Se connecter街道から更に離れるよう森の奥へと進んでいく。
当たり前と言えばそうだが、魔物除けが施された場所から離れれば離れるほどモンスターと遭遇する可能性は高くなる。 ほぼ無害とされているスライム、あるいは魔物除けを何ら問題にしない強力なモンスターなら別だが、基本的にはそのモンスターにとって影響がない場所に生息しているものだ。「フォレストウルフ、かぁ……」
アルエ様は失敗しても危険はないと言っていたが、具体的なことは何も教えてくれなかったし一抹の不安が拭い切れない。
俺自身、魔物避けが施されている場所から、事前準備なしでここまで離れるのは初めてだし、何より目的はフォレストウルフ、警戒しすぎて悪いことはないだろう。
森という環境に適応したウルフというモンスター。
それがフォレストウルフという四足歩行の獣型モンスターだ。モンスターには何処に生息しているかによって冠詞がつく。
ウルフは基本的に草原、あるいは平原に生息しているモンスターであり基準とされている。 特徴としては動きが素早く、人に対して好戦的で、群れをなして旅人を牙で追い立てるといった感じ。では、そんな基準とされているウルフに、フォレストという冠詞がついたモンスターはどんな存在なのか。
「ねぇ? いくらフォレストウルフは気配を消すことが得意にしても、警戒しすぎじゃない?」
「いやいや、これでも大胆すぎるかなと思っていたくらいですって」
アルエ様は俺を殺したいのかな? 何言ってるんですかってもんだ。
そう、フォレストウルフは森という環境に適応し、気配を消す術を身に着けた。
進化したと言ってもいいか。群れで行動することをやめ、森という環境を利用し自分の気配を消し、獲物を仕留める森のハンターとなったのだ。ハンターギルドなんかから公表されている危険度はCマイナス、だったかな?
一般人、戦う力を持たない人は決して相手をしないようにってランクに設定されている。 ちなみにスライムはG、認定ランクの中では最低のものだ。……うん、やっぱ無茶だろどう考えても。
「アルエ様、やっぱり一旦戻りませんか? トラップなんしを作ってからもう一度ってことで」
「うん、却下♡」
これだもんなぁ……スパルタが過ぎませんかね。
確かに、発情魔法を一回使っただけで魔力切れになることはなくなった。
けど、発動対象を複数に向けて使うなんてことはまだできない。そういう意味では、フォレストウルフってモンスターは見かけても単体だし、狩りに出るのはメスの個体である場合が多いから、この近辺に生息しているモンスターの中では、うってつけの相手であるのは認める。
いやまぁ、それでもケモノ100%相手に相棒がおっきしてくれるとは思わないし、おっきしたら多分自分のことを信じられなくなってしまう。
「ぴーっ」
「あぁスラピィ、お前だけだよ俺の味方は……!」
「ぴぴっ!」
ひしっとスラピィに抱きつく。ちょっとひんやりしてて気持ちがいい。
そういやスライムは何処でも見かけて変化や進化も見られないからって、なんちゃらスライムみたいな呼ばれ方はしないんだよな。
けどまぁ見るからに白いし、冠詞をつけるならホワイトスライムってところだろうか。知ってるか? この白いの、俺の精液なんだぜ?
「……う」
「ぴー?」
そうだよ、これ俺の精液だよ、白色というか乳白色だよ。
もしかしなくても自分の精液溜まりに抱きついたのか俺は今。……いかん、頭がおかしくなりそうだ。
「すまん、スラピィ。俺、頑張るからな」
「ぴっ!」
「……おばかさんねぇ」
はい、今のは自分でもそう思いました。
「ぴぴっ!」「うん? どうした? スラピィ」
どれくらい歩いたか、足元近くをコロコロと転がりながらついてきていたスラピィが不意に動きを止めた。
「ぴー……」
「スラピィ……?」
どっちが前か後ろか。
それはともかく、スラピィはまるで周囲を警戒するように身体を動かして――――警戒、するように?
「後ろっ!!」
「っ!?」
アルエ様の切羽詰まった声と嫌な予感がして振り向いたのは同時。
「ガァッ!!」
「やっ――べ」
ただ、どうしようもなく遅すぎるタイミングだった。
あと何秒もしないうちに、大きく開かれた口に食い千切られてしまう。 そう理解した、その瞬間。「ぴぴぃっ!」
「ガッ!?」
迫ってきていた牙が、本体と一緒に吹っ飛んだ。
「まじ、か」
「ぴっ!」
スラピィの俺を庇うかのような体当たりで、どれくらいだ? 4、5メートルは吹っ飛んだぞ?
あぁ、心なしかスラピィがドヤ顔を浮かべている気がする。
いや、まじかスラピィ。お前、認定ランク最低のモンスターだぞ? それがCマイナスに設定されてるフォレストウルフをふっ飛ばした?……ユニークモンスター化って、もしかしなくてもとんでもないんじゃ?
「何呆けてるのよ!」
「っ!」
「ぴぃっ!」
慌てて短剣を構える。
構えた俺を守るようにすっと立つ……立つ? まぁスラピィが居てくれて。「グルルル……」
我に返ったは良かったけど。
こっちを血走った目で睨みつけていたフォレストウルフの姿が森と同化するように消えていく。「おばかっ! 戦おうとしてどうするの! 発情を使いなさいな!」
「わ、わかって――いや、そうでした、ね」
わかってなかった、そうだった。
あんまりにもな殺気だったから、つい防戦しようとしてしまった。
……いや、言い訳だな。
アレを性的な目で見るなんてどうかしてる。 本能か理性かはわからないけど、そんな考えが頭の中に生まれたからだ。「あたしのことを信じられない気持ちはわからないでもないけどね。少なくとも、あなたが……ううん、あなたとスラピィがこの場を切り抜けるには、発情をアイツにかけるしかないわ」
「……」
あぁ、そうだな、それもきっとある。
切羽詰まった時、本性が出るとでもいうのか。 発情を仕掛けたから切り抜けられるなんて、今でも信じられないって気持ちが確かにある。スラピィに発情を仕掛けて、ものの見事にやられた俺だから、なおさら。
「……ぴー……」
警戒を続けていてくれるスラピィ。
何を考えているのかなんて、さっき見ただろう、俺を守ろうとしてくれてるんだ。「そう、そうよ。今、あなたは直接的に誰かや何かを打倒する力を有していない。けど、それは戦えないってことじゃない」
今の俺がフォレストウルフを真正面から倒すなんて逆立ちしたって無理だ。そんなのはわかっている。
でも、アルエ様は戦えると言っている。発情を仕掛けられたのならこの場をどうにかできると言っていた。さっきのは千載一遇の好機ってやつだったんだろう。
あいつの奇襲と俺の発情魔法、どっちが先に通るかなんて前者に決まっている。もうさっきみたいな機運はやってこない。
つまり、もう俺がフォレストウルフに対して、この戦闘中に発情を発動できることはないだろう。「くそ……」
どうすればいい? どうすれば戦える?
さっきはアルエ様を信じられなかったことで失敗した、なら今度は戦えるといったアルエ様を信じよう。「……?」
殺気が濃くなってきた、もうすぐにでも何処からか襲ってきそうだ。
にもかかわらず、来ない。
なんでだ? なんでフォレストウルフは飛びかかってこない?「ぴー……」
スラピィ……?
「そうか」
スラピィを警戒しているんだ。
奇襲は一度目しか成功しないのが普通だ、失敗した理由がスラピィだから二の足を踏んでいるんだ。モンスターに考える能力があるのかはわからない。
本能で悟ったのか? 警戒に値すると。 先のやり取りでスラピィが守る俺を襲うのは難しいと理解したんだろう。つまり。
「スラピィ!」
「っ! ぴぴっ!」
スラピィが居なくなれば、襲ってくる。
ウルフがスライムをエサにするなんて話は聞いたことがない。
獲物として見定めてられているのは俺だろう、二の足を踏み続けて諦るって選択をしない限り、何としてでも俺って獲物を仕留めたいはずだ。「ちょっと考えがある、やって貰えないか?」
「ぴぃ?」
すっかりスラピィとは意思疎通できるもんだと信じ切ってる俺も大概だが。
まぁ、今からやろうとしてることのほうが、十分大概ってやつだろう。
「は、はぁっ! はぁっ!」進んできた道を逆走する。
脇目も振らず、スラピィを信じて思いっきり。「く、そ。真面目っ子するついでに、もうちょっと、はっ、身体、鍛えときゃよかった!」
背後から突き刺すような殺気が離れない。
間違いなく、フォレストウルフは追ってきている。「に、にんげんのっ、狩りの常識が、通用するか、わかんねぇけどなっ!」
狩りの常識、獲物は弱らせたところを仕留めろ。
疲れているところを狙え、寝ているところを狙え、罠にはめて狙え。
そういう観点から見れば、俺って獲物が勝手に疲れようとしてくれているんだ、自滅してくれるなら大歓迎のはず。
スラピィと離れて少ししたけど、まだ襲ってこないのはそういう意識がフォレストウルフにあるってことだろう。足の速さなんて比べるまでもなく俺のほうが遅い。追い抜くなんてわけもないはずだ。「はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
全力で走る姿は、まさに危険から必死に逃げようとする哀れな獲物に見えるだろう。
いつでも来い、とは言わない。
むしろ、このまま見逃してくれなんて、苦しい胸と重たい足が訴えてくる。「で、もっ! ここでそうしたら! 終わり、なんだろうなぁっ!」
あーはは、なんか頭熱くなってるわ、ランナーズハイってやつか?
予感がある。
ここで、諦めたらだめだって。終わりだって。「あーくそっ! おれはっ! うはうはライフを送るんじゃぁっ! ――っ!?」
やけくそで叫んだ瞬間。
「ぶべっ!?」
木の根っこか、石ころかに足を取られて。
「あででででっ!?」
ゴロゴロ、ゴロゴロと転がって。
「ぐ、い、いてぇなぁ、も――」
「ギャオンッ!!」
起き上がろうとした瞬間、黒いケモノ――フォレストウルフが、飛びかかってきた。
「ちぃっ! い゛ぃ゛っ!?」
「グル、グルルルッ!」
首元に向かってきた牙に腕を差し込んで防げば、痛いってか熱いっ!
あーあー! お客様! ウルフ様!?
そんなに首をブンブン振らないでください! 千切れる、千切れちゃうからっ!?「ス、スラピィッ!!」
「――ぴぃっ!」
けど。
「ぴぴーーーーーっ!!」
「ガ、ァ……?」
「へへっ、そうだよ、狩人……ハンターってのは、罠を仕込んでこそ、なんだよ。知ってっか? スライムの中、くっそ気持ちいいんだぜ?」
木の上から身体を広げて。
俺をかつて抑え込んだように目一杯大きくしたスラピィが、降ってきた。「ッ!?」
呆気に取られたようなフォレストウルフの口から腕を引き抜いて、その場から力を振り絞って飛び退けば。
「捕獲、完了……ってな」
「ぴぴっ!」
「あ、あ♡ あぉ~ん♡」 ぶちりという処女膜を破った感触を感じながら、フォウの膣を思いっきり突き上げる。「く、ぅ」「あ、ぉ♡」 ものすごく、キツイ。 噂に聞くキツマンってやつなのか、それとも前戯もせずに突っ込んだからほぐれていないだけなのか。「ごしゅ、じん、しゃま♡ ごしゅ♡ ごしゅぅ♡」「う、ぉ? フォウ、待て!」「あふぅ♡ はっ♡ はっ♡ くぅん♡ くぅー♡」 破瓜の痛みは全く無いのか、気にならないほど発情しているのかすぐに動き出そうとした腰が、待ての言葉でピタリと止まった。 代わりに、首をよじって切なそうな瞳を向けてきて思わずチンコが更に硬くなる。「よ、よし、良い子だ、待て、待てだぞー」「わふっ♡」 言いながら頭を撫でてやるとまんまるお目々を細めて心地よさそうに。 ……危なかった、あのまま動かれたら射精待ったなしだった。 せっかくアルファを取れたんだ、情けなく即イキしてしまったら再び奪われてしまう可能性もある。 かと言って童貞……いや、脱童貞したばかりの俺にセックステクなんてあるわけもない。 性能力の向上って加護があるにしても、元を知らなきゃ違いがわからないし、まずは……。「はっ♡ はっ♡ はふっ♡ はぁ、はぁー……♡」 ゆるゆると動かしてしまいそうな腰を、無理やりにだろうフォウは動くなの命令に従って止めている。 やっぱり、教えてもらったばかりの力を使うしかないな。「――形状、変化」「きゃぅっ!?」 スラピィとセックス、いやまぁスラピィを使って俺が得た力は魔力だけじゃない。 ぶっちゃけスラピィほど目に見えた変化をすることができるわけじゃないが、多少モノを大きくしたり小さくしたりすることはできるようになった。「あっ♡ はっ♡ きゃ、ぅ♡」 フォウの反応を見ながらチンコの形を弄る。 大きさや形が全てではないが、テクを誤魔化せるものではあるとはアルエ様のお言葉だ。 実際、淫魔であるアルエ様の同類は、相手のモノに合わせて自分のオマンコを調整するような力があるらしいし、俺がこうしてそんな力を操れる理由の一端ではあるとのこと。「わ、ふ♡ きゅ♡ きゃんぃ――♡」「ぐっ、し、締付け、やば……っ!」 調整している途中でフォウがイったみたいだ。 ならこの形が一番良い、んだろうな、よし。「何一人で気持ちよくなって
「いつつ……ひ、久しぶりにこんな怪我したわ」「ぴぴー……」 街道近く、森への侵入口に作っていた野営地に戻ってきて傷の具合を確かめる。 ここまでの怪我をしたのは狩りになれてなかった頃以来だ。 基本的にこういう怪我をしないように立ち回るのが狩りでもあったし、慣れてきてからは滅多に怪我しなかったもんだから、なんとも昔を思い出す。「大丈夫だよ、スラピィ」「ぴぴっ」 傷の手当をしている俺へとすり寄ってきたスラピィの頭を撫でれば、安心したのか太ももあたりをすりすりしてきた。まじでかわいいなこいつ。「グルル……」 うん、かわいいだけってわけでもないか。 スラピィオナホの要領か、スラピィは自分の身体の一部を切り離し、フォレストウルフを拘束する縄のようなものを作ってくれた。 切り離して体積が減っても、ものの数秒で元の大きさに戻る。 アルエ様いわく、自分の魔力で身体を形成しているから、魔力が尽きない限り再生可能らしい。 便利なもんだと思ったりもするが、それ以上にCマイナスランクのフォレストウルフが身動き取れなくなるくらい頑丈なもんを作れるあたりに驚きがある。 体当たりでアイツをすっ飛ばしたことと言い、フォレストウルフに取り付き完璧に身動きを封じたスラピィというスライムは、間違っても最弱モンスターなんて言えないだろう。 今になって思えば、アルエ様が言った危険はないってのは、スラピィがいる以上どうにでもなるって言う意味だったのかもしれない。「気をつけてくださいよ、アルエ様」「心配してくれてるの? ちょっと意外だわ、まぁありがと」 スライムロープでグルグル巻きにされているフォレストウルフの周りを飛び回り、何やら調べている様子のアルエ様は、ちょっと目を丸くした後、そっぽ向きながらお礼を言ってくれた。 何にしても無事に戻ってこられて良かった。 焚き火に木をくべながら、命あっての物種ってのはこういうことなんだろうなと思う。「ディータ」「ん、もうアイツは良いのですか?」「まぁね」 やってやったぜみたいな雰囲気で、額を腕で拭いながら小さなコップに入っている水を飲み干した。「何?」「いや、おっさんくせぇなこの人って思いまして――あだっ」「そこまであたしに慣れなくていいから。表向きだけだってわかってるけど、ちゃんと敬いなさい」 投げつけられたコップ
街道から更に離れるよう森の奥へと進んでいく。 当たり前と言えばそうだが、魔物除けが施された場所から離れれば離れるほどモンスターと遭遇する可能性は高くなる。 ほぼ無害とされているスライム、あるいは魔物除けを何ら問題にしない強力なモンスターなら別だが、基本的にはそのモンスターにとって影響がない場所に生息しているものだ。「フォレストウルフ、かぁ……」 アルエ様は失敗しても危険はないと言っていたが、具体的なことは何も教えてくれなかったし一抹の不安が拭い切れない。 俺自身、魔物避けが施されている場所から、事前準備なしでここまで離れるのは初めてだし、何より目的はフォレストウルフ、警戒しすぎて悪いことはないだろう。 森という環境に適応したウルフというモンスター。 それがフォレストウルフという四足歩行の獣型モンスターだ。 モンスターには何処に生息しているかによって冠詞がつく。 ウルフは基本的に草原、あるいは平原に生息しているモンスターであり基準とされている。 特徴としては動きが素早く、人に対して好戦的で、群れをなして旅人を牙で追い立てるといった感じ。 では、そんな基準とされているウルフに、フォレストという冠詞がついたモンスターはどんな存在なのか。「ねぇ? いくらフォレストウルフは気配を消すことが得意にしても、警戒しすぎじゃない?」「いやいや、これでも大胆すぎるかなと思っていたくらいですって」 アルエ様は俺を殺したいのかな? 何言ってるんですかってもんだ。 そう、フォレストウルフは森という環境に適応し、気配を消す術を身に着けた。 進化したと言ってもいいか。群れで行動することをやめ、森という環境を利用し自分の気配を消し、獲物を仕留める森のハンターとなったのだ。 ハンターギルドなんかから公表されている危険度はCマイナス、だったかな? 一般人、戦う力を持たない人は決して相手をしないようにってランクに設定されている。 ちなみにスライムはG、認定ランクの中では最低のものだ。 ……うん、やっぱ無茶だろどう考えても。「アルエ様、やっぱり一旦戻りませんか? トラップなんしを作ってからもう一度ってことで」「うん、却下♡」 これだもんなぁ……スパルタが過ぎませんかね。 確かに、発情魔法を一回使っただけで魔力切れになることはなくなった。 けど、発動対象
悪魔は嘘をつく。 正確に言うなら、意味のある嘘を呼吸するかのように平然とつく、かな。 逆に言うなら意味のない嘘はつかないってこと。 淫魔といえど、あたしも悪魔だ。 当然とは言わないし、これが普通だとも思わないけど意味のある嘘をつく。 だから、ディータに対してだって、もちろん嘘を重ねている。「くっ! スラピィの中、気持ちよすぎんだろっ!」「ぴっぴぴー♡」 魂の形が似ている。 それはあたしと、じゃあない。 というか、気づいていないのかしら? 妖精体とは言え、人間界とは文字通り次元が違う世界に住んでいるあたしを顕現できている異様さに。 たかが一度、スライムとは言え精を与えただけでユニークモンスター化させることができる異質さに。 どっちの点を考えても、契約したての人間ができるものじゃあない。「ったく! 使うたびに具合がよくなるなぁ! スラピィはさぁ!」「ぴぴっ♡」 間違いなく、普通の人間じゃない。 いえ、普通じゃないなんてわかっていたことね。 そもそも契約の時だってそうだ、あたしが見つけたんじゃない、むしろ見つけられた。 呼び寄せられたと言っても良いわね、選んだんじゃない、選ばれたんだ、あたしは。「くぅ……っ! イクぞ! 射精るぞスラピィ! しっかり受け止めろよっ!」「ぴっ♡」 あのスライムを見ても、その考えは間違っていないと思う。 一度の行為で、あれほど人間に懐くモンスターなんて見たことがない。 ううん、懐くなんてもんじゃないわねあれは、むしろ仕えている、ディータのことを主と仰いでいると言って良い。 あたしにも彼が何者かなんてことはわからないけれど。 それでも、あたしの目的を達成するために一番適した人間であることに違いはないし、あたし以上にディータの目的を達成できるよう援助できる存在はいない。「う、ぉおおおっ!」「ぴぃ……♡」「それに、しても」 疼く。 日課にしろと言いつけたスライムを使ったオナニー。 言いつけを守って、毎晩一度はあの白いスライムから切り離された塊を使って自慰に耽る姿に、お腹の奥が熱を持つ。「は、はぁ……はぁ……」 それもこの妖精体だけじゃない。 魔界にあるあたしの本体だって、きっと下半身から淫水を垂れ流していることだろう。「ん……ふ♡」「っし、もう一回だ!
スライムの中、あったかいわぁ……。「もがぼがっ! っぷぁ!」 顔の部分はそんなにスライムに包まれていなかったことが幸いして呼吸が許された。「し、死ぬかと思った……」 溺死は免れたものの、残念ながら身体は全く動かせない。 スライムの重さも感じるが、何よりこの……粘液? とでも言うか、ネバっとした感触が動きを遮ってくる。「――」「……で、どうしよう」 首から下に広がるスライム。 何をされるわけでもなく、なんだろう? なんかこう、抱きつかれているというか羽交い絞めにされているというか。「も、もしもーし?」「――」 残念ながら意思の疎通はできない様子。 びしゃっと飛び散ったようなスライムの身体が、俺に纏わりついたまま。「う、うーん」 まぁ、身体が溶かされるとかそういうわけではなさそうで安心した。 スライムが何かの骨を身体の中に取り込んでいたとかいう話を聞いたことあるだけになおさら。「むしろ……気持ちいいな?」 こんな時に何を言ってるんだとどこかの淫魔に怒られてしまうかもしれないが、人肌程度に温かいスライムの身体は、ちょっと温めの風呂にでも入っているような感じだ。 まぁ服を着ながらだから少し不快感はあるが……ぶっちゃけ全裸になってからもう一度と思わなくもない。 じゃあ、抜け出せる程度に復調するまでこのままでもいいかと思ったとき。「ん?」「――」 何やらスライムがふるふると震え出した。「あー……ご、ごくらくじゃあ……」 え? 何これ? めちゃくちゃ気持ちいいんだけど? 全身マッサージでも受けているかのような、これは最高ですね、寝てしまいそうです。「って、命の危険には変わりないだろうに俺は一体何を……」 いかん、あぶないあぶない、これがスライムの罠か。 こうして俺を抜け出せないようにしてモノにしようってハラか? やるじゃない、半分堕ちそうになってたぜ。スライムの中、気持ちよすぎんだろっ!「かといって……どうしようもないんだよな」 もう一度動こうとしてみれば、今度は押さえつけられるかのような力で邪魔される。 なるほどつまり、このスライムは意思を持って俺を動かせないようにしているということか。 となるとこのマッサージされてるみたいな動きもこいつの意思なわけで。「これが俺の殺し方?」 でも俺の身
道の発展は国の発展。 この国、ハルモニクスの王が言った言葉だ。 やや強硬的に進められた交通政策のおかげで、こんなド田舎と言って良い地域にもかかわらず、ズビャビッと整備された石畳の道を歩く。 左手を見れば青々とした森が広がり、右手を見れば草原が地平線まで続いている。 思わず俺は自由だ―! なんて叫びたくなる気持ちがあるけれど、そんなことをしている場合でもない。 フリーダムを謳歌したい気持ちを抑えて、アルエ様と今後について話した結果だが。 やっぱり直近の目標として、性隷術をしっかり扱えるようになることが共通認識として設定された。「カーラって言ったっけ? あの娘が発情を防げた理由はわからないけど、あなたが人間相手に発情を成功できるかは何とも言えないところね、むしろ失敗する可能性のほうが今のところ高い」 やっぱり確信犯だったんだなぁと呆れもするが、まぁいいか。「その理由は?」「単純に、術者の技量が未熟だからよ」「む、むぅ」 アルエ様は精霊じゃなく淫魔とのことだが。 自身の力、すなわち魔法の力を契約者に与えるという面においては精霊と同じ存在とのことで。「精霊術にしてもそうだけど、やっぱり訓練が必要なのよ。それも実践的なね」「実践的、というとやはり使って慣れろということでしょうか」「そそ」「そうは言いますが。先ほど仰られたように、人間相手には失敗してしまう可能性があるのでは?」「ええ。だから使う相手を変えるのよ、そう、モンスター相手にね」 ……さて、落ち着こう。「モンスター相手?」「うん」「モンスターに発情を?」「うん」「俺、どうにかなっちゃいません?」「なるわね」「えぇ……?」 しれっと言い放つアルエ様は滅んだほうがいいと思う。 つまりは言ってるのだ、モンスターを発情させてその贄になれと。







