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All Chapters of ひみつのお姫さま: Chapter 11 - Chapter 20

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episode10

「えー、それでは無事桜ヶ丘祭終了、そ・し・て!クラス優秀賞受賞を記念して!カンパーイ!」 「「カンパーイ!」」あっという間に時刻が過ぎ、学園祭は終了、教室で簡単な打ち上げを始める1-3の面々であった。若葉の尽力のお陰か、クラスの目標であった"クラス優秀賞"を受賞してウハウハな気分のクラスメイト達。主役であろうはずの若葉は制服に着替え、教室の隅で窓の外を見ている。頭の中を占めるのは新の事ばかり。数年ぶりにあい、言葉をかわした。"桜ちゃん"が若葉である事に気がつかれなかったのが良かったのか、悪かったのか。若葉は「ハァ」とため息をつき、ジュースを口に運ぶ。「桜ちゃーん。何物思いにふけってんの?主役なんだからそんな隅にいるんじゃないよ!」 「......もう学園祭終わったんだし、桜ちゃんはやめて......」 「なによー。つれないなぁ。」クラス委員長はそう言いながら、若葉の隣に寄りかかった。「もしかしてあれ?ナンパ助けてくれたっていう男の子の事考えてる?」 「ブッ!」 「あら、図星(笑)」クラス委員長の指摘に、思わず飲んでいたジュースを吹き出してしまう。彼女は笑いながら若葉にハンカチを手渡そうとしたが、若葉は汚れるからと断った。「......そんなわかりやすい......?」 「んー、なんとなくそうかなぁって思っただけ。もしかして知り合いとかだった?」 「......幼馴染みなんだ。もう何年も会ってなかったんだけど」若葉がそう言うと、クラス委員長は「ふーん」と言って何かを考えながら返事をした。「仲良かったんだ?」 「子供の頃からずっと一緒だったからね。...中2の途中からパッタリと接すること無くなっちゃったけど」 「何かあったの?」 「それがわからないんだ。......オレが怒らせちゃったのは確かみたいなんだけどね」若葉はなんだか悲しくなり、思わず下を向いてしまう。そんな若葉にクラス委員長は肩をポンと叩いた。「でもさ。今日こうして会えたんだし、一歩踏み出してみたら?向こうが気づいてないんだからさ、"桜ちゃん"として会って様子を伺うのも一つの手よ?」「連絡先もらったんでしょ?」とクラス委員長は若葉の背中を押すように言った。若葉は少し考え、「そーだよね。」と応える。「......帰ったら電話してみようかな。」 「そーしなさいよ。チャ
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episode11

打ち上げも終わり、若葉は家に帰ると自室へと向かう。そして机にカバンを置くと中から新から渡されたケー番の書かれた紙ナプキンを取り出す。それを手にしながらベッドへとダイブすると、電話をかけようか、かけまいか葛藤する。しばらくそうしていたが、「えぇい、ままよ!」とスマホを取りだし番号をタップする。そして、勢いに身を任せ発信ボタンを押す。少しの間コール音が流れた後、プッと音が止み、「もしもし」と新の声が聞こえてくる。「も、もしもし!桜です!」緊張も相まって、思わず声が上擦ってしまった。電話口から「ふふっ」と新の笑い声が聞こえ、若葉は顔が赤くなるのを感じた。「もしもし桜ちゃん?電話ありがとう。そう言えば名乗ってなかったね。オレ、巴 新って言います。よろしくね」 「よ、よろしくお願いします」若葉は耳元から聞こえてくる新の懐かしい声にドキドキして、意味もなくベッドの上で正座をしてしまう。「あれからナンパとか大丈夫だった?」 「は、い。客引きも別のクラスメイトに代わってもらって、それからずっと教室で接客してたので......」 「......それでもナンパされそうだけど......」 「え?」新の返答が小さくボソリとしたもので聞き取りにくかったため、若葉は聞き返すが「なんでもないよ」と言われてしまった。「それはそうと、デート。考えてくれた?」 「あ、ハイ。それで巴さんのお礼になるなら......」 「新でいいよ。巴なんて呼ばれ慣れてないから(笑)」 「じゃ、じゃあ新君で......」 「うん」若葉が"新君"と呼ぶと、新は嬉しそうな声を出した。「桜ちゃんはどこか行きたい所とかある?」新がそう聞いてきたので少し考えたが、これは新に対するお礼のデートなので、新の要望を聞こうと思い立った。「新君へのお礼のデートなので、新君の行きたい所がいいです」 「......オレの行きたい所?」 「はい。」新は「オレの行きたい所かぁ」と言いながら考えると、「それじゃあ」と応えてくれた。「水族館とかどうかな?」 「水族館......ですか?」 「うん」水族館は若葉と新が子供の頃に家族ぐるみでよく行った場所である。まさかそこをリクエストされるとは思わなかった。「ダメだったかな......?」 「い、いえ!水族館好きです。久しぶりですけど」 「ハハッ。
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episode12

もんもんとした日曜日と代休である月曜日を過ごし、登校日の火曜日を迎えた。若葉は「おはよう」とクラスメイト達に声をかけると、学園祭で衣装、メイク係としてお世話になった女子生徒の所へと行く。「おはよう。......あの、今ちょっといいかな?」 「おはよう、佐倉君!全然大丈夫だよー。なになに?」若葉は意を決して、新とのデートの事を話した。「ーと言うわけで、今週の土曜にまた"桜ちゃん"にならなきゃいけなくて......。服とかウィッグとかメイクとか相談しに来た次第です......ハイ......」 「キャー!佐倉君やるぅ!流石"桜ちゃん"ね!そういう事なら任せて!私達がまた可愛くしてあ・げ・る♡」 「でも学園祭でもそうだったけど、"桜ちゃん"、そんなにメイクしてないから服とメイクだけでも変われるよ?」 「......念には念を......」若葉がそう言うと、女子生徒は「わかったわかった」と言い「んー」と少し考えた。「そしたら今日の放課後時間ある?一通り揃えに行かない?」 「わかった。大丈夫。ごめんね、面倒かけて」 「全然!逆に腕がなるわぁ!」若葉はホッと一息つくと「じゃあ、放課後よろしくお願いします」と言い自分の席に着いた。するとススッとクラス委員長が若葉の元へと現れ、無言でニンマリしている。「......委員長、なに?ニヤニヤして怖いよ?」 「別にィ?無事連絡したんだーって思って?それで?"桜ちゃん"でデートするんだ?」 「......うん」 「行き先は?」 「水族館だよ」若葉がそう応えると、クラス委員長は「水族館かぁ。」と言った。「ここら辺なら一番人気のデートスポットだね。幼馴染みさん、結構ヤリ手?」 「......どーだろ。中学の時は彼女いたって聞かなかったし、高校は男子校だし......」 「もしかして、海里男子なんだ?」 「うん。そう」「海里男子かぁ」とクラス委員長が呟くと少し考えてみせた。「委員長?どうかした?」 「......いや、海里男子って言うと、結構他校の女子と合コンやるって聞くからさ......。佐倉君?大丈夫?」クラス委員長の言葉を聞き、若葉はショックを受けて呆然としてしまった。新にとって、自分が一番ではないのだと言われたような気になって。
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episode13

放課後になり、若葉は今回の相談相手であるクラスメイトの女子生徒、市川さんと彼女のアシスタントをしてくれる増田さんと共に買い物に行く前にカフェで作戦会議をしていた。2人は若葉が少し元気がないのに気にかけながらも若葉のためを思い話しを進めていく。2人は若葉自身が気づいていない新への恋心に気がついたのである。だが、今の段階で若葉に自覚させると、落ち込んでいる若葉が更に気落ちしてしまうのではないかとおもい、何にも気づかないフリをして話しを進めることにした。「それで、今回は水族館デートってことだけど......佐倉君は相手の幼馴染みに正体がバレないようにしたいってことでいいんだよね?」 「うん。出来ればそうしてもらいたいかな......」 「......となると、女の子全開!って感じの服がいいかな?ウィッグは学園祭で使ったロングのストレートがいいと思う!」 「そうだね!それなら清楚系でいいと思うし!」 「佐倉君華奢だから、普通にレディースでも服入ると思うし問題ないかな」若葉はレディースの服が入ると言われ複雑な思いを抱きながらカフェオレを口に含む。女子2人が若葉以上にデートに気合いが入っているのに若干気を押され気味になりながらも感謝の気持ちが大きい。...1人だとマイナスな事しか考えないだろうし、なんと言っても、レディースの服屋に入る勇気は無い。3人は作戦がまとまると飲み物を飲み干しカフェを後にする。そして、女子2人がピックアップした若葉に似合いそうなショップへと足を向ける。カフェで決めたコンセプトは、"お花フェミニン"である。花柄で女性らしさを演出し、ふわりとしたシルエットでフェミニンさをかもし出す。若葉は学園祭以来に着せ替え人形となる。ショップへと入ると、最初の方は店員から奇異な目を向けられたが、若葉のポテンシャルの高さに店員からも次から次へと服が運ばれてきた。「お客様、どれもとてもお似合いです!コチラの小花柄のワンピースなどはいかがですか?最新作で当店1番のオススメです!」 「わぁ!可愛い!色はなに色がありますか?」 「コチラ4色展開ですが、お客様には水色がお似合いかと!」店員はそう言うと水色のワンピースを差し出してきた。市川さんは若葉にそれを宛てがうと、「うん!」と力強く頷き、増田さんと顔を見合わせる。「佐倉!コレにしよう!1番似合ってる!」 「
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episode14

全ての買い物が終わり、市川さんと増田さんを連れ、メイクの練習をするため若葉は家へと帰ってきた。若葉の家族は若葉を含め、共働きの両親の3人家族なので家族に鉢合わせる事はあまりない。若葉は2人を自室へと案内すると、キッチンへ行きジュースを持って2人の元へと行った。自室の扉を開けると、2人が家探しするかのように若葉の部屋を見て回っていた。「ちょっと......2人とも何してるの......」 「いやぁ、男の子の部屋初めて来たから興味湧いちゃって(笑)」 「この写真の男の子佐倉君?メチャかわなんだけど!今より更に女の子っぽい!」 「やめてよぉ......」2人はキャッキャとはしゃいでいる。一通り遊び終えると、2人はジュースを飲み落ち着いて、「さてと」と言い、自分達のカバンからメイク道具を取り出した。若葉もそれにならって今日買ったプチプラのメイク用品の入った袋をテーブルの上に置いた。そして、それらを使い女子2人からのメイク教室が始まった。下地がー、アイシャドウをー、などと学園祭でやって貰った方法と同じ工程でメイクをしていく。今回は自分で行うので若葉も真剣になって教わっていた。そうしてメイクをし終わると、これまた買ってきたワンピースを着てみる。ウィッグは無いが、着替えた若葉の姿を見た2人は目を輝かせ頬を紅潮させた。「佐倉君可愛すぎ!」 「ウィッグ無しでも全然大丈夫だよ!」2人から大絶賛された若葉は恥ずかしくなり、モジモジしていると「その仕草もいい!」と何故か喜ばれた。「これでウィッグ着けたら、誰も男の子だなんて気づかないよ!」 「ホントにソレ!もう完璧な"桜ちゃん"だよ!」 「2人のお陰だよ。......ありがと」若葉からお礼を言われた2人は心にズキューンと感じたトキメキを隠すことなく悶えていた。「佐倉君......。反則だよ、その可愛さは......」 「桜ちゃんのためなら何でもするよ!そうだ!今度のデートが成功したら、これからのコーディネートは是非私達に任せて!」 「......成功するかな......。でも成功したら正体を隠すのは良くないとも思うんだよね......。」若葉の言葉に「それもそうか......」と市川さんが言うと、増田さんが「でも!」と言葉を紡いだ。「すぐ付き合うとかは無いかもしれないし、桜ちゃんとデートだけ続けたいだけかも
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episode15

女子2人とジュースを飲みながら駄弁っていると、ガチャリと玄関が開く音がして「ただいまぁ」と言う若葉の母の声が聞こえてきた。そしてトントンと階段を登る音がしてくる。若葉は女装をしたままだったため、マズいと思ったが時既に遅し。若葉の部屋のドアが開かれてしまった。「ただいま、若葉。お友達でもきて......」母は部屋に入って来るなり若葉の姿を見て固まった。そして、わなわなと震えたかと思ったら、つかつかと若葉に歩み寄り「若葉ちゃん!」と抱き着いてきた。「か、母さん?!」 「もぅ!何よその格好!いつにも増して可愛すぎるわ!!流石ウチの子!お母さん、娘も欲しかったのよねー!あら、あなた達が若葉の事を娘にしてくれたの?ありがとう!」 「母さんテンション上がりすぎ。2人が引いちゃ......」 「ですよね!佐倉君、ホント女の子にしか見えないくらい可愛くなっちゃうんですよ!」 「学園祭でもスゴい評判で!!」母と女子2人が若葉そっちのけで盛り上がっていると、若葉はそのマシンガントークについていけず、ポツーンとなってしまった。「学園祭行きたかったのだけど、この子に来るなって言われてたのよねぇ。まさかその理由が女装しているからだとは......」 「男なら誰でも実の親に女装姿は見られたくないと思うよ」若葉はそう言うと、プイッと顔を背けた。「でも、何でまた女装?お母さんは嬉しいけど、もう行事じゃ無いんでしょう?」 「......それは......」若葉が言いにくそうにしていると、市川さんが「実はー......」と学園祭での出来事を話してしまった。母は「まぁまぁ!」と言うと、口に手を当て頬を紅潮させながら、女子高生に負けず劣らずのテンションで若葉に詰め寄ってきた。「ナンパされるなんてスゴいじゃない!しかもそれを助けてくれた男の子とデートですって?!どんな男の子なの?イケメン??」母に相手の事を詰め寄られると、若葉は言いにくそうに「それが...」と言葉を紡いだ。「......それが相手は新なんだ」 「え......新君......?」母は若葉と新が疎遠になっていたのを知っているので驚いた。「そう。新君か......。若葉だとは気づいてなくても仲直りのキッカケにはなるだろうし、いい機会かもよ?」 「うん......」母にも背中を押され、若葉は「頑張らない
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episode16

平日の学校生活をやりこなし、いよいよ決戦の土曜日となった。若葉は8時にセットしたアラームより前に目を覚まし、アラームを解除すると、洗面所へ行き歯磨きと洗顔を済ませリビングへ行く。すると丁度よく朝食の準備を終えた母とソファで新聞を読む父に「おはよう」と声をかける。「おはよう、若葉。よく眠れた?」 「母さんから聞いたぞ?新君とデートだって?」 「......母さん......」 「あら。いいじゃない。お父さんもあなたと新君のこと気にかけていたのよ?」そんな話をしながら家族団欒で朝食をとる。半熟卵の目玉焼きに箸を入れ、黄身がトロリと崩れる。白身でその黄身を絡め取りながら口へと運び次いでトーストをサクリと食べる。この朝食をとるのが毎朝の至福のひとときである。それから牛乳を一気に飲み干すと「ご馳走様」と言い食器を流しへと持っていく。「洗うのはお母さんがやっておくから、若葉は仕度をしてきちゃいなさい。初デートは待ち合わせよりも早く行くのがいいのよ?」 「そうだぞ?遅刻なんて以ての外だからな」 「わかった、わかったから」若葉は自室へと戻り、まずはメイクへと取り掛かる。市川さんと増田さんからUVカットもする下地を強く勧められたためそれを顔全体に塗っていく。なんでも、この時期でも紫外線は大敵とのことで。そして地肌に近い色のファンデーションを塗り、淡い色のピンクのアイシャドウを塗る。そして控えめにアイラインを引き、ビューラーで上げたまつ毛にマスカラを塗る。チークで頬に血色を持たせた後は最後にリップグロスを塗り完成。練習したお陰もあり、満足のいく出来上がりとなった。そして部屋着からこの間、今日のために買った水色の花柄ワンピースへと着替えロングヘアのウィッグを被る。一通りの仕度を終え持ち物を準備すると時計を見る。時刻は9時15分。今から家を出れば十分待ち合わせ時間には間に合う。家を出る前に、母に出来上がりを見てもらうためにリビングへと向かう。「か、かあ...」 「あら、若葉もう行くの......!!あらあら、まぁまぁ!可愛いわよ若葉!見てお父さん!若葉ったら本っ当に女の子みたいでしょ!」 「......本当に若葉なのか......?我が息子ながら信じられん......」 「......変なところない......かな......?」若葉はチークの乗った頬を更に紅潮
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episode17

若葉が家を出て駅前へと着いたのは9時50分。新はまだ来ていないようであった。スマホに目をやると、新からショートメッセージが来ていた。内容は「少し遅れるかもしれない」と言うものだった。若葉はそれに「大丈夫です。気を付けてきてきてください」と返信した。時刻が10時10分になろうとした時、後ろから肩をポンと叩かれた。新かと思い振り返ったが、そこにいたのは見知らぬ男性2人組。「お嬢さん可愛いね。待ち合わせ?」 「......そうですけど」 「もう大分待ってない?良かったらオレ達とお茶しようよ」 「いえ。結構です」 「いいじゃん。減るもんじゃないし行こーよ」そういうと男性の1人が腕を掴んできた。「!離してください!」 「もー、ガード固いなぁ。いいじゃん。お茶くらい付き合ってよ」 「嫌です!」若葉がちょっと泣きそうになったその時だった。若葉の腕を掴んでいた手を掴み返す手があった。強い力が込められていたらしく、男性は「いてぇ!!何すんだ!!」と若葉の腕から手を離すとキレた。目をやるとそこには息をきらした新の姿があった。「彼女はオレのツレです。汚い手でさわるのはやめてくれませんか?」新はそう言うと男性2人組をら睨んだ。その睨みに2人組は怯み、「い、行こうぜ」と言って去って行った。「ごめん!桜ちゃん!オレが遅刻したばっかりに怖い思いさせてしまって......!」 「いえ!大丈夫ですよ?新君、助けてくれたじゃないですか。......王子様みたいでかっこよかったですよ?ありがとうございました」若葉が笑みを浮かべそう言うと、新は照れくさそうに「ありがとう」と言った。「......桜ちゃんそのワンピース似合ってるね。凄く可愛い」 「!あ、ありがとうございます......。友達とショップのお姉さんにデートだからと色々とえらんでもらって......」 「...それって、オレのためって調子に乗っていいヤツ?」 「は、ハイ......。」若葉と新は2人して顔を赤らめて固まり、沈黙してしまった。それもほんの数秒で、新はハッとすると若葉に声をかけた。「す、水族館開いちゃってるね!行こうか!」 「そ、そうですね!行きましょう!」新はそう言うと若葉の手を握ってきた。若葉はそれにビックリすると、新は「デートだから手、繋がせて?」といたずらっ子のような笑みで言ってき
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episode18

「土曜なだけあって結構人多ね。はぐれないように手、離さないでね?」新に手を引かれながら水族館へと入っていくと、水族館独特の暗がりの空間が広がっている。新の言った通り、多くの人がこの水族館に訪れているようで、家族連れやともだちど、そしてかっふ。傍から見たら若葉と新の2人もカップルに見えるのだろう。時折こちらを見ながら「見て。あそこに美男美女カップルがいる!」と注目を集めている。「桜ちゃん可愛いから結構注目されてるね」 「そんな事は......。新君がカッコイイから......」 「ハハッ!ありがと。」そんなやり取りをしていると、この水族館名物のクラゲの大水槽へとやって来た。若葉は子供の頃からこの場所が好きだった。「わぁ......。やっぱりこのクラゲの水槽......キレイ......」 「......桜ちゃんココ好きなの?」 「はい。子供の頃からこの水族館に来ると必ず見に来るんです」 「そうなんだ......。オレも好きだよ、この水槽」2人は水槽の前で歩を止めクラゲ達を眺める。若葉が目を輝かせながら見ていると、不意に視線を感じた。「?新君?どうかしました......か......」若葉が新に尋ねると、その言葉を遮るように新は若葉の口にキスをした。「......え......?」 「!ゴメン!つい......。イヤ、だったよね。」 「い、いえ......」なんでた?なんでキスをしてきたんだ?若葉は今のキスで頭がパンクしそうになる。若葉は新が分からなくなってきてしまった。「あ、もうじきイルカショー始まるよ。見に行く?」 「そ、そうですね!行きましょう」2人の間に少しギクシャクした空気が流れたが、それも一瞬で新は何事も無かったかのように若葉の手を引き、イルカショーの会場へと足を向けた。会場には人で溢れかえっていて、なんとか空いていた2人分の席へと座った。「良かった。席空いててラッキーだったね」 「イルカショー、人気ですからね」そしてショーが始まるまで会話を楽しんでいると、ショーの時となり、会場は活気で溢れかえった。イルカ達はジャンプしたり、インストラクターを乗せながら泳いだり、輪くぐりしたりと華麗な技を披露して観客を楽しませた。若葉と新も夢中になり楽しんだ。そうしてショーが終了すると、観客達は皆会場を後にしていった。「時間も丁
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episode19

お昼時と言うのもあって、カフェは賑やかだった。ここでも運良く席が空いていたので、すぐに案内された。水族館のカフェであるがとてもメニューが豊富で、どれも美味しそうで目移りしてしまう。「桜ちゃん、メニュー決まった?」 「そうですね......ボンゴレパスタにしようかと」 「OK。食後の飲み物はどうする?」 「レモンスカッシュでお願いします」 「じゃあ、店員さん呼ぶね」新はそう言うと「すみませーん」と店員を呼んだ。そして、新はシーフードパスタとコーヒー、若葉はボンゴレパスタとレモンスカッシュを注文した。料理が来るまでの間、2人は色々なことを話した。「桜ちゃん、学校生活はどんな感じ?桜ヶ丘って進学校だから勉強大変でしょう」 「そうですね。でも勉強は好きですし楽しいです。新君はどうですか?」 「オレ?ウチは男子校だし授業中も騒がしいよ(笑)あんまりマジメに授業受けてるヤツはいないかなぁ......。まぁ、オレは少しだけど授業聞いてるかな?」 「新君はしっかりしてますよね」 「そうでもないよ?勉強だって幼馴染みの影響だしね」 「え?」新の言葉に若葉は驚いた。まさか自分のことか?と疑問を持った。「その幼馴染みってのが桜ちゃんに似てるんだよね」 「......私に?」 「うん。見た感じも、雰囲気もなんだか似てるんだ。......だから一緒にいて楽しいし、心地良い。......まぁ、そいつとは疎遠になっちゃったんだけどね」 「......そうなんですね。」心臓の音がバクバクと言ってうるさい。期待してしまう。新と同じ気持ちだと。若葉はそれがバレないように平静を保つのに精一杯になってしまう。笑顔は引き攣ってないか。声は震えてないか。そんな事を思いながら新と会話していると出来上がった料理が運ばれてきた。温かそうな湯気がのぼり、美味しそうな匂いがする。若葉は緊張しているせいかあまり味がよくわからないし、上手く飲み込めない。それでも新に気づかれまいと何もない様を装っている。「うん。ここのパスタ美味しいね」 「......そうですね。サッパリした味付けで食べやすいです」 「食事終わったら残りの展示見て、その後どこか行く?まだまだ明るいし、もう少し桜ちゃんと一緒にいたいんだけど......時間大丈夫?」 「大丈夫ですよ。もしよかったら、近くのショッピング
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