「真実か挑戦か」のゲームで負けた笠井宥丸(かさい ゆうまる)は、今までで一番刺激的だったことは何かと尋ねられた。彼は片腕で篠崎千穂(しのざき ちほ)を抱き寄せ、気だるげな表情を浮かべていた。「この耳の聞こえない出来損ないとやる時に、七緒の名前を呼ぶことだな。こいつは聞こえないから、自分の名前を呼ばれていると思い込んで、愛情たっぷりの目で俺を見つめてくる。喘ぎ声もさらに大きくなるんだ」その瞬間、個室にいた全員が歓声を上げ、割れんばかりの拍手と囃し立てる声が鳴りやまなかった。誰一人として、千穂の顔から血の気が一気に引いたことに気づく者はいなかった。千穂はその場で完全に硬直した。周囲の騒がしい笑い声やからかいの言葉が、容赦なくその耳に流れ込んでくる。「耳の聞こえない身で、宥丸さんに気に入られて囲ってもらえるなんて、一生分の運を使い果たしたレベルだぜ!宥丸さんに群がる女なんてごまんといるのに、七緒に少し似ていなかったら、あいつに順番なんか回ってくるわけないだろ?」「でも、七緒が宥丸さんと復縁することに同意したって聞いたぜ。それなら、この耳の聞こえない身代わりはお役御免ってことか?宥丸さん、こいつは障害者だけど、顔はけっこう清純派で俺の好みなんだ。飽きたなら、俺に少し遊ばせてくれない?」その言葉を聞いた瞬間、宥丸の顔から笑みがスッと消え失せた。その美しい瞳に冷徹な光が宿り、鋭利な刃物のような視線で、口を開いたドラ息子を射すくめた。「千穂に手を出してみろ、殺すぞ」個室の空気は一瞬にして氷点下まで冷え込んだ。しばらくの静寂の後、ようやく誰かがビクビクと愛想笑いを浮かべながら、その場を取り成した。「冗談だって、宥丸さん。そんなにみんなを怖がらせないでくれよ。この界隈で、宥丸さんが目をつけた女に手を出す命知らずなんて、いるわけないよ」「そうそう、怒るなって。みんな悪気のない冗談だよ。だけど、そこまで千穂のことを庇うなんて、まさか本気で惚れちまったわけじゃないだろ?」それを聞くと、宥丸はフッと鼻で笑い、無造作な口調で答えた。「本気になるわけがない。七緒は体が弱くて、ベッドの上のことにはあまり興味がないんだ。今回やっと俺との復縁に頷いてくれたんだ、ただ掌の上の宝物のように大切に甘やかしてやりたいだけさ。無理させるなんて可哀想
Read More