Masuk子供の頃からの幼馴染みである佐倉 若葉と巴 新。頭の良い若葉は偏差値の高い共学校へ。頭の悪い新はバカ校で有名な男子校へと進路が分かれた。 ある日、若葉の学校で学園祭が行われた際、若葉は女子の企みにより、女顔を活かした女装をして"桜ちゃん"として客引きをする羽目に。その時、運悪くナンパされ困っていたところ、友人と遊びに来てはぐれてしまった新が助けに入る。若葉は助けてくれた新に礼を言おうとすると、新に両手を握られ、お礼に土曜日にデートしてくれと頼まれてしまう。なんと新はメガネをかけていない若葉を桜ちゃん=若葉だと気が付かなかったらしくって-?!
Lihat lebih banyak幼い頃から自分の女顔がコンプレックスだった。何度その顔に対してからかわれた事だろう。からかってくる奴が大半だった中で、幼馴染みである新だけは違った。いつも通り「女男」とからかわれて泣いている中、新はオレの前にバッと出て「そういうのやめろ!」と庇ってくれた。
「お前らのそれは虐めなんだぞ!やめてやれよ!」
「な、なんだよ!事実じゃん!」いじめっ子がくって反論すると新は「ハァ」とため息をついた。
「そう言ってお前、若葉の事好きなんじゃねーの?」
「バッ......!!んな訳ねーだろ!バーカ!もう行こうぜ!!」新の言った事が本当かどうかはわからないが、いじめっ子は顔どころか首まで真っ赤にして取り巻きを連れて去っていった。その様子を見て、新は「ダッセーの」と言ってオレに向き合った。
「お前も言われっぱなしはやめろよな。男だろ?ベソベソ泣くのもよくねぇよ」
「ご、ごめん......」オレは涙をゴシゴシと拭い新に向き合った。
「新、いつもありがとう」
そう言いながら新に笑いかけた。すると新は顔を赤くしてそっぽを向きながら「おう」と返事をした。
「実はオレ、最近目が悪くなったからメガネする事になったんだ。顔も隠せるようになるからこういうの無くなると思う。......多分」
「若葉、本読んだり、勉強したりするの好きだもんな。でもオレ達まだ小2なのにメガネか...。ずっかけるのか?」 「うん!もう顔でからかわれるの嫌だし」 「ふーん......。可愛いのにもったいない......」 「え?」新の最後の言葉は小さくボソッと言ったためオレは聞き取れなかった。だから聞き返したのだが、「何でもねぇ」と言われ追求するのをやめた。
「ホラ!もう夕方だし帰ろうぜ!」
「ホントだ。夕日キレイ」 「...さっきまで泣いてたくせにのんきな事言うよな」 「ごめんごめん」新は「ホラ」とオレに手を差し出してきたので、オレはその手を握り、手を繋ぎながら家路についた。明日は土曜日なので両親とメガネを買いに行く事になっている。休み明けにはメガネをして登校する事になるから、もう意地悪を言われる事は怖くない。メガネはオレにとってお守りのような役割りになるのだと思うと、心強く感じるのであった。そうして、その休み明けからメガネを外すことはなくなったので、だんだん皆オレの女顔に対して何か言ってくる奴はいなくなったのであった。
「え?若葉お前桜ヶ丘行くのか?」月日が流れ、オレ達は高校受験を考える中2になった。オレと新はオレの家で宿題をしながら進路の話をしていた。
「桜ヶ丘って偏差値高ぇ共学の進学校じゃん」
「担任がオレの成績なら問題ないって。それに、オレ大学行きたいし」 「......ふーん」 「新は?どこ志望なの?」 「オレの成績だと海里男子しか行けねぇよ。名前書けば受かるバカ高」 「今から頑張ればもう少し上行けるんじゃない?」オレがフォローを入れると新はぶすっとした顔をして黙り込んでしまった。「あ、新......?」と呼びかけると、新はそのままテーブルの上を片付け始め、帰り支度をする。そしてそのまま立ち上がり部屋から出ようとした。
「待って新!どうしたの?オレ何か気に障るような事言った?言ったなら謝るから教えてよ!」
オレがそう言って新を呼び止めると、新はドアノブに手をかけたまま振り返ってオレを見た。
「新......?」
「......おれは、若葉もオレと同じ高校に行きたいって言ってくれると思ってた。でも違ったんだな。」新の声音は暗く、落ち込んでいるようだった。
「......学校が違っても会うことは出来るよ?オレ達幼馴染みなんだからいつでも......」
「それじゃあ意味ねぇんだよ!!」 「......新......?」急に声を荒らげた新にオレは困惑するしかなかった。いつも明るくて、オレに対して笑顔を向けてくる優しい新からは想像がつかなかった。オレが固まってしまっていると、新は「...悪い」と言いオレに背を向け下を向いてしまった。
「......オレ頭冷やしたいから、暫くオレに話かけないでくれ。......じゃあな」
新はそう言うと帰ってしまった。オレは何が悪かったのかわからなかった。...そしてわからないまま年月日が流れ新と口をきかないまま中学を卒業し、高校入学となってしまった。オレは志望通り桜ヶ丘へ。おそらく新は海里男子へ。連絡先交換もしていないから自然と新とは疎遠になってしまったのであった。
「なぁ、ヤバくねぇか?"桜先輩"!」「めっちゃ美少女だったよな!生徒会にはあんな美少女がいるのか......。お近付きになりたい」「お前じゃ無理だろ!......っと、サーセン!」「ううん。こっちこそごめんね?」「......て、ウェエ?!も、もしかして"桜先輩"ッスか?!」「?そうだよ?......あぁ、新入生歓迎会では"女装"してたもんね?ごめんね、オレ"男"だから」春になり、新学期。若葉は2年生となり、生徒会の一員となっていた。新入生歓迎会では、同じく生徒会入りをしたクラス委員長により"桜ちゃん"として参加した。お陰で新入生の間では「超絶美少女」として話題を掻っ攫っていた。「あ、あの、桜先輩!」「あぁ、違う違う(笑)確かに"さくら"だけど、オレの名前は"佐倉"。"佐倉 若葉"」若葉はそう言うとノートの表紙に書かれた名前を見せた。「さ、佐倉先輩!オレ達生徒会目指してて......」「入学したばかりなのに熱心だね(笑)」「ふふっ」と若葉が笑うと新入生の2人は顔を真っ赤に染め上げたそして心の中で、「可愛いすぎるだろ!女装してなくてもこの破壊力か?!」「佐倉先輩...ファンクラブでもあるのか?無きゃ作るぞ?!」と叫んでいた。「あ、ごめんね。オレもう行かなきゃ」「足止めしてスンマセン!」「あぁ、そうだそうだ。」「「?」」若葉はくるりと新入生に振り向くと人差し指を口に当て、「"桜ちゃん"の事は秘密にね?」そう言う「シー」と言って新入生を置いて去ろうとした。しかしその時、スマホの着信音がなり、スマホを見ると、新からのLINEが入っていた。そこには「校門で待ってる」とメッセージがあった。若葉はニヤつきが抑えきれず、スマホで口元を隠した。「あら?佐倉君。まだいたの?"彼氏"が待っているわよ?」「「か、彼氏ぃ?!」」「ちょ、委員長......」「もう委員長じゃありませーん!」「ごめんごめん、樋口さん」「ウム。よろしい。して、そこの新入生は大丈夫かな?」クラス委員長...もとい、樋口が声をかけると、新入生2人は銅像のように固まってしまった。「女装の事も彼氏の事も秘密にしてね?」若葉はウィンクをしてその場を去って行った。いち早く新の元へと行くためにーー。
「美味しかったね。こんなお店があるなんて知らなかった」 「なんでも隠れ家的なお店らしいからね」「気に入ってくれて良かった」新がそう言うと、イルミネーションで彩られた並木道を2人で歩いた。これからこのまま家に帰るのだろうか。少し名残惜しい。若葉がそんな事を考えていると、新は若葉の手を引き、「こっち来て?」と裏通りに入っていった。そこはとても静かで、先程までいた街並みとは打って変わった場所であった。少し歩くと階段が現れ、それを登ると、そこには見事な夜景が広がっていた。「うわぁ......キレイ......」 「オレのとっておきの場所。いつか若葉を連れて来たかったんだ。......若葉」 「ん?......これ......」新は若葉の名を呼ぶとプレゼントである指輪を取り出した。「中学の時、自分勝手に突き放しちゃってごめん。これからは隣でオレと一緒に生きて欲しい。......もし、了承してくれるなら、これを受け取ってはくれませんか?」新のこれはプロポーズと言っていいだろう。それに若葉は涙をハラハラと流しながら何度も何度も頷いた。「......オレで良ければ、新と一緒にいさせて下さい......!!」 「若葉じゃなくちゃダメなんだ」新は若葉の返事に安堵すると指輪をケースから取り出し若葉の左手を取ると薬指にはめた。しかし、最後の最後で決まらなかった。指輪のサイズが少しブカブカだったのだ。「......嘘だろう?」 「ふっ......あははっ!」 「カッコつかないなぁ......恥ずかしい......」 「そんな事ないよ?嬉しい」 「......今度チェーンネックレスでも買いに行こうか」 「ふふっ......そうだね」「それじゃあ、オレも」そう言うと先程購入した腕時計を新に渡した。「そう言えば、意味がどうのこうのって言ってたよね?一体なんなの?」 「それはね......"同じ時を刻もう"、"末永く一緒に"だよ」 「ま、まるでプロポーズみたいな......!」 「それを言うとオレは指輪だよ?......ちょっと重いかなって心配だったんだけどね......」新はそう言うと若葉の左手薬指で遊ぶ指輪にそっと触れた。「重いなんて......そんな事ないよ。とっても嬉しい。チェーンネックレス買ったら毎日つけなきゃ!」「お守りだね!」そう言う
新のエスコートは完璧だった。まずはオシャレなカフェでお茶をしながら2人きりの会話を楽しみ、時間を見てそのままお昼のメニューを注文する。そして食事を終えると、今話題の恋愛映画を観に映画館へ。ポップコーンとジュースを買い席に着く。映画の内容はありきたりな物ではあるが、若葉の涙を誘うのには十分だった。映画が終わると、新は若葉にハンカチを差し出してくれた。「本当涙脆いよね。まぁ、そんな所も可愛いんだけどね」 「!......バカ」何ともまぁバカップルのようなやり取りである。その後はショッピングモールでウインドショッピングを楽しんだ。そこで、若葉はプレゼントを用意していない事思い出した。若葉は思い切って新にプレゼントの要望を聞くことにした。「あ、あの新......」 「?なに?若葉」 「じ、実はね、オレ、色々あったからプレゼント用意できてないんだ。だから......」 「プレゼントなんて。別にいいんだよ?こうしてデートしてくれてるだけで幸せだからさ」 「それじゃあ、オレの気がすまないよ!......何か欲しい物でもない?サプライズにならないのは......ゴメンだけど......」 「んー......そうだなぁ......あ」 「?」新は周囲をキョロキョロと見渡すとカッコイイ腕時計が目に入った。値段もお手頃でおねだりしやすい。「若葉、あの腕時計とかどうかな?」 「わ!カッコイイ!新に似合いそう!オレ、これプレゼントしたい。いい、かな?」 「もちろん。若葉から贈られる事に意味があるんだよ」 「意味?」 「それは後で教えてあげる」 「?じゃあ買ってくるね!」そう言うと若葉はショップへと駆けて行った。若葉は一体どう言う反応を示すだろうか。恋人が腕時計を贈る意味。それは「同じ時を刻もう」「末永く一緒に」。新は若葉が戻ってくるのを今か今かと待ちわびた。「新!お待たせ」 「おかえり。プレゼント交換はディナー食べてからにしよう?イタリアンのお店予約してあるんだ。お手頃だけど美味しいって噂なんだ」 「わっ!楽しみ!」 「それじゃあ、時間も丁度いいし行こうか」そうして2人は手を繋ぎながらディナーへと向かって行った。
ヤバい。マジでヤバい。出かけ間際になって唯に自分も連れて行けとグズられてそれをかわすのに時間がかかった。スマホで時間を確認すると時刻は10時20分。いくらなんでもこんなに遅刻してしまうとは...。急いで時計台の近くのベンチへと向かうと、なんと、若葉が田辺と巻に絡まれているではないか。巻の手が若葉の髪に触れようとしたのを見て頭に血が上り、巻の腕を掴んだ。「......おい、何してんだよ」「新じゃねぇか。てことはやっぱり桜ちゃんかぁー。髪バッサリいったね。服装もだいぶボーイッシュ......と言うかメンズ物?」「......あ、あの、コレは......」「コイツの名前は"佐倉 若葉"。男でオレの恋人に間違いないよ」若葉は新が自分の事を隠しもせずに友人に紹介したのに驚いた。すると巻が合点がいったようで、「やっぱりか」と言った。「やっぱりって?」「いや、桜ちゃん、カンペキに女の子だったんだけど、なんとなく違和感みたいなのがあってさ。納得納得」「えぇ!桜ちゃんおとこの娘だったって事?!クオリティ高ぇよ!てか男の子の格好でも可愛いなんて......」「......引かないんですか?」「「え?」」若葉は俯きながら小声で2人にそう問うた。2人は目を丸くしてパチクリさせると、「あははっ!」と笑い声を上げた。「引く訳ないじゃん!可愛いは正義よ?それに今は同性カップルなんて珍しくもないでしょ!」「そうだよ。えっと、若葉君。オレ達は新の選んだ人に間違いないと思っているから」「だから安心して?」と言う田辺と巻の言葉に若葉は目をうるうると潤ませた。その様子に2人はギョッとして慌て始めた。「わ、若葉君?!どうしたの!泣かないでぇ!」「だ、だって......こんな風に言って貰えるなんて思ってなかったから......。嬉しい。......ありがとう」目を潤ませ笑みを浮かべながら礼を言う若葉に、2人は胸を"ズキューン"と撃ち抜かれたようで、顔を真っ赤にした。「ヤベェ......。可愛すぎるだろ......。若葉君どう?今から新をやめてオレと付き合って痛ェ!!」「せっかく良いヤツらだと思って黙って話を聞いてたのに、今ので台無しだよ。それにオレと若葉は別れる予定は未来永劫来ない!それより!オレ達はこれからデートなの!邪魔すんな!お前らはどうせ合コンだろ?」新がそう
13時を回る頃、若葉はクラス委員長に客引きへと行くように命じられた。衣装係の女子と共に着替え教室へと入り、準備段階から予定していたピンクのゴスロリ衣装へと着替える。着替えが終わり軽くメイク直しをしていると、先に客引きをしていた執事コスの男子生徒が入ってきた。「おつー。おう、桜ちゃんの出番ですか。マジ可愛いな(笑)この格好だとお姫様みたいでええやん!」「...今日だけはありがとうと言っておく。」「ホントは嬉しいくせにぃ。そだ、1枚写真撮ろーぜ!」「1枚につき1万な。」「高ぇ(笑)」男子生徒はそう言うとメイクをしていた女子生徒にスマホを渡し、2人のツーショットを撮ると、男子生徒は「サ
出し物が決まった翌日のホームルーム。さっそく若葉は女子達の着せ替え人形と化していた。どこから持って来たのかという程の大量の衣装達。様々なメイド服やゴスロリ、チャイナ服まで。ウィッグもロングを中心にいろんな髪型が揃っていた。「...チョット、まさかコレ全部オレが着るわけ...?」と、着せ替えが始まる前、若葉が恐る恐るクラス委員長に尋ねた。すると、彼女は目をこれでもかと見開き、「何を言っている?」と言わんばかりの表情を浮かべた。「佐倉君。クラス優秀賞は君にかかっていると言っても過言では無いのよ?そのためにはお客様に喜んでもらえるようにいろんな姿を見せる必要があるの。おわかり?」「...わ
学校行事の花形と言えば、学園祭だ。1年生にとっては入学して初めての学園祭なので、どのクラスもテンションが尋常でなく上がっていた。それは若葉のクラスも例外ではなく、出し物を何にするかで白熱していた。若葉はさほど興味がなく、ぼう、と外を眺めていた。だがそれがよくなかった。気づいた時には、出し物は喫茶店。若葉の担当はホールキャスト。若葉は血の気がサァっと引き、大声で「ムリムリ!」と声を上げ立ち上がった。しかし、クラス委員長はそんな若葉の元へと行くと、ヒョイっとメガネを取り上げた。「佐倉君。君の可愛らしさを活かして是非とも客寄せパンダになっておくれよ。大丈夫。当日は可愛らしさを倍増させてあげるから
幼い頃から自分の女顔がコンプレックスだった。何度その顔に対してからかわれた事だろう。からかってくる奴が大半だった中で、幼馴染みである新だけは違った。いつも通り「女男」とからかわれて泣いている中、新はオレの前にバッと出て「そういうのやめろ!」と庇ってくれた。「お前らのそれは虐めなんだぞ!やめてやれよ!」「な、なんだよ!事実じゃん!」いじめっ子がくって反論すると新は「ハァ」とため息をついた。「そう言ってお前、若葉の事好きなんじゃねーの?」「バッ...!!んな訳ねーだろ!バーカ!もう行こうぜ!!」新の言った事が本当かどうかはわからないが、いじめっ子は顔どころか首まで真っ赤にして取り巻き