この展開は、あまりにも突然で、数秒遅れて澪はようやく事態を理解した。自分をブロックしたのは征司なのか、それとも紗耶なのか?電話に出たのが紗耶だったのだから、征司のメッセージを見ることも当然許されているのだろう。一通目のメッセージはまだ普通に届いていたのに。紗耶は澪からのメッセージを見て腹を立てた。そして征司は彼女をなだめるために澪をブロックし、自分は紗耶の味方だと伝えたのだろうか。しかし、紗耶がやったにせよ、征司が自分からそうしたにせよ、澪にとっては同じことだ。征司が紗耶を甘やかしていることに変わりはないから。自分と個人的に連絡を取ることを極力避けているのだろうか?ふと、ある光景が脳裏に浮かんだ。澪の空気の読めない電話やメッセージのせいで紗耶が機嫌を損ね、そんな彼女を征司が抱きしめながら、根気よく優しくなだめている光景だ。澪は目を伏せ、皮肉な笑みをこぼした。真実の愛の尊さに感心すべきなのか、それとも、何年もの時間を無駄にした自分を笑うべきなのか、もう分からなかった。そう考えると、自分は本当に邪魔な存在だ。どうしてもっと早く空気を読んで、身を引かなかったのだろう。澪はそれ以上、空気を読まずに食い下がることはしなかった。ベッドに横になると、玲衣の動画を眺めた。そうしてようやく、胸の中で渦巻いている感情を静めることができた。―翌朝早く、澪はアカリ製薬の研究センターへ向かい、生薬データの検証を行った。車を降りたところで、少し先に見慣れたベントレーが停まっているのが目に入った。征司が自ら車のドアを開けると、紗耶は車から降り、顔を上げて征司に笑いかけた。澪は視線をそらした。征司がわざわざ紗耶を職場まで送ってきた。そんな二人の甘い空気を壊すような真似はしたくない。データ表を手に研究センターを出た澪は、エレベーターを降りたばかりで電話をしている征司と正面から出くわした。彼がまだ帰っていないことに、澪は少し驚いた。彼女は空気を読んで、わざわざ声をかけることもなく、そのまま通り過ぎようとした。すると征司が横目でこちらを見て、通話を終えることもなく澪に尋ねる。「昨日、俺に連絡したか?」澪は仕方なく足を止めた。「そう」「メッセージは見た」征司はスマホを耳に当てたまま、切れ
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