ロベリアと幸せを築くはずだったのに。 彼女との結婚が近づくにつれ、あることが私の頭を支配し続けた。 リーリエに姦通の罪を着せるため、嘘の証言をさせたあの下級騎士。 それに、リーリエを不妊にするためのワインを作っていた魔術師。 この二人が失踪した…… こんな偶然があるだろうか? カディス帝国の第二皇子として生まれた私は、とにかく父や母によく愛された。 「本当に若い頃の陛下にそっくり!」 「お前は自慢の息子だ。」 父も母も、何より平凡を愛する人達だった。優秀な兄よりも。 兄のフェリクス・カディスは常に冷静で頭も良かったが、不気味な魔力を持っていたために、母親に化け物扱いされていた。 「近寄らないで!行きましょう、エドウィン!」 母が兄を避け、私だけ可愛がるのも。 「不気味なやつだ。頭がいいのを自慢するな。」 冷たい父の眼差しも。 いつもそれを受けるのは兄で、私だけは何をしても愛されて、正直、気分は良かった。 兄はいつも一人寂しく夜を過ごしたが、何も言わずに耐えていた気がする。 やがてそんな彼が笑顔を見せるようになる。 皇室主催のパーティーの夜。気になって彼の跡をつけた。すると——— 世にも美しい少女が兄の前にいた。 見事な白銀の髪に、サファイアのように青い瞳。 華奢で色白。まるで妖精みたいだ。 私は一瞬でリーリエに目を奪われてしまう。 「好きだよ、リーリエ。 将来は必ず結婚しようね。」 しかも、あの兄がはにかみ笑いをし、甘いプロポーズまでしていたのだ。 「はい。私もフェリクス様が好きです。 ぜったいに結婚しましょう。」 彼女が花のような笑顔を浮かべれば、周囲が月光でキラキラと輝いて見える。 あの子、リーリエっていうんだ。 可愛い……でも、あの子、兄と結婚するのか。
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