LOGIN子供の頃からの幼馴染みである佐倉 若葉と巴 新。頭の良い若葉は偏差値の高い共学校へ。頭の悪い新はバカ校で有名な男子校へと進路が分かれた。 ある日、若葉の学校で学園祭が行われた際、若葉は女子の企みにより、女顔を活かした女装をして"桜ちゃん"として客引きをする羽目に。その時、運悪くナンパされ困っていたところ、友人と遊びに来てはぐれてしまった新が助けに入る。若葉は助けてくれた新に礼を言おうとすると、新に両手を握られ、お礼に土曜日にデートしてくれと頼まれてしまう。なんと新はメガネをかけていない若葉を桜ちゃん=若葉だと気が付かなかったらしくって-?!
View More「なぁ、ヤバくねぇか?"桜先輩"!」「めっちゃ美少女だったよな!生徒会にはあんな美少女がいるのか......。お近付きになりたい」「お前じゃ無理だろ!......っと、サーセン!」「ううん。こっちこそごめんね?」「......て、ウェエ?!も、もしかして"桜先輩"ッスか?!」「?そうだよ?......あぁ、新入生歓迎会では"女装"してたもんね?ごめんね、オレ"男"だから」春になり、新学期。若葉は2年生となり、生徒会の一員となっていた。新入生歓迎会では、同じく生徒会入りをしたクラス委員長により"桜ちゃん"として参加した。お陰で新入生の間では「超絶美少女」として話題を掻っ攫っていた。「あ、あの、桜先輩!」「あぁ、違う違う(笑)確かに"さくら"だけど、オレの名前は"佐倉"。"佐倉 若葉"」若葉はそう言うとノートの表紙に書かれた名前を見せた。「さ、佐倉先輩!オレ達生徒会目指してて......」「入学したばかりなのに熱心だね(笑)」「ふふっ」と若葉が笑うと新入生の2人は顔を真っ赤に染め上げたそして心の中で、「可愛いすぎるだろ!女装してなくてもこの破壊力か?!」「佐倉先輩...ファンクラブでもあるのか?無きゃ作るぞ?!」と叫んでいた。「あ、ごめんね。オレもう行かなきゃ」「足止めしてスンマセン!」「あぁ、そうだそうだ。」「「?」」若葉はくるりと新入生に振り向くと人差し指を口に当て、「"桜ちゃん"の事は秘密にね?」そう言う「シー」と言って新入生を置いて去ろうとした。しかしその時、スマホの着信音がなり、スマホを見ると、新からのLINEが入っていた。そこには「校門で待ってる」とメッセージがあった。若葉はニヤつきが抑えきれず、スマホで口元を隠した。「あら?佐倉君。まだいたの?"彼氏"が待っているわよ?」「「か、彼氏ぃ?!」」「ちょ、委員長......」「もう委員長じゃありませーん!」「ごめんごめん、樋口さん」「ウム。よろしい。して、そこの新入生は大丈夫かな?」クラス委員長...もとい、樋口が声をかけると、新入生2人は銅像のように固まってしまった。「女装の事も彼氏の事も秘密にしてね?」若葉はウィンクをしてその場を去って行った。いち早く新の元へと行くためにーー。
「美味しかったね。こんなお店があるなんて知らなかった」 「なんでも隠れ家的なお店らしいからね」「気に入ってくれて良かった」新がそう言うと、イルミネーションで彩られた並木道を2人で歩いた。これからこのまま家に帰るのだろうか。少し名残惜しい。若葉がそんな事を考えていると、新は若葉の手を引き、「こっち来て?」と裏通りに入っていった。そこはとても静かで、先程までいた街並みとは打って変わった場所であった。少し歩くと階段が現れ、それを登ると、そこには見事な夜景が広がっていた。「うわぁ......キレイ......」 「オレのとっておきの場所。いつか若葉を連れて来たかったんだ。......若葉」 「ん?......これ......」新は若葉の名を呼ぶとプレゼントである指輪を取り出した。「中学の時、自分勝手に突き放しちゃってごめん。これからは隣でオレと一緒に生きて欲しい。......もし、了承してくれるなら、これを受け取ってはくれませんか?」新のこれはプロポーズと言っていいだろう。それに若葉は涙をハラハラと流しながら何度も何度も頷いた。「......オレで良ければ、新と一緒にいさせて下さい......!!」 「若葉じゃなくちゃダメなんだ」新は若葉の返事に安堵すると指輪をケースから取り出し若葉の左手を取ると薬指にはめた。しかし、最後の最後で決まらなかった。指輪のサイズが少しブカブカだったのだ。「......嘘だろう?」 「ふっ......あははっ!」 「カッコつかないなぁ......恥ずかしい......」 「そんな事ないよ?嬉しい」 「......今度チェーンネックレスでも買いに行こうか」 「ふふっ......そうだね」「それじゃあ、オレも」そう言うと先程購入した腕時計を新に渡した。「そう言えば、意味がどうのこうのって言ってたよね?一体なんなの?」 「それはね......"同じ時を刻もう"、"末永く一緒に"だよ」 「ま、まるでプロポーズみたいな......!」 「それを言うとオレは指輪だよ?......ちょっと重いかなって心配だったんだけどね......」新はそう言うと若葉の左手薬指で遊ぶ指輪にそっと触れた。「重いなんて......そんな事ないよ。とっても嬉しい。チェーンネックレス買ったら毎日つけなきゃ!」「お守りだね!」そう言う
新のエスコートは完璧だった。まずはオシャレなカフェでお茶をしながら2人きりの会話を楽しみ、時間を見てそのままお昼のメニューを注文する。そして食事を終えると、今話題の恋愛映画を観に映画館へ。ポップコーンとジュースを買い席に着く。映画の内容はありきたりな物ではあるが、若葉の涙を誘うのには十分だった。映画が終わると、新は若葉にハンカチを差し出してくれた。「本当涙脆いよね。まぁ、そんな所も可愛いんだけどね」 「!......バカ」何ともまぁバカップルのようなやり取りである。その後はショッピングモールでウインドショッピングを楽しんだ。そこで、若葉はプレゼントを用意していない事思い出した。若葉は思い切って新にプレゼントの要望を聞くことにした。「あ、あの新......」 「?なに?若葉」 「じ、実はね、オレ、色々あったからプレゼント用意できてないんだ。だから......」 「プレゼントなんて。別にいいんだよ?こうしてデートしてくれてるだけで幸せだからさ」 「それじゃあ、オレの気がすまないよ!......何か欲しい物でもない?サプライズにならないのは......ゴメンだけど......」 「んー......そうだなぁ......あ」 「?」新は周囲をキョロキョロと見渡すとカッコイイ腕時計が目に入った。値段もお手頃でおねだりしやすい。「若葉、あの腕時計とかどうかな?」 「わ!カッコイイ!新に似合いそう!オレ、これプレゼントしたい。いい、かな?」 「もちろん。若葉から贈られる事に意味があるんだよ」 「意味?」 「それは後で教えてあげる」 「?じゃあ買ってくるね!」そう言うと若葉はショップへと駆けて行った。若葉は一体どう言う反応を示すだろうか。恋人が腕時計を贈る意味。それは「同じ時を刻もう」「末永く一緒に」。新は若葉が戻ってくるのを今か今かと待ちわびた。「新!お待たせ」 「おかえり。プレゼント交換はディナー食べてからにしよう?イタリアンのお店予約してあるんだ。お手頃だけど美味しいって噂なんだ」 「わっ!楽しみ!」 「それじゃあ、時間も丁度いいし行こうか」そうして2人は手を繋ぎながらディナーへと向かって行った。
ヤバい。マジでヤバい。出かけ間際になって唯に自分も連れて行けとグズられてそれをかわすのに時間がかかった。スマホで時間を確認すると時刻は10時20分。いくらなんでもこんなに遅刻してしまうとは...。急いで時計台の近くのベンチへと向かうと、なんと、若葉が田辺と巻に絡まれているではないか。巻の手が若葉の髪に触れようとしたのを見て頭に血が上り、巻の腕を掴んだ。「......おい、何してんだよ」「新じゃねぇか。てことはやっぱり桜ちゃんかぁー。髪バッサリいったね。服装もだいぶボーイッシュ......と言うかメンズ物?」「......あ、あの、コレは......」「コイツの名前は"佐倉 若葉"。男でオレの恋人に間違いないよ」若葉は新が自分の事を隠しもせずに友人に紹介したのに驚いた。すると巻が合点がいったようで、「やっぱりか」と言った。「やっぱりって?」「いや、桜ちゃん、カンペキに女の子だったんだけど、なんとなく違和感みたいなのがあってさ。納得納得」「えぇ!桜ちゃんおとこの娘だったって事?!クオリティ高ぇよ!てか男の子の格好でも可愛いなんて......」「......引かないんですか?」「「え?」」若葉は俯きながら小声で2人にそう問うた。2人は目を丸くしてパチクリさせると、「あははっ!」と笑い声を上げた。「引く訳ないじゃん!可愛いは正義よ?それに今は同性カップルなんて珍しくもないでしょ!」「そうだよ。えっと、若葉君。オレ達は新の選んだ人に間違いないと思っているから」「だから安心して?」と言う田辺と巻の言葉に若葉は目をうるうると潤ませた。その様子に2人はギョッとして慌て始めた。「わ、若葉君?!どうしたの!泣かないでぇ!」「だ、だって......こんな風に言って貰えるなんて思ってなかったから......。嬉しい。......ありがとう」目を潤ませ笑みを浮かべながら礼を言う若葉に、2人は胸を"ズキューン"と撃ち抜かれたようで、顔を真っ赤にした。「ヤベェ......。可愛すぎるだろ......。若葉君どう?今から新をやめてオレと付き合って痛ェ!!」「せっかく良いヤツらだと思って黙って話を聞いてたのに、今ので台無しだよ。それにオレと若葉は別れる予定は未来永劫来ない!それより!オレ達はこれからデートなの!邪魔すんな!お前らはどうせ合コンだろ?」新がそう
13時を回る頃、若葉はクラス委員長に客引きへと行くように命じられた。衣装係の女子と共に着替え教室へと入り、準備段階から予定していたピンクのゴスロリ衣装へと着替える。着替えが終わり軽くメイク直しをしていると、先に客引きをしていた執事コスの男子生徒が入ってきた。「おつー。おう、桜ちゃんの出番ですか。マジ可愛いな(笑)この格好だとお姫様みたいでええやん!」「...今日だけはありがとうと言っておく。」「ホントは嬉しいくせにぃ。そだ、1枚写真撮ろーぜ!」「1枚につき1万な。」「高ぇ(笑)」男子生徒はそう言うとメイクをしていた女子生徒にスマホを渡し、2人のツーショットを撮ると、男子生徒は「サ
時刻は午前10時。学園祭"桜ヶ丘祭"の開始時刻である。桜ヶ丘高校の校舎には、老若男女様々な人々が集まってきている。校舎に入るとそこら中から生徒達の呼び声が溢れかえる。そんな中、早くも1-3は注目の的となっていた。1-3はコスプレ喫茶。男女様々なコスプレで接客をしている中、やはり人々の視線を引き付けたのはメイドのコスプレをした若葉であった。「いらっしゃいませ、お客様。ご注文はいかがなさいますか?」若葉が柔らかい笑みを浮かべ接客すると、女性も男性も顔を赤らめる。そして大半のお客はこう言うのだ。「あの!写真一緒にお願いできますか?!」普段の若葉であれば「こんな黒歴史、写真に残したくない!」
天気は快晴。見事なまでの学園祭日和。そんな天気とは裏腹で、若葉のテンションはどんよりと曇っていた。「...とうとう来てしまった...。せめて雨でも降って来客数減ってくれればよかったのに...。」若葉が誰にも気づかれないように本当に小さく呟いたのだが、地獄耳のクラス委員長がその呟きを聞き逃すハズがなく。「なんてことを言うの佐倉君!学園祭と言えば晴れと決まっているものよ!そして、この学園祭に来たお客さんを1-3に集客するのよ!そ・の・た・め・に!桜ちゃん!よろしくね!」「...ハァ...」クラス委員長の言葉をかわきりに、クラス中から「桜ちゃんよろしくね!」「期待してるぜ!桜ちゃん!」と
どこを見ても男、男、男。男子校とはむさ苦しく悲しい場所である。マンガの様に美人な若い女性教師が居るわけでもない。そんな中で3年間過ごすというのは、青春を送る若者には酷な話しである。授業中も落ち着きなく騒がしい中、新は回ってきたマンガの最新巻を読んでいた。すると、高校に上がってから仲良くなった斉藤が声をかけてきた。「新ぁー、お前、今月末の土曜ヒマか?」「土曜か...。なんも無いけど何?合コンでも開いてくれるん?」斉藤はこの辺りの高校に顔が広いため、よく合コンを開いたりしているのである。「いやいや。今回は合コンじゃなくて(笑)オレの中学の親友が桜ヶ丘に通ってんだけどさ。その日学園祭らしく