義に勝手に憧れを抱き、女を寄せ付けない病気にかかっている。 若いくせに、本当にもったいない奴だ。 だが私とリーリエの関係を知っているので、こうやって時々からかってくる。 私が一体、何に耐えられずにここにいるのかもすでに把握している。 こんな時だけは、団長の私に遠慮なくニヤニヤとするので、少し腹が立つ。 「……うるさい。 私だって分かっているんだ。 とにかく引き続き、見張りを頼む。」 「もちろんですよ、団長! お二人の愛のためにこのローワン、頼まれた仕事はしっかりやり遂げます! それより早くいった方がいいんじゃないですか〜? まあ、リーリエ様を大切にしすぎるのも考えものですけどねえ〜体に悪い悪い。」 女嫌いのお前が言うんじゃない、と思うが。 「はあ。最悪だ。とにかく後は頼む。」 「ごゆっくり〜!」 ローワンはさらにニヤニヤ笑いながら手を振った。こいつは全く。 と思いながらもすぐ転送魔術で森へと急ぐ。 *** 本当に私は罪深い男だ。 もし、こんな狂気じみた場面をリーリエに見られたら多分死んでしまう。
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アイザックの禁断症状(2)

 数十年ぶりに会った彼女は、危険度が上がっていた。 かつて私は、まだ少女だったリーリエをたまらなく愛していた。 自分もまだ少年だったくせに。 今もまだはっきりと覚えている。あの日の出会いを。   数十年前に行われていた、皇宮の特別なパーティー。 最中に、私は魔力切れを起こして死にかけていた。月明かりがやけに眩しい夜に。 『この化け物!』 この頃は、魔力を持っていると気味悪いと母親に言われていたから、誰にも相談できなかった。 だがあまりの苦しさにのたうち回り、気がつくと静かな森の湖畔に辿り着き、その場に倒れてしまった。 「あなた、大丈夫?」 私を呼ぶ声。力なく顔を上げるとそこには可憐な少女がいた。リーリエだった。 彼女を見た瞬間、乾きが増した。 いい匂い、甘くてたまらない……!一体何なんだ。彼女に触りたい。匂いを嗅ぎたい。 首筋に噛みつきたい。 それが彼女から流れ出た魔力だとも知らずに。 「あ……ほしい。欲しいんだ。」 死にかけた私を見て、彼女は泣いて私の手を握った。 「お願いだから、死なないで。私にあげられるものがあれば、あげるわ。」 「いいのか?……君に、その、堪らなく触れたんだ。」 「どうぞ。それであなたが助かるなら。」 そう言われて、渾身の力を振り絞って彼女に抱きついた。 リーリエの容姿は銀の長い髪に、私に似た青く美しい瞳。 今にも折れてしまいそうなほど華奢な体。  だが彼女に抱きついた後、何かが急激な速さで私の中へと流れ込んできた。 温かく、身体中の血を巡るように。あっという間に私の衰弱し切った体が癒やされていく。 「何だ、これは……!」 しかも甘くて、堪らない匂いが彼女から香る。 「まだ、もっとだ、」 さらに
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