さつきさんは笑顔だった。にやにやとして、小悪魔的で、とても楽しそう。 一体この顔はどういうことだろうか? 俺の疑問はしかし、さつきさんのこの一言で判明することとなる。 「だって、知ってて黙ってましたから」 声は弾んでいた。嬉しそうだった。 俺は肩を落とし、何故かつられて微笑んでしまう。 「さつきさん……ああ、君はそういう子だったね、そういえば」 「はい! 私、もうすっかりドキドキする楽しさに目覚めてまして、誠二様と一緒にサトラレ征伐するのが楽しくて、楽しくて、楽しくて」 彼女は一呼吸置いて、 「そして何より、誠二様のこと、好きですから」 そう言いながら、ぎゅっと、俺の手を握ってきた。 「さつきさん……」 「私、悪い子なんです」 ウインクするさつきさん。 ああ、確かに彼女は悪い子だ。いい子なんだけど、悪い子だ。矛盾しているようで実は何も矛盾していない。 そして、俺は、そんな彼女が―― 「嫌いになりました?」 とても愛しい。 「嫌い? まさか。俺がそんなことで手のひらを返すような矮小な細菌野郎だと思ったかい? 見くびられたモノだね」 俺はふぁさっと前髪を梳きながら背筋を伸ばし、キラリと歯を光らせて見せた。俺の歯は毎日徹底的に洗っているのでピカピカだ。宝石のようにきらめいている! さつきさんは俺を掴む手に力を込めながらわくわくと目を輝かせている。 なら、その思いに応えよう。 「そう、俺は怖じ気づかない! 俺は諦めない! 一度サトラレを征伐したんだ、何度だって倒してやるさ!」 「そうです! それでこそ誠二様です!」 さつきさんはわかってくれている。それがとても嬉しい。愛しい。 ああ、空は青空じゃないか! なんて清々しいんだ! うん、俺はそういうやつだ。 俺はさつきさんの手を握り返し、それを天に掲げながら雄叫びを上げる。 「ようし、さつきさん! ついこてこい! 早速サトラレ征伐
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