夜の散歩から部屋へ戻った後も、りとはまだ、今日という夢のような一日を終わらせたくなかった。「もうちょっとだけ、起きていたいです」「……明日も早いというのに、わがままなやつだな」 鷲尾はため息をつきながらも、りとの願いに付き合ってくれた。 備え付けの冷蔵庫から取り出した地酒と梅酒で、二人で軽く晩酌をする。 ほろ酔いになったりとは、だらしないほどにふにゃふにゃと笑いながら、鷲尾の広い肩にコテンと頭を乗せて甘えた。「課長ぉ……お酒、美味しいですねぇ」「飲みすぎだ。ほら、もうグラスを置け」 鷲尾は呆れたように言いながらも、もたれかかってくるりとを邪険にはしない。 それどころか、りとの少し熱い頬を大きな手で包み込み、ぽつりとこぼした。「……可愛いな」「えへへ……」「だが、隙だらけだ。他の男の前では、絶対にそんな顔を見せるなよ」 低い声で釘を刺され、りとはわざと小首を傾げてみせた。「えー、なんでそんなこと言うんですか? 会社の飲み会で葛城部長の前とか、いっちゃんの前とかでも、隙見せちゃダメなんですか?」 わざと同期の依千の名前を出した瞬間、鷲尾の目の色が変わった。 次の瞬間、りとを畳の上にドンッと押し倒す。 上から覆い被さってきた鷲尾の顔は、一切の余裕がない、雄の顔だった。「ダメだ」「……なんでダメなの? 理由を、教えてください」 りとは上目遣いで、彼の言葉をねだる。 鷲尾は黒縁メガネの奥で瞳を揺らし、低く、けれど真っ直ぐな声で告げた。「さっきも言っただろう。俺は、甘崎りとを愛しているからだ」 〝愛している〟。 ただの好きという言葉の先にあった決定的な一言に、りとの心臓が激しく跳ねた。 同時に、下腹部の奥がきゅんと甘く疼き、自分でもわかるくらいに、一瞬でそこがぐっしょりと濡れてしまった。 鷲尾の大きな手が浴衣の裾から滑り込み、その濡れた部分に触れる。「っふ、相変わらず素直だな」 鷲尾が、意地悪く、けれどひどく艶やかに笑う。(さすが人気セラピスト……女心の揺さぶり方が完璧にわかってて、悔しい……!) りとは顔を真っ赤にして彼を睨むが、抵抗する気など一切なかった。 そのまま、甘く激しい夜が始まった。 浴衣の合わせ目が乱暴にはだけさせられ、りとの重く豊かな胸が零れ落ちる。鷲尾はその大きくて柔らかな双眸を両手で夢中にな
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