Mag-log in街道から更に離れるよう森の奥へと進んでいく。
当たり前と言えばそうだが、魔物除けが施された場所から離れれば離れるほどモンスターと遭遇する可能性は高くなる。 ほぼ無害とされているスライム、あるいは魔物除けを何ら問題にしない強力なモンスターなら別だが、基本的にはそのモンスターにとって影響がない場所に生息しているものだ。「フォレストウルフ、かぁ……」
アルエ様は失敗しても危険はないと言っていたが、具体的なことは何も教えてくれなかったし一抹の不安が拭い切れない。
俺自身、魔物避けが施されている場所から、事前準備なしでここまで離れるのは初めてだし、何より目的はフォレストウルフ、警戒しすぎて悪いことはないだろう。
森という環境に適応したウルフというモンスター。
それがフォレストウルフという四足歩行の獣型モンスターだ。モンスターには何処に生息しているかによって冠詞がつく。
ウルフは基本的に草原、あるいは平原に生息しているモンスターであり基準とされている。 特徴としては動きが素早く、人に対して好戦的で、群れをなして旅人を牙で追い立てるといった感じ。では、そんな基準とされているウルフに、フォレストという冠詞がついたモンスターはどんな存在なのか。
「ねぇ? いくらフォレストウルフは気配を消すことが得意にしても、警戒しすぎじゃない?」
「いやいや、これでも大胆すぎるかなと思っていたくらいですって」
アルエ様は俺を殺したいのかな? 何言ってるんですかってもんだ。
そう、フォレストウルフは森という環境に適応し、気配を消す術を身に着けた。
進化したと言ってもいいか。群れで行動することをやめ、森という環境を利用し自分の気配を消し、獲物を仕留める森のハンターとなったのだ。ハンターギルドなんかから公表されている危険度はCマイナス、だったかな?
一般人、戦う力を持たない人は決して相手をしないようにってランクに設定されている。 ちなみにスライムはG、認定ランクの中では最低のものだ。……うん、やっぱ無茶だろどう考えても。
「アルエ様、やっぱり一旦戻りませんか? トラップなんしを作ってからもう一度ってことで」
「うん、却下♡」
これだもんなぁ……スパルタが過ぎませんかね。
確かに、発情魔法を一回使っただけで魔力切れになることはなくなった。
けど、発動対象を複数に向けて使うなんてことはまだできない。そういう意味では、フォレストウルフってモンスターは見かけても単体だし、狩りに出るのはメスの個体である場合が多いから、この近辺に生息しているモンスターの中では、うってつけの相手であるのは認める。
いやまぁ、それでもケモノ100%相手に相棒がおっきしてくれるとは思わないし、おっきしたら多分自分のことを信じられなくなってしまう。
「ぴーっ」
「あぁスラピィ、お前だけだよ俺の味方は……!」
「ぴぴっ!」
ひしっとスラピィに抱きつく。ちょっとひんやりしてて気持ちがいい。
そういやスライムは何処でも見かけて変化や進化も見られないからって、なんちゃらスライムみたいな呼ばれ方はしないんだよな。
けどまぁ見るからに白いし、冠詞をつけるならホワイトスライムってところだろうか。知ってるか? この白いの、俺の精液なんだぜ?
「……う」
「ぴー?」
そうだよ、これ俺の精液だよ、白色というか乳白色だよ。
もしかしなくても自分の精液溜まりに抱きついたのか俺は今。……いかん、頭がおかしくなりそうだ。
「すまん、スラピィ。俺、頑張るからな」
「ぴっ!」
「……おばかさんねぇ」
はい、今のは自分でもそう思いました。
「ぴぴっ!」「うん? どうした? スラピィ」
どれくらい歩いたか、足元近くをコロコロと転がりながらついてきていたスラピィが不意に動きを止めた。
「ぴー……」
「スラピィ……?」
どっちが前か後ろか。
それはともかく、スラピィはまるで周囲を警戒するように身体を動かして――――警戒、するように?
「後ろっ!!」
「っ!?」
アルエ様の切羽詰まった声と嫌な予感がして振り向いたのは同時。
「ガァッ!!」
「やっ――べ」
ただ、どうしようもなく遅すぎるタイミングだった。
あと何秒もしないうちに、大きく開かれた口に食い千切られてしまう。 そう理解した、その瞬間。「ぴぴぃっ!」
「ガッ!?」
迫ってきていた牙が、本体と一緒に吹っ飛んだ。
「まじ、か」
「ぴっ!」
スラピィの俺を庇うかのような体当たりで、どれくらいだ? 4、5メートルは吹っ飛んだぞ?
あぁ、心なしかスラピィがドヤ顔を浮かべている気がする。
いや、まじかスラピィ。お前、認定ランク最低のモンスターだぞ? それがCマイナスに設定されてるフォレストウルフをふっ飛ばした?……ユニークモンスター化って、もしかしなくてもとんでもないんじゃ?
「何呆けてるのよ!」
「っ!」
「ぴぃっ!」
慌てて短剣を構える。
構えた俺を守るようにすっと立つ……立つ? まぁスラピィが居てくれて。「グルルル……」
我に返ったは良かったけど。
こっちを血走った目で睨みつけていたフォレストウルフの姿が森と同化するように消えていく。「おばかっ! 戦おうとしてどうするの! 発情を使いなさいな!」
「わ、わかって――いや、そうでした、ね」
わかってなかった、そうだった。
あんまりにもな殺気だったから、つい防戦しようとしてしまった。
……いや、言い訳だな。
アレを性的な目で見るなんてどうかしてる。 本能か理性かはわからないけど、そんな考えが頭の中に生まれたからだ。「あたしのことを信じられない気持ちはわからないでもないけどね。少なくとも、あなたが……ううん、あなたとスラピィがこの場を切り抜けるには、発情をアイツにかけるしかないわ」
「……」
あぁ、そうだな、それもきっとある。
切羽詰まった時、本性が出るとでもいうのか。 発情を仕掛けたから切り抜けられるなんて、今でも信じられないって気持ちが確かにある。スラピィに発情を仕掛けて、ものの見事にやられた俺だから、なおさら。
「……ぴー……」
警戒を続けていてくれるスラピィ。
何を考えているのかなんて、さっき見ただろう、俺を守ろうとしてくれてるんだ。「そう、そうよ。今、あなたは直接的に誰かや何かを打倒する力を有していない。けど、それは戦えないってことじゃない」
今の俺がフォレストウルフを真正面から倒すなんて逆立ちしたって無理だ。そんなのはわかっている。
でも、アルエ様は戦えると言っている。発情を仕掛けられたのならこの場をどうにかできると言っていた。さっきのは千載一遇の好機ってやつだったんだろう。
あいつの奇襲と俺の発情魔法、どっちが先に通るかなんて前者に決まっている。もうさっきみたいな機運はやってこない。
つまり、もう俺がフォレストウルフに対して、この戦闘中に発情を発動できることはないだろう。「くそ……」
どうすればいい? どうすれば戦える?
さっきはアルエ様を信じられなかったことで失敗した、なら今度は戦えるといったアルエ様を信じよう。「……?」
殺気が濃くなってきた、もうすぐにでも何処からか襲ってきそうだ。
にもかかわらず、来ない。
なんでだ? なんでフォレストウルフは飛びかかってこない?「ぴー……」
スラピィ……?
「そうか」
スラピィを警戒しているんだ。
奇襲は一度目しか成功しないのが普通だ、失敗した理由がスラピィだから二の足を踏んでいるんだ。モンスターに考える能力があるのかはわからない。
本能で悟ったのか? 警戒に値すると。 先のやり取りでスラピィが守る俺を襲うのは難しいと理解したんだろう。つまり。
「スラピィ!」
「っ! ぴぴっ!」
スラピィが居なくなれば、襲ってくる。
ウルフがスライムをエサにするなんて話は聞いたことがない。
獲物として見定めてられているのは俺だろう、二の足を踏み続けて諦るって選択をしない限り、何としてでも俺って獲物を仕留めたいはずだ。「ちょっと考えがある、やって貰えないか?」
「ぴぃ?」
すっかりスラピィとは意思疎通できるもんだと信じ切ってる俺も大概だが。
まぁ、今からやろうとしてることのほうが、十分大概ってやつだろう。
「は、はぁっ! はぁっ!」進んできた道を逆走する。
脇目も振らず、スラピィを信じて思いっきり。「く、そ。真面目っ子するついでに、もうちょっと、はっ、身体、鍛えときゃよかった!」
背後から突き刺すような殺気が離れない。
間違いなく、フォレストウルフは追ってきている。「に、にんげんのっ、狩りの常識が、通用するか、わかんねぇけどなっ!」
狩りの常識、獲物は弱らせたところを仕留めろ。
疲れているところを狙え、寝ているところを狙え、罠にはめて狙え。
そういう観点から見れば、俺って獲物が勝手に疲れようとしてくれているんだ、自滅してくれるなら大歓迎のはず。
スラピィと離れて少ししたけど、まだ襲ってこないのはそういう意識がフォレストウルフにあるってことだろう。足の速さなんて比べるまでもなく俺のほうが遅い。追い抜くなんてわけもないはずだ。「はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
全力で走る姿は、まさに危険から必死に逃げようとする哀れな獲物に見えるだろう。
いつでも来い、とは言わない。
むしろ、このまま見逃してくれなんて、苦しい胸と重たい足が訴えてくる。「で、もっ! ここでそうしたら! 終わり、なんだろうなぁっ!」
あーはは、なんか頭熱くなってるわ、ランナーズハイってやつか?
予感がある。
ここで、諦めたらだめだって。終わりだって。「あーくそっ! おれはっ! うはうはライフを送るんじゃぁっ! ――っ!?」
やけくそで叫んだ瞬間。
「ぶべっ!?」
木の根っこか、石ころかに足を取られて。
「あででででっ!?」
ゴロゴロ、ゴロゴロと転がって。
「ぐ、い、いてぇなぁ、も――」
「ギャオンッ!!」
起き上がろうとした瞬間、黒いケモノ――フォレストウルフが、飛びかかってきた。
「ちぃっ! い゛ぃ゛っ!?」
「グル、グルルルッ!」
首元に向かってきた牙に腕を差し込んで防げば、痛いってか熱いっ!
あーあー! お客様! ウルフ様!?
そんなに首をブンブン振らないでください! 千切れる、千切れちゃうからっ!?「ス、スラピィッ!!」
「――ぴぃっ!」
けど。
「ぴぴーーーーーっ!!」
「ガ、ァ……?」
「へへっ、そうだよ、狩人……ハンターってのは、罠を仕込んでこそ、なんだよ。知ってっか? スライムの中、くっそ気持ちいいんだぜ?」
木の上から身体を広げて。
俺をかつて抑え込んだように目一杯大きくしたスラピィが、降ってきた。「ッ!?」
呆気に取られたようなフォレストウルフの口から腕を引き抜いて、その場から力を振り絞って飛び退けば。
「捕獲、完了……ってな」
「ぴぴっ!」
「皆、ハラは膨れたか?」「ぴっ! ……ぴ、ぴぃ?」「っ! ご、ご主人、様?」「ディータ、様?」 ネスト前でのバーベキューも終わったか、満足してもらえたならうれしいものだ。 結構カーラとの交わりは長い時間がかかったと思っていたけど、いいタイミングだったようだな。 いち早く俺が顔を出したことに気づいたスラピィ、フォウ、ハルの三人だが。 嬉しそうに顔を向けてきたものの、おかしいな? なんて首を傾げる。「食欲が満たされれば次は……なんて行きたいところだが、その前にやりたいことがある。フォウ、お前はマウンテンウルフたちを集めて俺の前に整列させろ。ハル、お前はハーピーたちをだ」「わ、わふっ! かしこまり、ましたっ」「は、はいっ! すぐにっ!」 慌てて駆け出す二人を見送る。 去り際、二人の頬が妙に赤くなっていたけど、なんでだろうね。「スラピィ」「ぴ、ぴぴっ」 ぴょんっと前まで来て、心なしか敬礼でもしているかのような。 ピシッとしてる雰囲気が伝わってくる。「そう固くなるなって。ほら、おいで」「ぴ……ぴぴー♡」 肩を叩けば一瞬躊躇した後飛び乗ってきて、やっぱりいつものマスターだ、なんて安心したように頬へ身体をこすりつけてきた。「ダンジョンを作るための準備が整ったんだ」「ぴっ」 眠っていたカーラだけども。 徐々に身体が透けていって、アルエいわくの精霊体へと変化していっている。 カーラが自分をダンジョンコアであると、頭でも心でも受け入れ定めた証拠だそうな。 今後、ダンジョンの中でしか生きられないし、基本的には触れること、触れられること叶わない精霊化している状態が常になる。 魔力を使えば一時的に実体は得られるが、半日くらいが限界で。 身も蓋もないことを言えば、俺とのセックスで魔力を補給するときのみ実体化できる。「スラピィ。俺はな、ダンジョンマスターになるよ」「ぴぴぃっ!」 はい、存じ上げております、だろうか。 同時に、心より喜び申し上げますって感じ。「同時に、な。スラピィ。魔人にもなろうと思う」「ぴ、ぴぃ?」 言わんとしていることが理解できない様子だけど。「人間でもない、モンスターでもない、その間に存在して、欲しいもの全てを手に収めようと思う」「ぴ――」 肩に乗っているスラピィの身体が、ふるりと一瞬、痺れたように震
「あえっ!? あ、あー♡ あうぅ♡ あっ♡ ぱんぱんっ♡ しゅご♡ しゅごひよぅ♡」 バックから見ればやっぱりいいケツだと実感する。 フォウとは別の意味で腰の打ち付けがいのある、とでも言えばいいのか。 比べるのはデリカシーがない? そういうのはもう終わったんだよ。「んにゅっ♡ うえぁっ? あう♡ あうっ♡ あいっ♡」「さっきまで処女だったやつが、んなエロい腰振りすんなよ……なっ!」「んぃいぃいいっ♡♡♡」 べちんべちんと腰を突き込めば、ぷるりとケツ肉が波打って。 腰を引けば、離れたくないとでも言うかのように、膣肉がめくれるように引っ付いてくる。 イチモツの形状変化は既にやった。 普通にセックスしたからこそだろうが、今までで一番相手のツボに適応した形に出来たという自負がある。 それを証明するように。 今やもう、どう動こうがカーラの口から放たれるのは快楽に染まった声のみ。「も、もう♡ らめ♡ むり♡ むりだか、らぁ♡」「――発情」「ま゛っ♡ また♡ またきちゃったぁぁ゛ぁ゛♡」 絶頂を迎えれば発情をかけて、快楽から逃さない。「んぎゅっ♡ あえ♡ あえぇあぁ♡ し、しんじゃう♡ ぼ、く、もう♡ しんじゃう、よぅ゛♡」「あぁ、お前を殺すよ。堕とすと言っただろう? 人間と、きっちりさよならさせてやる」「んいぃい゛い゛ぃぃっ♡♡♡」 髪を引っ張って、仰け反った身体をそのままに。 ちらりと見える顔、その口からはだらしなく舌がてろりと出ていて。 俺はメスじゃないから、どれくらいの快楽に犯されているのかはわからないが。「おぉ゛ぉお゛ぉおっ!? らめっ♡ らめらえっ♡ しぬ♡ あたま、まっしろ♡ ばちばち♡ してぇ♡」 オスであっても得られるこの快感。 もう何度射精したか覚えていない。 というより、数えられない程無自覚に、無責任に子宮を白く汚している。 メスのほうが何倍ものモノだと聞いたことはあった。 それが真実であるなら、きっと俺なら耐えられないだろう。「――魅了」「う――ぁ♡」 耐えさせない。「あ、あ、あ――♡」 カーラは俺に対する感情を恋じゃないかもしれないと言った。 それはダメだ。 身体も、心も、ありとあらゆるこの女全てを俺のモノにする。「ふぎゅっ♡♡♡」「さぁ、カーラ? お前にとって俺は、何だ?」
「んんっ……れぇ、ん、ふ……♡ すご、いね♡ 男の人の、舌って、熱いんだ♡」「カーラのも、ねっとりして、柔らかくて、凄く熱いよ」「やぁ……♡」 なんとなく、だけど。「それに、凄く、気持ちがいい」「あ、ぅ♡ ボ、ボクも♡ だ、だから――んむっ♡ んちゅ♡ んれぇ♡ おいひ♡ でぃーた、くんの♡ おいひい♡」 人間を人間として抱くっていうのはこれが最初で最後になるんだろうな、なんて思う。 発情も、魅了も、魔法は一切使っていない。 なんならより深くキスを交わすために形状変化を試みたりもしていない。 カーラはこれを人間としての思い出といったが、俺自身にとってもそうだ。「んんっ♡ れろ、れぇ♡ んちゅ♡ んぶ♡ でぃーた、でぃーた♡ くぅん♡」 甘えるように舌を絡めてきて、気づけば俺もカーラを抱きしめていて。 性隷魔術に目覚めていなければ、もしかしたらなんとなくお互いに惹かれ合って、結ばれるなんて未来があったのかもしれない。「っぷぁ……未練、だな」「でぃーた、くん?」「なんでもないよ、カーラ。それよりも」「え? ……あっ♡」 背に回していた手をカーラの大きな尻肉に這わせる。「んん……♡ な、なんか、やらしい、ね?」「やらしいこと、してるんだよ」 ハリなんかはフォウの方がある。 カーラの尻は、揉むっていうよりは吸い込まれるとでもいうのか、手に吸い付いてくるような触り心地だ。「……むー」「な、なに?」「ほかの女のこと、考えたでしょ」「……ごめん」 デリカシーがなかったな。 女の勘ってやつは、やっぱり侮れないものらしい。「悪かったってば」「つーん。知らないもん」 特別な想いを寄せていたわけじゃなかったけど、可愛いじゃないか。 肌を重ねれば情が移るとはよく言ったものだよ。「カーラ。どうすれば、許してくれる?」「……じゃ、じゃあ、ね?」 ちらりと期待のこもった目を向けて、俺の耳元で小さく。 ――いっぱい、気持ちよくして? なんて、おねだりをしてくれた。「わかった、任せとけ」「や、優しくもだよ!? ボ、ボク、初めてなんだか――ひゃう♡」 是非、応えてしんぜよう。 尻をつかんでいた指を、尻肉の割れ目を肉壺にむけて這わせれば、カーラはくすぐったかったのか、それとも未知の感覚に驚いたのか背をのけ反らせた。「えう
さて、問題のカーラさん。「くー……すー……」 流石にネストの中に余分なベッドやら寝具はないから、草木を布で纏めたものを敷き布団に、荷物を包んでいた布を掛け布団代わりに眠ってもらってる。 布が薄いもんで、カーラさんの胸先にあるぽっちが呼吸に合わせて上下しているのを見ると、なんともむらむらして大変だ。 というかアルエ様いわくの調査は、服ひん剥いて全裸でなきゃならなかったんですかね……一歩間違ったら凍死じゃないですか。 いやいや、問題はそこじゃない。 この人をどうするか、ってことだ。「ハルピュイアの生まれ変わり、ねぇ」 調査の結果は聞いた。 カーラさんは精霊契約の儀式で、祖先であるハルピュイアを降ろしたことに間違いはないらしい。 本当にハルピュイアの血を引いてる人間がいるんだなって、年寄の戯言が真実だったことに対する驚きが強い。 エリアキーパーだったハルピュイア、霊鳥だなんて言われているがモンスターに変わりはないわけで。 つまりは、モンスターと人間の間に子供ができて、脈々と血が受け継がれてきたということだ。 もしかしたら、エリアキーパー信仰ってのは、そういうことなのかもしれない、なんて。 ……いや、そんなことは今考えるべきことじゃない。「ダンジョンコア化する、か」 そんなカーラさんが持つ魔力は膨大で。 ダンジョンコアに問題なくできるなんて、妙なお墨付きをもらってしまった。 はっきり言って、渡りに船、棚からボタ餅だ。 レグニー山脈みたいな天然の要塞に難なく来られて、都合の良さそうなハーピーネストに案内されて。 ここをこのままダンジョンとして拡張できれば、難攻不落の高難易度ダンジョンマスターとして君臨できる可能性は高まる。 カーラさんを毒牙にかけることに抵抗もない。いや、ダンジョンマスターになると決めた以上、責任という名の下あってはならない。 確かに村一番の美人ってだけあって、お相手をと願う気持ちはあったが、スラピィやフォウ、ハルを抱いた後に見れば、何が何でもなんて気持ちは湧いてこない一面はあるが。 それ以上に、ここまでやっておいて、今更中途半端な選択肢を手に取るわけにはいかない。 それが犠牲の上に立つということだ。「生きたままの方が、出力はあがる。強力なコアにできる」 だから問題はどうやって生きたまま協力を取り付けるか
「き、貴様が……!」「招いた覚えもなければ、歓迎する気もないがよく来たな、アドバイン。今の気分はどうだ?」 ハーピーネスト、入口前の開けた場所。 山の天気は変わりやすいが、一時間前から快晴が続き、視界も良い。 そんな中、日光を反射するてかてかした趣味の悪い重鎧姿のアドバインが、指を震わせながら伸ばしてくる。「あぁ、認識阻害は使っていない。お前の屋敷からハーピーを奪ったのは俺で間違いないよ」「きさまぁっ!!」「あ、アドバイン様っ!!」 隣にいたのは討伐隊の指揮官だろうか。 10メートルは離れているというのに、駆けだそうとしたアドバインを押さえつけて宥めようとしている。 展開されている部隊の人数は15、16……18人ね。 ほかのヤツらは一番近い場所にある野営地の確保と、怪我人の治療にあたっている、か。「わ、ワシの! ワシのハーピーを! 返せっ! 貴様っ!」 あーあー目ぇ血走らせちゃってまぁ。 あの屋敷でハルを見せたのは失敗だったか? 完全に魅入られてる。「おいおい、そりゃ今この場で言うことじゃねぇだろうが。もうちょっとはらしいこと、言ってもらえねぇかな」「うるさいっ! ワシの! ワシのおっぱいを! メスを――ひっ!?」 喚くアドバインに向けて。「口の利き方に気を付けてくださいね? あと、私たちは皆、あなたのモノなんかではありませんし、なる予定もありません」「くっ……お下がりくださいアドバイン様! あれは、アレは! 先に確認したユニークモンスターの力を超えています!!」 俺の背後から現れた、ハルのウィングショットが放たれた。 威力は抜群……というか、刃のくせにアドバインの近くにあった岩が弾け飛んだ。「ハル」「申し訳ありません。出過ぎた真似を致しました」 ハルを制するように声をかければ、頭を下げた後しずしずと後ろに下がる。「……貴様、テイマーか?」 警戒しながら問うてくるのは指揮官さんだが。「さぁ? 俺にもわからないよ。でも、どうやらテイマーじゃあないらしい」 お前たちの言うテイマーではない、という意味でな。「何故、街を襲った」「襲った? 違うな、取り戻しに行っただけだ。害意は存在していたが、それ以上に家族を助けに行っただけ。その過程で確かに街へ被害は出ただろうが……先に仕掛けたのはお前たちの方だ。被害者面をした
「なるほど、スラピィが負けた、ね」 ここは通らないだろうなと思っていた道に相手が現れたことに関してはともかく。 あんなところを通ることができるんだ、相当な実力者だろうと心配していたことはそうなんだが。「いやぁ、なんというか。落ち着かせてくれないよね」 ルートAとBに関しての対応も終わって、一息ついていた気分を切り替えて立ち上がる。 色々驚きはあるし、思うところはあるが、ここで俺の前に立つってことは敵ということだ。 帰ってきたのは、カーラさんだった。 別所を映しているスラピィミラーの映像が消えてないってことは、生きているってことだが……まぁよくもやってくれたな。 どうやって目にもの見せてくれようか。 発情から手籠めにするくらいしか思い浮かばないが、村を出るときは効かなかったしどうするか。 ハルは帰ってくる皆の出迎えにいっている。超音波で呼べば来てくれるだろうが、うっとり状態で相手できるわけもないし……さて。「マスター、ミッションコンプリート。スラピィ、ただいま帰還いたしました」 なんて構えてみたものの、どうやらちょっと違うらしい。 いやそりゃ、捕獲完了したら帰りますって話だし? 目の前にいるのがカーラさんじゃなけりゃスラピィに違いないはずなんだけど。「あー……うん、お帰り、そんでありがとうさん。でも、ちょっと待ってくれスラピィ、俺は今混乱している」「待機命令受領。かしこまりました」 どういうことか、つまり。 カーラさんが自分のことをスラピィだと言って。 二足歩行で近寄ってきて目の前で両足をぴしりと揃えて気を付けしてるわけだ。 ……どういうことだってばさ。「困惑されていると判断。マスター、発言の許可を頂戴してよろしいでしょうか」「構わないよスラピィ……って、スラピィでいいんだよな?」「ありがとうございます。はい、スラピィはマスターのスラピィでございます」 喋れたの? なんて。 口をぱくぱくしながらアホ面してるだろう俺に向かって、自称スラピィは、くすりと笑った後。「スラピィの身体を薄く延ばし身体中へと張り巡らせ、この個体、カーラの身体制御を奪っております。一口で申し上げれば丸のみ状態にあると言えるでしょう、現在カーラの声帯を使用しこうして会話できております。マスターと直接言葉を交わせておりますこと、スラピィは、とても喜
道の発展は国の発展。 この国、ハルモニクスの王が言った言葉だ。 やや強硬的に進められた交通政策のおかげで、こんなド田舎と言って良い地域にもかかわらず、ズビャビッと整備された石畳の道を歩く。 左手を見れば青々とした森が広がり、右手を見れば草原が地平線まで続いている。 思わず俺は自由だ―! なんて叫びたくなる気持ちがあるけれど、そんなことをしている場合でもない。 フリーダムを謳歌したい気持ちを抑えて、アルエ様と今後について話した結果だが。 やっぱり直近の目標として、性隷術をしっかり扱えるようになることが共通
悪魔は嘘をつく。 正確に言うなら、意味のある嘘を呼吸するかのように平然とつく、かな。 逆に言うなら意味のない嘘はつかないってこと。 淫魔といえど、あたしも悪魔だ。 当然とは言わないし、これが普通だとも思わないけど意味のある嘘をつく。 だから、ディータに対してだって、もちろん嘘を重ねている。「くっ! スラピィの中、気持ちよすぎんだろっ!」「ぴっぴぴー♡」 魂の形が似ている。 それはあたしと、じゃあない。 というか、気づいていないのかしら? 妖精体とは言え、人間界とは文字通り次元が違う世界に住んでいるあたしを顕現できている異様さに。 たかが一度、スライムとは
スライムの中、あったかいわぁ……。「もがぼがっ! っぷぁ!」 顔の部分はそんなにスライムに包まれていなかったことが幸いして呼吸が許された。「し、死ぬかと思った……」 溺死は免れたものの、残念ながら身体は全く動かせない。 スライムの重さも感じるが、何よりこの……粘液? とでも言うか、ネバっとした感触が動きを遮ってくる。「――」「……で、どうしよう」 首から下に広がるスライム。 何をされるわけでもなく、なんだろう? なんかこう、抱きつかれているというか羽交い絞めにされているというか。「も、もしもーし?」「――」 残念ながら意思の疎通はできない様子。
「残念じゃがディータ。わしはお主を村の掟に従い追放せねばならん」「……はい」 ですよねー! なんて言いそうになる気持ちをぐっと堪えて神妙に返事をする。「ディータよ。何故精霊術を村の者に向かって使おうとした?」「……申し訳ありません、村長。それは、言えません」 手に入れた性隷術を試したかった、なんて口が裂けても言えないよね。 俺の返事を聞いて難しい顔をする村長。 もしかしたら、情状酌量の余地を探してくれようとしていたのかもしれない。「お主が理由もなく誰かを害そうとするわけがない。何か、理由があったのではないか?」 こういう時に普段の行いがモノを言うってもんなんだろう。 難







