転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜의 모든 챕터: 챕터 51 - 챕터 53

53 챕터

51.輪廻転生(ニコラ)

 春休みも残り一週間。 俺――白石|晴真《はるま》は、鏡の前で決意を固めていた。「よし……高校デビュー、完璧に決めてやる!」 笑顔の練習、髪のセット、完璧だ。本番もこの調子でいこう。……なぜか母さんが廊下から覗いている。「晴真、今日はどこかに行くの?」 「行かない。これから惰眠を貪るところだよ」 「そう……。さすがに入学式では整髪料をつけないでよ」「最初が肝心なのに」「まったく。お母さんの椿油を貸してあげるから」「仕方ねーなー。入学式はそれで我慢するか」 ばばくさい。と思っても言わない、やさしい男なのだ、俺は。 ――ガチャリ。 玄関の扉の音がする。「おーい晴真。大量の漫画をもらって来たぞー」「やったぜ」「あら、惰眠を貪るんじゃないの?」「漫画のが大事だ」 父さんは昔、幼い頃にトラックにひかれそうになった。それを男子高校生が助けてくれたという。その人は亡くなり――、毎年、父さんは線香をあげに行っていた。そのご両親も高齢になり、家を処分することになって、「あの子の遺したものを息子さんに」と譲ってもらったらしい。  遺品だと思うと少し怖いものの、漫画は読みたい。読み終えたら、父さんの部屋に置いといてもらおう。「まだまだあるぞ。車に積んである。一緒に運んでくれ」「マジか」 漫画好きの男子高校生だったのかもしれない。目の前で小さな子がトラックにひかれそうになっていたとして、俺に助ける勇気は正直、ないと思う。 漫画好きの、すごい人だったんだな……。 しばらく父さんと一緒に段ボールを運び込み――。「すごい量だな……」「お前の春休みが潰れるな」「望むところよ!」「特に面白いのは、父さんに教えてくれ。読みたいからな。あ、汚すなよ」「もちろんだよ。化けて出られたら困る」「……化けて出てくれたら、お礼が言えるんだけどな」 父さんの声が少しだけ沈む。 今のは失言だった。「申し訳ありませんでした」と心の中で父さんの命の恩人に謝る。それから、早速ひょいひょいとカッターナイフを持ってきた。「……開けてみてもいい?」 「まったく、開ける気満々だろう。いいぞ」 テープを切ると、やや黄ばんだ漫画がぎっしりと詰まっていた。折れもなく状態はいい。几帳面な人だったんだろう。 うむ。これはいい品揃えだ! 読んでみたかった昔の大ヒット作が
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52.輪廻転生(ラビッツ)

 私がおばあちゃんの歳の離れたお姉さん――という関係の親戚の家の片づけを手伝うことになったのは、偶然だった。 高校に入る前の春休み。親戚が集まって、古い家の荷物整理をしていた。「あの子の部屋は二階の突き当たりらしいわ。行ってらっしゃい。私たちはまず、一階を片付けるから」「……うん」 おばあちゃんのお姉さんは、もう八十歳後半。家事をしによくその息子夫婦――つまり私のお母さんの従兄弟とその奥さんがここに来ていたらしいけど、施設に入ることが決まった。旦那さんが入っている施設に空きが出たので、そこで一緒に過ごせることになったらしい。 さっき布団で横になっているそのおばあちゃんに挨拶はしたけど、「元気かい。むかぁし、一度会ったことがあったね。今日は来てくれてありがとね。元気かい。むかぁし一度会ったことがあったね」と同じ話を何十回も繰り返していた。 一番、何度も繰り返す話は一つ。「颯太のね、漫画とか持ってってやって。大事にしてたんだよ。大事にね。でも颯太は男の子だからね。好みが違うかもしれんね。そしたらあの子にあげるからあの、あの――、助けた子にね。トラックから守ってやったんだよ、颯太がね。颯太のね、漫画とか持ってやって。大事にしてたんだよ」 その言葉を、何度も、何度も、涙をこぼしながら繰り返していた。私は黙って頷くことしかできなかった。 気持ちが重いし、遺品だと思うと正直あまり持って帰る気にはなれない。お母さんから「生きていた時のあの子の痕跡を残したいって気持ちが強いみたい。一冊でも選んでくれたら、たぶん気が済むと思うから」と説得されてここに来た。お母さんの従兄弟の子供はもう成人しているし、家も近いからという理由で、私にその役目が回ってきたというわけだ。 トントンと階段を上り、二階の部屋へ。 扉をギギィと開ける。 静かな、少し埃っぽい空気。 机の上には古そうなタブレットや勉強道具。 クローゼットには、学校の制服。「……本当に、そのままにしてたんだ」 どこか、懐かしい匂いがした。 理由は分からない。本の匂いかもしれない。なぜか胸がざわついた。 たくさんの漫画がギッシリと本棚に入っている。古いパソコンも置いてある。すぐ横には、ヘッドホンとゲームと、その設定資料集……? その表紙を見た瞬間――胸がドクンと鳴った。『星が空へと昇る世界で 〜L
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53.転生デビュー

 ――ピコン。 スマホの通知音が鳴った。 心臓が跳ねる。通知のアイコンには、小さな「①」。……ダイレクトメッセージだ。 誰からだ? フォロワーはまだ十人もいないのに。 俺がSNSを始めて三日。 名前は『転生人』。バナーには『平均身長を超えた』とデカデカ書いておいた。実際に今の俺の身長は、平均を超えている。これはもう間違いなく遺伝の影響だろう。親に感謝だ。 アイコンは、さっき変えた。 ウサギのフリー素材にしていたものの、オリジナルの「平均身長を超えたTシャツ」が届いたからだ。それを写真で撮ってアップした。 プロフィール欄には、いかに俺があのゲームを愛しているかを熱く語り、最後にこう書いた。 「こちらはニコラ×ラビッツを愛でるためのアカウントです」 昨日、『#今日も可愛い俺の嫁ラビッツ』というハッシュタグをつけて、二コマ漫画を投稿した。 一コマ目には「俺、もう我慢できないんだ!」と叫ぶニコラ。その背景に「キスしたいキスしたい」と心の声を並べた。二コマ目には「婚前交渉は駄目だからっ!」と真っ赤になって慌てるラビッツ。 憂いが晴れ、明るい未来を誓い合った、あの日のひとときだ。 もちろん、固定にした。 俺がかつての記憶を思い出したのは偶然だ。たまたまあのゲームのイラストを目にしたから、プレイした。あれを見ていなかったら何も思い出せないままだった。 今の彼女に偶然会えたとしても、俺のことを覚えていない可能性の方が高い。そのまま、すれ違ってしまう。 もし思い出してくれたなら――、俺との再会のきっかけになりますようにと。そう願って、アカウントを開設した。  震える指で、画面をタップする。 ▷はじめまして。漫画、見ました。私はあのゲーム、もう一つのアナザーストーリーがあってもいいと思っています。リュークとセイナが結ばれる未来。あなたは、その未来を知っていますか? 読んだ瞬間、頭が真っ白になった。「……ラビッツ……?」 名前を呼んだ途端、涙がぶわっと溢れた。必死に拭っても止まらない。 震える指で文字を打つ。▷知っています。セイナは天に還ったあとにもう一度あの世界へと現れ、ラビッツがセイナを義理の妹にしてくれて、彼らは結婚した。 すぐに、返事が届く。▷ニコラが動いてくれたから。「ラビッツだ!!!」 思わず叫んだ。 胸
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