孤高の元皇太子妃は、女性嫌いの魔術師団長に執愛される〜甘く濃厚に溶かされる夜〜의 모든 챕터: 챕터 51 - 챕터 53

53 챕터

エドウィンの襲来(1)

 ロベリアと幸せを築くはずだったのに。 彼女との結婚が近づくにつれ、あることが私の頭を支配し続けた。 リーリエに姦通の罪を着せるため、嘘の証言をさせたあの下級騎士。 それに、リーリエを不妊にするためのワインを作っていた魔術師。 この二人が失踪した……  こんな偶然があるだろうか?  カディス帝国の第二皇子として生まれた私は、とにかく父や母によく愛された。 「本当に若い頃の陛下にそっくり!」 「お前は自慢の息子だ。」    父も母も、何より平凡を愛する人達だった。優秀な兄よりも。  兄のフェリクス・カディスは常に冷静で頭も良かったが、不気味な魔力を持っていたために、母親に化け物扱いされていた。     「近寄らないで!行きましょう、エドウィン!」 母が兄を避け、私だけ可愛がるのも。    「不気味なやつだ。頭がいいのを自慢するな。」 冷たい父の眼差しも。  いつもそれを受けるのは兄で、私だけは何をしても愛されて、正直、気分は良かった。  兄はいつも一人寂しく夜を過ごしたが、何も言わずに耐えていた気がする。  やがてそんな彼が笑顔を見せるようになる。 皇室主催のパーティーの夜。気になって彼の跡をつけた。すると——— 世にも美しい少女が兄の前にいた。  見事な白銀の髪に、サファイアのように青い瞳。  華奢で色白。まるで妖精みたいだ。  私は一瞬でリーリエに目を奪われてしまう。 「好きだよ、リーリエ。  将来は必ず結婚しようね。」 しかも、あの兄がはにかみ笑いをし、甘いプロポーズまでしていたのだ。    「はい。私もフェリクス様が好きです。  ぜったいに結婚しましょう。」 彼女が花のような笑顔を浮かべれば、周囲が月光でキラキラと輝いて見える。  あの子、リーリエっていうんだ。 可愛い……でも、あの子、兄と結婚するのか。
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エドウィンの襲来(2)

 たいして期待もせず、父は兄を死地へ送り出そうとしたのだろう。  しかも、兄に追い打ちをかけるような出来事が降りかかる。 なんと、リーリエが『兄』の記憶だけすっかり忘れてしまったのだ。  彼は見た事もない顔で泣いていたが、これはチャンスだと思った。 「兄さん。万が一リーリエが、兄さんにされた愚かな行為を思い出して傷つかないよう、記憶を変えてください。  魔力で、できるんでしょう?」    リーリエのためだと、私は全ての記憶を塗り替えるように兄に頼んだ。  そう、私は知っていた。  彼がどんな魔力を使い、一体どんなことができるのかを。    ずっと見ていたから。彼が妬ましかったから。    哀れな兄はその提案を受け入れた。  こうやって私は、リーリエが兄と培った記憶全てを塗り替えさせる事に成功した。    卑怯だと罵られようとかまわない。  リーリエが欲しかったんだから仕方ない。  彼女を愛していたから……。    「あの気持ち悪い子がいなくなって、安心したわね、エドウィン。」 「エドウィン。お前が皇太子だ。  期待しているぞ。」 父も母も、兄を追い出して満足気に笑っていた。  もちろん私も自然と笑顔が溢れてしまっていた。  リーリエだけでなく、帝国の皇太子の座まで手に入れたのだから。    「はい、その通りですね。」 この時に、私は分かったのだ。 彼らは『平凡』を愛しているのだと。  『非凡』な兄は父にその才能を妬まれた。  皇帝というものは、常に自分が一番でなければならない。息子にその地位を脅かされるのが、我慢ならない。  それは、母も同じ。皇帝に疎まれた皇子は可愛がる利点がない。可愛い我が子は、皇帝に愛されなければならない。    確かに兄は頭もよく賢かったが、不気味な魔力を持ち、皇帝に嫌われた彼を、彼女もまた愛せなかったのだろう。  彼らが私を選んだのは『平凡』だからという理
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エドウィンの襲来(3)

 それなのに…… 「え?まだあの消えたお二人を探してるの?  エドウィン様。  きっと大丈夫ですよ。怖くなって逃げ出したに決まっています。  そんなことまでいちいち気にしていたら、私たちの生まれてくる子供の世話なんて、できませんよ?」 すっかりロベリアの部屋となってしまった、皇太子妃宮。  そこを訪れた私は、いつものようにロベリアの膝に横たわり、彼女に髪を撫でてもらう。  すでに彼女の腹は膨らみ始めている。  あの二人の事を除けば、全てうまくいっている。 とは言え、リーリエを追い出した時期とかぶるので、周辺に悟られないよう気をつけないと。 「そうかな。私があまりに神経質になりすぎなのか?」 「リーリエ様だって大人しく娼館にいるんですよね?だったら何も問題ないではありませんか。怖がりなんですから、もうっ。」 えいっ、とロベリアに悪戯っぽく頬をつねられるが、なぜだかうまく笑えない。  そうだ。ロベリアはアイザック・バロンズが本当は私の兄だという事を知らないし、私がかつて彼の記憶を塗り替えさせて、リーリエを略奪した、という事実も知らない。  知らせるつもりもないが。    それにしても、まさかリーリエと兄が接触していたとは。  どうやら兄さんはまだリーリエに真実を話してないようだったが……  いずれはバラしてしまう可能性もある。 あの時、窓のそばで横並びに立ち、笑っていた二人。 あれこそ美男美女。本当にお似合いで……。 「違う!一体私は何を。」 「エドウィン様?」 「あ、なんでもないよ、ロベリア。」 私は甘えるように彼女に抱きついた。彼女の桜色の横髪を掴み、その匂いを嗅いだ。 「はあ。安心する。」 ロベリアを抱きたい。  しかし、買収した医者に言われてしまったのだ。 妊娠中の情事は、頻繁にするのは避けるようと。  このなんとも言い難い不安を解消したいのに。  それには、頭が真っ白にな
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