Semua Bab ひみつのお姫さま: Bab 21 - Bab 30

55 Bab

episode20

昼食を終え、展示物も一通り見終えると、2人は水族館内のショップへとやって来た。新が「デートの記念になるものを買おう。」と言い出したからである。ショップへと入ると、若葉は子供のようにイルカのぬいぐるみを手に取り新に見せてきた。「新君、新君!見てください!可愛いです!」 「ホントだね」テンションが上がった若葉の様子に新は笑みを浮かべ見守っている。すると若葉はハッとしてぬいぐるみを元の場所に戻し、顔を赤らめながら新に「スミマセン」と言った。「どうしたの?桜ちゃんが気に入った物買おうよ」 「い、いえ......。大ハシャギしたのが恥ずかしくって......。それに折角ならお揃いになる物が...。い、いえ!やっぱりなんでもないです!」 「......オレとお揃いでいいの?」新がそう尋ねると、若葉はボッと音が出る程顔を真っ赤にして小さく頷いた。そんな若葉の様子に新は「可愛いなぁ」と思いながら、丁度近くにあったイルカのマスコットストラップを手に取った。「それならコレとかどう?カバンとかに付けられるし、色も青とピンクがあるし。......どう、かな?」 「私とお揃いしてくれるんですか......?」 「もちろん!......じゃあコレにする?」 「ハイ!あ、お金......」 「オレにプレゼントさせて?」新はそう言うと、青とピンクのイルカのマスコットを手にして会計へと行った。会計が終わると、若葉にピンクのイルカを差し出してきたので、若葉は「ありがとうございます。」と言って受け取り、早速バッグに付けた。それを新に見せ、「どう、ですか?」と問いかける。「うん。可愛い。桜ちゃんに似合ってる」 「大切にします......」 「じゃあ、オレも付けようかな」新はそう言うとメッセンジャーバッグに青い方のイルカを付けて見せてきた。「どう?」 「フフッ。可愛いです」2人は笑い合うと、水族館を後にした。「水族館、楽しかったね」 「はい。とっても。イルカショー、凄かったですね」 「危うく水かぶるかと思ったけどね(笑)」 「ですね(笑)あれにはヒヤヒヤしました。」 「それじゃあ、ゲーセン行くけど大丈夫?疲れてない?」 「あ、はい!全然元気です!」 「全然元気か(笑)それならよかった。じゃあ行こうか」新はそう言うと若葉の手を取り、繋いできた。「デート
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episode21

ゲームセンターに移動してから、若葉と新は思いっきりハシャギまくった。クレーンゲームで若葉が欲しそうに見ている景品を新がとったり、音ゲーをしたり、シューティングゲームをしたり。時間が過ぎるのが早かった。時計を見ると時刻は17時。新が若葉にそろそろ夕飯でも...と声をかけようとすると、若葉の視線は一点をとらえて固まっていた。...そこにあるのはプリクラである。「桜ちゃん、プリクラ撮りたいの?」 「え!いえ......その...私撮ったことなくて......」 「え、撮ったことないの?可愛いから皆に誘われそうなのに」 「...ゲームセンター自体来ないから......」 「あ。じゃあさ、記念にオレと撮らない?」 「え......?」 「ホラホラ。行こう!」そう言うと新は若葉の手を取りプリクラ機の中へと入っていく。お金を入れ新は慣れたように操作していく。......「プリクラって女子が好む物だよな。手馴れてる」と若葉は若干気が落ちたのを感じた。新はそんな若葉の様子に気づくことなく、「ホラ、笑って笑って!」と肩を抱きカメラを見る。若葉はそんな新にドキッとして顔を赤らめながらカメラを見る。何回かシャッターを切られると、ラクガキコーナーへ!とアナウンスが流れる。2人はそのアナウンスに顔を見合わせる。「オレ、ラクガキした事ない(笑)」 「え?!ど、どーするんですか?」 「無しでいっか!」そう言うとラクガキを終了させシンプルなプリクラが出来上がる。そのプリクラを半分こにすると、新は若葉に片方を渡してきた。「はい!今日の記念の1枚!」 「凄いシンプルですね(笑)」 「まぁ、いいじゃない?(笑)そろそろ夕飯でも食べいかない?」 「いいですね」 「ワックでもいい?デートで行く感じのとこじゃないけど、無性に食べたくなっちゃった(笑)」 「フフッ。いいですよ」そうして2人はワックで夕飯を済ませ、帰るまで少し歩くことにした。「今日、どうだった?」 「凄い楽しかったです。水族館も、ゲームセンターも!」若葉はくるりと新へと振り向きながら言った。すると新は若葉の手を引き、そのまま抱きしめた。「あ、新君?!」 「ごめん。ホントはもっと早く言わなきゃダメだったのに、こんなに引き延ばして、試すようなことして。また傷つくのが怖いから言えなかった。......だから
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episode22

「え......コレってOKってことで......いいの?」 「......嫌いなヤツにこんなことしない」 「!若葉......!!」 「?!ちょ!」若葉からの返事に感極まった新は、嬉しさのあまりに思いっきり若葉を抱きしめた。伝わってくる鼓動にこちらまで心臓が跳ね返ってしまうのではないかと思う若葉であった。「そ、それはそうと......なんで中2の頃からオレを避け始めたんだよ?」 「そ、それは......若葉もオレと同じ高校行きたいって言ってくれるんじゃないかと思ってたから......。正直ショックで......」 「......それだけ?」新の返答に若葉は思わずポカーンとしてしまった。そんな若葉の感想に新は口を尖らせブーたれてしまった。「あの頃のオレに桜ヶ丘なんてとても行ける頭なかったし、共学だから彼女とか出来るんじゃないかと不安になったんだよ」 「の割には海里男子は合コンが好きらしいじゃないか」 「?!な、なんで知って......」 「有名な話しらしいじゃん。他校の女子としょっちゅうしてるって。そりゃこんなにデートのエスコートが上手いわけだ」 「ち、違うって!オレは人数合わせに行ってるだけ!エスコートも何度もシュミレーションしたからで......!」若葉の言葉に必死になって新は弁明した。「オ、オレは!ガキの頃から若葉一筋なんだよ!」 「え......?」若葉は新のまさかの告白に目を見開いて彼を見た。子供の頃からと言うと、若葉ごコンプレックスの女顔の事をからかわれていた頃からと言う事だろうか。その頃の若葉の新への印象は自分を助けてくれる"ヒーロー"で、自分にはない男気のある"憧れの存在"であった。「......ほ、本当に子供の頃から......?あの頃、泣くなってオレのこと叱ってたじゃないか。メソメソすんな、強くなれって」 「あれはお前に自信持たせたかったんだよ。女顔だからからかわれてるんじゃないって」 「え?女顔だからだろ?」 「ハァー。鈍いな。アイツら若葉の事好きだったから、からかったりしてたんだよ。ま、泣かすのは間違ってるけどな」数年越しの真実に驚きを隠せない若葉であった。「ま、アイツらのお陰で若葉はオレにベッタリになってくれたわけだし、そこは感謝かな?」 「べ、別にベッタリじゃねぇだろ!」 「いーや。ベッタ
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episode23

「新、これからウチ来ない?ウチの両親、オレらのこと心配してくれててさ」 「え、いいのか?」 「うん。むしろ来て欲しい」若葉がそう言うと新は笑みを零し、「分かった」と応えた。その返事に若葉は安堵すると、新の手を取った。新は取られた手を握り返し、若葉に笑いかけた。「おじさんとおばさんに若葉をもらいますって挨拶しなきゃいけないもんな」 「そ、そんね嫁にもらいに来るみたいな事を......」 「ん?オレはそのつもりだよ?そのくらいオレは若葉にゾッコンってこと」 「...ゾッコンって死語じゃね?」 「細かいことは気にしない!ホラホラ!行くぞ!」2人は手を取り合って若葉の家へと帰る。帰路に着いている最中にも、離れていた時間を取り戻すかのように色々な話しをした。「そっか。若葉のクラスメイトはいいヤツばっかりなんだな」 「でも、たまに体育の授業から教室に戻ると、制服が女子用にすり替えられてたり、悪ふざけするヤツもいるけどね」 「......そういうときどーすんの?」 「オレも開き直ってその制服着て次の授業受けたりもするよ。結構な頻度だから先生達もオレのことを女子生徒扱いしてくるよ(笑)」 「......進学校ってウソだろ......」 「勉強には力入ってるよ。宿題も毎日出るしね」そんな話しをしているうちに2人は若葉の家へとたどり着いた。「うー。久々すぎてなんだか緊張してきた......」 「大丈夫だよ。特に母さんは新に会いたがってたし」若葉はそう言うと玄関のドアを開け「ただいま」と家の中に声をかけた。すると家の中からパタパタという足音が聞こえてきて若葉の母が姿を現せた。「おかえりなさい若葉......って!新君?!まぁまぁ!久しぶりね!イケメンになっちゃって!身長も伸びたわね。今何センチ?」 「お久しぶりです。ありがとうございます。今は......175cmくらいですかね?」 「ほ、ホラホラ!立ち話ししてないで家に上がろうよ!ね?」新と母が久々の会話に玄関先で花を咲かせようとしたので、若葉は「早く家に上げて」と言うのであった。「それじゃあ、新君。改めていらっしゃい。若葉の部屋に行くよのよね?お菓子とジュースを持って行くからゆっくりしていってね?」母にそう言われ、若葉と新は若葉の部屋へと向かった。「お父さん。若葉が新君連れて帰ってき
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episode24

「ねぇ、若葉。桜ちゃんも好きだけど、若葉にも会いたいな」そう言われれば叶えないわけにはいかない。若葉は新に「ちょっと待ってて」と言うとメイクを落としに洗面所へ行き、メイクを落とすのとついでにウィッグも外す。そして軽く髪の毛を整えて、普段着に着替える。全ての準備を終え自室へと向かうと、部屋の中から新と母の声が聞こえてきた。「えぇ!じゃあ新君、合コン誘われても若葉の事想ってるから断ってたって事?!もぅ、ウチの子ったら罪作りなんだからぁ!」 「人数合わせに参加させられてはいました。でも若葉はオレにとって大事な初恋相手ですからね。......疎遠になっちゃったのをかなり後悔してて、何かきっかけが無いか模索してたんですよ。実は。」 「あの子もだいぶ落ち込んでたのよ。......新君のこと忘れるかのように勉強ばっかりしてて......。ほら、あの子、新君以外に仲のいい子あんまりいなかったから、遊びに行くこともなくなっちゃったからね。」 「......そうだったんですね」 「だから、だいぶ悲しい中学時代だったと思うわ。高校に上がってからは友達も出来てかなり安心したもの」 「ちょっと!母さん!新に何吹き込んでるの?!」 「あら。おかえりなさい。何よもう。聞き耳たててたの?入ってくればよかったのに」 「なかなか入りにくい空気だったんだよ!」 「......若葉、あんまり変わってないな。メイク落としたら中学時代の若葉をそのまま大きくしたみたいな......」 「少しって何?!どうせ新と違ってチビだよ!」若葉はそう言うと、母に「母さんはいいから出てって!」と言い追い出そうとする。「何よー、もう少しいいじゃない」と笑う母だったが、「まぁ、あとはお若いお2人で楽しんでちょうだい♩」と言いながら若葉の部屋から出て行った。「全くもう!2人して何話してんだよ......」 「いいじゃん。おばさんも変わりなくて安心したよ。若葉、ますますおばさんに似てきたんじゃない?」 「それ、女装した時に父さんに言われた。若い頃の母さんそっくりだって。」若葉はそう言いながらベッドに腰かけている新の隣に座った。「隣は積極的すぎたか?!」と思ったが、そんな若葉を他所に新は若葉を抱きしめてきた。「?!新?どうした?」 「んー?いや、久々の若葉だーって思ったら嬉しくなっちゃって」 「.
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episode25

週明け、学校へ行くと、クラス委員長を筆頭に市川さんと増田さんが若葉の元へと駆け寄ってきた。どうせ話しの内容はイヤでも察しがつく。「佐倉君!デート!デートどうだった?!」 「もちろん、可愛いって言わせたよね?!」 「結果!早く結果を教えて!」女子さんにんの勢いは凄まじく、圧倒される程であった。...お世話になった事だし、男同士というのもあり、引かれることを覚悟して報告することにした。「デートは......成功だよ。まぁ、実は最初から"桜ちゃん"の正体はオレだってバレてたらしい。それでもずっと好きだったって......」 「マジ?!バレてたっていつから?」 「学園祭の時」 「それでいて気づかないフリしてたってこと?」 「好きだったっていつから?再会してから?」 「ううん。......それが子供の頃から......らしい」 「「「甘酸っぺぇー!」」」女子が恋バナが好きだと言うのは真実らしく、3人のテンションが尋常じゃない程爆上がりしている。そんな高いテンションだったせいで、他のクラスメイトもなんだなんだと会話に入ってきた。「なになに。とうとう佐倉に彼氏でも出来たん?」 「マジ?どんな男よ!ウチの"桜ちゃん"に手を出した不埒もんは!」 「手を出されたのは"佐倉君"だよ」 「ハ?男ってわかってて付き合うのか?!BLマンガか!」 「いや、佐倉相手じゃ仕方ない」 「仕方ないってなんだよ!」 「吠えるな吠えるな(笑)可愛いんだから自信持って彼氏と幸せになれや」 「その彼氏って、ナンパから助けてくれたヤツだろ?幼馴染みなんだっけ?」......このクラスは男女問わず恋バナが好きらしい。男子からも口々に話しかけられるのであった。「でもさぁ、正体わかっててバレてないフリしてくれるのってもう愛じゃね?」 「わかる!佐倉君を傷つけまいという思いからくる行動よね!」 「そ、そういうもんかな......?」若葉は盛大に盛り上がっている教室の中で、今では話題の中心になってしまっているが、そのテンションについていけず、困り気味になった瞬間、しぎょうのチャイムが鳴った。若葉はこれ幸いと皆に席に戻るよう促し、自身も安心して席に着いた。
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episode26

今日1日、若葉は話題の中心になっていたせいで放課後まで疲れがとれなかった。そんな面持ちで帰り仕度をしていると、女子達が「キャーキャー」と騒いでいるのに気づいた。何事かと思い聞き耳を立てていると、どうも校門に海里男子のイケメンがいると言う内容が入ってきた。若葉はとっさにスマホを取り出し、LINEを確認すると、登録したばかりの新からLINEが入っていた。内容は簡単にまとめると「迎えに行くから一緒に帰ろう。校門で待ってる。」と言うものだった。若葉は急いで仕度を終わらせると、マッハで玄関へ行き、靴を履き替え、新の元へとダッシュした。「ハァハァ......あ、新!」「!若葉!走って来なくても良かったのに」「いや、LINEに気づかなかったから...待たせたと思って......」「大丈夫だよ。さ、帰ろう」そう言うと2人は中2以来に一緒に下校した。学校が違うため、道中の話題は尽きない。そのため、若葉はクラス中が自分達の関係を知っていることについ触れてしまった。「......というわけなんだ。ごめん」「なんで?別にいいよ。オレってば若葉の両親だけじゃなくて自分の家族に、若葉のクラスメイトからも公認になったんだ。うれしい」「うん。......うん?今なんて?」「?だから公認になれたって......」「その前。オレの両親と......え?新の家族?」「あぁ、言ってなかったけど、ウチの家族、オレが若葉のこと好きなの知ってるから。もちろん唯も。」「唯ちゃんも?!」若葉は頭が痛くなりこめかみをおさえる。新は「大丈夫か?」と顔を覗き込んで来るが全然大丈夫ではない。「そだ。ウチの家族も若葉に会いたがってたから今日、ウチで夕飯たべてかない?」「え?悪いよ......急だし......」「大丈夫!母さんには若葉連れてくるって言ってあるから」「オレの返事待たずに......」「ごめんごめん(笑)」「......はぁ。わかった。行くよ」若葉はそう言うとスマホで母に連絡を入れたが、もう既に「新君から聞いたから大丈夫よ」と返されてしまった。どうやらオレの彼氏は彼氏様らしい...。そう若葉は思った。
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episode27

「ただいま」 「お、おじゃまします」新の家に着くと、若葉は久々過ぎて心臓が飛び出るんじゃないかと思うくらい緊張していた。家に入ると、バタバタと2つの足音が聞こえてきた。「おかえりなさい!若葉君久々ね!まぁまぁ!少し男の子らしさが増したんじゃない?」 「久しぶり若ちゃん!唯のこと覚えててくれてる?会いたかったよ!お兄のせいで会えなくなって......寂しかったんだよ?」怒涛の勢いで、新母と唯が詰め寄ってきた。久しぶりにも関わらず、2人とも歓迎してくれているようで若葉は喜んだ。「お久しぶりです......おばさん、唯ちゃん」 「ちょっと2人とも......詰め寄りすぎ、近すぎ。離れて」 「んもぅ。いいじゃない。」 「そーだよ。お兄ばっかり若ちゃん独占してズルい」 「当たり前だろ。"恋人"なんだからな」 「若ちゃん!お兄でホントにいいの?唯のが絶対幸せにしてあげられるよ?!」 「唯ちゃん?!」唯も新に負けず劣らずで若葉のことが好きであった。巴家で唯一、若葉と新の交際に文句を付けたのが唯である。「若ちゃんはねー、唯にとって王子様なんだよ!イジメられてた唯をカッコよく庇ってくれたの!」 「その後にソイツらのことボコったのは兄であるオレだぞ」 「それでも!あの時の若ちゃん、カッコよかったなぁ......」 「唯ちゃん、オレは何もしてないよ?」 「そーだそ唯。それにこのままオレ達の関係を素直に認めれば、大好きな若葉はお前の兄になる」新の言葉に唯は一瞬考えたように固まったが、意識を取り戻すと、「でも!」と声を上げた。「唯は若ちゃんのお嫁さんになりたいのー!」 「まぁまぁ。その話は置いといて。2人とも上がりなさいな」 「いーやー!若ちゃんは唯のー!」 「いいえ。オレのです。唯のじゃありません」 「ぶー!」賑やかな巴家の様子に、若葉は「フフッ」と笑みを零した。「オレは新も唯ちゃんも大好きだよ?」 「若葉......」 「若ちゃん......」 「だからケンカしないで、ね?」 「ほらほら。夕飯まで時間あるから新の部屋でゆっくりしていて?唯も若葉君困らせてないで準備手伝って」そうして若葉と新は夕飯まで新の部屋でゆっくりして、夕飯をいただき、時刻が21時を回る頃に若葉は巴家をお暇することにした。「夕飯、ご馳走様でした。美味しかっ
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episode28

「送ってくれなくてもいいのに」「いいの。夕飯の時、唯がベッタリだったからな」「......ヤキモチ?」「......悪い?」若葉の言葉に新はブスっと応えた。「そーだ。お願いがあるんだけど」「?なに?」「今度の放課後、制服デートしない?」「制服デート?一緒に帰ってる時点でしてるようなもんじゃない?何か特別な事でもすんの?」「それなんだけどさ......。クラスのヤツに恋人出来たって言ったら見せろ見せろうるさくて......。この間のプリクラ見せたんだけど、そしたら会わせろって言い出してさ......」「......つまり、"桜ちゃん"でデートして欲しいってこと?」「うん。......ダメ、かな?」「気乗りはしないけど......。クラスの女子に制服借りれたらいけなくはない......かな?」若葉はそう言うとスマホを取り出しクラス委員長にLINEをする。彼女の事だ。今回のこの話も面白がってノリノリで話を受けてくれるだろう。そう思っていると、彼女から即「OK」の返信が来た。「......若葉、こういう時決断早くて男らしいよな」「だって新断れないんだろ?一応オレも関わってるみたいだし、協力くらいするって。日取り決まったら教え......」「......今ソイツからLINE来たんだけど、明後日バイト休みだからその日にしてくれないかって......」「......急だな…...。わかった。伝えておく」若葉はクラス委員長に追記のメッセージを送ると、彼女からの返信を待つ。すると、そんなに間を置かずに「明日予備の制服持って行くから、サイズの調整しよう。」と返信が来た。彼女には今度お礼をしなくてはならないな。そうこうしている間に、若葉の家の前までたどり着いたので、若葉は新にお礼を言って家に入ろうとした。その時だった。新に手を掴まれたため何事かと振り返った次の瞬間、新が掴んだ手を引き抱きしめてきた。そしてそのままキスをしてきたのだった。若葉は思わず固まってしまっていると、新は若葉の頭を"ポンポン"と触れ、「おやすみ」と言って帰って行った。若葉は顔を真っ赤にしながらヘナヘナとその場にしゃがみこみ、「ズルすぎるだろ、それは...」と呟いて項垂れるのであった。
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episode29

「さて!佐倉君。お願いされた通り、今着てない制服持ってきたわよ!」「......委員長、なんでそんなノリノリなのさ......」翌日の昼休み、昼食をとり終えるとクラス委員長が女子制服一色を持って若葉の元へとやって来た。クラス委員長と若葉は同じ165cmでそれに加え若葉は筋肉のつきにくい華奢な身体つきなのでサイズ調整は必要無いであろうが、準備しておくことに越したことはない。「お!なんだ佐倉。女装に目覚めたか?」「新たな扉開いちゃった系?」「ち、違う!これにはわけが......」若葉が男子達からからかわれていると、クラス委員長が咳払いをし注目を集める。「ハイハイ!皆落ち着いて!佐倉君は彼氏君のために女装する!以上!」「なんか面白い事になってんな」「......面白がらないでよ」「良いじゃねぇか。世の中多様性なんだし」「そーそー。多様性多様性!」1-3の教室が若葉を中心として賑わい始めている。その様子に教室の前を通る他のクラスの生徒達も「なんだなんだ?」と注目してくる。そんな中でスカートに足を通すのが躊躇われるのだが、サイズの確認をしない訳にはいかない。若葉は「えぇい、ままよ!」とスカートを履きズボンを脱ぐ。そして、そこまでしなくてもと言ったのだが、皆に「せっかくだから!」と女子制服のリボンまで着けさせられた。すると周りから「足キレイ」「女子にしか見えない」「彼氏君が羨ましい」などなど、声が上がった。男女問わず様々な視線を送ってくる中、若葉は不意に変な視線を感じた。一瞬であり、視線の元を探そうにも人集りが出来ていて確認する事は出来なかった。まぁ、気にする事はないか。と若葉は思い直し、クラス委員長のスカートがジャストサイズである事に複雑な思いを抱いた。それはクラス委員長も同じだったようで、「なんで男子のクセに私のウエストサイズがピッタリなのよ......!!」と落ち込んでいた。「佐倉君、腰細ー。学園祭の時、別に男性用のコスプレ衣装じゃなてもよかったじゃん?」「いやいや。学園祭の佐倉君の衣装は殆ど手作りよ」他のクラスの女子の問いかけに若葉のクラスメイトが応える。そのクラスメイトは「サイズが殆ど女子と変わりなかったのよねぇ......」と遠い目をした。そんなクラスメイトに若葉はなんだか申し訳なく感じ、「な、なんかごめん......?」と謝るのであ
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