珠葉は、そそくさと頭を下げて去っていく男たちを見送り、それからようやく辺りを見回した。建築に詳しくない人が見ても、一目で立派だと分かる韓屋だった。「サランチェも見ていい?」「ご主人様が入れない場所はありませんよ。少なくとも、この家では」ただの学生にすぎない自分へ、道赫はあまりにも大きな権限を当たり前のように与えてくる。こんな人にさっきまで懲罰を与えていたのに、今さらそんなことを考えるのも遅い気はした。それでも、この広い韓屋をまるで自分の家のように歩き回れることが少し嬉しくて、珠葉はそんなことは気にしないことにした。「普段はどこで過ごしてるの?」「まずは本棟をご覧になりますか?」今日だけでは、とても全部は見切れないだろう。門まで来るだけでもかなり歩いたし、建物も多い。中まで隅々見ようと思えば、もっと時間がかかる。今日は見る場所を絞ったほうがいい。少し考えた末、珠葉はまずサランチェを見ることにした。本棟は、あとで自然と目にするだろうと思ったからだ。「サランチェって、今は何に使ってるの?」「今は会議室ですね。応接室もあります」門を一つくぐると、すぐサランチェが見えた。「ヌマルがあるんだ」「ええ。富の象徴だとか。祖父がよく言っていました」ほとんどの人員は外へ出していたが、サランチェは仕事場でもあるため、数人だけ残っていた。彼らは道赫と珠葉の姿を見た瞬間、その場で石のように固まり――道赫の視線を受けると、慌てて姿を消していく。――嘘だろ。ボスが女を連れてきた……!声にならない悲鳴が屋敷中に広がっていく。だが珠葉は韓屋に夢中で、そんなことにはまるで気づいていなかった。いつの間にかノートとペンを取り出し、さらさらと何かを書き留め始める。道赫はそんな珠葉の後ろをのんびり歩きながら、人払いを続けた。そして彼女が投げかける質問に
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