婚約破棄された社内SEですが、私が作ったAIを止めたら元勤務先が崩壊しました 第21話 縁談の真実 十一月の半ば、梓から驚愕の情報が届いた。 「澪、すごいこと判明した。電話できる?」 澪はすぐに折り返した。 「何があった?」 「聞いて。蒼真さんが縁談をしていた財閥系、あれが鷹司グループ関連だったの、知ってた?」 「……薄々は」 「薄々って! なんでそんな落ち着いてるの。蒼真さんが『財閥の縁談』と言ってたの、実は鷹司グループの分家筋の人だったって話が回ってきた。しかも先方から断られた理由が、蒼真さんの業績悪化だって確認が取れて」 「……そうか」 「そして澪は今、鷹司グループのDX推進室にいる。元彼が縁談を求めた一族の会社に、今元彼に別れを告げた女が正規社員として入って活躍してる。これ、運命とかそういうレベルの話じゃない?」 「偶然の連鎖だよ」 「偶然にしてはでき過ぎてる! 澪、鷹司さん本人はこの辺の繋がり、知ってると思う?」 澪は少し考えた。「……たぶん知ってる」 「え、そうなの?」 「採用するときに、私の前職を調べたと言っていた。前職がオーシャン商事で、退職理由が何であれ調べれば出てくる。縁談の話も、グループ内の誰かが知っていてもおかしくない」 「それを知った上で、採用したってこと?」 「知ってたかどうかは分からないけど。採用の理由は、あくまでGitHubのコードを見て、技術力を評価してくれたから」 「それは間違いないと思うけど……澪、鷹司さんに直接聞いてみた?」 「聞けるわけない」 「なんで!」 「仕事の関係で、そんなプライベートなことを」 「プライベートじゃないでしょ。蒼真さんとの関係が鷹司グループと繋がってた話は、採用判断に関わるかもしれないじゃない」 澪は少し沈黙した。梓の言うことは、一理あった。 「……機会があれば、聞いてみる」 「絶対聞いて。というかね、私が一番気になるのはそこじゃなくて」 「何が気になるの」 「鷹司さんが澪を採用したの、単純にGitHubだけが理由なの? っていうこと」 「梓」 「だって、ふたりでこんなに共鳴して、夕食も行ってるでしょ。違うの?」 「仕事の同僚として」 「ほんとに?」 「……ほんとに」
Last Updated : 2026-06-15 Read more