Tous les chapitres de : Chapitre 41 - Chapitre 50

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リーリエ、全部君が悪いんだ!(6)

 あまりに緊張して、心臓が飛び出してしまいそうだった。 本当に兄さんが———まさか、リーリエの記憶が戻ったのか? いや、戻したのか?  「アイザック様。」 「リリーさん。こんにちは。」 「こんにちは。今日も魔獣討伐に? お疲れさまでした。」 「ええ、さすがリリーさんですね。 なんでもお見通しだ。 リリーさんの顔を見ただけで、疲れが癒やされます。」 あの、恐ろしい魔力を持っていた兄さんが笑ってる。 「も、もう……っ。アイザック様は、相変わらずお世辞がお上手ですね。 最高位の魔術師であるアイザック様に褒められると、困ります。」  まるで少女のように恥じらい、顔を赤らめるリーリエがいる。 なんだ?この二人。記憶は戻ってない? それにしても、なんだ、この二人の甘い雰囲気は……… リーリエのあの笑顔は。私はここ数年、君の笑顔なんか見てないのに。  なぜか胸がムカつき、私は足早に娼館を離れた。 「このまま皇宮に引き返してくれ。」 だが、今はそんなことに気を取られている場合じゃない。 兄さんがもし、私とロベリアの事を知ったら大変だ。 何とか、ロベリアとの不倫の事実や、リーリエに着せた罪を隠さないと。 こうして私は皇宮に引き返し、あらゆる事態に備えようとしたが——— 「何だって?あの下級騎士が行方不明に?」 リーリエとの不貞行為を偽ったあの下級騎士が、行方不明になったと言う。 彼は病気の家族のためにこの提案に乗り、多額の金を受け取って騎士を辞め、外れの村で暮らしていたのだが。 待て、落ち着け。まだ決まった訳ではない。 ただ、生活が嫌になり失踪しただけかも。 だが、皇宮に帰るともっと恐ろしい事実が判明する。
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※甘々とは何ですか?(1)

 ゆらゆらと蝋燭の炎が揺れる。今夜もアイザック様が私の治療をしてくれている。  逞しい指が腹をそっと撫でる。  手袋越しなのに、どうしてこんなに感じてしまうのだろう? 「あ、アイザック様っ。……んっ。」 「はあ……っ、リーリエ様。  く、今夜も貴方は私を……こんなに。」 「……っ、??」 近頃、アイザック様の治療時間はずいぶんと短い。  それにアイザック様は以前にも増して、どことなくお怒り気味だった。手の甲、首筋には力が入っているし、眉間には青筋をお立てになるほど。 「あ、あの?アイザック様、何かご不満があるのでしたら。」 「不満などありませんが……。強いて言えば、『限界』なのでしょうか。」 「それは一体、どう言う……」 「いえ、リーリエ様。何でもありません。  お気になさらず。今夜の治療はこれでお終いです。それでは今夜もごゆっくりお休み下さいませ。」 「え?待って下さい、エドウィン様!まだ5分も経ってませんよ?」 いつものパターン。どんなにユディトとデリラから男を籠絡する方法を教わり、実行しようと、アイザック様は私の治療しかしない。  しかもなぜか、一日一日短くなっている。  引き止めた所で表情を曇らせ、すぐ部屋を出て行ってしまわれる。 気づけばいつも私が寝入った頃に部屋に入ってきて、眠っているらしく。    「もしかして私、アイザック様に嫌われているの……?」 どうしてこんな風に私を拒絶するのか、何を考えているのか確かめたい。  知りたい。アイザック様の本当の気持ちを!  私は急いでシュミーズの上に服を着て、彼を探し始めた。    夜の娼館の庭は照明がいくつかあり、周囲を照らしていた。  話し声がして、思わず壁に隠れる。  やはり、アイザック様。あと、あれは……副団長のローワン様?  「ああ、どうしよう。ローワン。リーリエが可愛い。  どの角度から見ても、何をしても、何をし
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※甘々とは何ですか?(2)

 壁際に身を隠しながら、私は胸がドキドキするのを抑えられずにいた。 まさか、これまでアイザック様の様子がおかしかったのは……私に手を出すのを我慢していたせい?  「俺、思うんですけど。リーリエ様はきっと、どんなアイザック様だろうと嫌いにはならないと思いますよ。 ただ、加減は大事です! そんなに心配なら、制限付きの魔術でもかけたらどうですか? 暴走しそうになった時のために。」 「……そうか!その手があったか。 ローワン、お前賢いな。」 ははは!と普段の様子からはとても想像もできない、アイザック様の吹っ切れたような笑い声が聞こえてきた。 ひとまず帰らなきゃ。聞かなかった事にして…… 足音に気をつけながら、娼館の裏口にある目の前のドアにたどり着く。しかし。 ドン!と言う物音がして見上げると、扉を塞ぐ腕が伸びていた。 「リーリエ様———もしかして、聞いていたんですか?」 驚いて目を見開く。そこには月の逆光を浴びたアイザック様が立っていて———。 ***  「きゃっ……!」 荒々しく扉を閉めたアイザック様は、私をベッドに押し倒した後、着ていた師団服のローブを脱ぎ捨てた。 白いシャツの上からでも分かる逞しい上半身。 トラウザーズのベルトを外し、床に投げ捨てる。ただし手袋は相変わらず外さない。 「あ、あの?アイザック様……」 「はあ。……リーリエ様。 聞かれていたのなら仕方がないですね。 そうです、私は変態なんです。」 「あ、あの、わ、私は別に大丈……」 「部屋を抜け出して盗み聞きなんて、貴方は悪い人だ。」 シャツの前を寛げ、アイ
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※甘々とは何ですか?(3)

 ただ、私を愛してくださっているのだと分かるから、何だかそれが切なくて、もどかしくて。 彼の長い髪がサラッと私の頬に落ちる。 しばらく続く真綿のようなキス。 こんなにも、心をくすぐるようなキスがあったの? 「はあ……っ。リーリエ様。貴方の唇にさえ甘美な魔力が宿っているんですね。」 「そ、そうなんですか?私にはさっぱり。」 「リーリエ様の魔力を生み出す構造が特異なので、これまで全く問題なかったんでしょう。 自然に溢れるものから無意識に魔力も供給できていたようですし。 知らなくて当然です。それに、他の魔術師達に気づかれなくてよかった。」  真上から温かい眼差しで見つめられて、顔が熱い。 今私は、どんな顔をしているのかしら? 「……リーリエ様、綺麗だ、本当に……。」  「ん……っ。」 再び唇が重ねられて、今度こそアイザック様は私の上に覆い被さった。 ……そこからが、本当の勝負だった。 「ん………んんっ!?」 初めは同じキスだったのに、次第にアイザック様のキスが深くなった。 唇を唇で食べられるみたいに。さらに。 熱くなってきた体でアイザック様は私に完全に密着すると、全神経をキスに集中させるかのように情熱をぶつけてきた。 私は息継ぎもできずに…… 「ふ……ん、っん。」  アイザック様の舌が口の中に入ってきて、驚いたのに声も出せない。 熱い……! 舌が生き物みたいに私の歯列を舐め、私の舌を巻き込むように動く。ジュルジュルと淫靡な音が直接頭に響いてくるよう。 お互いの熱い粘液が中で混ざり合い、唇の端からこぼれ落ちる。 さらにアイザック様の舌は、喉に近い
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※甘々とは何ですか?(4)

 それからどれくらい経っただろう。 蝋燭も短くなった。窓がないから時間の感覚がなくて。いいえ。 繰り返しキスした後は体がおかしくて。 私だけじゃなく、アイザック様さえ普段とは全く違う顔をされていた。雄そのもの。 キスが終わると耳、耳の内側、額、そして頬。 首、首筋。鎖骨、指、指の間……を舐め上げられる。 その度に快感が襲ってきて、私も苦しい。 互いに服を脱いでいるわけでもないのに、密着したアイザック様のものが明らかに膨張していて、苦しそうに押し付けてくる。 それなのにすぐに挿入しようともせずに。  「ん、……っ、?だ、だめですよ?アイザック様、そんな汚い……っ、」 「なぜです?こんなに甘いのに?むしろ汚くても大歓迎です。 いや、むしろ、汗や泥塗れの貴方を、何日も湯浴みしていない貴方を食べたい。」 「ど、どういう事でしょうか……?」 想像より上をいく答え。やがてアイザック様は私の足を持ち上げて、足の指と、指の間を念入りに舐め始めた。 「ああ、リーリエ様……好きです、愛しています。何度こうなるのを夢見た事か。 甘い。美味だ。貴方は全てが蜜のようだ。」 やがてアイザック様は私のシュミーズを脱がして、胸をほめながら舌を這わせる。 ただ胸の頂きは噛みつかれて、痛みで驚く。 「あ、……だ、だめです、アイザック様、そ、そんな風に胸を食べられては……!」 「なぜ?こんなにもぷっくりとして、熟れた果実のようなのに……」 言葉が巧みすぎて……私、恥ずかしいのに。 驚くほど体が悦び、濡れている。  また、ぐいっと足を持ち上げられて…… ついに下着を脱がされたと思った
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※甘々とは何ですか?(5)

 こんなに恥ずかしいのに、私の体はなぜ喜んでいるのかしら。  アイザック様が上手だから?  それともアイザック様にとって私の魔力が甘美なように、私にとってもアイザック様とは相性がいいのだろうか。  「はあ……リーリエ。貴方の魔力といい、感じやすい体といい……全てが最高です。  本当なら一晩中、貴方の体を舐めていたいです。  ですが……私にも我慢の限界というものがあるのです。」 人のものを散々舐めたアイザック様が、湿っぽい息を吐かれる。  髪をかき上げる仕草も、舌を出す仕草も、全てに色気が詰まっている。糸を引く唇も、汗までも淫らだ。  彼は艶かしい顔つきで体勢を変え、シャツを脱ぎ、ついにはトラウザーズに、下履きさえも脱ぎ去った。  逞しいものの全貌が現れ、思わず息を呑む。 え……これは何?  ……こんなにも大きいの?  これ本当に、同じ人間のものなの?  エドウィン様と全然違う! こんな凶暴そうなものが、これから私の中に……?  「リーリエ様。……貴方の中に入っても宜しいでしょうか?」 「……は、はい。」 恥ずかしい。私は両手で顔を隠した。  こんな風に挿入前に、丁寧に聞かれたことなんてなかったから……。 もうエドウィン様の事はどうだってよかった。  裏切られた痛みよりも、今はアイザック様を全身で感じたくて。  しっとりとした瞳で、アイザック様は私を愛おしそうに見下ろしていた。 私、本当にエドウィン様じゃなくて、初めからアイザック様を愛していたんじゃないかと思うくらい、この人が愛おしい。  彼に抱かれたくてたまらない。彼の頬に手が触れる。それだけで快感になる。    「リーリエ……、愛しています。本当に。」  ついに———と思った瞬間。  部屋のドアを激しくノックする音が。 「アイザック様!」 この声は、ローワン様?  ピタリと動きを止めたアイザック様の顔が一瞬で引き
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私だって戦えます!(1)

 *** アイザック様の無事を願い、娼館で彼の帰りを待つ日々。 しかし最近、外の見張りの兵の数が増えている気がする。 まさかエドウィン様が私達の動きに勘づいて……? 分からないが、とにかく警戒しておかないと。 ここで私が下手に動けば、魔獣討伐で命懸けで戦っているアイザック様にも迷惑をかけてしまう。 まだエドウィン様にかけられた呪いも解けていないし……  結局、すべてがアイザック様頼りになってしまうが、正攻法でエドウィン様達の罪を暴く。そして自由を手に入れて————————— 一階から、ガシャンと勢いよく皿が割れる音がした。次に聞こえたのはユディトの悲鳴。 「キャアアアアアッ!離して!離しなさいよ、このクズ!」 「だから〜、あの女を出せって言ってんだよ! ほら、あの白銀の髪に青い瞳で、でかい胸の……いるだろ?元皇太子妃の、リーリエって娼婦が!」 ドクンと心臓が跳ねる。 まさか、私を探しているの……? 「そんな女知らないわよ!いいから離して!このハゲ!」 「ユディト!大丈夫!?何するのよ!彼女を離して!」 胸を押さえて、急いで階段を駆け下りる。 ——大柄な男がユディトの髪を鷲掴みにし、彼女を床の上で引きずっているのが見えた。 デリラや他の娼婦達が必死でユディトを助けようとする。 しかし男は数人の仲間を連れていて、彼女達を馬鹿にしたように笑みを浮かべるだけ。 男の着ている制服に、見覚えがある! あれは……!ロベリアの家門の騎士団長では!? まさかここに、ロベリアが彼らを送り込んだの? 「あ?この薄汚い娼婦が!俺を誰だと思ってるんだ!?」
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私だって戦えます!(2)

 え………? 私は耳を疑い、大柄な騎士の合間からユディトの顔を見た。しかし彼女は、ただ強がるように笑ってる。 「ユディト……?あの……私はその、元皇太子妃で……」 この場は私一人で愚かな者達を引きつければ、丸く収まると———皆に危害は及ばないと。 しかし、ユディトに続いて他の皆まで騎士達に抗議をし始める。 「そうよ!リリーを離しなさいよ!この野蛮人!」 「帰れ!ゲス野郎共!リリーに触るな!」 どうして……皆が私を? 「は?お前ら知らないのか! この女はなあ!皇太子殿下を裏切って下級騎士を誘惑し、淫らな不倫をした大罪人なんだよ! 心も体も汚い女なんだ!見てみろよ、この、いかにも男を誘惑しそうな顔と胸を!」 娼婦達に罵声を浴びせられ、騎士団長が唾を飛ばして喚き散らす。 「それが何!?あんた達、私達娼婦を馬鹿にしてるの? 本当にリリーが元皇太子妃だったとしても、彼女がそんな大罪を犯すとは思えないわ!」 「……ユディト?」 「そうよ!こんな初心《うぶ》なリリーが、夫を裏切る……? ハッキリ言って、彼女はそんな事できる女じゃないわよ! 多分、彼女夫しか知らないわ!その美貌を生かせない、本当に残念な女よ!」 「デリラ……?」  二人は口を揃えて、私の事を庇ってくれる。時々、悪口……弄《いじ》りも入っているけれど。 「リリーは変態行為を何一つ知らないのよ! 残念なくらいにね!」 「ベッドの上で女は寝てるだけだと思っていたのよ!?あり得ないわ! そんなリリーが下級騎士を誘惑!? できない!無理!リリーには無理よ!」
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私だって戦えます!(3)

 こんな私を信じてくれる人達がいる。 『仲間』だと庇ってくれる皆がいる。 記憶を失くした私を『愛している』と言ってくれるアイザック様がいる。 私の本当の味方は———ここにいたのね。  「舐めやがって!この生意気な娼婦ども!  体を売るだけしか脳のない、薄汚い女どもが!俺たち高貴な騎士に逆らって無事で済むと思うなよ!」 「やっちまえ!身の程を弁えろ、全員跪いて謝れ!」 「近づくな!近づけば殺してやる!」 ついに騎士達が娼婦達に牙を向く。その場はユディト達と騎士達とがぶつかり合い、揉みくちゃになった。 「ユディト!デリラ……!」 ———熱い、体が。怒りが体の底から這い上がってくる!  彼女達を助けたい———守りたい!  この、体の内側から燃え上がるような熱さは?  そういえばアイザック様は、私にも魔力があると仰っていたわ。 『リーリエ様の魔力を生み出す構造が特異なので、これまで全く問題なかったんでしょう。  自然に溢れるものから無意識に魔力も供給できていたようですし。  知らなくて当然です。』    それなら、私も魔力を使えるかも知れない。  当然、コントロールの仕方なんか分からないけれど……アイザック様から感じる不思議な魔力のあの気配のように。  治療中にいつも込み上げてきていた、不思議な感覚のように。分からないけれどやってみよう。 皆を。元皇太子妃の時みたいに、やられてばかりじゃなく。 ……私だって、きっと皆のために戦える! 「ユディト達を離して!ケガをしたくなければ!」 いつもアイザック様が手袋越しに治療をする時のように。私は騎士団長達に向かって、手を翳した。 「……おやおや、なんですか?元皇太子妃様。  手を翳して、全員助けられるとでも?」    ……落ち着いて。呼吸して。  自分の中に魔力があると分かっているのだから、心配ないわ。  念じるの。自分が魔力を使うと
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私だって戦えます!(4)

 ユディト達が私の肩を組み、ためらいもなく肯定する。  「確かに皇太子妃っていうのは驚いたけど、さっき私がした推理は、間違ってないんでしょ?」 「ええ。その通りよ。 私は彼に裏切られ、罪を着せられて、ここへ来たわ。」 ずっと誰かに話を聞いてもらいたかった。  「やっぱり!先に皇太子が浮気したのね! それに子供まで作っておいて、リリーに罪を着せたのね!本物の悪党じゃない!」 ずっと誰かに私は無実だと知って欲しかった。 「許せないな!そのクソ皇太子!死んでしまえ!」 「権力者にろくな奴はいないわね!」 「悔しかったね、リリー!でも私たちはちゃんと、あんたのことが分かってるから! あんたが本当に男を知らないってことも!」 ただ一人でもいいから、私を信じて欲しかった。  だから、これは……ご褒美なの? 皆一斉にエドウィン様の悪口をいうので、面白くなり、思わず口元に手を当てて微笑した。  「ありがとう。本当に……っ、ありがとう。」 どれだけ感謝してもしたりない。また思いもかけずに涙が溢れる。 人の優しさに触れて。 忘れていた、誰かの温かさ。 少しだけ、すっかり折れていた自尊心を取り戻せた気がした。 きっと私は、何もできないわけじゃない。 諦めなければ大切な人達を守ることも、また誰かを信じたり、愛したりすることもできるのだ。 ………愛? え?私———まさか本当に、アイザック様を? 「さあ、みんな、主人が戻ってくる前に、焦げた床を片付けるよ! 分からないよう絨毯を敷いて、椅子とテーブルで隠そう!」 「了解!」 皆の息ピッタリの掛け声と笑い声が、娼館いっぱいに広がった。ふわふわと羽のように体が軽い。 私も箒を
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