義母から貰った仲良くなるためのヒント。それが功を成すかどうかは行動してみないと分からない。ただ、一つだけ分かる事があるとするならば、動こうとする勇気が持てるようになったということ。拒絶されたくない、否定されないために逃げを選ぶ。そんな選択肢を選ばないという変化は、海亜にとって大きな一歩となる。「お義母さん」「何かしら? 海亜ちゃん」 白い湯気を立てる艶のある白いお米。「今度、お祖母さまに渡すためのお土産を選ぶ時、色々と教えて貰えませんか?」 ふっくらと膨らんだその中にすっと箸を潜り込ませると、一掬い分を摑み上げ口の中へと入れる。「勿論良いわよ」 噛み砕く柔らかい粒の塊からは、じんわりと広がる優しい甘み。「是非、お願いしますね」 きっと、これからは大丈夫。何となくそんな気がして口元を緩めると、海亜は味を噛みしめる様に目の前の食べ物を口へと運ぶのだった。◆ 家に着いた頃にはすっかり太陽が高い位置へと移動を終えてしまっていた。 昴を会社に送り届けた後、海亜は一人で自宅へと戻る。ガレージのシャッターを上げ車を中に停車させると、荷物を持って向かう建物。途中、外出する前にセットしておいた防犯装置を解除し、スマートフォンを操作して解錠する。閉ざされていた扉を開けば漸く戻って来ることができた落ち着く空間。使用済みの衣服は一旦仕分けて洗濯機へ。だが、このまま機械を動かすことはせずに、次に向かった先はシャワールームだ。外気温が思ったよりも高く汗を掻いてしまったことで感じる不快感を消すために、軽くシャワーを浴びることを優先し、それによって出た新しい洗濯物も一緒に放り込んで洗濯機を動かす。少しずつ機械の中に貯まっていく水の音。それが暫く続いた後、一瞬途切れてから大きな音を立てて回り始める。汚れを落とすために一生懸命仕事をしている機械に別れを告げ、次に向かった先はキッチンだ。「えっと……」 解き放たれた四角い箱から飛び出す冷気。箱の中には幾つかの食材が綺麗に整理された状態で並べられている。その中からハムとチーズ、バターに卵とマヨネーズ。それらを取り出すと、手に持った材料は一度、ワークトップへと移動し再び冷蔵庫の前へ。次に開いたのは冷蔵室ではなく野菜室で。レタスとトマトを取り出し材料が全て揃った所で調理を開始する。「〜♪」 ふと思い出した旋律は、人気だったグ
Last Updated : 2026-07-22 Read more